◇ながら運動のススメ 「きつい運動をまとめてしない」のがポイント。 からだが疲労すると無意識のうちに姿勢が悪くなったり、姿勢が悪くなったり、 日常動作が鈍くなり、エネルギー倹約体制に入ると言われています。 汗をダラダラ流して無理して頑張るより、日常の生活の中でちょこまかと「な がら運動」を毎日継続する方が、トータルの運動量が多くなります。 ◇ながら運動の3本柱 ①エアロビック(有酸素)運動 エネルギーを消費して心肺機能を高め、疲れにくいからだを作る。 通勤歩き、犬の散歩、風呂掃除、洗車など、ちょこまかと5~10分以上 継続する 作業はエアロビック運動になります。ちょっとすばやく動くことで効果が 上がります。 ②筋トレ たるみを引き締め、筋肉の質を高めて基礎代謝を上げ、脂肪の燃えやすい 太りにくい体質を作ります。 ちょっと力を込めて、ゆっくりと行うのがポイント。 ③ストレッチ 血行をよくし、新陳代謝を高めて丈夫な筋肉や骨づくりをサポートし、免 疫力を高める効果があります。仕事・家事の合間やお風呂など、ちょっと した時間でできます。 ちょっと大きく伸ばすのがポイント。 ◇動いて疲労回復 「疲れたらからだを休めるのが第一」と思いがちですが、デスクワークでは、同 じ姿勢を維持することで、足の慢性疲労、肩、腰の緊張疲労、手先の部分疲労、 眼精疲労などが主体です。こういう疲労には、休ませるより動かすことが効果的。 筋肉に刺激を与えて、滞った疲労物質を取り除きます。 ※参考文献 社団法人日本監督士協会 月刊リーダーシップより 「実践・リーダーの健康管理術」 ◇運動習慣を身につけるポイント 日常生活に段階的に取り込みましょう。 第1段階 いきなり生活習慣を変えない いまの生活習慣を根本的に変えないで、そのまま生かす。 日常生活でできることから少しずつ始めましょう。 第2段階 達成可能なゴールを決めよう さりげない運動が習慣化できたら、次の段階に進みます。 現状の生活習慣を見直し、軽い条件をつけて、できることから少しずつ 実行します。 例えば・・・ ・晴れた日は、駅まで大また・速足歩きを。 ・昼休みや仕事で出入りするときは、階段で。 ・メールチェックの時間には、「上体後ろ倒し腹筋」を。 第3段階 少し課題を引き上げる やり始めたながら運動を少しレベルアップします。 例えば・・・ ・歩くときは「大また・速足歩き」でさっそうと。 ・3階までなら階段で。階段は2段ずつ素早く上る。 ・1時間に1回はデスクで腹筋運動を。 第4段階 価値観を見直す 日常ながら運動が生活の質を変え、楽しく続けられるようになったら、身 についたと言えます。 第5段階 プログラムする 一日合計30分、まずは1~2ヶ月実践しましょう。 目標は5%の体重減と腹囲のサイズダウンです。 ①「正しい姿勢」「お腹へこまし」がエクササイズ 姿勢を維持する背中の深層筋は脂肪を燃やします。 姿勢を維持するエネルギー自体は小さいですが、眠っている以外の一日の 16時間以上は、座る・立つ・歩くなど緊張を続ける状態ですので、無理なく 内臓脂肪を消費します。 お腹をへこますことで、腰・背中の引き締めに効果があります。 【ポイント】 背筋を伸ばし、アゴを引き、大きく息を吸って横隔膜を引き上げ ながら胸を膨らませ、少しきつめのパンツをはくイメージで、ゆっ くりお腹をへこませて30秒維持。 さらにお腹をへこましたまま、お腹の空気をしぼり出すように ギュッと力を込めて10秒維持。 これを3回繰り返します。 常に息を止めずに鼻から吸って口から静かに吐きましょう。 アゴを ひく 息は 鼻から吸って 口から静かに 出す お腹を へこまし 30秒維持 さらに お腹の空気を しぼり出すよ うにして 10秒維持 ②大またでさっそうと歩いてエクササイズ 歩くことは、誰でも・どこでも・気軽にできる内臓脂肪燃焼むけの運動。 5~10分のウォーキングでも脂肪が燃えることがわかりました。 通勤・仕事での移動・お昼休みなどあらゆるシーンでこまめに実践。 座っているときの運動強度を「1」とすると、普通歩きは「3倍」に、 大また・速足歩きは「5倍」になります。 1日5000歩の人でも、大また・速足歩きで8000歩以上を歩いた エネルギー消費量になります。 また、大また・速足歩きは、太ももの前後から、腰、お尻、ふくらはぎ、 すねなどの下半身の筋肉を使い、下半身の引き締めにもなります。 【ポイント】 ・アゴは軽く引き、肩の力を抜きすっと背筋を伸ばす。 ・ひざを軽く曲げて足を踏み出し、かかとから着地し、ひざを伸 ばして、つま先で地面を押し出すようにして蹴りだす。 ・ひざを曲げたまま歩かないで、必ずしっかり伸ばす。 ・1回の目安は5~10分。 ・しっかり歩幅を取り、徐々に速度を上げます。 歩幅は普通歩きより10cmか靴1つ分くらい大きく取りましょ う。 肩の力を 抜く アゴを ひく ヒザを 軽く踏み出す かかとから 着地 ヒザはしっかり 伸ばして歩く つま先で地面を 押し出すように 蹴り出す ③「階段のぼり」でメタボ解消 階段のぼりは、下半身全体の筋肉をフル稼働させるかなりきつい運動。 普通歩きの3倍のエネルギー消費になります。 きついからこそ運動効果は高いもの。 階段のぼりは、転倒予防に欠かせないひざを上げる筋肉を自然と鍛える 運動にもなります。 最初は2階くらいの短い距離から徐々に階数を伸ばしていきましょう。 【ポイント】 背筋を伸ばし、お腹を引き締め、上体をやや前傾させ、つま先か ら着地し、かかとを階段のステップからはずして、足裏の前半分で 押すようにし、ひざに力を込めて上る。 段差が低い場合は、意識してややひざを高く持ち上げる。 余裕があれば、一段飛ばしで一気に上ってみましょう。力強く、 グングン上れば、お尻の筋肉も引き締まります。 背筋を 伸ばす やや 前傾姿勢で お腹を 引き締める ひざに力を 込めて 上がる つま先から 着地し かかとは 着けない 慣れたら一段飛ばしで お尻の筋肉も引き締め。 ④通勤電車で「筋力蓄積」 手すり・つり革・電車の揺れ・混雑で人に押されることなどは運動器具に なります。 「つり革エクササイズ」は、つり革につかまり、かかとを上げて爪先立ち 姿勢をとれば、ふくらはぎを鍛えられます。 揺れる電車でつり革を軽くつかんで行えば、足腰の筋トレだけでなく、バ ランス力も鍛えられ、転倒予防効果を得ることもできます。 但し、周囲の人に迷惑をかけないように気をつけましょう。 【ポイント】 つり革を軽くつかみ、足を肩幅に開き、背筋を伸ばし、お腹をへ こませる。ひざをまっすぐに伸ばし、かかとをできるだけ高く上げ て、つま先立ちを30秒維持。 次に腰を落とすようにひざを軽く曲げ30秒維持。 つり革を 軽くつかむ お腹を へこます 背筋を 伸ばす ひざを 伸ばす かかとを 上げる 足を肩幅に 開く ひざを軽く 曲げ30秒 維持 ⑤デスクで筋トレ 基礎代謝が上がるとやせ体質になります。 基礎代謝とは、体温を維持し、血液を循環させ、内臓組織を働かせるため に使われる、生きていくために必要なエネルギーのこと。 一日に必要と言われるエネルギーの約3分の2が基礎代謝で消費されます。 基礎代謝の最大の燃焼工場が筋肉組織にあるため、筋肉量が落ちる40歳 代を境に急速に低下します。 やせ体質作りの早道は、大きく力強い「太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)」 と後ろ側の筋肉(ハムストリング)を鍛えることです。 からだを移動させなくても、座ったままで行える「ながら筋トレ」で筋力 アップ! 【ポイント】 ・椅子に浅く座り、左足を軸足として固定させ、右足を左足の後 ろに回してアキレス腱あたりに当てる。 ・その姿勢から、右ひざを前に伸ばすように力を込め(サッカー ボールをキックするイメージ)、10秒間維持。 ・右太ももの前が硬くなっているか指で押して確かめる。 ・次に右足を左足首の前(甲)側に移して、後ろ方向に押さえつ けるように10秒力を込める。 ・右太ももの後ろ側が固くなっているのを確かめる。 ・軸足を変えて同様に行う。 これで、太もも前後・左右の4種類の筋トレができる。 ・左右各10秒×3回を目安に行う。 浅く 座る 右足の 太ももが かたくなる 右足で左足を キックする 右足を 左足のアキレス腱 にあてる 右足を 左足の甲側に にあてて 後ろに 押さえつける ⑥「座ったままで」腹筋運動 腹筋を鍛えるためには、ひざを曲げ、両足を固定せずに、反動をつけない でゆっくり上体を上げ下げすることが大前提。 椅子に座ったままでも、仰向けに寝てする腹筋に負けない効果があります。 デスクワークの合間に、1時間に1分程度ちょこっと腹筋するだけで、 1日100回程度の腹筋と同じ効果があります。 【ポイント】 ・椅子に浅く腰かけ、お腹をへこませ、ギュッと力を込める。 ・背中を丸めて、あごを引き、おへそあたりを見ながら、上体を 後ろへ少しずつ倒し、背もたれにつく直前で止める。10秒キ ープして元に戻す。 ・上体を倒しながら、左右にねじるとわき腹も鍛えられます。 ・椅子に浅く腰かけるほどきつくなる。 ・腰を反らして行うと腰痛の元になるので注意。 背中を丸める おへそを 見ながら上体を 後ろへ倒す お腹を へこませる 背もたれに つく前で止める 浅く腰掛ける アゴをひく ⑦雨でも夜でも「その場巻上げ歩き」 ウォーキングは内臓脂肪燃焼に効果があることは分かっていても、雨が降 ったり夜遅くなるとサボってしまいます。畳半畳の広さ、両腕を横に広げて 立つスペースがあれば「室内その場歩き」ができます。 テレビを見ながら、歯磨きしながら、電話をしながら、室内をゆっくり行 ったり来たりします。 特に、「巻き上げ歩き」では、普通歩きの2倍のエネルギーを消費します。 太ももの裏側からお尻にかけてのシェイプアップに、下半身の冷え・むく み解消に効果的。 【ポイント】 ・背筋を伸ばし、お腹をへこませ、足を肩幅よりやや広めに開き、 両手を腰に当てる。 ・かかとをお尻に当てるように、素早くひざを後ろに折り曲げる。 ・右足を曲げるときは左足に、左足を曲げるときは右足に重心を かける。 ・腰を反らさず、背筋をまっすぐにして、やや前傾する。 ・1秒に1歩のペースで、左右交互に1分間。(60歩) 腰をそらさずやや前傾に 背筋を伸ばす かかとをお尻に あてるように ひざを後ろに 蹴り上げる お腹をへこます 両手を腰に当てる 左足に重心をかける 逆足のときは逆足に 重心をかける 足を肩幅より やや広めに開く ⑧熟睡とリラクゼーションでストレス解消 適度なストレスは緊張感がスパイスとなり、集中力を増しますが、強いス トレスは、心身に悪影響を及ぼします。 一日の終わりに、「ひざ倒し腰ねじりストレッチ」でストレス解消。 寝る前に激しい運動をすると、交感神経を刺激し、かえって睡眠の障害に なります。 寝る前1~2時間ほど前にお風呂にのんびりつかり、そのあと軽い運動で からだをほぐせば心身ともにリラックスさせればぐっすり眠れます。 【ポイント】 ・仰向けに寝て、両ひざを立てて、両手を横に伸ばし、お腹をへ こませる。 ・両ひざをそろえたまま、腰から下半身を横に倒し、顔は逆側か らねじる。 ・深く、ゆっくり呼吸しながら、左右交互に30秒を2回繰り返 す。 顔は逆側から ねじる ひざをそろえたまま 腰から下を横に倒す 仰向けに寝てひざを立てて、両手を横に伸ばし、 お腹をへこませる。 深く、ゆっくり 呼吸する 左右交互に30秒を2回繰り返す
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