平成 23 年5月 検体検査実施料新規収載のお知らせ 謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、平成 23 年4月 28 日付「保医発 0428 第4号」厚生労働省保険局医療課長通知により、下記の項目に つき検体検査実施料が平成 23 年5月1日より適用されましたので、ご案内申し上げます。 敬白 記 保医発第 0428 第4号(H23.4.28) 項 目 名 ―平成 23 年5月1日より適用― 実 施 料 (区 分) 判 断 料 備 考 注1) 角膜単純ヘルペスウイルス抗原 (定性) 210点 (D012-23) 免疫学的検査 144点 HBVジェノタイプ判定 340点 (D013-11) 免疫学的検査 144点 注2) HPVジェノタイプ判定 2000点 (D004-2) 微生物学的検査 150点 注3) <検討中> 注1)角膜単純ヘルペスウイルス抗原(定性)は、角膜ヘルペスが疑われる角膜上皮病変を認めた患者に 対し、イムノクロマト法により行った場合に算定する。 注2)HBVジェノタイプ判定は、EIA法により、B型肝炎の診断が確定した患者に対して、B型肝炎 の治療法の選択の目的で実施した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。 注3) ・HPVジェノタイプ判定は、あらかじめ行われた組織診断の結果、CIN1又はCIN2と判定さ れた患者に対し、治療方針の決定を目的として、ハイリスク型HPVのそれぞれの有無を確認した 場合に算定する。 ・当該検査は、区分番号「D023」微生物核酸同定・定量検査の「6」のHPV核酸同定検査の施 設基準を届け出ている保険医療機関のみ算定できる。 ・当該検査を算定するに当たっては、あらかじめ行われた組織診断の結果及び組織診断の実施日、及 び当該検査によって選択した治療法を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。 ・同一の患者について、当該検査を2回目以降行う場合は、当該検査の前回実施日、及び前回選択し た治療(その後通常の検診となった場合はその旨)を上記に併せて記載する。 (裏面に続く) 1 【臨床的意義】 ■角膜単純ヘルペスウイルス抗原(定性) 角膜ヘルペスは、三叉神経節に潜伏感染している単純ヘルペスウイルスが再活性化し、この神経に沿って 角膜に至り、眼痛・涙目・充血および視力低下などの症状を起こす疾患です。角膜ヘルペスのほとんどは単 純ヘルペスウイルス1型により発症し、2型によるものは極めてまれです。角膜ヘルペスは他の眼感染症と 比べて再発頻度が高く、失明率も高い傾向があります。 本検査は、イムノクロマト法により角膜上皮細胞中の単純ヘルペスウイルス抗原を検出できるため、角膜 ヘルペスの補助診断に有用と考えられます。 ■HBVジェノタイプ判定 B型肝炎ウイルス(HBV)は、現在A~Hの8つの遺伝子型(ジェノタイプ)に分類されています。H BVジェノタイプの分布は、欧米ではAとD、アジアではBとC、アフリカではA、D、Eが多いなどの地 域特異性があります。日本ではジェノタイプA、B、C、D以外は極めてまれです。B型慢性肝炎において は、HBVジェノタイプの違いにより肝疾患の重症度や進行度、インターフェロンの治療効果が異なること が明らかになっています。 本検査は、国内で確認されたHBVジェノタイプA、B、C、Dを判別できることから、HBV感染の治 療法の選択や治療効果の予測に有用となります。 ■HPVジェノタイプ判定 子宮頸癌の主な原因は、ハイリスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染であり、 ハイリスク型として 13 種類(16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68)が同定さ れています。 HPV感染は、そのほとんどが一過性(不顕性感染)であり、前癌病変の一部が子宮頸癌へ進行 します。HPV感染から癌に至るまでの進展リスクは型によって大きく異なっており、特にハイリ スクと考えられる7つの型(16、18、31、33、35、52、58)のいずれかが陽性の軽度前癌病変(C IN1-2)では自然消失しにくく、高度病変へ進展しやすいことが判明しています。 本検査によりハイリスク型HPVの有無を調べることは、治療方針の決定や前癌病変の管理、再 発の予知などに有用性が高いと考えられます。 以上 * 収載項目についての詳細は担当営業部員または下記へお問合せ下さい。 インフォメーション:0298-37-2721(代) 2011-B-002 2
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