日本英語 映画タイトル Godzilla (邦題 GODZILLA ゴジラ) 2014 年 製作年 DVD 情報 日本で入手可/英語字幕なし (122 分) 監督 ギャレス・エドワーズ 映画について 山口美知代 1954 年に日本で第一作が作られてから合計 28 作が作られた怪獣映画『ゴ ジラ』は、1998 年にローランド・エメリッヒ監督によって『GODZILLA』 として初めてハリウッド映画化され、2014 年のエドワーズ監督の本作が 2 回目となります。 主要キャスト アーロン・テイラー・ジョンソン(フォード・ブロディ役) 、渡辺謙(芹 沢博士役) 、デヴィッド・ストラザーン(提督役) あらすじ 1999 年に日本で起きた原子力発電所の事故で母を失ったフォード・ブロ ディは、その 15 年後に、独自に原発事故調査を行っていた父が逮捕され たことを知り、日本にかけつけます。父は亡くなりますが、フォードは 謎の巨大生物を調査する研究組織に招かれ、芹沢博士やアメリカ海軍の 提督と出会います… 英語の特徴 【Godzilla の発音】劇場用パンフレットには芹沢博士を演じた渡辺謙の言 葉として次のように記されています。 「映画の中で最初にゴジラの名前を 口にするのが芹沢です。現場では、監督はもちろん、スタッフやキャス トが全員、英語のアクセントで「ガッジーラ」と呼んでいましたが、 「僕 ら日本人は『ゴ、ジ、ラ』と発音すると彼らに伝えたのです。とにかく 最初の呼び方は肝心なので、ギャレス(=監督)を説得したうえで、芹 沢のセリフを「We Call Him GO-ZI-LA(われわれは彼をゴジラと呼んでい る) 」と、はっきり日本語風に言わせてもらいました。2 回目以降の「ゴ ジラ」は、少しずつ英語風の発音に近づけましたが……(笑) 。 」 (取材・ 構成斉藤博昭) 実際に映画のなかでどのように発音されているか確認してみましょ う。最初に芹沢博士が「ゴジラ」という固有名詞を口にするときの台詞 は“We call him Godzilla.”(0:42:49)です。ここでは、Go に強勢(アクセント) があり、dzi の子音は[ʒ]で、日本語の「ゴジラ」 (高低低)に近く聞こえ ます。映画の日本向け予告編でもこの部分が用いられていました。この 直後の “15 years ago we found a fossil of another giant animal in the Philippines like Godzilla.” (0:43:02)でも同様に日本語の「ゴジラ」に近く発 音されています。 (c) 世界の英語を映画で学ぶ研究会 http://eureka.kpu.ac.jp/~myama/worldenglishes/ 一方で、提督の部下のアメリカ人女性の台詞が”It looks like Godzilla is still following the MUTO.”(0:59:13) というときは、アクセントは第2音節 にありその子音は[z]、語頭の母音は曖昧母音で、まさに「ガッズィラ」 という発音です。それに続く芹沢博士の台詞のなかに“I think Godzilla was on the listening.” (0:59:36)が出てくるときには、強勢の位置は日本語のよう に語頭にありますが第2音節の子音は、英語発音のように[z]になってい ます。 「ゴズィラ」というかんじです。 その後場面が進み、ゴジラをおびき出す作戦について提督(アメリカ 人)が語っている場面で“The radiation lures MUTOs. and the Mutos lure Godzilla.” (1:03:33) と言っていますが、ここでは、 「ガッズィラ」のよう な極めて英語的な第2音節に強勢のある発音です。一方で、直後に意見 を求められた芹沢博士が“Godzilla may be the answer.” (01:03:54)というと きには、こでは Go にアクセントがあり、dzi の子音は[ʒ]で、日本語の「ゴ ジラ」に近く聞こえます。ここは、提督と博士の Godzilla の発音の違いが 際立っているところです。ストーリーの展開としては、この後に芹沢博 士が提督に自分の父親の形見を見せて打ち明け話をする場面が続きま す。その直前に英語的 Godzilla と日本語的「ゴジラ」が対比されているこ とになります。 映画のみどこ ろ その他 (c) 世界の英語を映画で学ぶ研究会 http://eureka.kpu.ac.jp/~myama/worldenglishes/
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