感染症センターの話を受けて

感染症センターの話を受けて
福岡県に必要な施設だが、大変な話
何故、当院が選ばれたのか?
大変なことにならないか?
不安でいっぱい。
医療はサービス業?
我々医師は人の話しを聞いているのか
病院(医師)は利用者(患者さん、地
域の医師や看護師)の意向に沿って
サービスを提供する姿勢が薄い。
役所や学校と比べても、勝負になら
ないことに愕然としました。
当院が感染症センターを
引き受ける条件
感染症センターへの不安が払拭される。
古賀の皆さんに理解を頂く。
古賀市の医師以外の人とも話してみたい。
皆さんの不安な思いを可能な限り集めたい。
感染症センターの活用法を考えてみたい。
在り方検討委員会
感染症センターに留まらず当院の明日を考える
有識者の声を聞き、感染症センターをみてみる
• 地域医療に果たす役割と達成の道筋
• 感染症に果たす役割と地域への影響
• 地域からの要望の把握とその達成
• 委員:古賀市長、副市長、保健福祉部長、
市議会議長、文教厚生委員長、古賀市区長会会長、
九州大学病院長、粕屋医師会長 顧問弁護士、
院長、副院長、事務部長、看護部長
こども病院と福岡東医療センターの立地条件
福岡市立こども病院・感染症センター
16,900㎡
国立病院機構福岡東医療センター
185,786㎡
こども病院は数多くの施設が建て増しされ、感染症センターは建物内の特定フロアー。
当方の感染症センターは独立の建物が建築可能である。
当方では、感染症患者と一般患者、清潔物と汚染物の導線(通る道)が交わらない。
当方では、隣接の公道、住宅地までの距離が長い。
こども病院(他病院)との設備の比較
こども病院
• 既存の建物・設備を感
染症センターの基準に
照らして認可。
法的規制に準拠
• 感染症と一般患者の通
り道を分離したICUはな
い。
• 1類・2類感染症患者
の入院は新型インフル
エンザだけであった。
福岡東医療センター
• 法的規制を順尊した建
物・設備を建てる予定
法的規制そのまま
• 感染症と一般患者の通
り道を分離したICUを建
設する。
• 既存感染症センターに
比べて遙かに完璧な設
備が予定されている。
導線を分離した陰圧ICU
感染症と一般の患者さんの通り道(導線)が交わらない
陰圧(部屋の中の空気圧が外より低い)ICUを作る
• 重篤な状態の患者が在室するICUに感染症
患者を収容することは困難でした。
• 新型インフルエンザが流行した際、未解決の
課題でした。
• 一般患者と同様に、インフルエンザ、結核や
耐性菌等の感染症患者を、他の患者さんを
危険に晒さず、ICUに収容することができる。
感染症とは
国は発病までの期間が短く、致命率が高く、
特効薬のない感染症を第1類感染症(エボ
ラ出血熱) 、第2類感染症(新型インフルエ
ンザ・SARS)に指定し、隔離病棟に収容する。
感染症は他に、結核、MRSA(薬が効きにく
い)、AIDS、インフルエンザ、肺炎、B型・C型
急性肝炎(肝臓がん)等々、細菌からウイル
スに至る多くの種類がある。
平成18年度死因別死亡者数
全国死亡者数 1,084,450人
人
350000
3 2 9 ,3 1 4
300000
250000
200000
1 7 3 ,0 2 4
150000
1 2 8 ,2 6 8
1 0 7 ,2 4 2
100000
2 ,2 9 6
5000
865
60
0
全
世
界
7
3
名
※
平
成
十
三
年
エボ ラ
エイ ズ
イ ン フ ル エ ンザ
MRSA
結核
肺炎
脳血管疾患
心疾患
悪性新生物
0
1 ,3 1 1
福岡東医療センターの試み
感染症への対処
感染症は数限りなく存在し、対処も多岐に亘る
1. 感染源・感染経路を断ち切る。
2. 病院(医師)が抗生物質等で対処する。
3. 病院と地域の医療機関・住民が共同で感染
症に立ち向かう。
感染源・感染経路を断ち切る
感染症センターの陰圧病床は地域の宝である
感染症は発見、診断されるまでが危険
感染症を疑った時は
一般病床の個室や、自宅に隔離していた。
感染症センターでは、発熱外来で診察し、
診断が確定するまで、陰圧病床に隔離する。
当該地域では感染症の流行が抑制される。
病院と地域の医療機関・住民が
共同で感染症に立ち向かう。
言うことは容易いことですが大変、難しいことです。
共同行為には、相互の密接な対話が不可欠です。
• 新型インフルエンザの流行際、病院は医療
機関同士でも対話不足で大変困りました。
• 粕屋北部在宅医療ネットワークを5年間やっ
て、やっと、地域の本音が聞けました。病院
の情報がまだ十分伝わっていないそうです。
• 情報共有のないシームレスな医療はない。
感染症対策
全ての感染症に病院の総力をあげて、
地域全体の感染症防御体制を強化します。
福岡東医療センターの総力
在宅ネット、在り方検討委員会を介した地域との繋がり
院内の感染症に関する専門医集団
感染症医療チーム(ICT、褥瘡、口内ケアー他)
病院での生活指導
家庭での生活指導で疾病の発症を予防する
病院の専門的な指導をかかりつけ医と家庭に送付
どこの病院も始めていない試みで、感染症の専門医の
参画を一日千秋の思いで待っています
•
•
•
•
•
清潔(感染症の予防) 感染の専門医と看護師
褥瘡(床ずれの加療) 皮膚科と感染症医師
栄養指導(栄養状態の改善、メタボの指導)
がん緩和(がんの痛みの管理)
口内ケアー(肺炎の予防) 口腔外科、感染症
病院から地域への情報伝達の難しさ
病院は利用者の意向や要望を収集する部署がない
• 医師は膨大な患者情報の全てを把握してい
るわけでない。
• かかりつけ医(元勤務医)は勤務医のことを
承知しているが、勤務医はかかりつけ医の思
いや悩みが判らない。
• 急性期病院と地域の看護職の教育、就業経
験の共通性は医師に比べて少ない。
病院と地域が情報を共有し、
活用するには
地域の医療機関、行政機関と試みています
1、病院が地域が求める情報を把握・提供する。
2、最小限の人的負担で情報を地域に伝える。
3、病院と地域が共通の表現で語り合う。
地域が求めることを提供する
• 地域の看護師、医師の話しを聞きました。
• 病院が地域の看護職を招聘し、本音の要望
を聞き、病院の看護職と議論を重ねました。
• 病院の看護師の観察や記録のやり方を変え
、地域の看護職への添書(手紙の)の中身も
変えてみました。
大変、喜ばれました。
• 地域の看護職、近隣の病院の看護師、行政
の看護職と定期的な会合を設けています。
地域交流学習会
院内87名、院外56名(医師、看護職、介護支援職、介護福祉士他)
地域交流学習会
院内87名、院外56名(医師、看護職、介護支援職、介護福祉士他)
褥瘡のケアについて
院内87名、院外56名(医師、看護職、介護支援職、介護福祉士他)
0% 2%
0%
2%
十分理解できた
27%
69%
2%
十分理解できた
6%
24%
理解できた
理解できた
あまり理解できなかった
あまり理解できなかった
理解できなかった
理解できなかった
68%
回答なし
・ 改めて評価の意義を知る事ができた。
・ 在宅での褥瘡ケアの仕方が分かりよかった。
・ 創状態による軟膏の選択が分かりやすかった。
・ 評価方法がある事を知らなかったので、今後活用したい。
回答なし
福岡東の思い
全てが自らの思いを述べ、全ての思いに耳を傾け
粕屋北部在宅医療ネットワーク
在り方検討委員会(医師以外が多数)
傍聴を可能にしました
さらに開かれた病院へ
(在り方検討委員会の提言)
感染症との戦い
福岡東医療センターの可能性
皆さんの疑問や不安は
新たな試みの母です。
ご発言やご提言をお待ちしています。
感染症センターの
利害得失を考えてみました。
感染症センターは地域にとって
有益なことが多いと考えています。
皆さまのご意見はいかがでしょうか