ヘビ型アームロボットが狭いスペースに舞う

図 1:OC Robotics のスネークアームロボット
© 2012 OC Robotics
ヘビ型アームロボットが狭いスペースに舞う
ヘビのように鋭敏な動きのロボットは、どんな小さな隙間も隅から隅まで探索することができます。人
間には手の届かない場所でも、ロボットなら難なく入り込んで問題を解決します。航空機の組み立てで
も、原子力発電所や下水道の点検の場合でも、マクソンモータはヘビ型アームロボットの多関節アーム
を正確に動かします。
まるで SF 映画のワンシーンのように、ヘビ型アームロボットは狭い穴の中をくねくねと前進します。
このロボットのタスクは、人間の到達不可能な場所の安全点検とビデオ撮影です。非常に狭くて危険な
場所は、あらゆる分野のいたるところにあります。人間が入ることの困難な狭い空間やそこにある装置
は、頻繁に点検する必要があります。英国ブリストルの OC Robotics 社は、動物を見本としたヘビ型ア
ームロボットを開発しました。社長のロブ・バッキンガム氏と技術主任のアンドリュー・グラハム氏は
2001 年に最初のプロトタイプを開発しました。現在にいたるまでヘビ型アームロボットの技術はさら
に完成の域に近づけられています。1997 年に設立された同社は、限られた空間や危険な環境に特化し
たヘビ型ロボットを製造しています。非常にスリムでフレキシブルなデザインのヘビ型アームロボット
は、小さな隙間や柔らかい障害物にも臨機応変に対応します。
ヘビ型アームロボットは、航空機や宇宙船の組み立て、原子力分野、医療技術、セキュリティ分野など
に活用されています。カスタマの要求に応じて、長さや直径をカスタマイズできます。標準サイズは直
径 40~150 mm、長さは 1 m~3.25 m の範囲内ですが、要望があれば、長さ 10 m、直径 12.5 mm まで
の仕様が可能です。アームの直径を大きくすればより重い物を持ち上げることができ、直径により機能
は決定されます。
文章:アンニャ・シュッツ(maxon motor ag)
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アプリケーション事例 ロボット分野:ヘビ型アームロボット
2012 年 10 月 11 日
それぞれのアームは、使用分野に応じてカスタマイズして製
造されます。さらにこのロボットの「頭部」には、さまざま
なツールを装備することができます。OC Robotics は目視検
査のために適切な照明やカメラ、金属やコンクリートを切断
するための特殊な工具やレーザーなどのツールも用意してい
ます(動画参照)。用途に応じて、ヘビ型アームロボットは
産業ロボットやクレーンといった可動設備や固定設備に取り
付けることができます。
いつでもまっすぐ前進
ヘビ型アームは状況下における直接のサポートがなくても、
あらゆる点検や保守作業を行うことが可能です。その際、ロ
ボットは使用環境からの直接のサポートを必要とせず、外部
から自由に操作することができます。ロボットの制御に使用
されるのは専用のソフトウェアで、「直感に従う」という原
則に則って動かすことができます。コマンドはヘビ型アーム
の先端にコントローラで送られ、その後各ジョイントはその
軌道に追従します。障害物を避けるように命令すれば、スネ
ークアーム全体が障害物を避けるのです。「この技術のおか
げで、危険な環境の中での作業がはるかに容易になりました
が、それでもまだ人間の作業を完全に排除することはできま
せん。」と、OC Robotics 社代表取締役ロブ・バッキンガム
氏は語ります。
図 2:全長 2.5 m の可動キャタピラ式のロボ
ットアームは、重さ 25 kg の荷物を運ぶこと
ができます。
© 2012 OC Robotics
しなやかな動きのためのブラシレスマクソン DC モータ
人間の腕の場合、腱が筋肉を関節と繋いでいますが、ヘビ型アームロボットにおいてはワイヤロープが
腱のようにロボットの各関節に繋がっています。ヘビ型アーム内部の各ワイヤは、それぞれ 1 個の
maxon モータと繋がっています。ヘビのようなくねくねとした動きは、アームの各ジョイント部分にモ
ータが機械的な動力を伝えることによって生まれます。バージョンに応じて最大 50 個のマクソンモー
タが内蔵されています。モータはアームの中ではなくロボット本体のアクチュエータパックに集約され
ています。これにより、モータと電子機器へのアクセスが容易で、制限された領域や危険な環境にモー
タが直接さらされないのが利点です。モータ
はまた、ヘビ型アームヘッドの各種ツールに
も用いられています。
1~2 個のマクソンモータが、カメラやグリッ
パーアームなどの動きを担います。
ドライブへの最大の課題は、コンパクトな設
計でも十分な高出力を提供しなければならな
いことです。そこで、高度に複雑な用途には、
ブラシレスマクソン DC モータ EC-max 30
(60 W) とセラミックバージョンのプラネタリ
ギアヘッド GP 32 が使用されました。
図 3:個々のワイヤロープはロボットの本体内部でそれぞれ
1 個のモータとつながっています。
© 2012 OC Robotics
文章:アンニャ・シュッツ © maxon motor ag 2012
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アプリケーション事例 ロボット分野:ヘビ型アームロボット
2012 年 10 月 11 日
ブラシレス設計により電子整流 DC モータ(EC)は長時間でも安定して使用することができます。マク
ソンモータの心臓部となるコアレス巻線によって、コギングのないトルク、高効率、卓越した制御力と
いった、物理面でのメリットがもたらされました。ヘビ型アームロボットに使用されるモータには特別
なカスタマイズが必要でした。特殊なケーブルと固定用の穴が必要で、マクソンモータプラネタリギア
ヘッドはアプリケーションのためにカスタマイズされ、また同様に、特別なハウジングがブレーキ用に
開発されました。OC Robotics 社にとって信頼性の高いモータ、きめの細かいカスタマサポート、高品質·小
型高出力がマクソンモータを選択するための判断基準となりました。
文章:アンニャ・シュッツ(maxon motor ag 編集部)
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図 4:ヘビ型アームロボットのレーザーツール
にとって、ワイヤ切断はお手のもの。
© 2012 OC Robotics
図 6:安全技術での活用向けに開発されたモバイ
ルミニ内視鏡
© 2012 OC Robotics
文章:アンニャ・シュッツ © maxon motor ag 2012
図 5:ヘビ型アームロボットの照明・イメージツー
ルにはマクソンモータが搭載されています。
© 2012 OC Robotics
図 7:カナダ・ピカリング(オンタリオ州)
原子力発電所の原子炉の検査
© 2012 OC Robotics
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アプリケーション事例 ロボット分野:ヘビ型アームロボット
2012 年 10 月 11 日
図 9:マクソン自己支持型コアレス巻線
© 2012 maxon motor ag
図 8:マクソンモータブラシレス DC モータ
EC-max 30 (60 W)
© 2012 maxon motor ag
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動画で見るレーザーツール付スネークロボット
文章:アンニャ・シュッツ © maxon motor ag 2012
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