中国UHV送電線路へ8導体ルーズスペーサ納入 The Supply of 8-bundle Loose Spacer damper for UHV transmission lines in CHINA 福原 泰宏(Y.Fukuhara) 中野 純(J.Nakano) (技術部) 1.はじめに 中国では、UHV 送電線路の導入計画があり金具等の実規模試験を行う 1,000kV が課電可能な送 変電試験場が建設されました。当社は中国の UHV 事業への参入を早くから計画しており数回の技 術コンタクトを行ってきた結果、送変電試験場へ 8 導体用ボルトレススペーサならびにルーズスペ ーサを納入するに至りました(概要は技報 36 号のトピックスで紹介)。 その後、UHV 送電線路への 8 導体ルーズスペーサの本採用が決定し、実線路へ始めて納入しま したのでその概要を紹介します。 2.ルーズスペーサの適用径間について 中国は人口の多い東方の送電網を整備するため UHV 網構築計画に着手。国家電網公司が旗振り 役となり、第 1 弾として晋東南−荊門の 645km 区間の建設を 2007 年 5 月から着工しました(今後 は同ルートを南北に 712km 延伸するほか、新たに淮南−上海に約 650km の UHV 送電線路を建設 するようであります)。今回納入した 8 導体ルーズスペーサはその第 1 弾である「晋東南−荊門」の ギャロッピング対策が必要な箇所に採用され、合計 1,713 台納入しました。 表1 納入品 品名 ピッチ 電線種類 電線径 数量 8 導体用ルーズスペーサ 400mm LGJ-500/35 φ30.0 1,713 台 表2 取り付け箇所 径間数 No.737∼821,No.831∼859 69 写真 1 AEW 第 37 号 取り付け箇所 UHV 送電線路に取り付けた 8 導体ルーズスペーサ -65- 3.ルーズスペーサの製作について 8 導体ルーズスペーサは中国にある当社の関連会社である『上海旭線路金具有限公司』で製作し ました。設計は日本国内で実績のあるルーズスペーサの基本設計を基にしています。製作は中国へ 技術者を派遣し、その指導により行いました(2007 年 12 月∼2008 年 5 月)。 写真 2 写真 3 上海旭線路金具有限公司で製作の様子 製作指導の様子 4.UHV 送電線路へルーズスペーサ取り付けについて 取り付けを担当する電気工事会社は 8 導体ルーズスペーサの取り付け作業は初めてであるので、 当社から技術員を派遣し現地にて施工説明を行いました(2008 年 6 月)。 工事は長期間にわたるため、取り付け工事管理と施工状態確認を上海旭線路金具有限公司に託し ました。その後、上海旭線路金具有限公司より、今回納入した 8 導体ルーズスペーサは「晋東南− 荊門」への取り付け工事は順調に行われ、1,713 台は特に問題なく取り付けが終了したと報告があ りました。 UHV 送電線路の運転開始は、2008 年 12 月の予定です。 写真 4 AEW 第 37 号 写真 5 取り付け指導の様子 -66- 取り付け状態
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