香りの効果は、 看護においても関心を集めている分野

ポ ス タ ー3
4.OHz)、
θ 波 帯 域(4.0∼8.OHz)、
10.OHz)、
α2波
帯 域(10.0∼13.OHz)、
青 森 ヒバ の 香 りの 精 神 面 へ の 効 果
∼20 .OHz)、
−EEGの
域 に 分 類 し、 そ れ ぞ れpower値
変 化 に よ る検 討 −
power値
村 松 仁1)田
崎 博 一1)藤
Key Words:①
井 博 英1)
1)青 森県立保健大学
香 り ② グ レー プ フ ル ーツ ③ 青 森 ヒバ
④EEG β2波
帯 域(8.0∼
β1波
帯 域(20.0∼30.OHz)の
帯 域(13.0
各周波 数帯
を算 出 した 。 得 られ た各
を 、 各 実 験 イ ベ ン トの 各 周 波 数 帯 域 の 出 現 率
(%)を
算 出 し 、 分 散 分 析 に て 検 定 し た(危
統 計 解 析 ソ フ ト はJMP(SAS)を
険 率5%)。
使 用 した 。
Ⅲ 結 果
1.香
⑤ リ ラ ク ゼ ー シ ョン
α1波
りの イ メ ー ジ
グ レ ー プ フ ル ー ッ で は 、 さ わ や か な 、快(こ
こ ち よ い)、
I は じ め に
好 き、 リ ラ ッ ク ス す る、 陽 気 な 、 明 るい 、 きれ い とい っ
香 りの効 果 は 、看 護 に お い て も関 心 を 集 め て い る 分 野
た 項 目 の 得 点 が 高 か っ た 。 青 森 ヒ バ で は 、鎮 静 、 自 然 な 、
で も あ る 。 村 松1)の グ レー プ フ ル ー ツ の香 りに よ る脳 波
リ ラ ッ ク ス す る とい っ た項 目の 得 点 が 高 か っ た 。 また 、
の 変 化 を検 討 した研 究 で は 、 グ レー プ フ ル ー ツ の 香 りが
グ レー プ フ ル ー ツ と青 森 ヒバ の 問 で は、 さわ や か な − さ
覚 醒 度 を上 昇 させ 、 リラ クゼ ー シ ョン に 応 用 可 能 で あ る
わ や か で な い 、 女 性 的 な − 男 性 的 な 、 ロ マ ンチ ッ ク な −
とい う結 果 を み た 。 そ こで 今 回 は 、 青 森 県 特 産 の “青 森
ロ マ ン チ ッ ク で な い 、 華 や か な − 華 や か で な い 、 暗 い−
ヒバ ” の 香 りに よ る 、精 神 面 に対 す る効 果 を検 討 す る こ
明 る い の項 目 で有 意 差 が 認 め られ た 。
と を 目的 に研 究 を行 っ た 。
2.脳
波
α1帯
Ⅱ 方 法
域 で は、 実 験 開 始 後 か ら 出 現 率 が 減 少 し、③
(グ レ ー プ フ ル ー ツ の 香 り提 示)で
出現 率 が増 加 した 。
健 康 な20歳 代 の 女 性14名 と、 健 康 な20歳 代 の 男 性2名
そ の 後 出 現 率 は や や 増 加 す る が 、 ⑧(実
を対 象 に した 。 こ の う ち女 性13名 、 男 性2名
青 森 ヒ バ 提 示 後3分)で
の 計15名 を
1)。 電 極 部 位 で は 、T3、O2で
方 法 、 分 析 方 法 を説 明 し同 意 を得 た 。 実 験 手 順 は 、1)
ら れ た(p<0.05)。
日本 語 版POMSの
後 ・青 森 ヒ バ 提 示 後5分
3)閉
極 装 着 ・脳 波 測 定 開 始 、
眼10分 間安 静:脳 波 測 定 、4)閉
眼10分 間 香 り
(p<0.05)。
α2帯
後)で
閉 眼10分 間 香 り2提 示(青
差 が み と め ら れ た(p<0.05)。
波 測 定 終 了 、7)香
り1・2の
験 開 始 後22分
出現 率 が 有 意 に増 加 した
電 極 部 位 で は 、Fp 1、Fp 2、F3、F4、
Fz、 P 3、P4、Pz、
イ ル)、6)脳
出 現 率 に有 意 差 が認 め
域 で は 、 ⑦(実
1提 示(グ レー プ フ ル ー ツ の エ ッセ ン シ ャ ル オ イ ル)、5)
森 ヒバ の エ ッセ ンシ ャ ル オ
後 ・
出 現 率 が 再 度 有 意 に 増 加 し た(図
解 析 対 象 と した 。 な お 、 対 象 者 に は 事 前 に研 究 の 目的 、
記 入 、2)電
験 開 始25分
Ol、O2に
お い て 出 現 率 に有 意
イメ ージ
調 査 、 の 順 で 実 施 した 。
測 定状 況 は 、本 学C棟
研 修 室3シ
ー ル ドル ー ム に て 実
験 を 実 施 し、 室 温20℃ ∼24℃ 、 湿 度 約50%に
調 節 し た。
実 験 中 の 姿 勢 は 座 位 で行 い 、 実 験 中 は 目 を 閉 じた ま まで
い る こ と 、 な るべ く体 は動 か さ な い よ う指 示 を した 。
α1出 現 率
%
50
Fp2
F3
45
F4
40
C3
C4
35
P3
香 りの イ メー ジ調 査 は 、友 延 ら2)が 作 成 した 香 りの 主
30
観 評 価 用 紙 を参 考 に 、20項 目の 香 りの 嗜 好 性 調 査 を実 施
25
し、 脳 波 測 定 終 了 後 に 回答 させ た 。
Fpl
P4
O1
O2
20
F7 脳 波 は 、日本 光 電 デ ジ タ ル脳 波 計Neurofax EEG l100を
法 に従 い 、 両 耳 朶 を基 準 電 極 と して 基 準 電 極 誘 導 法 に よ
り、19カ 所 か ら脳 波 を記 録 した 。 脳 波 の 分 析 は 、 実 験 開
、②5分
、③8分(無
レ ー プ フ ル ー ッ 提 示)、 ⑦22分 、 ⑧25
分 、⑨28分 後(青
森 ひ ば 提 示)を
実 験 イベ ン トと し、 そ
れ ぞ れ の 実 験 イ ベ ン トか ら60秒 間 の デ ー タ を 使 用 し
Ver2.2でFFT解
T3
T4
5
T5
0
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
香)、 ④12分 、⑤
15分 、⑥18分(グ
EEGFOCUS F8
10
使 用 し、 脳 波 電 極 は脳 波 キ ャ ップ を使 用 し、 国 際10/20
始 時 よ り①2分
15
析 で 、 δ 波 帯 域(2.0∼
−156−
T6
Fz
Cz
図1
い 刺 激 暴 露 に よ る 生 理
α2
Fpl
出現率
research、 p372-378, ・心 理 的 経 時 変 化 、aroma
Vol.2, No 4.2000.
Fp2
% 50
F3
45
F4
40
C
3
ポ ス タ ー4
C4 35
3年 間にわたる 「雪国の健康」 に関する
P3
30
P4
25
研究の総括 と残 された課題
O1
20
O2
F7 15
岩 月 宏 泰D
F8
10
1)前 「雪国の健康」に関する研究代表者
T3
5
T4
0
T5
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
Ⅰ.緒
T6
言
本研 究 は 「
積 雪 期 にお け る 青 森 県 の 地 域 住 民 の 健 康 に
Fz
寄 与 す る保 健 ・医 療 ・福 祉 シ ス テ ム構 築 に 関 す る研 究 」
図2
(別 称;「 雪 国 の 健 康 」 に 関 す る研 究)と
度 よ り平 成14年 度 の3年
し て 平 成12年
間 に わ た り、 本 学 の 看 護 学 科 、
Ⅳ ま と め 及 び 考 察
理 学 療 法 学 科 及 び社 会福 祉 学 科 の教 員 に よ り分 担 研 究 を
香 りの イ メ ー ジ で は、 グ レ ー プ フ ル ー ツ の 香 りの イ
行 っ て きた 。 初 年 度 は地 域 住 民 の 「健 康 」 に係 る概 念 に
メ ー ジ は 、 さ わ や か で 快 適 で あ り、 リ ラ ッ ク ス し好 ま し
つ い て分 担研 究 者 と会 合 を重 ね各 専 門 の視 点 か ら幾 つ か
い とい う イ メ ー ジ で あ り、 青 森 ヒバ は鎮 静 、男 性 的 、 自
の 課 題 が 明 ら か に さ れ た 。 そ の 中 で 、 画 像 伝 送 装 置 の有
然 な とい う イ メ ー ジ で あ り、 双 方 の 特 徴 を よ く反 映 した
用 性 と限 界 、 積 雪 期 の住 民 の 生 活 状 況 お よ び災 害 時 に お
と考 え られ た 。
け る在 宅 障 害 者 の 危 機 管 理 の 視 点 か ら捉 え る必 要 性 が 考
脳 波 で は、 実 験 開始 後8分
経 過 した 時 点 で19電 極 の ほ
え ら れ た 。 そ こで 、 次 年 度 に本 調 査 を行 う た め の 予 備 調
ぼ す べ て に お い て 周 波 数 出現 率 が 低 下 し、 α1波 帯 域 で
査 を3つ の 研 究 グル ー プ で 実 施 した 。平 成13年 度 に は 上
は青 森 ヒバ の 香 り を嗅 い で か ら3分 後 、 α2帯 域 で は5
記 の テ ー マ に積 雪 期 に お け る 生 活 に 直 接 関係 す る事 項 で
分 後 に有 意 に 出 現 率 が 増 加 した 。
あ る 地 域 住 民 の 運 動 量 と 降雪 を運 搬 す る際 の 呼 吸 循 環 動
一般 に 、 α波 は安 静 、 閉 眼 状 態 で は後 頭 部 優 位 に出 現
態 に よ る仕 事 量 を分 析 す る た め の2つ
の分担研 究 を加 え
し、 開 眼 や精 神 的 活 動 、 緊 張 状 態 、 興 奮 、不 安 な ど に よ
て研 究 を進 め た 。 さ ら に、 平 成14年 度 に は各 研 究 グ ル ー
り出 現 が 抑 制 さ れ る性 質 を持 つ 。 これ らの こ と よ り、 実
プ と も前 年 度 の テ ー マ を継 続 し、 フ ィー ル ド、 対 象 者 な
験 開 始 後8分
経 過 した 時 点 で は、 安 静 の保 持 に よ って ス
ど を広 げ る な ど研 究 を発 展 させ る こ とが 出 来 、 最 終 年 度
トレス が 負 荷 さ れ た 状 態 で あ る こ と を意 味 し、 そ の 後 、
に は そ れ らの 成 果 を 総 括 報 告 書 と して ま とめ た。 総 括 報
青 森 ヒ バ の 香 りの 提 示 後 か ら6分 後 に α1波 帯 域 、9分
告書 で記述 された各分担研 究 のテーマ、研 究者 お よびそ
後 に α2波 帯 域 の 有 意 な 増 加 が あ り、 特 に α2波 帯 域 で
の 成 果 に つ い て以 下 に示 す 。
後 頭 部 の み で な く、 前 頭 部 に も出 現 して い る こ とか ら、
青 森 ヒ バ の 香 りの 提 示 に よ り ス トレ ス が 軽 減 さ れ 、 リ
Ⅱ.研
究 の概要
ラ ック ス した状 態 とな った こ と を示 唆 す る と考 え る 。 こ
1)画
の 事 は 、 香 りに よ る ス トレス 軽 減 、 リ ラ クゼ ー シ ョ ンの
の実用性
効 果 は 、 グ レー プ フ ル ー ツ の香 りを提 示 した場 合 と青 森
(○岩 月 宏 泰 、 藤 田智 香 子)
ヒバ の 香 り を提 示 した 場 合 の 比 較 で は 、 青 森 ヒバ の香 り
本 研 究 で は 画 像 伝 送 装 置 を 介 した在 宅 高 齢 者 及 び 障 害
方 が グ レー プ フ ル ー ツの 香 り よ り有 意 に高 い こ とが 示 唆
者 の ケ ア を推 進 す る上 で の 諸 問 題 を検 討 す る こ と を 目的
された。
に次 の2つ
像 伝 送 装 置 を 利 用 して の リハ ビ リテ ー シ ョ ン指 導
の テ ー マ(1.本
学 を 中心 と して構 築 した 画
像 伝 送 装 置 の 使 用 感 と そ の 有 効 性 、2.在
参考 文献
1)村
宅 障害 者 にテ
レ ビ電 話 を利 用 した リハ ビ リテ ー シ ョン指 導 の 実 用 性)
松 仁 、 森 千 鶴 、永 澤 悦 伸 、 福 澤 等:精
神負
に つ い て 研 究 を 進 め た 。1.で
は画像 伝 送装 置 を病 院お
荷 に対 す る グ レー プ フル ー ツ の 香 りの効 果 、 山 梨 医
よ び 通 所 施 設 に導 入 し、 リア ル タ イ ム の 画 像 を通 じて 利
科 大 学 紀 要 、17巻 、p42-47,2000.
用 者 及 び職 員 と医 療 ・保 健 の 専 門 家 と の 間 で 双 方 向 の 情
2)友
延 憲 幸 、荻 野 郁 夫 、 綿 貫 茂 喜:一
ヶ 月 に わ た る匂
−157−
報 交 換 が で き る シ ス テ ム を構 築 しそ の 有 用 性 につ い て 検