平成25年度物質科学研究会 - MLF利用者懇談会 ユーザー広場

中性子産業利用推進協議会 平成 25 年度物質科学研究会
共催:中性子産業利用推進協議会,茨城県中性子利用促進研究会
J-PARC/MLF 利用者懇談会,(一財)総合科学研究機構(CROSS 東海)
協賛:SPring-8 利用推進協議会
日時:平成 25 年 7 月 31 日(水)13:00~17:00
場所:研究社英語センター大会議室
〒162-0825 新宿区神楽坂 1-2 TEL 03-3269-4331
http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/index.php?content_id=1
趣旨:
J-PARC や JRR-3 の中性子回折装置の利用方法,データ解析方法に関する講習や回折実
験事例などを紹介し,利用制度や回折実験の基礎知識や解析技術の普及を図る.その結
果,種々の材料の物性を中性子ビームを用いて微視構造の立場から解明し,新しい材料
の開発に資する産業利用を促進する.
プログラム:
13:00-13:05 開会挨拶
主査
13:05-13:25 J-PARC の概要と中性子の産業利用
吉沢英樹(東京大学)
林 眞琴(茨城県)
J-PARC/MLF の現状および茨城県 BL の現状と得られた成果,ならびに,2013A における産
業利用の課題採択結果などを紹介する.
第 1 部:J-PARC や JRR-3 の粉末構造解析装置の現状と利用制度
13:25-13:45 J-PARC のトライアルユース制度
福嶋喜章(CROSS)
CROSS ではパルス中性子初心者を対象としたトライアルユース事業を実施している.産業
界の利用促進を意識した制度であるが,対象者は産業界には限定していない.共用法に基づ
き運転している5本の BL を対象とし,J-PARC/MLF の一般課題受付け前に公募し受付けて
いる.J-PARC/MLF の総運転時間の 5%(2013A では約 4 日)を上限として実施してする.この
トライアルユース制度の詳細について紹介する.
13:45-14:05 JRR-3 のユーザーズオフィスと利用制度
松江秀明(JAEA)
原子力機構では,外部ユーザーが機構の研究施設を利用できるように施設供用制度を設けて
おり,JRR-3 に設置されている中性子実験装置も利用可能です.原子力機構では,JRR-3 の
中性子実験装置の利用支援に関して文科省の「先端研究施設共用促進事業」に採択されたこ
とを契機に JRR-3 ユーザーズオフィスを設立し,外部利用に対するより充実した支援を行う
ことになりました.本講演では,JRR-3 ユーザーズオフィスの概要と利用制度について紹介
する.
14:05-14:35 iMATERIA の現状と研究成果
石垣 徹 (茨城大学)
茨城県材料構造解析装置(iMATERIA)は,茨城県が中性子の産業利用を促進するために建設
を行った汎用型中性子回折装置である.背面バンクでは 0.18 〜 5.0Å の領域で Δd/d〜0.16 %
を実現しており,90 度バンク,低角バンクまで用いることにより d〜40Å までの広い d 領域
の測定が可能である.中性子源の強度が 300kW の現時点では,1g 程度の試料であれば 10〜
20 分程度(背面バンク)で1測定が実施可能である.本講演では装置の現状と測定例の紹介を
行う.
14:35-15:05 JRR-3 の粉末構造解析装置による構造解析
大山研司(東北大学)
東北大学金属材料研究所が所有し運営している粉末回折装置 HERMES を軸に,材料科学で原
子炉粉末回折装置が果たした役割を紹介する.特に,磁気秩序状態での磁気構造の決定や燃
料電池でのイオン伝導経路の可視化などにおいて,多くの重要な結果が原子炉装置によって
得られてきた.一方,iMATERIA を始めとして J-PARC/MLF の優れた回折装置群が活躍してい
る現在,原子炉粉末回折装置の意義も当然変わっていくべきであり,その新しい役割につい
ても考えてみたい.
15:05-15:20 休憩
第 2 部:粉末構造解析装置による産業利用
15:20-15:50 タンタル系酸化物酸素還元触媒の活性点構造解析
今井英人(日産アーク)
タンタル炭窒素化物を部分酸化して得られる「タンタル酸化物系」酸素還元触媒は,燃料電
池に用いられる白金の代替触媒として注目されている.酸素欠損欠陥(酸素空孔)が活性点
と考えられているが,X線を中心とした解析では,タンタル骨格の影響が大きく,酸素空孔
の構造については曖昧さが残っている.酸素に関しても感度がある中性子回折を用いて詳細
な活性点解析を行った結果を報告する.
15:50-16:20 層状 Li-Ni-Mn 複合酸化物系正極電池材料における
充放電過程の結晶構造解析
笹川哲也 (東芝)
リチウムイオン二次電池の電極材料の充放電性能には,物質の結晶構造とその充放電過程に
おける変化が大きく係わっている.本講演では次世代高容量正極材料として期待される層状
Li-Ni-Mn 複合酸化物について,充放電を行った電極を用いた中性子回折および放射光X線回
折の測定事例を紹介し,その結晶構造変化が電気化学特性に与える影響を議論する.
16:20-16:50 高性能光触媒の開発 - 新規光触媒 Ti アパタイトの特徴と構造評価 若村正人 (富士通研)
チタンアパタイト(TiHAP)はカルシウムヒドロキシアパタイト(CaHAP)を構成する Ca イオン
の一部を Ti イオンと交換したもので酸化チタン同様の光機能性を有する.バイオセラミック
スで絶縁体である CaHAP に Ti イオンをドープすると光半導体物質のような挙動を示すよう
になるのかは近年の計算化学の進歩によって概ね明らかになった.しかし,実際の TiHAP
結晶中の Ti イオンの位置はX線回折法では特定できなかった.そこで,中性子線回折により
Ti イオン位置の特定を試みたので報告する.
16:50-17:20 Y 型フェライトの 2 価金属イオン分布と電磁波吸収特性との関係
中西 真 (岡山大学)
Y 型フェライトは GHz 帯域で高い透磁率を示し,高周波磁性材料として期待されている.主
成分の鉄に加え,種々の 2 価遷移金属を含有することが可能であり,その種類や量によって
特性が変化する.今回,同一組成の試料において焼成温度による金属占有サイトの変化と透
磁率や電波吸収特性との関係を中性子回折によって検討したので報告する.
懇親会(17:40-19:40)
研究会終了後,懇親会を神楽坂の「ラ・カシェット」にて開催します.参加費は 2,000
円です.是非,ご参加ください.参加については前日までにご連絡をお願い致します.
<参加申込み>
申込み先:中性子産業利用推進協議会 事務局 桐原由美子
E-mail : [email protected]
(1)お名前,(2)ご所属先,(3)ご連絡先(電話番号,E-mail address),(4)懇親会への参加の
有無をご記入の上メールにてお申込みください.
<会場へのアクセス>
研究社英語センタービル
所在地:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂1-2
TEL :03-3269-4331 / 03-3260-9856
JR中央・総武線飯田橋駅西口徒歩約3分
東京メトロ南北線・有楽町線飯田橋駅 B2a,B3 出口徒歩約 7 分
懇親会のご案内
会費:2,000¥
時間:17:40~19:40
会場:神楽坂 ラ・カシェット
(右の案内図を参照ください)
http://la-cachette.co.jp/
美味しい地ビールを楽しめるところです.
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂 1-10
三経第 22 ビル 3F
TEL: 03-3513-0823