平成23年度 第三、四回教育指導者養成コース開講 東北大学病院主催

REED通信 第4号
発行日 2011年 12月19日
REED通信 第4号
活動報告ページ
随時更新中
人事交流の実施
今後の予定
●2月14日 キャリアカフェ開催
初めての「人事交流」が実施されました。 人事交流の目的は、大
学病院看護師と保健学科教員とが学生や新人看護師が置かれて
いる状況についてより深く理解し、それらを教育に活かすこと。そし
神戸大学医学部附属病院 看護実践・教育開発センター
キャリアシステム・神戸REEDプラン
http://www.hosp.kobe-u.ac.jp/reed/
て、基礎教育と臨床のシームレスな連携を図ることです。今年度
は、保健学科の2名の教員が大学病院でひとりの看護師として勤
務します。
人事交流者第1号は、保健学科教員の上杉先生。10月
に内科病棟で3週間勤務されました。現場は先生が働
いておられた頃とはすっかり様変わり。実習指導で慣れ
平成23年度 第三、四回教育指導者養成コース開講
親しんでいるとはいえ、久しぶりの直接ケア、初めての
記録システムに、ワクワク(ドキドキ?)のご様子でした。
卒業生の仕事ぶりを見るのも楽しみだったとか。 2週目
第3回のテーマは、「成人の教育学」。開催したのは、10月16日(9
え方、教育に方法など、多くのことを学びました。特に印象に残っ
時から12時)でした。参加者は、コース対象者21名、院内聴講者4
たのは、新人看護師教育では「学び方を学ばせる」ことが大切であ
名、院外聴講者2名でした。研修目標は、「成人教育の考え方、成
るということ。これは、私たちのREEDプランが目指すところでもあり
人教育に関わる理論および成人教育の方法について理解する」で
ます。人がどうやって学ぶのかがわからなければ、「学ぶ学習者
す。内容は、生涯学習論と成人教育、「成人の学習」に関する理
(看護師)」を育てることはできない。教育者の教育能力は、相手が
論、成人教育の方法論です。 受講者は、事前に学習理論や成人
「できない」ほど求められる。教えるのではなく、共に学ぶという姿
学習論について自己学習して集まりました。前半は「対話的教育」
勢が大切。……日頃の自分の教え方を振り返り、なぜうまくいかな
を取り入れたグループワーク。対話を通して、学習理論、成人教育
かったかを考える機会となりました。 第3回、第4回の学びを、この
今回はリフレクション研修の前半戦。講師は神戸REEDプラン専任
の感情や相手の反応についての記載が少ないなど、自己の傾向
後の「リフレクション研修」につなげていきたいと思います。
看護師の池西氏です。まずはリフレクションの概念やプロセス、基
を把握しました。まず大切なのは、ありのままの自分を表現するこ
戸大学発達科学部 末本誠先生の講義を視聴しました。生涯学
本的スキルについて講義を受けた後、自己の価値観に気づくため
と。あなたはどのような教育観を持ち指導をしているでしょう。次回
習、成人教育を広い視点からとらえます。
のワークを少人数で行いました。
は、それぞれ記載した事例を使ってグループワークを行います。
第4回のテーマは、「看護学教育論」、「看護継続教育論」。同日の
その後、自分の教育場面における事例を一つ取り上げて記述する
午後(13時から17時15分)に行いました。講師は、甲南女子大学教
個人ワークを実施。途中には記述した文章を見直しながら、自己
1 に関わる理論について、理解を深めました。後半はビデオ講義。神
と最終日には「振り返りの会」を開催し、学生教育、新人
教育にどのように活かすかについてディスカッションしました。
詳細は、神戸REEDプランHPの活動報告へ
平成23年度 第五回教育指導者養成コース開講
リフレクション研修後半は、神戸REEDプランHPの活動報告へ
授 前川幸子先生です。研修目標は、「基礎教育の現状、学生の
臨床実践力の実態を踏まえながら、看護学教育の方法について
理解し、新人看護師教育に適用する」、「看護職者の生涯学習・継
続教育を推進する上での課題と自らの役割について考え、新人看
護師の育成および部署の教育体制整備に活かす」です。教育の考
2011年10月~12月
●10月16日 平成23年度 第三、四回教育指
導者養成コースの開講
東北大学病院主催の講演
「看護職がいきいき働くしくみ」へ参加
●10月16日 東北大学病院主催講演へ参加
●10月17日 人事交流の実施
●10月29日,11月12日 平成23年度 第五回
①②教育指導者養成コースの開講
●11月2,3日 岡山大学主催公開フォーラ
ムへ参加
●11月5日 日本看護学生キャリア教育学
会セミナーへ参加
●11月19,20日 医療の質・安全学術学会へ
参加
●11月21,22,23日 第31回医療情報学連
合大会へ参加
●12月2,3日 看護科学学会へ参加
●12月15日 第四回 教育指導者の会開催
先日、GP事業選定校東北大学病院主催の講
まもなく超少子高齢化をむかえるこの社会、私
演会「看護職がいきいき働くしくみ」に参加しま
たち看護職は死ぬまで働き続けなければ人員
した。県内外合わせて約300名もの方が参加さ
は不足するようです。 個人がキャリアマネジメ
れており、キャリア開発に対する関心の高さを
ントできること、そのために組織としてどのよう
感じました。 内容は、東北大学看護キャリアプ
な支援していくか、今後の活動に向けて参考に
ロモート支援システム開発の概要説明の後、現 なる一日でした。
場看護者と管理者の視点からキャリア支援開
発に関する講演がありました。
平成23年度
教育指導者養成コース受講者
岡山大学病院 ネットワーク強化会議および公開フォーラムへ参加
文部科学省大学教育改革推進事業「看護師の人材育成システム
の確立」ネットワーク強化会議と公開フォーラムには、GP採択校で
看護職のキャリアは、個人・組織の中で完結
ある12大学が参加していました。強化会議では、今後のプロジェク
するものではなく、社会の動向を踏まえたマネ
トの発展と連携について、ディスカッションを行いました。私たちの
ジメントの視点から考える必要があること、ま
現在の取り組みが、良い教育につながり、さらには看護界の飛躍
た、自病院や自大学という視野ではなく、全国
につながるよう、12大学が協力し合って盛り上げていくことの大切
で生涯働き続けられる看護師を育てていく視
さを実感しました。公開フォーラムでは、各大学の事業内容や進捗
点が必要であると語られていました。
状況を知り、また意見交換をすることで、今後の事業推進の参考と
なりました。
REED通信 第4号
日本看護学生キャリア教育学会セミナーへ参加
第6回 医療の質・安全学術学会へ参加
「日本看護学生キャリア教育学会」は、日本で初めて学部もしくは
択するためにも、病院が何をめざし、どのような人材を求めている
医療の質・安全学会学術集会には、主にヒヤリハット報告の分析
グしていけば良いのかを考え、教育プログラムの作成につなげて
職業を限定したキャリア支援をおこなう団体として、2009年に発足
かを明確に示す必要があることを再認識しました。今回のセミナー
方法や医療安全に関するシュミレーション教育などについて、最新
いきたいです。そして、来年度の医療の質・安全学会学術集会で
した学会です。今回私たちはこの学会セミナーで、「文部科学省
で学んだことを、事業取り組みに活かしていきたいと思います。
の情報を得て、事業展開に活かすことを目的に参加してまいりまし
は、「神戸REEDプラン」として上記の内容について発表をしてまい
現代GPの取り組み紹介」として、『キャリアシステム・神戸REEDプ
た。東大の秋山先生からは、ヒヤリハット情報のデータの構造化に
りたいです。
ラン』について講演する機会をいただきました。看護系大学教員、
より、利活用の発展につながることや、全ヒヤリハット報告のうち、
一般(看護以外)の大学教員、キャリア支援センター職員、臨床看
与薬と転倒転落が3-4割を占め、これは日本に限らず世界的に見
護師など、さまざまな職種の方々からご意見を伺うことができ、有
ても同じ傾向にあるということなど、多くの情報を得ることができま
意義な機会となりました。学会セミナーではこのほか、カンファレン
した。医療安全への取り組みについては、阪大の中島先生から患
ス「臨床と学校の連携を考える」、人材開発講座「キャリアカウンセ
者教育プログラム開発についてなど、その他にも興味深いお話が
リング事例」、看護学生キャリア教育ミニレクチャー「就職指導では
沢山ありました。我々も引き続き、ヒヤリハット報告の分析を進めて
何を教えるべきか」が開催されました。今回のセミナーに参加し、
いき、問題を明確化し、リフレクションによってどのようにトレーニン
基礎教育の段階からキャリア教育を行うことが重要であることを感
じました。また、病院は看護学生が自身で進むべき道をきちんと選
「教
第31回 医療情報学連合大会へ参加
11月21日から23日までの3日間、鹿児島で第31回医療情報連合
看護の現場では、業務改善や教育評価、研究など、さまざまな目
大会(第12回日本医療情報学会学術大会)が開催され、示説発表
的で「調査」が頻繁に行われるようになりました。私たちが取り組ん
育指導者」。ちょうど1年前、この言葉に圧倒
れませんが、どちらか一方が欠けては成り立たないなと
されながら指導者コースの研修を受け始めた
よく思うのです。相手の考えが分かり、自分の思いが伝
記憶があります。経験年数が片手程度しかない自分
わった上で、互いに一つ前に進めたと感じた時、うれしく
に、果たして務まるのだろうかという不安が強かったた
思う気持ちに気づきます。
めと思います。
2 を行いました。演題は、「キャリア開発支援システム『ナースナビ』
でいるこの事業でも、研究的に取り組むということが求められてお
における調査機能の改良」です。当院看護部は、2005年に個人と
り、いくつかの調査を行っています。調査の目的は、データの収集
この役割を担ってから早くも9ヶ月が過ぎようとしてい
組織の視点からキャリア開発を支援するソフトウエア「キャリア開
ではなく、収集したデータを分析して活用することです。今回のシス
る今、改めて感じていることがいくつかあります。中でも
らえるこの経験をチャンスだと思い、教育指導者という
発支援システム:ナースナビ」を開発し、運用しています。ナースナ
テム改良では、統計学的分析を可能とするよう、調査結果の出力
特に、伝えようとする気持ちと、相手を理解しようとする
役割を担う機会を与えていただけたことに感謝していま
ビには、キャリア発達を支援するコンテンツ、人材育成や人材活用
形式の検討を行いました。ナースナビの調査機能を活用しながら、
気持ちの大切さです。教育指導の場に限らないかもし
す。
など人的資源管理を支援するコンテンツなどがありますが、それら
REEDプランの取り組みを進めていきたいと思います。
あ
る時、患者さんから看護師は看護師となった最
見ながら指導するよう変化しています。周りのスタッフも
初から専門職なのか、それとも、成長のなかで
新人を気にかけ、チームで動くことを意識して声をかけ
専門職になるのかと尋ねられたことがあります。私は、
てくれます。私自身は教育計画に関わり、教育的風土
後者だと思っています。今、新人の指導に関わり、多く
づくりを含めて部署を良くしていきたいと全体的な視点
の成長を見ています。新人はもちろん、実地指導者、支
を持つようになりました。看護師として看護実践を通して
8南 徳永さん
に関連した調査を行う機能が備わっています。今回はその調査機
能の改良について報告を行いました。
9南 上田さん
えるスタッフ、そしておそらく私自身も。新
の成長はもちろんですが、新人を育て
人は病棟の特徴である生活援助に追わ
ることで、自分を含めたスタッフが育ち、
れながらも、技術を覚え、患者を気にかけ
チームとしても育つことが、大切だと
るなど成長しています。実地指導者は相
思っています。
手を理解し、時には待ち、相手の反応を
「リ
救急・放射線 畑さん
教育=協育=共育•••なんてことを考えたりする今日こ
の頃です。今では不安よりも、多くのことに気づかせても
フレクション」「コーチングスキル」・・・聞くだけ
で、理解し合い、ともに成長していけるのだということを
で、気が重くなる方は、私だけではないと思
学びました。自分が行った看護や、後輩指導の場面をリ
います。今まで、部署の教育委員として、後輩指導にあ
フレクションすることで、相手の思いや、とらえ方を多角
たってきました。それは自分の経験や思いを押しつけて
的に振り返ることもできました。教育指導者コースを受
いるのではないかと自問自答する日々でもありました。
講した人だけでなく、後輩指導にあたるすべての先輩
そんな中、この教育指導者コースのお話をいただき、是
が、また先輩がどんな思いで指導してくれているのか気
非学びたい!と思い、引き受けることにしました。初めて
づくためにも、多くの後輩がこのコースに興味を持ち、と
教育指導者同士でグループワークをした時、大きな木
もに学ぶ姿勢を持ち続けることができたら、いろんなとこ
のいろんな場所にいる人を自分に置き換えて自己紹介
ろで、看護を語り合える場ができると思います。自分自
することがありました。同じ絵をみても感じることが違う
身も語りあう場に入り、日々成長していきたいと思いま
こと、だからこそ一方的ではなく、お互いに語り合うこと
す。
活動報告ページ絶賛更新中!
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