ウエルパークやショッピングセンターのある町尻地区には、様々なデザイン の住宅が次々と建ち、快適な町並みを作っていて散策するのも楽しい。 9月8日、今年で20回目を迎えた「あぶくま建築賞」の表彰式が開催され た。主催者のあぶくま建築賞推進委員会(事務局・角田市商工会)は、角田市、 丸森町と商工会、建設職組合、建築士会などで構成され、町並みに調和した優 れた建築物を表彰することによって市民の都市景観に対する関心を高め、伝統 技能の推奨、地元産材の需要拡大などを目指している。 美しい街づくりへの貢献度や建物の機能性など 4 項目を基準に審査が行われ、 15点の作品が表彰された。最高賞の角田市長賞は丸森町金山の斎藤邸に輝い た。 住宅は40~50年に一度建て替えられるだけに、角田の風土に調和した町 並み景観の形成に「あぶくま建築賞」の果たす役割は大きい。しかし、景気低 迷が続く中で住宅の建築戸数が減っている。建築賞が始まった平成2年は23 0戸ほどだったが、昨年はその半分以下の104戸。大工さんたちのため息が 聞こえる。 ところで、角田市では、平成17年度から「定住促進、角田・いらっしゃい プラン」でマイホーム建築等に奨励金を贈り、定住支援を行っている。 昨年度は中古住宅取得を含め43戸の利用があった。新築住宅33戸のうち 転入世帯は14戸。年々転入世帯の割合が増えており、本年度に入ってもこの 傾向が続いている。このプランが転入人口の増加を期待するものだけに嬉しい ことではあるが、まだ人口減少の大きな歯止めになっていないのが現実だ。ま た、地元かくだ大工の利用が14戸と4割台であり、 「あぶくま建築賞」などと 連携してもっと利用を呼びかけていく必要がある。 住宅は人生の中で一番高い買い物で「一生もの」である。一生住み続けるま ちとして角田市を選んでいただくために、さらにどんな工夫をすればいいのだ ろうか。町並みを散策しながら思案している。
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