(IT)セクター特集:③ ~データ通信量の増大がもたらすタワー(無線通信塔)

2014年11月27日
米国情報技術(IT)セクター特集:③
データ通信量の増大がもたらすタワー(無線通信塔)セクターへの投資機会(1/2)
モバイル端末の普及と通信速度の高速化に伴い、無
線通信インフラの需要が増していくと予想されます。
そのなかで、持続可能な収益が見込めるモバイル業
界のトールキーパー(料金所)として、タワー(無線通
信塔)の運営企業はこれからも長期的な成長が見込
める有望なセクターのひとつと捉えています。
モバイル端末1台あたりのデータ通信量
(メガバイト/月)
5,609
6,000
5,095
2013年
5,000
2018年
227台分
4,000
2,672
3,000
世界のデータ通信量は増大
情報提供資料
49台分
2,000
127台分
2,455
1,374
 スマートフォンやタブレット端末などモバイル端末の 1,000
529
普及やソーシャル・ネットワーキング・サービスの定
11 45
0
着、第4世代移動通信システム(4G)/LTEなどの通
携帯電話
スマートフォン
タブレットPC
ノートPC
信速度の高速化を背景に、全世界のデータ通信量
出所:シスコシステムズ 期間:2013年、2018年(すべて予測)
は驚異的なスピードで増大しています。
全世界のモバイル・データ通信量の予測
 データ量増加の主な要因として、高性能なモバイル
端末が普及したことが挙げられます。1 台のスマー
トフォンで生成されるデータ量は基本的な機能を持
つ携帯電話の 49 台分、タブレットPCは同127台分
に相当すると推定されています。さらに、今後のモ
バイル端末数の増加も相俟って、米シスコシステム
ズは、モバイル端末ベースのデータ通信量は、
2018年にかけて毎年+61%のペースで拡大していく
と予想しています。
 こうしたなか、無線通信会社はネットワーク構築の
ための追加投資を迫られています。そのため、タワ
ーに基地局を設置する需要は増大し、タワー運営
企業の収益拡大が予想されます。
(エクサバイト/月)
20
15
10
5
0
2013
2014
2015
2016
2017
2018 (年)
出所:シスコシステムズ、期間:2013年~2018年(すべて予測)
1エクサバイト=約10.7億ギガバイト
タワー業界大手3社の株価推移
タワー運営企業とは?
 タワー運営企業は、無線通信塔を所有運営し、その
スペースを基地局として複数の無線通信会社に賃
貸(リース)することで、 継続的な収入を得る安定し
たビジネスモデルを有しています。通信会社が自ら
タワーを所有・運営する日本と異なり、米国ではこ
のような分業が進んでいます。
 米国のタワー業界は、アメリカン・タワー、クラウン・
キャッスル・インターナショナル、およびSBAコミュニ
ケーションズの大手3社の寡占状態にあり、その株
価はこれまで堅調に推移しています。
900
800
700
600
アメリカン・タワー
クラウン・キャッスル・インターナショナル
SBAコミュニケーションズ
NASDAQ総合指数
500
400
300
200
100
0
2002
2004
2006
2008
2010
2012 (年)
出所:ブルームバーグ
期間:2002年1月~2014年11月26日(2001年12月末を100として指数化)
上記は経済や市場等の過去のデータおよび一時点における予測値であり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。経済、市場等
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2014年11月27日
米国情報技術(IT)セクター特集:③
データ通信量の増大がもたらすタワー(無線通信塔)セクターへの投資機会(2/2)
情報提供資料
タワー運営企業のビジネスモデルの特徴
タワー運営企業のビジネスモデルは、安定的なキャッシュフローが期待できるトールキーパー(料金所)企業として、
多くの魅力的な特徴を持ち合わせております。
 長期契約:業界特有の長期の契約形態により収益が予想しやすく、持続的なキャッシュフローが見込めます。
 高い参入障壁:タワーは法律により乱立が許されていないため、同業界は大手3社による寡占状態にあり、比較
的高い参入障壁を有していると考えられます。
 契約相手の高い信用力:リース契約の相手方は、信用力の高い大手無線通信業者(AT&T、ベライゾン、スプリ
ントなど)が中心であり、カウンター・パーティー・リスクは相対的に低いと考えられます。
 高いインフレ耐性:年間リース料の契約にはエスカレーター条項が組み込まれていることが多く、インフレに対す
る高い耐性を有していると考えられます。
今後の成長ドライバー
通信速度の高速化と新興国での無線需要の高まりがドライバーとなり、タワー運営企業は相対的に高水準の
キャッシュフロー成長を実現してきており、今後も持続的な成長が見込まれます。
 高性能なモバイル端末の普及により、無線通信業者が4G/LTEネットワークを拡大し続けるなか、タワー運営企
業は今後も持続的な成長が期待されます。
 また、米国の企業では、海外でもタワーを運営している企業も多く、今後の成長のドライバーとして、米国内だけ
ではなく、新興国での無線需要の高まりも収益として取り込むことができると期待されます。
テナント1社 テナント2社 テナント3社
タワー運営企業の収益イメージ
タワー運営企業は、1つのタワーに対して、
複数の賃貸先(テナント)と契約を結び、 複数
の基地局を設置することが一般的です。追加
のテナントに対しては、より少ない追加投資で
同様の追加収益を得ることができるため、テナ
ント数の増加に応じ粗利率は向上していきま
す。
収入
$20,000
$40,000
$60,000
費用
$12,000
$13,000
$14,000
粗利益
$8,000
$27,000
$46,000
3倍UP!
5.8倍UP!
出所:アメリカン・タワー IR資料 上記は例示を目的とするものであり、タワー運
営企業およびアメリカンタワーの実際の収益状況を示すものではありません。
アメリカン・タワー
 アメリカン・タワーは米国の代表的なタワーの所有・運営企業であり、マサチューセッツ州
ボストンを本社に、南米を中心とする世界各国に支社を構えています。米国内で約2万8
千基のタワーを所有し大手通信会社を相手に基地局のリースを行っています。
 平均のリース残存期間は24年と長期契約を基本としており、予見可能なキャッシュフロー
が期待できます。また、メキシコ、ブラジル、インド、南アフリカやガーナなど、モバイル環
境の拡充が急速に進む新興国でも買収を通じ、積極的な事業展開を進めています。
 税制上のメリットを求めて事業内容はそのままに2012年1月にリートに転換するなどユニ
ークな特徴も有しています。
出所:アメリカン・タワー年次報告書、数値は2013年12月末時点
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