繊維媒体の断面を通る流れを モデル化するIsmail Bagci氏 マルチフィジックス・ソフトウェアは 次世代ろ過システムの分析を促進します By Paul Schreier 上昇中の大気汚染とEPA(米国環境保護庁)の厳しい規制により、 フィルタ等)の多くが、ろ過設計の進歩に役立ちます。Fleetguard 自動車メーカは深刻な問題であるエンジンからの排気ガスを取り 社はC O M S O L M u l t i p h y s i c s によるシミュレ ーション で 除くためにマルチフィジックス・モデリングに目を向けています。 静電型粒子分離装置の性能を最適化させ、一連の主な進歩を成 例えば私たちが当然のことと思う項目(空気、燃料および潤滑系 し遂げてきました。 繊維媒体の断面図で青い線は流線に沿う粒子を表しますが、水色の点は捕獲した単一の粒子または多数の粒子です。COMSOL は単なる質量中心ではなく粒子周囲全体の粒子抽出をモデル化することができます。 的なわずかな変化に敏感です。研究室で様々な装置を作ってテス スパークのない高電圧 Fleetguard社(Cummins Engines社による全額出資子会社)は トするのは可能ですが、Fleetguardの技術者はソフトウェアの設計 高度な要求仕様を持つろ過産業界の技術的なリーダーで、気 オプションを調べる方が、はるかに効率的であることを知ってい 流の流れから微粒子を取除く分離器を分析するのにCOMSOL ました。 Multiphysicsを使用しています。作業時の静電気分離器は、最初 正しいソフトウェアを見つけることが本質的な挑戦になりました。 に高圧電極のまわりでコロナ場 を構築します。場を通る粒子は正 電荷を拾い、アース板のようなも のに引きつけられます。 「私たちは、大企業の一部で 私たちは魅力的な価格で必要とした能力を提供している ソフトウェアを調べ回り、COMSOLに決定しました。 より高い電圧は、より強力なコロ あり、その結果、多くのモデリ ングパッケージを利用する手段 を持っています。」Ismail Bagci研 究員の意見です。 「しかし、我々 ナ場と効率的なフィルタを生み出す一方で電界の強さがあるレ の第一の関心は電場を調べる際にどのソフトウェアも私たちの仕 ベルを超過する場合、装置内にスパークが発生するかもしれませ 事で扱える、好みに合った物がありませんでした。私たちは魅力 ん。効率面でのロスはスパークの一つの結果ですが、 電源が早期 的な価格で必要とする能力を提供しているソフトウェアを調べ、 に故障する原因となる場合があります。設計者はスパークを引き COMSOL Multiphysicsに決定しました。」 起こさない最も高い効率を持っている電界の強さを見つけたいと 「私たちは主として電場を分析する能力のためにパッケージを 思っています。 買いました。」彼は続けます。 「私たちはオプションのモジュールを 電圧レベルを超えて静電気分離器の性能に影響を与える2つの基 すべて購入しました。容易に複数のマルチフィジックスを組み合わ 本変数は電極の大きさと形状です。更に、コロナ電流とスパーク せるCOMSOL Multiphysicsの性能は、私達が主に実験によっ は、場に対して強い非線形をもつ依存性を示し、場の強さの局所 て調査した他のろ過問題の研究への使用を広げました。 私たちはパッケージの想像できないほどの可能性をかろうじて活 からIGESファイルを作成しなければならずSDRC(現在はシーメンス 用しているに過ぎず、 それが私たちのために何ができるかを学ん 社のPLMファミリーの一部)へファイルを読みこませ、そのパッケー でいます。」 ジにIGESファイルを作成させて、ようやくCOMSOL Multiphysicsで 乱流の場合 読むことになります。この方法はCOMSOL Multiphysics Ver2.3 研究チームはコロナ場を見ることとは別に、同時に流れを研究 することができます。装置の中の気流は、層流と乱流との間で変 で必要でしたが、バージョン3.0よりでインポートに関する問題 は解消されました。 動しますが、設計者は常に流れがどのように見えるかを知る必要が あります。チームは静電気の特性と粒子の追跡を結びつけた乱流 をモデル化しました。この研究は荷電粒子が境界壁や別の粒子に 触れる場合、その場に留まる傾向があるので、重要です。結合した 物理学(流線に沿った流れの特性, 粒径,電気力, 質量および密度) を見ることによって、より正確なシミュレーションになります。 多孔質媒体による粒子追跡を調査する場合、 マルチフィジックス 機能は、かなり有用であることが分かります。設計目的はすべての 条件の下で粒子を効果的に集めるフィルタの透過性の基礎になり ます。Kevin South研究員の意見です。 「これは標準パッケー ジの中から見つけられる種類の機能ではありません。従って、 粒子追跡ルーチンを作成するのに手助けとなるものをモデリン グソフトウェアの業者に尋ねました。彼らは、それが可能であるが 『大仕事』 になるだろうと言われました。次に私たちはCOMSOL 社にアプローチしましたが、彼らは1週間で私たちのルーチ ンを書きあげました。」これは、MATLABコードから校正され ています。また、グループは他の方法でもMATLABとCOMSOL Multiphysicsの統合を利用しています。彼らは繊維ろ材に供給され た物理的な変数に基づきシミュレートされた繊維環境を速く築 くため、幾何学を生成させるプログラムを書きました。微細な 写真からのDXFファイルのインポートは、より複雑な媒体構造の モデリングを考慮しています。 そして、COMSOLのサブルーチンで、 他の「タグ付けをされた」か「停止している」粒子との接触と同様 に、モデルドメイン(壁)の繊維表面に触れる粒子の表面に単分散 粒子を注入する様子をモニタしました。これは全体の周辺だけで なく、粒子の質量中心を追跡することができるという、他社には 無い独特な機能です。Peter Herman主席技師の意見です。 「私 たちの最終の目的は、液体フィルタ用アプリケーションに対する その能力および効率を最大限にするためにStrataPore™フィル タ媒体の変化率特性の深さをモデル化することです。粒子は流 れの流線から慣性で逸脱しませんが繊維に接触する粒子は端の ため、どうしても捕らえるのに特に重要なのは、繊維質の液体フィ ルタでの粒子捕獲に関連した「除去」モードです。したがって、 単純に質量中心に対して粒子周辺が追跡できるCOMSOLの性能 が前提条件となります。」 COMSOL Multiphysicsの構造力学モジュールで、ユニットの破 裂および疲労特性についての理解を育むために2Dと3Dの圧力容 器と横断面のハウジングをモデル化しました。技術者が遭遇した 唯一の障害は、 洗練された作図能力のProEngineerで作成した3D モデルをインポートすることでした。ProEngineeでフィルタを描いて フィルタ付き吸収缶の左右対称の断面で、赤い図形は電極を示し、青い 等値面は電場を示します。先端と下部の大きい青の等値面では、場の電 極から高圧スパークが高い確率で外にはみ出します。 研究者がフィルタを通り抜ける様々なタイプの流体の速度分布を実行できるように、繊維媒体断面を白丸として各々の繊維を示しま す。繊維の分配を得る1つの方法は、媒体の写真を取り、DXFファイルを作成し、COMSOLにそれをインポートすることです。他の 構成を試みるためには、様々なサイズと位置の繊維のランダム配列を作成するMATLABサブルーチンを実行し、COMSOLで流 路と速度を調べます。アニメーションは1ステップづつ媒体で捕らえられている粒子を示します。 私たちはパッケージの想像できないほどの可能性を、 早いシミュレーション かろうじて活用しているに過ぎません… 設計者もCOMSOL Mult i- さらにそれらは研究所の調査結 果と非常に近いものでした。実 physicsの速度に感動しました。典型な静電気の粒子分離器 験的な仕事をしなければならない場合でも、それ以上に他の 用モデルは、およそ40,000の要素を持っており、標準的な静電 ソフトウェアでできることより遥かに評価できることから、自信を 気モデルは10 分未満で解決します(マルチフィジックスモデル 持ってFleetguard 社は様々な電極設計の検討を始めました。 は20 から30 分かかります)。最初のいくつかのデザインで、実行 に3倍の時間がかかった別のモデリングソフトウェアとCOMSOL Multiphysicsの結果を比べたところ結果は同じでした。 計測エン ジニアリングシステム株式会社 〒101-0032 東京都千代田区内神田1-9-5 TEL: 03-5282-7040 http://www.kesco.co.jp/ [email protected] 井門内神田ビル5F FAX: 03-5282-0808 KES-COMSOL-US-FLEETGUARD-0904
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