平成28年8月1日開催 調 査 総務教育常任委員会資料 調査事件3 その他所管に関する事項について (新たなまちづくり法人設立について) 企 画 課 〇調査事件3 第1 その他所管に関する事項について (新たなまちづくり法人設立について) 新たな法人設立に向けた取り組み経過 新 た な 法 人 設 立 に つ い て は 、昨 年 10 月 中 旬 に 鳴 海 町 長 か ら 、ま ち の課題とニーズに基づき新たに若者の雇用を掘り起こすために、本 年 11 月 で 3 年 の 任 期 を 終 え る 地 域 お こ し 協 力 隊 員 を 中 心 に 設 立 に 向 けた取り組みを進めるようにとの指示がありました。併せて、それ まで産業課商工グループの配置から企画課に配置転換し、企画課と 共 同 し て 進 め る こ と と し ま し た 。昨 年 10 月 か ら 本 年 7 月 ま で の 取 り 組み実績は、次のとおりです。 ■表-1 年 月 内 容 H27.10 ・まちづくり法人設立検討開始 ・設立趣意書検討開始 ・事業計画検討開始 H27.11 ・株式会社まちづくり木曽福島資料参照 ・組織概要(形態等)の検討開始 ・設立に関する打ち合わせ会議(庁舎内) ・町内関係者訪問開始 H27.12 ・公共施設等の収支調査(吉岡温泉、福島町観光協会) ・ NPO 法 人 松 前 ま ち づ く り フ ォ ー ラ ム 聞 き 取 り 調 査 ・井 上 弘 司 氏 町 内 視 察 ~ 新・地 域 再 生 マ ネ ー ジ ャ ー 事 業 の紹介を受ける ・ふるさと財団訪問(申請前の事前打ち合わせ) ・ふるさと財団訪問時のプレゼン資料作成 H28.1 ・ふるさと財団訪問 ・設立準備会規約案作成 ・新・地域再生マネージャー事業申請書作成開始 H28.2 ・新・地域再生マネージャー事業申請書提出 ・人 材 育 成 等 の 制 度 設 計 の た め の 懇 談 会 参 加( 法 人 設 立 のプレゼン) H28.3 ・「 ふ く し ま 町 ま ち づ く り 推 進 機 構( 仮 称 )」設 立 準 備 委 員会を設置 ・第 1 回設立準備会開催 ・第2回設立準備会開催 ・人 材 育 成 等 の 制 度 設 計 の た め の 懇 談 会 参 加( 法 人 設 立 のプレゼン) 1 H28.4 ・新・地域再生マネージャー事業起案 ・北海道福島会総会出席(会員へ個別説明、周知) ・ふるさと財団訪問(町長単独) ・外部人材招聘(第 1 回)井上弘司氏、吉川京二氏 ・外部人材招聘(第 2 回)唐橋 宏氏 ・千軒地区活性化実行委員会総会出席 ・東京農業大学オホーツクキャンパス訪問 ・外部人材招聘(第 3 回)井上弘司氏、吉川京二氏 H28.5 ・第 3 回設立準備会開催 ・初期経費(概算)積算開始 ・法人定款(素案)作成開始 ・5 か年計画作成開始 ・第 4 回設立準備会開催 H28.6 ・第 5 回設立準備会開催 ・千軒そば屋つゆ(返し)試作立合い ・福島町を元気にするフリーディカッションに参加 H28.7 ・定款素案検討 ・第 6 回設立準備会開催 ・町長、副町長、関係課長との協議 ・固定概算経費積算 ・千 軒 そ ば の 花 鑑 賞 会 協 議( 集 客 U P 作 戦 。千 軒 そ ば ド ーナツ試験販売等) 2 第2 新たな設立法人の概要、運営内容の骨子について 1.設立する法人の趣旨(目的) 設立する法人の趣旨(目的)は、ふくしま町まちづくり推進機構 (仮称)設立準備会の設立趣意書の内容としています。 (1)自らの手で 福 島 町 で は 、 平 成 21 年 度 に 「 福 島 町 ま ち づ く り 基 本 条 例 」 を 制 定 し 、 町民、議会、行政が協働した福島町の活性化を目指しています。 しかしながら、町民が参画する機会や仕組みが十分に整備されていると は言い難く、それらの形成が急務となっています。まちづくりを行政ある いは観光協会や商工会に委ねている現状から脱却し、自分たちが住むま ち、子どもたちが育っていくまちを自らの手で創り上げていかなければな りません。公が主体となって動くまちづくりからの脱却が必要です。誰か がやってくれるのを待つのではなく、自分たちのまちは自分たちで創り、 守り、伝えることです。これらを町民自らの手で実践するために新たな法 人を設立しようとするものです。 (2)若い世代が盛り上がる 過疎化高齢化が加速度的に進んでいる町です。とは言え、若い世代がい ないというわけではありません。若い世代がまちづくりに関心を持ち、積 極的に参加できる機会の創出に寄与します。まちづくり(に関する仕事) をして収入を得る体制を構築します。まちづくりをする→生活できる→福 島町が活性化するという仕組みを築き、若い世代が安心して暮らせる組織 を目指します。 ま た 、 勉 学 や 見 聞 を 広 げ る た め に 都 市 部 に 出 て 行 っ た 若 者 が 、「 や は り 地 元 で 暮 ら し た い 」、「 地 元 の た め に 外 で 勉 強 す る 」 と 思 え る よ う な 環 境 を 創りだし、人口流出の歯止めを担います。 (3)外からの視点・・・・客観視 地域の人だけでは「木を見て森を見ず」とういう状況に陥りやすいと思 います。外からの目線を用いれば「いつもあるモノ」が「貴重なモノ」へ と変化します。福島町にある未だ活用しきれていない資源をフルに活用 し 、「 福 島 町 へ 行 か な け れ ば 体 験 で き な い 」「 遠 い け ど ア レ が あ る か ら 福 島 町へ行こう」と思わせるようなコンテンツの醸成を目指します。 (4)机の前に、まずはフィールド 民間主導のまちづくり、観光誘客を行うことで、現場重視・お客様目線 での活動展開を図り、福島町の素晴らしさを内外へ発信します。訪れた 人 々 が 「 こ こ は す ご い 」「 こ れ は 美 味 し い 」 と 評 価 し て く れ る こ と に よ り 、 「いつもあるモノ」が実は外から見たら大変貴重であり、そういう資源が 沢 山 あ る 福 島 町 は ど こ に も 負 け な い 素 晴 ら し い 町 だ と 町 民 が 認 識 し 、「 私 のまちはすごい」と誇りを取り戻すキッカケになるような活動を展開しま す。 いまあるものは何か。強みをもっと強く。弱みを強みに。そして何が求 められているのか。これらを的確に分析し、それに合ったカタチで提供し ます。そのためには、現場重視・お客様目線が欠かせません。この主義を 貫き通すことで、福島町への人の流れや福島町のファンを創ることを目的 の一つとしています。 3 2.設立する法人態様、規模等について (1)設立する法人態様について 新しく設立しようとする法人態様につては、表-2の比較のとお り 6 つ の 形 態 を 検 討 し ま し た 。検 討 の 結 果 に お い て 、 「一般社団法人」 とすることが、設立法人の趣旨(目的)及び設立時の社員数が少人 数で良いこと、事業に制約がないこと及び設立手続きの簡易性等が 他 の 態 様 と 比 べ て 優 位 性 が あ る と 判 断 し 、 平 成 28 年 11 月 1 日 の 設 立を目標としています。 また、一般社団法人設立の流れは、次のようになっています。 ■表-1 年 月 H28.9 内 容 ①設立時の社員 2 人以上が集まって法人化を決定 ②定款の作成 ③公証人役場で定款の認証を受ける H28.10 ④設立書類の作成 ・定款、設立時代表理事選定書、印鑑届出書等 ⑤主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記 の申請 H28.11 ⑥ 登 記 完 了 後 、登 記 事 項 証 明 書 や 印 鑑 証 明 書 を 取 得 す る H29.1~ ⑦ 各 役 所 へ( 税 務 署 や 年 金 事 務 所 )へ 法 定 の 届 出 を 行 う 4 ① 法人態様の比較について ■表-2 株式会社 (小規模) 合同会社 ①根拠法律 会社法 会社法 ②法人格 ③設立手続 ④登記 ⑤責任 〇 〇 〇 有限 〇 〇 〇 有限 制約なし 制約なし 項 目 ⑥資本金 ⑦株主総会 必要 ・取 締 役 は 1 名以上から で取締役会 は任意 ・設置する 場合は 3 名 以上 ・取締役の ⑧取締役会 任期は原則 2 年 ( 10 年 まで延長可 化) ・書面議決 も可能 ⑨監査役 任意 ・意思決定 は社員の過 半数で行う ことが原則 ・業務執行 社員を定め たときはそ の過半数で 決定 ・任意 監査員の任 期は原則 4 年 ( 10 年 ま 任意 で延長可) ・取締役会 を設置した 場合は強制 法人比例課 法人比例課 税 税 ⑩税金 ⑪諸届出 ⑫決算公告 ⑬利益配分 ⑭㈱への組 織変更 ・設立登記 が必要 ・税務署へ 開業届、青 色申告の届 出が必要 〇 株式応じて 配分される ・設立登記 が必要 ・税務署へ 開業届、青 色申告の届 出が必要 × 定款で自由 に決められ る - 可能 有限責任事 業組合 一般社団法 人 公益法人 公益財団法 有限責任事 一般社団に 人に関する 業組合法 関する法律 法律 × 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 有限 有限 有限 300 万 円 以 制約なし 制約なし 上 必要 なし なし ・組合員全 ・理事 1 名 ・理事 3 名 員が経営に 以上 以 上 、監 事 1 参加 ・理事会を 名以上、理 設置する場 事会、代表 合 は 、理 事 3 理 事 を 置 く 名以上、監 事 1 名以上、 代表理事を 理事の中か ら選定 × × 〇 NPO NPO法 〇 〇 〇 有限 制限なし なし ・理事 3 名 以 上 、監 事 1 名以上を置 く 〇 組合員へ配 分、他の所 得と通算し て所得税課 税 ・設立手続 きが簡単 非営利部門 は非課税、 減免対象 公営業務の 非営利部門 ため非課税 は非課税、 減免対象 ・設立手続 きが簡単 ・設立手続 きが煩雑で 時間がかか る ・設立手続 きが煩雑で 時間がかか る × 組合規約で 自由に決め られる 〇 〇 〇 × × × - - 不可能 5 公益法人へ の移行が可 能 項 目 株式会社 (小規模) 合同会社 ・取締役会 や理事会、 監査役を置 かなくて良 い。一人で も設立可能 ⑮特に違う 点 ⑯メリット ⑰デメリッ ト 有限責任事 業組合 ・有限責任 と自由な内 部自治を両 立した民法 上の組合 で、出資者 間で内部自 治の決まり ごとを柔軟 に決定可能 ・2 名 以 上 で 設立できる 一般社団法 人 ・H20 に 法 律 施行されて 以来、年々 数が増えて いる 公益法人 NPO ・理事 3 名 以 上 、監 事 1 名以上、評 議員 3 名以 上の 7 名以 上が必要 ・いきなり 財団法人の 設立はでき ないことや 監督官庁へ の手続きが 煩雑で膨大 ・営利を目 的としない ものである こと(利益 を社員で分 配しないこ と) ・役員のう ち報酬を受 ける者の数 が、役員総 数の 3 分の 1 以下 ・社 員 10 名 以上 ・ 20 の 特 定 非営利活動 に限定 ・社会的な 信用が得や すい ・契約の主 体が団体に なり、資産 の管理や事 業を請け負 いやすくな る ・取引先等 から信頼を 得やすい ・融資や資 金調達の幅 が広がる ・責任は出 資範囲 ・企業会計 の複式簿記 で会計が明 朗 ・設立手続 きが簡単 ・理事会や 総会を開催 しなくても 良い ・簡易な簿 記で良い ・ 企 業 同 士 、・ 社 員 2 名 個人間で共 から設立で 通目的達成 きる の連携可 ・同じ非営 ・ 設 立 手 続 利 NPO 法 人 きが簡易 に比べて制 ・登録免許 約が少ない 税や印紙税 ・設立時に 法の一部に 官庁の許認 非課税あり 可が不要 ・設立後も 監督官庁の 許認可が不 要 ・事業に制 約がない ・最も信頼 度は高い が、基本的 には地方公 共団体によ る業務委託 型のみ ・設立手続 きが煩雑 ・法人税が かかる ・法人税が かかる ・責任が曖 昧 ・組合員が 第 3 者的に 陥りやすい ・給与はな く所得配 分、個人参 加が難し く、それぞ れが申告す る煩雑さが ある ・公的な業 務には向か ない ・公益社団 法人をいき なり設立す ることはで きない。従 来の社団法 人から移行 するか、一 般社団法人 を設立して から移行す るかのいず れかになる 6 ・剰余金の 分配(利益 配分)はで きない ・法人税が かかる ・その他事 業は特定非 営利活動に 係る事業に 支障がない 限り行うこ と ・その他の 事業で収益 を生じたと きは、その 利益を特定 非営利活動 に係る事業 のために使 用すること ② 設立する法人の主な内容(素案) ■表-3 項 目 内 容 税 制 上 の 区 分 非営利型以外 主 た る 事 務 所 松前郡福島町字福島 名 称 一般社団法人ふくしま町まちづくり推進機構(仮) 目 当 法 人 は 多 種 多 様 な 事 業 を 展 開 し 、福 島 町 の 活 性 化 に 寄 与 す る こ と を 目 的 と し 、そ の 目 的 を 達 成 す る た めに次の事業を行う。 ①福島町公共施設管理事業(指定管理者制度) ②観光関連事業 ③物品販売事業 的 ④飲食店事業 ⑤特産品(お土産品等)製作・加工事業 ⑥情報誌の発行事業 ⑦イベントプロデュース事業 ⑧ そ の 他 、当 法 人 の 目 的 を 達 成 す る た め に 適 当 と 認 められる事業 主たる事務所の 北海道松前郡福島町に置く 所 在 地 機 関 の 構 成 広 告 構 方 成 法 事務所掲示 員 正社員(当法人の社員)及び賛助社員 役 員 の 人 数 事 業 社 員 総 会 及 び 理 事 会・理 事 及 び 代 表 理 事 並 び に 専 務 理事及び監事を置く 年 ・ 理 事 : 3名 以 上 ・ 監 事 : 2名 以 内 度 毎 年 11月 1日 か ら 翌 年 10月 末 ま で と す る 設 立 年 月 日 平 成 28年 11月 1日 と す る 最 初 の 決 算 日 平 成 29年 10月 末 日 と す る 設 立 時 社 員 設 立 時 社 員 は 2名 以 上 と す る ※ 社 員 は 2名 以 上 必 要 で す 設 立 時 理 事 設 立 時 理 事 は 3名 と す る ※ 理 事 は 3名 以 上 必 要 で す 設 立 時 監 事 2名 以 内 と す る 基 金 基金の拠出を求める 7 ※設立する法人の内容は、設立時社員が共同して作成する定款で決定 されることになります。このため、表-3に示した内容は、「ふく しま町まちづくり推進機構(仮称)」設立準備会と町において、整 理した定款の主要項目の素案に基づいたものです。 (2)基金(資本金)の考え方について(素案) 一般社団法人の資本金は「基金」と呼ばれますが、株式会社の資 本金と似ています。 基金は一般社団法人に認められた財政活動基盤となる「拠出金」 となります。一般社団法人では、その構成員である社員が拠出をし なくても、設立できますが、法人を運営していくためには、一定の 資金がなければ困難です。基金は、社員や社員以外の人から、法人 の責任財産となる財産の拠出を受け、法人の基礎財産になるもので す。ただし、出資とは異なり、基金は一定の要件や合意のもとに、 返還義務を負います。これは完全に法人の財産となるわけではあり ませんので、法人の解散時には、基金は拠出者に返還されます。現 時点での新たな法人設立に向けた諸費用と基金設置の考え方は、表 -4のとおりです。 8 ■表-4 ( 単 位 ;円 ) 区 分 現金 ・基金 概算金額 ❶ 法人設立 に必要な 費用 内 容 ①登記関係 310,000 ・定款公証人手数料、定款に貼付す る収入印紙、登録免許税、定款の 謄本手数料、印鑑登録照明書、司 法書士報酬 等 現金・ 基金 1,610,000 ❷ 法人運営 に必要な 費用 ②事務用備品等関係 1,300,000 ・PC3 台、ホームページビルダー、 ホームページ作成委託料、電話回 線工事費、 インターネット回線工事費、印鑑 ( 実 印 、 銀 行 印 、 角 印 )、 会 社 ロ ゴ 作 成 費 、机 、椅 子 3 組 、デ ジ タ ル カ メラ等 ①事務所関係 1,060,000 ・家 賃( 公 共 施 設 の 想 定 )、光 熱 水 費 、 電話代、郵便料、レーザープリン ター、車両リース料、燃料代、文 房具、消耗品費 等 基金 18,390,000 ②人件費(2 年分) 17,200,000 (社会保険料等含む) ・事務局長 1 名、職員 2 名 ③予備費 ❶+❷ 130,000 20,000,000 〔補足説明〕 表 - 4 に 示 し た も の は 、平 成 28 年 7 月 時 点 で の 法 人 の 設 立 に 必 要 な費用と設立後から 2 年目の職員人件費を含め法人運営に必要な概 算費用です。法人が安定的に経営できるには最低 2 年は必要との考 え方から 2 年目の人件費を含めています。 こ の 中 で 、❶ の 費 用 に つ い て は 、 「ふくしま町まちづくり推進機構 ( 仮 称 )」設 立 準 備 会 に お い て 、新 た な 法 人 の 設 立 時 代 表 理 事 名 に よ り、 「 福 島 町 産 業 活 性 化 サ ポ ー ト 補 助 金 交 付 要 綱 」の 起 業 化 事 業 と し て 、補 助 申 請 を 行 い 1,000 千 円 の 財 源 確 保 を し た い と 考 え て い ま す 。 ❷の費用については、表-3にあるように、定款中に「基金」の 制度を設ける考えです。定款の内容については、今後、設立社員等 9 において決定していく事項のため、表-4は「ふくしま町まちづく り推進機構(仮称)設立準備委員会」と町において、整理した概算 費 用 に よ る も の で す 。 表 - 4 に よ る 基 金 の 必 要 額 と し て は 、 20,000 千 円 か ら 産 業 活 性 化 サ ポ ー ト 補 助 金 1,000 千 円 を 差 し 引 い た 19,000 千円になるものです。 (3)事業内容の骨子(素案) 設立する法人の主な内容は、表-3に整理しているとおりです。 その中で、法人設立後に直ちに事業を展開したいものと、数年後に 収益をめざし事業展開したいものは、次のとおりです。 ■表-5 区 分 事 業 内 容 ①福島町公共施設の指定管理受託 ❶直ちに事業を展 ②千軒そば・黒米を利用したスウィーツの販売 開したいもの ③岩部海岸のクルージング ①千軒地域活性化実行委員会の事業拡充 ②千軒そばの戦略的生産と販売 ❷数年後に収益を ③その他行政事務 めざし事業を展 ④ 他 の 公 共 施 設 の 指 定 管 理 受 託( 両 記 念 館 、道 の 開したいもの 駅など) ⑤福島町観光協会事務 次に、設立準備委員会と町において、整理した設立から 3 年間の 収支計画(素案)は、次のとおりです。 10 ■表-6 収入の部 項 目 H29 H30 ( 単 位:千 円 ) H31 指定管理者受託収入 35,700 35,700 35,700 利用料金制度収入等 6,700 6,700 6,700 青の洞窟クルージング 収入 5,400 7,500 10,800 千軒そばスウィーツ等 収入 4,400 4,400 4,400 海鮮バーベキュー収入 - 4,500 6,500 52,200 58,800 64,100 計 支出の部 項 目 H29 H30 H31 職員人件費(3 名) 8,600 8,600 8,600 事務所運営経費等 3,100 2,400 2,400 指定管理者受託分経費 37,900 37,900 37,900 青の洞窟クルージング 経費 3,000 2,700 2,700 千軒そばスウィーツ等 経費 3,500 3,500 3,500 海鮮バーベキュー経費 - 3,600 5,200 56,100 58,700 60,300 計 収支の部 項 目 H29 H30 H31 単年度収支 ▲ 3,900 100 3,800 累 積 収 支 ▲ 3,900 ▲ 3,800 0 11 また、設立する法人の役割と方向性のイメージは、次のとおりで す。 ■表-7 〇まちが抱える課題・ニーズ ・高齢化の問題 ・人口減少の問題 ・若者の働く場所の確保 ・行政スリム化の必要性 ・新たな観光の展開 ・道の駅の充実 〇地域おこし協力隊の定住 ・起業が難しい ・任期満了後の仕事探しが大変 ・風土に馴染むことが大変 ・住宅の確保が難しい ふくしま町まちづくり推進機構(仮称) ~まちづくり、若者定住の基盤・受皿、公の業務を補完~ 〇ビジネス事業 ・観光メニュー開発・販売 ・食メニュー開発 ・特産品を利用したスウィーツ の開発・販売 ・千軒そばの戦略的生産と販売 など ・ワンストップ観光案内 など 第3 〇公益的事業 ・公共施設の指定管理受託 ・福島町観光協会の管理受託 ※収入の基盤をつくる ・道の駅等の管理受託 ・行政事務の受託 など 地域おこし協力隊員の設立法人への組み込み方策 地域おこし協力隊は、地方自治体が都市住民を受けいれ地方自治 体 が 委 嘱 し 、一 定 期 間 以 上 、農 林 漁 業 の 応 援 、水 源 保 全・監 視 活 動 、 住民の生活支援などの各種地域協力活動に従事してもらいながら、 当該地域への定住・定着を図る取り組みについて、地方自治体が意 欲的・積極的に取り組むことができるよう、国として特別交付税で 支援をしています。 現在、当町には 3 名の協力隊員が任務に就いています。それぞれ の任務先は、企画課 1 名、産業課商工観光担当 1 名、産業課農林担 当 1 名 と な っ て い ま す 。こ の 中 で 、 「ふくしま町まちづくり推進機構 (仮称)設立準備会」に参画しているのは、企画課配置の 1 名とな っ て い ま す 。 当 該 協 力 隊 員 は 、 平 成 25 年 11 月 18 日 採 用 で 本 年 11 12 月 17 日 を 以 て 、 3 年 の 任 期 を 終 え る 予 定 で あ る こ と か ら 、 昨 年 10 月に町長が新たな法人の設立を進め自らの定住も図るようにとの指 示をしたところです。当該協力隊員は、設立準備会の中心的役割を 担い他の 2 名の準備会メンバーと共同し設立に向けて精力的に活動 に取り組んでいます。このような経緯から、当該協力隊員は新たに 設立する法人の経営者の一人として参画し、新たな法人の活動を通 じて福島町のまちづくりに取り組んでいただけると考えています。 また、他の2名の協力隊員については、新たな法人設立後に任務 中の派遣やインターンシップ的な形での参画に期待しています。 な お 、 新 た な 法 人 設 立 の 目 標 を 平 成 28 年 11 月 1 日 に 置 い て い ま すが、目標より遅れる事態が生じたときには、任期を終える協力隊 員の法人設立までの間の継続雇用も必要になると考えています。 第4 新・地域再生マネージャー事業(外部人材活用) の組み込み方策 新・地域再生マネージャー事業の趣旨は、各地域の地域再生のた めの課題が明確になっていて、その課題の解決に向け、市町村が戦 略・ビジョン等の策定に取り組んでいる段階において、実施体制整 備・基盤整備を進めることで地域住民が主体となった持続可能な仕 組みを構築するとともに、外部人材を活用して商品化・開発力整備 を進めることでビジネスを創出し、雇用に結び付けることにありま す 。今 回 は 、3 名 の 外 部 人 材( 講 師 )に 指 導・ア ド バ イ ス を い た だ き ながら進めています。7月末時点でのそれぞれの外部人材からのア ド バ イ ス 内 容 の 概 要 と 、こ れ に 対 応 し た 町 と 設 立 準 備 会 の 考 え 方 は 、 次のとおりです。 13 ■表-8 講師 井 上 弘 司氏 ○福島町アドバイザーとしての成果目標の概要 井上氏は、これまで 3 回福島町を視察しています。主に組織づくりにつ いてのアドバイスを受けています。 ア ド バ イ ス に 当 た り 、 ① 福 島 町 の 課 題 ( 大 き く 8 項 目 )、 ② 青 函 ト ン ネ ル 記 念 館 外 4 件 の 観 光 資 源 と し て の 課 題 等 の 整 理 、③ 福 島 町 の 業 務 目 標( 大 き く 2 つ )、 ④ 組 織 で 解 決 す る 課 題 の 絞 り 込 み ( ど の 課 題 を 解 決 す る か 、 組 織 の ミ ッ シ ョ ン ( 使 命 )、 組 織 の ビ ジ ョ ン ( 目 標 ) を 整 理 し 、 無 理 を せ ず、段階的な組織づくりを進めることが大事としています。 この内③の内容は、次のとおりです。 ■観光事業を中心とした「まちづくり会社」の創設支援 〇公共施設の管理は単なる管理ではなく外貨獲得の施設とする。 〇情報一元化・情報受発信拠点、道南の新しい観光拠点とする。 〇商品企画や販売が苦手な観光協会(行政が事務局)から、より民間に近 い公益法人化を図り、ビジネスチャンスを逃さない組織とする 〇着地型観光でなく、地域主導型観光を進める。 〇発展可能な組織として柔軟な体制づくりと行政依存から自立する組織 をめざした活動を行う。 〇町の課題を解決する「公益性」と町の活性化をもたらす「ビジネス」を 併せ持つ組織とする。 ■他の 2 名のアドバイザーと連携しつつ、町の資源発掘と商品化・ツアー 化を図る。観光分野は特に「食」が大切であり、両アドバイザーの成果を 活かすことを念頭に町サイドと丁寧な協議・アドバイスを実施したい。 ●町と設立準備会の考え方 上記の成果目標によるアドバイスを踏まえて、設立する法人は「一般社 団 」と す る 方 向 性 と し ま し た 。ま た 、設 立 す る 法 人 の 活 動 内 容 に つ い て は 、 上記③に示された項目の実現をめざして取り組む方向性としました。 14 講師 吉 川 京 二氏 ○福島町活性化戦略(観光及び食関連)の概要 吉川氏は、これまで 3 回福島町を視察しています。主に観光と食につい てのアドバイスを受けています。 概要は、次のとおりです。 1.基本コンセプト ①「食」と「観光」によるまちづくり。 〇北海道の新しい観光まちづくりの例になる。 〇南北海道の観光スポットという拠点。 〇近隣地域(知内町・松前町)を巻き込む。 2.内容 ①観光:青の洞窟めぐりアドベンチャークルージング(岩部地区及び漁港 を 活 用 )。 動 画 撮 影 → T V 、 Youtube 等 で 情 報 発 信 。 ②食:千軒そば+海の幸食べ放題等。 トンネル記念館駐車場活用によるランチ提供。 例)バーベキュー、昆布・わかめしゃぶしゃぶ、あわび踊り焼き、千 軒そばスウィーツ、ウニご飯、千軒そばにめかぶと山わさびを和 えたもの等。 3.事業性 〇収入 観 光 3,600 万 円 ラ ン チ 3,000 万 円 お 土 産 8,400 万 円 計 1 億 5 千 万 円 〇経費 プ ロ パ ー 職 員 人 件 費 1,000 万 円 ア ル バ イ ト 1,500 万 円 食 材 4,000 万 円 そ の 他( 岩 部 簡 易 ト イ レ 設 置 等 )1,000 万 円 計 7,500 千 円 4.課題 ①千軒そばスウィーツの開発。 ②お土産のリニューアル。 ③ あ わ び の 開 発 ( 生 産 で は な く 、 先 ず は 売 り 方 の 開 発 )。 ④ 船 ( 船 体 購 入 、 操 縦 者 、 ラ イ フ ジ ャ ケ ッ ト 等 整 備 )。 ⑤青の洞窟までの間、お客様を飽きさせない工夫。 ( イ ル カ ウ ォ ッ チ ン グ 、 歴 史 の 説 明 等 )。 ⑥ ラ ン チ レ ス ト ラ ン 等 の 整 備 ( 間 借 り 等 )。 ⑦漁師等、関係先の取り込み。 ⑧ 千 軒 そ ば リ ニ ュ ー ア ル ( 唐 橋 氏 )。 ⑨ランチレストランの場所の選定 ⑩ 近 隣 地 域 と の 連 携 ( 知 内 、 松 前 )。 ⑪ 旅 行 会 社 と の 連 携 ( J T B 、 近 畿 日 本 ツ ー リ ス ト 等 )。 ●町と設立準備会の考え方 戦略は福島町の地域素材を活用した新たな観光ビジネスとなっていま す。特に青の洞窟クルージングについては、すばらしい魅力のある素材で あ る と 認 識 し て い ま す 。 戦 略 の コ ン セ プ ト を 土 台 と し て 11 項 目 の 課 題 に ついて、一つずつ解決策を見出し、早期実現をめざして取り組む方向性と しました。 15 講師 唐 橋 宏氏 ○福島町そばの里構想の概要 唐橋氏は、これまで 2 回福島町を視察しています。主に千軒そばを中心 にアドバイスを受けています。 概要は、次のとおりです。 ◎今後の提案 1.そば屋の取り組み 千 軒 そ ば の 栽 培 は 2 人 、 7ha ほ ど で あ る が 、 そ の そ ば も 地 場 消 費 で き な い現状で、さらにそば屋を増やして競争の原理を生かし、さらなる誘客 を行う。現在、構想中の「会社設立」は大きな期待がもたれているが、 構成員の参加要請をうまくやらないとこの計画は実現しない。 2.新設する会社の役割 そ ば の 振 興 の 明 確 な コ ン セ プ ト 、将 来 構 想 、年 次 計 画 が 大 切 に な り ま す 。 構成員、持ち株比率、役割の明確化、現在のそば屋の処遇などがこれか らの作業になります。 3.福島町の農産物、海産物の活用 福島町は山林が多く、それも広葉樹が多いことから、現在生産している 「 横 綱 し い た け 」や そ の 他 の 天 然 き の こ や 、栽 培 の ま い た け 、ヒ ラ タ ケ 、 シメジなどの栽培計画や山菜の採取や栽培を進めて特産品に育てる。ま た、目の前の海を活用した海産物、特にするめいかや魚を加工して、売 り 込 む こ と に よ り 、加 工 施 設 で の 雇 用 も 生 ま れ 、企 業 、業 務 店 、居 酒 屋 、 レストランへの売り込みができる。その製品はインターネットなどの通 信販売を行う。加工では井上氏、売り込みでは吉川氏が担当しての提案 ができると思う。 4.千軒そば店 現在は千軒そばだけの名称で営業しているが、今後のことを考えると千 軒そば〇〇庵などの名称を付ける必要がある。千軒そばは町の特産の総称 と し て 、 各 店 舗 の 名 前 を 付 け る よ う に し て 、「 千 軒 そ ば 」 は 会 社 が 商 標 登 録を申請して、特定の人だけが使うことを防ぐ措置を考えるべきです。 5.福島町のオリジナルメニューの開発 福島町の特産品を活用したどこにもないオリジナルメニューを考えて 販売し、将来は町内の飲食店全体で販売し、町の名物にする。例 横綱そ ばちゃんこ鍋、山彦そば、海彦そば 6.イベントの開催 現在そばの花のイベントは開催しているが、今後は四季折々の風物、伝統 行事、旬の味を活用したイベントを計画、実施することにより交流人口の 増加を図る。そばや他の農産物の体験栽培を企画、募集してより町の距離 感を近くする。海産物のつかみ取りなども有効。 7.町外からの交流 会 社 が 主 催 し て 、「 ア イ ラ ブ 福 島 会 員 制 度 」 を つ く り 、 全 国 募 集 す る 。 会員には、ふるさと納税のように特典を付けて施設見学の割引券や年間プ レゼントを用意して、利用ポイントカードでランクを付けて商品を配布す る。 ●町と設立準備会の考え方 構想は千軒そばのブランド化、オリジナルメニューの開発、イベント開 催、町外からの交流人口増加施策などなっています。特に千軒そばのブラ ンド化に向けた取り組みについては、千軒そば生産会とも十分に協議しな がら取り組む方向性としました。他の項目については、数年後の実現をめ ざして取り組む方向性としました。 16 第5 新たな法人設立等に向けたスケジュール(予定) ■表-9 総務教育常任委員会による本件調査後の新たな法人設立等に向け た大まかなスケジュール(予定)は、次のとおりです。 年 月 内 容 H28.8 ①公民連携アドバイザー派遣事業への参加(指定管理者制 度の研修) H28.9 ①新たな設立法人の態様等を決定 ②上記①による町内各層に法人への参画を募る ③指定管理者制度導入に向けた資料作成等準備(行政) H28.10 ①設立時社員及び役員の決定 ②設立役員による定款及び事業計画等の決定 ③司法書士による定款認証の手続き及び法人設立登記 ④指定管理者制度導入に向けた資料作成等準備(行政) H28.11 ①新たな法人設立 ②法人の本格運営に向けた諸準備 ③町内外に法人への会員(正会員、賛助会員)加入を募集 ④指定管理者制度導入(案)の決定及び議会説明(行政) H28.12 ①法人の本格運営に向けた諸準備 ②町内外に法人への会員(正会員、賛助会員)加入を募集 ③指定管理者制度導入に伴う条例改正を議会提案(行政) H29.1 ①法人の本格運営に向けた諸準備 ②町内外に法人への会員(正会員、賛助会員)加入を募集 ③指定管理者の公募(行政) H29.2 ① 平 成 29 年 度 事 業 年 度 の 事 業 計 画 及 び 予 算 決 定 ②町内外に法人への会員(正会員、賛助会員)加入を募集 ③指定管理者、指定期間、債務負担行為を議会提案(行政) H29.3 ① 平 成 29 年 度 事 業 年 度 の 事 業 に 必 要 な 契 約 等 の 手 続 き H29.4 ①本格運営 17 第6 新たな法人設立に伴う町の支援内容の考え方 新たなに設立しようとする法人は、若い世代が主体となり、自ら 積極的にまちづくりに参画し、自分たちのまちは自分たちで創り、 守り、伝えることを理念としています。このような理念の下に、町 民を巻き込む形での法人設立は、町の長年の課題でもありました。 今般、町長の指示により、地域おこし協力隊員を中心に法人設立 に向けた環境が整ったことは、町の将来のまちづくりに大いに役立 つものと考えています。 このようなことから、町としても新たな法人の円滑な設立と運営 に対して、次のような支援内容を検討しています。 (1)基金(資本金)に対する支援 前述の「基金」に記述しているように、設立後の法人運営にはど うしても資金が必要になります。今後、設立社員等において基金の 設 置 及 び 必 要 額 を 決 め て い く こ と に な り ま す が 、9 頁 の 表 - 4 の 概 算 額 の 試 算 で は 19,000 千 円 と な っ て い ま す 。町 民 各 層 か ら の 基 金 募 集 はどの程度の金額になるかは不透明ですが、町としては試算額の 2 分の 1 程度は支援する考えでいます。 (2)新たな法人の事務所に対する支援 新たな法人が自ら事務所を用意して運営するのは、当面は厳しい と考えています。このため、設立準備会との協議においては、役場 庁舎内の一部スペースを事務所として無償貸与する考えでいます。 (3)公部門の業務委託に向けた環境整備の支援 新たな法人が公部門の業務委託の機会を増やすことを目的とした、 平 成 29 年 度 か ら の 吉 岡 温 泉 の 指 定 管 理 者 制 度 の 導 入 を 視 野 に 入 れ た 、 必要な手続き及び予算措置を行う考えでいます。併せて他の公共施 設の指定管理者制度の導入に向けた事務を進めます。 なお、福島町観光協会の業務委託に関しては、新たな法人に委託 することが最善と考えていますが、観光協会事務局において観光協 会の事業内容等を整理のうえ、円滑に委託できるような環境づくり を進めます。 18
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