平成20年度年報 は じ め に 校 長 堀 江 振一郎 和歌山工業高等専門学校は、優れた技術者を育成し、地域の発 展に貢献することを使命とした高等教育機関です。 この年報は、例年一貫した編集方針の下で、平成20年4月から 翌21年3月までの1年間の学校暦の間に行った様々な活動を記録 し、取り組んだ改革の歩みを振り返った資料です。本校の教育、 研究、生活、その他の諸活動が現在どういう状況にあるか、でき るだけ正確にご紹介するよう努めております。ご高覧の上、お気 づきの点をご指摘いただければ幸いです。 今後とも本校と地域の発展のために、教職員一同全力を挙げて 努力を続ける所存ですので、ご支援・ご協力のほどお願い申し上 げます。 平成21年11月 目 次 1 運営 1.1 主な活動内容 1.2 自己点検結果 2 教務関係 2.1 授業改善への取組み 2.2 カリキュラム改善への取組み 2.3 3年連続で知的財産教育実験校に指定 2.4 研修旅行 2.5 学校行事日 2.6 新入生の合宿研修 2.7 入学試験 2.8 成績および及落判定 2.9 オープンキャンパス、なるほど体験科学教室等の実施 2.10 インターンシップ(学外実習) 2.11 平成20年度5年生卒業研究テーマ 2.12 自己点検結果 3 専攻科関係 3.1 入学試験と入学者の確保 3.2 専攻科教育の充実 3.3 学修単位の実施 3.4 インターンシップ 3.5 学会発表 3.6 学位申請 3.7 平成20年度専攻科2年生特別研究テーマ 3.8 平成20年度進路 3.9 専攻科棟の有効利用 3.10 自己点検結果 4 外部評価関係 4.1 日本技術者教育認定機構(JABEE)による「地域環境デザイ ン工学」教育プログラムの審査 4.2 自己点検結果 5 厚生補導関係 5.1 学生会活動 5.2 クラブ活動 5.3 ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、デザインコ ンペティション 5.4 交通安全 5.5 補導 5.6 修学支援 5.7 進路指導関係 5.8 自己点検結果 6 寮務関係 6.1 概要 6.2 入寮選考 6.3 生活指導 6.4 食事 6.5 室内設備更新と共有施設修理および防犯設備強化 6.6 主なイベント等 6.7 自己点検結果 7 各施設の活動 7.1 地域共同テクノセンター 7.2 ロボット教育センター 7.3 情報処理教育センター 7.4 図書館 8 国際交流関係 8.1 本校外国人留学生との交流 8.2 中国上海電機学院との交流 8.3 自己点検結果 9 人権教育活動 9.1 平成20年度の活動 9.2 人権講演会 9.3 平成20年度近畿地区高等専門学校人権教育連絡協議会 9.4 学生相談室 9.5 自己点検結果 10 広報活動(情報企画委員会) 10.1 ホームページ 10.2 広報活動 10.3 学内広報 10.4 自己点検結果 11 教員の研究活動 11.1 調査方法 11.2 教員の研究業績 12 学内組織 1 6 7 9 9 9 9 10 10 11 11 14 18 22 23 23 24 25 26 26 26 27 27 27 28 28 29 30 32 34 35 36 36 36 38 38 38 38 39 39 44 45 50 53 54 60 63 64 65 65 66 66 69 70 70 71 71 72 75 130 1 運 営 1.1 主な活動内容 1.1.1 ロボット教育センターを新設 ロボット教育の進展と地域におけるロボットを活用した科学技 術の理解促進のため、ロボット教育センターを設置し、5月19日 (月)に本校で開催される「紀の国いきいきトーク」のために来 校していた仁坂吉伸和歌山県知事と韮澤弘志校長、山口利幸初代 ロボット教育センター長がセンターの看板を掲げて開設を祝った。 センターでは学生教育に留まらず、次代を担う未来の技術者育 成にも力を入れる予定で、きのくにロボットフェスティバルをは じめ、高専ロボコンなどの出張実演や出前授業などを通じて、小 センターの看板を掛ける仁坂知事、 韮澤校長、山口教授 中学生のものづくりへの興味を引き出す活動を進めることにしている。 また11月15日(土)には大阪大学大学院工学研究科の浅田稔教授および経済産業省製造産業局産 業機械課長の米村猛氏を招いて「和歌山高専ロボット教育センター」の設立記念講演会を開催した。 浅田教授は「知能ロボットの最前線 ―ロボカップと学習・発達するロボットたち」と題した講 演の中で、「これからは『人間と協調するロボット』の開発が重要となる」と強調し、学習・発達 する子供型ロボットの例を紹介した。 また米村氏は、 「ロボット政策について」と題した講演の中で 「日本では特に介護や福祉などで利用される『実際に役立つロ ボット』の開発を加速する必要がある」と強調した。 最後に和歌山高専ロボット教 育センター長の山口利幸教授が、 「ロボットを通じたものづくり 講演する浅田教授 教育」と題した講演を行い、和 高専ロボット教育センターの設立の経緯や、昨年度よりはじまっ たきのくにロボットフェスティバル、学生による笑いロボット開 講演する米村氏 発等の取組みを紹介した。 1.1.2 「和歌山県内合同企業説明会」および「わかやま企業交流会 in 高専」を開催 12月12日(金)に本校体育館において、 「和歌山県内企業合同説明会」を開催し、4年生と保 護者300名が参加した。この説明会は、紀陽銀行との間で地域経済の活性化を目的として締結した 「連携協力に関する協定書」に基づいて実施したもので、今回が初の試みとなる。 紀陽銀行取締役営業推進本部長の松岡靖之氏の挨拶に続いて、3名の本校OBが、自己の経験談 や企業選びのポイント等を紹介し、参加者は先輩の熱弁に聴き入っていた。その後38社および県内 有力企業の個別ブースで、それぞれの会社の特色や、独自の技術、魅力等について説明を受ける等、 実りの多い説明会となった。 1 これまで卒業生の地元企業への就職希望者が少なく、その 要因の一つに地元企業の情報が少ないことが挙げられていた。 この説明会で企業から学生に直接PRして貰うことで、それ らが払拭されるものと期待される。またこの説明会は就職希 望の学生のみならず、専攻科や大学に進学予定の学生にとっ ても、将来の地元へのUターン時の貴重な情報となる。 また合同企業説明会に先立って、11月9日(日)の高専祭 講演する池田弘樹氏 (本校OBデュプロ精工㈱代表取締役社長) に合わせて本校と和歌山県商工観光労働部で、こちらも本校 で初の試みとなる「わ かやま企業交流会2008 in 高専」を開催し、県内の有力企業 30社と和歌山県工業技術センターが参加した。この交流会は 仁坂和歌山県知事が県民と語りあうイベント、「紀の国いき いきトーク」で5月に本校を訪れた際に、学生から「地元企 業をもっと知る機会を作って欲しい」との提案を受けて実現 したもの。 オープニングでの韮澤弘志校長、永井慶一和歌山県商工観 光労働部長、芝野好希 各企業ブースで説明を聞く学生 (合同企業説明会) 学生会長の挨拶に続いて、参加した企業はそれぞれのブース で訪れた学生の疑問や質問に積極的に応じ、会社をアピール していた。また企業によるプレゼンテーションも行われ、各 社は大手企業に負けない技術力や魅力をアピールしていた。 当日は学園祭との同時開催ということもあり、学生以外に も保護者や地元の方等多くの人が訪れ地元企業の実力を再認 企業によるプレゼンテーション 識する良い機会となった。 1.1.3 推薦による編入学試験を実施 −初の模擬授業も− 6月9日(月)に初の推薦による平成21年度編入学試験を実施し、近畿の4府県から7名(機械 工学科2名、電気情報工学科3名、物質工学科1名、環境都市工学科1名)が受験した。 これまで編入学試験では、学力試験のみを行ってきたが、 昨年和歌山県教育委員会との間で締結した連携協力に関する 包括協定に基づく編入枠の拡大に伴って、今年度から推薦に よる編入学試験を導入した。 選抜は午前中の模擬授業と討論、そして午後からの面接で 行われた。受験生は午前9時半からの諸注意を受けた後、志 望学科の模擬授業に臨んでいた。 全体説明を受ける受験生 2 1.1.4 近畿地区高等専門学校校長会議を開催 11月28日(金)・29日(土)に本校を会場に平成20年度第2回 近畿地区高等専門学校校長会議を(独)国立高等専門学校機構の 木谷雅人理事の参加の下で開催した。近畿地区の国公私立7高専 (舞鶴、明石、奈良、和歌山、大阪府立、神戸市立、近畿大学の 各高専)の校長、副校長または教務主事が出席した。 当日は本校の施設を視察した後に議事に入った。最初に木谷雅 熱心な議論が行われた校長会議 人理事から国立高専の高度化への取り組みについての説明があり、 次に黒田勝彦神戸市立高専校長を議長として入学志願者確保のための各校の取り組みや、留学生の 支援体制について等活発な意見交換が行われた。最後に今後近畿地区7高専がより一層結束する事 を確認し、盛会のうちに終了した。 翌日は住友金属(株)和歌山製鉄所を訪問し、所内を視察すると共に懇談会が開かれ、住友金属 側から高専卒業生に望む事、そして高専側からは企業に望むこと等の意見交換が行われた。 1.1.5 平成20年度諮問委員会を開催 2月3日(火)に平成20年度諮問委員会(委員長:平田健正和歌山大学システム工学部長)を開 催した。この委員会は学校運営や将来構想等について、外部有識者からの意見を伺う事を目的とし て毎年開催されている。今年のテーマは「和歌山高専における地域貢献の在り方について」で、韮 澤弘志校長、平田健正委員長の挨拶に引き続いて、将来構想WGリーダーの米光裕教授が、本校の 概要と地域連携・貢献の現状について説明し、意見交換を行った。 参加した委員からは、それぞれの立場から教育機関としての地域貢献の在り方や、本校に望むこ と等について多くの意見やコメントが出され、予定の時間をオーバーする盛況ぶりであった。 委員会終了後参加者は、大規模改修の済んだ校舎や、5月に設置されたロボット教育センター等 を見学した。 出席委員 和歌山大学システム工学部長 平田 健正 氏 和歌山高専後援会長 生本 修三 氏 和歌山高専産官学技術交流会会長代理 松山 弘樹 氏 和歌山県工業技術センター所長 請川 孝治 氏 クオリティ株式会社代表取締役 浦 聖治 氏 和歌山高専同窓会会長 杉本 誠司 氏 住友金属工業株式会社和歌山製鉄所所長 田中丸和男 氏 和歌山県企画部長 前硲 健作 氏 株式会社紀陽銀行取締役営業推進本部長 松岡 靖之 氏 和歌山県教育委員会教育長代理 板橋 孝志 氏 将来構想を説明する米光教授 諮問委員会(正面は平田委員長) 3 1.1.6 第三回教員表彰実施 4月2日(水)に今回で三回目となる平成19年度の教員表彰を実施した。この日表彰されたのは、 平成19年度の教育方法改善に取り組んだ一般科目の後藤多栄子准教授と桑原伸弘准教授、機械工学 科の山東篤助教、笑いロボットの制作で地域振興に貢献した電気情報工学科の若野憲一郎教授と機 械工学科の津田尚明助教、デザインコンペティションで学生を指 導して優秀賞を獲得した環境都市工学科の辻原治准教授、そして ソイルタワーコンテストで学生を指導し、並み居る強豪大学を抑 えて優勝を勝ち取った環境都市工学科の原忠助教の計7名である。 この日は出張で不在の後藤准教授を除く6名に韮澤弘志校長が 賞状を手渡し、「高専を取り巻く環境は厳しさを増す一方ですが、 韮澤校長より表彰される若野教授 各個人の強みを発揮してこの難局を乗り切り、よい学校になるよ う努力して下さい。」と受賞者を激励した。 1.1.7 FD講演会を開催 9月24日(水)に昨年度高専機構交流人事で北九州高専に1年間在籍した物質工学科の河地貴利 准教授と、高専機構在外研究員としてオランダのライデン大学に留学した一般科目の赤崎雄一准教 授を講師に第一回FD講演会を開催した。 講演で河地准教授は最初に北九州高専の概要を本校と比較しな がら紹介し、続いて北九州高専で行ってきたe-learning教材の研 究成果について動画やアニメーションを織り交ぜながら紹介した。 続いて赤崎准教授がオランダで行ったインドネシアの植民地に 関する研究の一端を写真を示しながら紹介した。その中で世界一 満足度が高いとされるオランダの教育制度を、自身の子息を入学 させた経験を交えて紹介し、参加した40名の教員は興味深く聞い 講演する河地准教授 ていた。 学外での経験を積んできた二名の教員は、今後この経験を本校での活動に活かして、活躍を続け ることになっている。 また10月14日(火)には科学研究費補助金を題材にした第二回 のFD講演会を開催し、教職員40名が参加した。 韮澤弘志校長の挨拶に続いて財務企画係の鳥居洋子氏が科研費 申請の手続きや申請書作成の際の留意点等を、スライドと配布資 料を使って詳しく説明した。 続いて教務主事でFD委員長の藤本晶教授が、科研費申請の基 科研費について説明する藤本教授 本的な考え方等を説明した。その中で藤本教授は「科研費の配分 は、税金の効果的な配分かどうかという視点で考え、その視点に立って研究テーマの設定をお願い したい。」と力説した。 研究費確保という切実な問題とあって、参加者はメモを取りながら熱心に聴き入っていた。 4 1.1.8 3年連続で「特別教育研究経費事業」に採択 平成20年度特別教育研究経費事業が「高等専門学校独自の技術 者教育の確立へ―きめ細かな教育で入学者全員卒業を目指して―」 が採択された。これは平成18年度の「高専だからできる一般科目 カリキュラム―高専の独自性を活かした教育プログラムの構築」 、 平成19年度の「『高専独自のAO入試の確立と他高専への展開』 ―高専の利点と特色を生かした学生募集の実現へ―」に続いて3 真剣な議論が行われた第一回会合 年連続の採択となる。 今回も10の高専から10名の応援をいただき、少子化等による入試倍率の低下に起因する学生の平 均学力の低下に少しでも早く対応し、出来るだけ成績不振者や留年者を出さないようにし、入学者 を全員卒業させるための施策の調査研究を行った。 その中で、この分野で先進的な取組みを行い、成果を上げている工科系私立大学を中心に実地調 査を行い、担当者との懇談を重ねた。また優れた取組みを行っている金沢工業大学数理工教育研究 センターの青木克比古教授を招いて意見交換も行った。事業の詳細は冊子に纏めて広く公開してい る。 1.1.9 3年連続で「産業財産標準テキストを活用した知的財産教育推進協力校」に認定 平成20年度の「産業財産標準テキストを活用した知的財産教育推 進協力校」の認定式が4月24日(木)に東京都港区の航空会館で開 催され、本校が3年連続で認定校に選ばれた。 この日認定を受けたのは全国の高等専門学校、工業・商業・農業 高校等の59校で、認定式には高木浩一副校長と後藤多栄子准教授が 出席した。 認定状を手にする高木副校長 最初に(独)工業所有権情報・研修館の清水勇理事長、特許庁総 務部企画調査課の瀧内健夫知的財産活用企画調整官、文部科学省初等中等教育局参事官付教科調査 官の添野龍雄国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官、農林水産省大臣官房の松 原明紀参事官(知財戦略チーム)が挨拶され、続いて認定式が行われた。 今回の認定を受けて、これまで専攻科で行われていた「技術者倫理」科目中の知的財産教育に 加えて、2008年度からは本科にも「知的財産権」科目を設定し、企業の知財担当部門の講師による 「企業における知財戦略」等についての講義を実施した。 1.1.10 産業・理科教育教員派遣研修の受け入れ 平成20年4月1日から翌年3月31日まで、「産業・理科教育教員派遣研修」の一環として和歌山 県立高校より1名の教員を受け入れた。これは、 「各都道府県の教育委員会」が小・中・高校等の 理科教員を「独立行政法人教員研修センター」に推薦し、同センターが「最寄りの大学、企業など に」研修受け入れ依頼をすることによって行われる研修である。 具体的には、和歌山県立田辺工業高等学校より阪本貴弘教諭が本校の機械工学科に研究員として 赴任し、同学科の津田尚昭助教が指導教員となり研修を実施した。なお、その成果を第9回システ ムインテグレーション部門講演会(2008年)論文集に「工業高校機械科におけるメカトロ教育の提 5 案」として共同で発表した。 理科教育や技術者育成に関して、教育方法やカリキュラム、教材等で県立高校との間で連携でき る部分も多々あることがわかり、相互にとって有意義な機会をもつことができた。 1.2 自己点検結果 今年度は本校が取り組んできたロボット関連の施策が「ロボット教育センター」という新しい組 織の立ち上げに繋げることができた。また昨年に和歌山県教育委員会との間で締結した包括協定も 「編入学試験における推薦入試の実施」という目に見える形で具体化することができた。 とかく結んだだけの名前だけの協定が多い中で、協定の精神に基づいた施策を具体化できたこと は大いに喜ばしいことである。本校が締結している協定で具体化に繋げられていないものは、早急 に検討する必要があると考える。 諮問委員会や教員表彰、それにFD活動はかなり定着してきていると感じる。諮問委員から指摘 いただいたことで実現できるものや実現する必要があるものは早急に検討を進めたい。FD活動へ の教職員の意識を更に高めて参加者を増やす努力も必要になってくると考える。 本文では触れなかったが、新任教職員に対する啓発や全教員を対象とした業務調査票に基づく業 務改善に対する動機付けを続けており、十分ではないが教職員の自己研鑽も図れていると考える。 6 2 教 務 関 係 少子化や子供達の理工系離れ等によって、全国的に高等専門学校を志願する中学生が減少を続け ている。本校でもこれらの対策として、従来の中学校訪問の実施、学校説明会やオープンキャンパ スの開催に加えて、高等専門学校に適した学生を集めるための「体験実習選抜入試」、推薦枠の拡 大や選考基準の見直し等を行ってきた。その結果入学志願者の減少に一定の歯止めを掛けることに 成功している。 しかし入学者の学力の平均値は、徐々にではあるが低下しているようである。トップクラスの学 生の学力には問題が無いが、成績下位で授業について行くことが困難な学生が散見されるのも事実 である。中学卒業者の絶対数の減少を考えると、ある意味止むを得ないことではあるが、そのよう な学生にも一定の学力を付けて、技術者として社会に送り出すことも本校の使命である。 これら学力不足の学生にどのように対応するかをテーマにした特別教育研究経費事業が文科省か ら認められ、平成20年度に他高専の協力の下で調査研究を行った。他の教育機関の調査からは、私 立工科系大学の中には先進的な取組を行っているところもあり、本校の今後の教育に参考となる事 例も多々見受けられた。これら他機関の実施例も参考にしながら、本校での教育改善を続けている。 この事業の詳細は冊子に纏めて既に公表している*。 このような学生への対応の指標として今年度の留年生数を見ると、平成20年度末では本科生の内 24名が次の学年に進級できなかった。この数字は昨年度の35名に比べて減少しているが、一昨年度 が22名であったことを考えると、もう少し長い目で追跡する必要がある。留年を防ぐためには、教 員の対応・努力も必要であるが、何より学生の努力が必要なことは論を待たない。学生にどのよう にやる気を出させるかがこれからの課題となる。 以下に平成20年度に取り組んだ主な施策を列挙する。 2.1 授業改善への取組み 授業参観参加者数 クラス 人 数 1A 47 仕事を持っている保護者の便宜を図るために平成18年度から 1B 33 保護者参観日を土曜日に設定している。開催時期を早める等の 1C 44 1D 39 試行錯誤を続けた結果、参加する保護者の数は年々増加して 2A 22 いる。平成20年度は6月21日(土)に保護者授業参観を実施し、 2B 34 25 昨年度の306名を大きく越える415名もの保護者の参加があった。 2C 2D 23 普段は学生からの情報以外に授業の様子を知ることが出来な 3A 19 3B 15 い保護者の方にとって、この授業参観は授業の様子を見る貴重 3C 17 な機会である。直接授業を見て貰うことで、普段学生を通じて 3D 10 2.1.1 保護者土曜参観の実施 クラス 4A 4B 4C 4D 5A 5B 5C 5D 計 人 数 14 14 18 16 10 3 7 5 415 得ている情報の確認等もしていただけるものと考える。 また本校は学生の出身地が広い範囲に及んでいるため、同じ学科、同じ学年、同じクラスの保護 者が一同に会する事の出来る貴重な機会でもある。後援会教育部会の協力の下で学科別、クラス別 の懇談会、そして寮生の保護者への説明会等も実施でき、参加者からは好評であった。 *平成20年度特別教育研究経費事業「高等専門学校独自の技術者教育の確立へ ―きめ細かな教育で入学者全員卒業を目指 して―」報告書 平成21年3月 7 2.1.2 教員による授業参観 平成20年度も学内で授業を行っている常勤および非常勤教員を対象に、授業の改善を目指して教 員同士による授業参観と懇談を実施した。これまではすべてのケースで参観後の授業担当者との懇 談を行っていたが、今年度からは教員の負荷も考えて、特に問題の無い場合は懇談を省略できるよ うに改めた。授業参観の結果はこれまで同様「授業参観報告書」および「授業改善報告書」として 書面にまとめている。 2.1.3 学生からの意見聴取 毎年各授業の終了時点(前期科目なら前期末、通年および後期科目なら年度末)に学生に対し授 業アンケートを実施し、その結果を授業担当者に示してコメントを記入してもらった上で公開して いる。その上でアンケートでは表現しきれない事柄を聞くために、教務主事・主事補が1 ∼ 3年 生の学生と面談を行い、直接意見を聞いている。面談する学生は、各クラスから寮生や通学生、男 女、成績の良否等の条件を考慮して、色々な層の学生10名程度である。集まった意見は教務委員会 に開示し、必要なものは各授業担当者に戻して改善に役立てている。 2.1.4 学修単位の導入 高専への学修単位(国際標準単位)の適用開始以来、積極的に導入を進めている。しかし授業の 2倍の自宅学習時間を確保する必要があることや、90分授業の場合には、授業時間の確保の観点か ら通常の15回よりも3回多い、18回の授業を行う必要がある。そのために余り多くの授業に導入で きていないが、各専門学科で工夫を重ねて、導入の本来の目的である「学生、教員双方の時間的ゆ とりの確保」や「外部教育機関の単位の取得促進」が少しでも実現できるように努力を続けている。 平成20年度に本科に導入した学修単位は下表の通りである。なお専攻科ではすべての科目を学修 単位として運用している。 平成20年度に実施した学修単位科目一覧 学科(コース) 機械工学科 科 目 区 分 必修科目 選択科目 専門科目 必修科目 電気情報工学科 専門科目 選択科目 物質工学科(物質工学コース) 専門科目 必修科目 物質工学科(生物工学コース) 必修科目 環境都市工学科 専門科目 選択科目 8 学年 5 5 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 4 4 4 4 5 5 授業科目 応用数学 材料強度学 電子工学 電気磁気学 メカトロニクス 数値解析 回路網理論 情報科学 合成化学 反応工学 分子生物学 培養工学 応用物理 測量学 環境計画学 環境科学 環境地盤工学 数理計画学 単位数 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 2.2 カリキュラム改善への取組み 2.2.1 特別英語(イングリッシュキャンプ) 平成20年度も夏休みの英語合宿「特別英語」を舞鶴高専と合同で実施した。会場は舞鶴と和歌 山とで持ち回りで、平成20年度は和歌山高専での開催となった。 日程は8月7日(木)∼ 11日(月)の5日間で、本校から専 攻科生17名が参加した。参加した学生は両校の単位互換協定に 基づいて、全員が舞鶴高専から単位が認定された。 特別英語参加者 専攻名 メカトロニクス工学 エコシステム工学 合 計 学年 1 1 人数 9 8 17 2.2.2 ショートホームルームの実施 保護者からの要望により一昨年度から低学年を中心に朝のホームルームを実施している。導入3 年目を迎えて、ほぼすべてのクラスで朝のショートホームルームが導入され、定着した感がある。 特に低学年の保護者からは好評で、学生へのきめ細かな対応の一環として今後も続けて行きたい。 2.3 3年連続で知的財産教育実験校に指定 一昨年、昨年に引き続き、平成20年度も「産業財産標準テキストを活用した知的財産教育推進協 力校」に認定された。前回までは専攻科の「技術者倫理」科目の中で知的財産教育を行っていたが、 今年度は本科に新しい科目「知的財産権」を設定し、これまで以上にきめ細かな知財教育を行って いる。 授業の中で、企業の知財担当部門の担当者を招聘し、「企業における知財戦略」等について実体 験に基づいた講演も行った。 2.4 研修旅行 研修旅行は平成16年度から第4学年に学科別で実施している。 平成20年度の行き先は機械工学科、環境都市工学科が北海道、 物質工学科が東京、電気情報工学科が韓国で、いずれも学校行 事日に実施した。学科別の実施を始めてから5回目となったが、 旅行費用の集金方法等課題も多いが、本校の年中行事の一つと 電気情報工学科(韓国) してすっかり定着している。 2.5 学校行事日 学校行事日を導入して10年余りが経ち、目新しい行事も徐々に少なくなって多少マンネリ化して きた感も否めない。そのため本年度より学校行事日をこれまでの2日から1日とし、前期末試験終 了後に外部講師による講演会や工場見学を実施した。実施された行事を以下に示す。 9 学校行事日実施行事 学年 クラス 1年 2年 3年 4年 A B C D A B C D A B C D A B C D 日 時間 9月29日 (月) 午 前 研修:ユニバーサルスタジオジャパン 時間:10:30 ∼ 16:00 引率:坂田、森、冨上、伊藤、孫本 行事 場所 研修:大阪ガス科学館 時間:10:15 ∼ 11:45 引率:赤崎、桑原、平山、原 行事 場所 行事 場所 5年 研修:海遊館 時間:12:30 ∼ 15:00 引率:赤崎、桑原、平山、原 工場見学:㈱島精機製作所 時間:10:00 ∼ 11:30 引率:三原、山東 工場見学:住友金属工業㈱ 時間:14:00 ∼ 15:30 引率:三原、山東 研修:シャープ㈱歴史・技術ホール 時間:11:00 ∼ 12:00 引率:謝、山吹 研修:奈良散策 時間:12:30 ∼ 15:30 引率:謝、山吹 工場見学:花王㈱和歌山工場 時間:10:00 ∼ 12:00 引率:河地 研修:マリーナシティ 時間:12:30 ∼ 15:00 引率:河地 現場見学:紀南地方国道42号工事施工現場 時間:9:30 ∼ 12:00 引率:中本、三岩、和田 研修:田辺・白浜散策 時間:13:00 ∼ 16:00 引率:中本、三岩、和田 北海道(9/28 ∼ 10/1) 引率:福田、北澤 行事 場所 ソウル(9/29 ∼ 10/2) 引率:佐久間、雑賀 研修旅行 東 京(9/29 ∼ 10/1) 引率:楠部、岩本 北海道(9/29 ∼ 10/2) 引率:久保井、小池 A B C D 午 後 行事 場所 卒業研究中間発表会準備(10/2 卒業研究発表会) 年金セミナー「社会保障 ―公的年金を考える―」 講師:和歌山社会保険事務局 年金広報員 松下忠三郎氏 時間:10:00 ∼ 11:30 場所:階段教室 ビデオ鑑賞 卒業アルバム写真撮影 卒業研究中間報告会準備(10/7、9 卒業研究中間報告会) 卒業研究中間発表準備(9/30 卒業研究発表会) 2.6 新入生の合宿研修 4月11日(金)∼ 12日(土)の2日間、例年通り日高郡由良町にある白崎少年自然の家を会場 に新入生特別教育活動を実施し、新入生162名と教職員10名が 参加した。1日目はオリエンテーションに続いて、「和高専で の学習の仕方」や「シラバスの使い方」等の研修や、先輩で ある専攻科生との交流会を 行った。翌2日目には美し い白崎海岸周辺でウォーク ラ リ ー を 実 施 し、そ の 成 績によって景品が配られた。 朝の体操風景 帰路には道成寺に立ち寄り、国宝の千手観音の見学や安珍清姫 の絵解き説法を受け、学生達は地域の文化に親しんでいた。 美しい白崎海岸をバックに 2.7 入学試験 2.7.1 体験実習選抜(旧AO)入試 平成16年度に導入したAO入試を12月23日(火・祝日)に実施した。今回から試験の名称を「体験 実習選抜入試」と改めた。また、「機械工学科」は、ロボットやシミュレーション技術に秀でた技術者 を養成するため、平成21年4月入学者より、「知能機械工学科」に変更する旨周知して入学志願者を募 集した。今回の応募者は127名で定員(各科8名)に対する倍率は4.0倍となった。受験生は、学科別に 定められたテーマに基づく体験実習に臨み、知能機 械工学科(旧機械工学科)8名、電気情報工学科9名、 物質工学科8名、環境都市工学科9名の計34名が合 格となった。今回の体験実習のテーマを右表に示す。 10 平成21年度体験実習選抜(旧AO)入試 学 科 知能機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 体験実習課題 歯車列の回転数を調べる MATLABを用いた基礎的なプログラミング、及び2次式の計算・描画 塩化銅と亜鉛の化学反応 環境アセスメントに挑戦してみよう 《体験実習選抜(旧AO)入試》 2.7.2 推薦入試および学力入試 推 薦入学試 験を1月24日(土)に 実施し、知能 機械工学科16名、電気情報工学科21名、物質工学 科32名、環境都市工学科16名の計85名(定員(各科 学 科 名 知能機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 計 受験者数 32 24 37 34 127 12名)に対する倍率は1.8倍)が受験し、知能機械 《学校長推薦入試》 受験者数 工学科12名、電気情報工学科13名、物質工学科14名、 学 科 名 環境都市工学科12名の計51名が合格した。 推薦入試に続いて2月22日(日)に学力入試を実 施した。今回より検査科目から社会を外し、理科、 英語、数学、国語の4科目で実施した。受験したの は知能機械工学科38名、電気情報工学科27名、物質 工学科51名、環境都市工学科44名の計160名(定員 知能機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 計 倍率 合格者数 入学者数 4.00 8 8 3.00 9 9 4.63 8 8 4.25 9 9 3.97 34 34 16 21 32 16 85 倍率 合格者数 入学者数 1.33 12 12 1.75 13 13 2.67 14 14 1.33 12 12 1.77 51 51 受験者数 38 27 51 44 160 倍率 合格者数 入学者数 1.90 20 20 1.35 20 19 2.55 20 20 2.20 20 20 2.00 80 79 《学力検査入試》 学 科 名 知能機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 計 (各科20名)に対する倍率2.0倍)であった。選抜 の結果、各科20名の計80名が合格した。 体験実習選抜、推薦、および学力入試をあわせた全体の入試倍率(定員に対する重複受験者を除 いた志願者数の割合)は1.7倍であった。 2.8 成績および及落判定 少子化や理系離れによる志願者数の減少によって、合格者に基礎学力の低い者も含まれるように なった。このような学力不足の学生にどのように対応するか、学校の「教育力」が問われる時代に 入りつつあると考える。その意味で平成20年度の特別教育研究経費事業として「高等専門学校独自 の技術者教育の確立へ―きめ細かな教育で入学者全員卒業を目指して―」が認められて予算処置さ れ、他高専の教員と一緒になってこの問題の調査研究が出来たことは大きいと考える。得られた研 究結果を基に、今後とも学生の学力不足の問題に積極的に取組んでいきたい。 そのような中、平成20年度末の成績判定会での判定の結果、昨年度の35名よりも11名少ない24名 の学生が留年となった。卒業時点で一定の学力の保証が要求される昨今、入学者の学力低下による 留年者の増加はある程度止むを得ない。そのような学生も、時間を掛けてでも一定の学力を身に付 けさせ、技術者として社会に送り出すことも本校の使命だと考える。そのためにたとえ留年したと しても、同一学年での在籍年の規定を無くす等(従来は同一学年で2度留年すると、自動的に退学 処置された) 、学生が安心して勉学に励める環境整備を進めてきた。後は学生にどのように動機付 けるかが残された課題となる。 2.9 オープンキャンパス、なるほど体験科学教室等の実施 2.9.1 オープンキャンパス 昨年同様「オープンキャンパス」を、8月末に実施した。中学生の夏休み最後の日曜日というこ ともあり、中学生やその保護者等これまでで最高の331名の来場があり、大盛況のイベントとなっ 11 た。参加者は各学科の体験コーナーや実験室、学生寮等の施設 を順次訪れるとともに、ロボットコンテスト出場マシンやブ リッジコンテストに参加した作品を見て回った。 同時に開催された公開講 座「世界の化学・生物実験 Ⅲ」と「地理情報システム (G I S)を 用 い て 津 波 盛況となった入試説明会 ハザードマップを作成しよ う」も満員の盛況となった。また午前と午後の2回行われた入 試説明会には、来春受験を目指している中学生や保護者が多数 子供達に人気の二足歩行ロボット 参加し、多くの質問が出される等会場は終始熱気に溢れていた。 2.9.2 なるほど体験科学教室 毎年高専祭の日に実施している小中学生対象の「なるほど体験科学教室」を実施し、8つのテー マに60名の小中学生が参加した。なるほど体験科学教室を含む以下の公開講座を実施し、小中学生 の理科離れ対策の一助とした。 講 座 の 名 称 開 催 日 受講対象者 8月5日㈫∼ 8月7日㈭ 小学生高学年 中学生 自動機械の秘密を探る 8月21日㈭ 中学生 簡単なコンピュータ回路を作ろう 8月21日㈭ 8月22日㈮ 中学生 高校生 電脳ロボットを作ろう 8月25日㈪ 中学生 世界の化学・生物実験Ⅰ ∼ Color Magic:色彩の魅惑∼ 7月5日㈯ 中学生(3年生) 世界の化学・生物実験Ⅱ ∼楽しい化学実験∼ 8月8日㈮ 中学生(2、3年生) 8月31日㈰ オープンキャンパス 同日開催 中学生 11月15日㈯ 中学生 おもしろ科学の実験工作教室 世界の化学・生物実験Ⅲ ∼ Chemistry & Creation:化学と創造∼ 世界の化学・生物実験Ⅳ ∼ Color Magic:色彩の魅惑∼ 8月2日㈯ 家族で学ぶ『見て、触れて、考える』地震防災講座 8月23日㈯ 中学生とその保護者 8月30日㈯ 8月31日㈰ オープンキャンパス 同日開催 中学生 物語られた世界−歴史と文学2008− 9月20日㈯ 11月29日㈯ 一般 (高校生以上) お手軽アニメーション作成 7月26日㈯ 中学生∼一般 なるほど体験科学教室 11月8日㈯ 小・中学生 地理情報システム(GIS)を用いて津波ハザードマップを作成しよう 12 第12回なるほど体験科学教室テーマ一覧 実験テーマ ①メカトロニクス入門 相撲ロボットを作ろう 対象:中学1年生∼中学3年生 電子工作を通して、メカトロニクスの基礎に触れます。製作するのは、赤外線によって障害物を検出し避けて通る。(あるいは突進す る)相撲型ロボットです。 ②3次元CGをつくろう 対象:小学5年生∼中学3年生 コンピュータグラフィックの技術は、TVやゲーム・映画等で広く使われています。本講座では、パソコンを使って立体的三次元CGを作 成する方法を解説します。 ③リモコン送信器をつくろう 対象:小学5年生∼中学3年生 赤外線リモコン送信器の組み立て、実験: ICを用いて赤外線リモコン送信部の回路をブレッドボード上に組み立て、実際に電灯の ON/OFFをさせます。 ④銀の鏡と万華鏡を作ろう 対象:小学1年生∼中学3年生 銀を溶かした液に化学反応を起こしてピカピカに輝く鏡を作ります。また、鏡を組み合わせて美しい模様の世界が広がる万華鏡を製作 します。 ⑤遺伝子との遭遇(自分の遺伝子を取り出してみよう) 対象:小学5年生∼中学3年生 自分の細胞(口内細胞)を拡大して観てみよう。その細胞から遺伝子を取り出してみよう。うまくいけば、自分の遺伝子のブローチが つくれます。 ⑥ホワイトウイングでジャパンカップ(全日本紙飛行機選手権大会)に参加しよう 対象:小学5年生∼中学3年生 ジャパンカップ規程機種のトップ選手たちに人気の高性能機種を作ります。滞空競技・規程機種Ⅰ及びⅡに出場可能です。 ⑦セメントで色あざやかな文鎮作り 対象:小学1年生∼中学3年生 色々な色を付けたセメントを使ったモルタルに、貝殻やプラスティックを飾り付けカラフルな文鎮を作ります。 ⑧Making PC∼パソコンなんて怖くない∼ 対象:小学5年生∼中学3年生 パーソナルコンピュータについて、その仕組みとそれぞれの部品の役割や動作について説明をし、実際にパソコンの組み立て実習を 行ないます。 お手軽アニメーション作成 自動機械の秘密を探る 13 2.10 インターンシップ(学外実習) 今年度も第4学年のほぼ全員の142名がインターンシップに参加した。1 ∼ 2週間というわずか な期間ではあるが、学生が実社会を体験する貴重な機会でありその経験は残された学校生活での行 動や学習意欲に大きな影響を与える。多忙な中、学生を受け入れていただいた企業、諸機関の関係 者の方々に感謝する次第である。以下に平成20年度学外実習先一覧を示す。 機械工学科 氏 名 一坪 祐矢 今村 吉庸 岩 翔太 上地 康介 狩谷 正樹 川嶋 悠介 岸 大輔 後藤 秋生 小山 佳祐 近藤 京介 坂下 泰基 白井 泰斗 関 裕正 高垣亮太郎 達谷 正勝 田中 拓磨 谷 悠平 団栗 真司 辻坂 直也 永岡 聖悟 長谷 康平 中野 泰輔 中橋 康平 中村 充志 中本 明宏 成瀬 広樹 硲間 悠太 橋本 浩司 畑 雄太 原口 晃一 松岡 慶 宮本 康平 村上 敬亮 山下 隼矢 山本 将之 ヒー ミョル 実 習 先 株式会社梅谷製作所 村田機械株式会社 いすゞエンジニアリング株式会社 サントリー株式会社 住友金属工業株式会社和歌山製鉄所 関西電力株式会社御坊発電所 関西電力株式会社和歌山支店 日本車輌製造株式会社 村田機械株式会社 東燃ゼネラル石油株式会社 関西電力株式会社御坊発電所 中部電力株式会社 旭化成エンジニアリング株式会社 住金マネジメント株式会社 旭化成エンジニアリング株式会社 コスモ石油株式会社堺製油所 ダイキン工業株式会社淀川製作所 株式会社カワタ 富士通株式会社 武田薬品工業株式会社 新日本製鐵株式会社君津製鉄所 住金関西工業株式会社 三菱重工株式会社神戸造船所 住金マネジメント株式会社 関西電力株式会社和歌山支店 株式会社森精機製作所 株式会社梅谷製作所 関西電力株式会社御坊発電所 和歌山石油精製株式会社 ブラザー工業株式会社 綜合警備保障株式会社 株式会社カワタ NTTコムウェア西日本株式会社 岩谷瓦斯株式会社 大和歯車製作株式会社和歌山工場 株式会社エム・イー・エス由良 共栄バルブ工業株式会社 14 期 間 8月18日∼ 8月21日 8月18日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月21日 7月22日∼ 7月25日 8月18日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 8月19日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月21日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月22日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 7月28日∼ 8月7日 8月25日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月22日 7月22日∼ 7月25日 7月21日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月21日 8月18日∼ 8月21日 7月28日∼ 8月1日 8月4日∼ 8月8日 8月18日∼ 8月22日 8月25日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月22日 8月4日∼ 8月8日 8月4日∼ 8月8日 8月25日∼ 8月29日 7月22日∼ 7月31日 電気情報工学科 氏 名 石田 京介 井上 祐輔 植田 昌徳 江川 智拓 大浦 慎右 大江 一樹 柿本 哲弥 春日 真裕 川口 功 喜多 正光 北本 将 木村 聡一 木村 太郎 小櫻 和寛 五味 史佳 坂井 亮太 芝野 好希 杉本 昂己 寒川 正広 髙松 諒 辻田 和真 土井 佑介 中川 翔太 中屋 拓真 西村 卓馬 西村 将人 羽田 正雄 林 恭子 東山 直矢 福本 航多 前田 達哉 松本 達矢 三栖 一城 南村 陽介 峯上 良平 三輪 友太 森本 健太 山本 恭平 山本 浩之 湯川 洋平 横山 一真 ダウス 実 習 先 株式会社エム・イー・エス由良 バルトソフトウェア株式会社和歌山開発室 株式会社オプティム 富士通株式会社 関西電力株式会社御坊発電所 関西電力株式会社田辺営業所 和歌山県立情報交流センター ビック・ユー コーンズドッドウェル株式会社 株式会社オプティム 株式会社システムデバイステクノロジー 株式会社INAX 株式会社エスアールアイ 富士通株式会社 富士通株式会社 NTTコミュニケーションズ株式会社 住金プラント株式会社和歌山本社 住友金属物流株式会社 株式会社島精機製作所 NTTコムウェア西日本株式会社 日本電気硝子株式会社 関西電力株式会社和歌山支店 関西電力株式会社和歌山支店 株式会社INAX 株式会社オプティム 関西電力株式会社和歌山支店 関西電力株式会社和歌山支店 富士通株式会社 和歌山県経営者協会 関西グリコ株式会社 株式会社第一電工 アイコム株式会社 中紀精機株式会社 株式会社エスアールアイ 住友金属工業株式会社和歌山製鉄所 富士通株式会社 株式会社エム・システム技研 富士通株式会社 株式会社カワタ 株式会社フジキン 東燃ゼネラル石油株式会社 富士通株式会社 日信電子サービス株式会社 15 期 間 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 8月18日∼ 8月22日 8月18日∼ 8月21日 8月18日∼ 8月21日 7月19日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月22日 7月22日∼ 7月25日 8月8日∼ 8月12日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月22日 8月18日∼ 8月22日 8月18日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 8月25日∼ 8月29日 8月25日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月22日 7月28日∼ 8月1日 7月22日∼ 7月25日 7月22日∼ 7月25日 7月28日∼ 8月1日 7月22日∼ 7月25日 7月22日∼ 7月25日 7月22日∼ 7月25日 8月18日∼ 8月29日 8月1日∼ 8月14日 7月28日∼ 8月1日 8月26日∼ 8月29日 7月28日∼ 8月1日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月22日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月22日 7月28日∼ 8月8日 8月18日∼ 8月22日 8月25日∼ 8月29日 8月26日∼ 8月29日 7月28日∼ 8月7日 8月18日∼ 8月22日 8月18日∼ 8月22日 物質工学科 氏 名 池上 芽来 井阪 貴紀 稲葉 義昭 後 光雄 大谷 英響 大淵 陽 勝山 大介 加藤 早紀 坂元 玄太 杉山 哲也 隅澤 杏介 炭家佳奈子 田村 彰朗 津村 登紀 津呂 聡史 中 泰之 中 裕紀子 中岡 晴河 西本 征矢 野田 知里 林 洸一 前田 侑里 森 緑 山田 雄大 山本 知香 山本 吉輝 弓場 拓実 脇村晋太郎 ウォン ワン イン 実 習 先 徳島大学工学部生物工学科 DIC株式会社 ホロン精工株式会社 和歌山県農林水産総合技術センター暖地園芸センター 住鉱潤滑剤株式会社開発センター 和歌山県農林水産総合技術センター水産試験場 サカタインクス株式会社 塩野義製薬株式会社 和建技術株式会社 富士通株式会社 株式会社日本化学工業所 エヌ・イーケムキャット株式会社沼津事業所 北広ケミカル株式会社 日本製薬株式会社大阪工場 三洋化成工業株式会社 大阪シーリング印刷株式会社 株式会社資生堂大阪工場 豊橋技術科学大学 正和産業株式会社 カナセ工業株式会社 花王株式会社 京セラ株式会社滋賀蒲生・八日市工場 豊橋技術科学大学 武田薬品工業株式会社 田岡化学工業株式会社 剤盛堂薬品株式会社 中野BC株式会社 旭化成ケミカルズ株式会社 大洋化学株式会社 大洋化学株式会社 16 期 間 8月25日∼ 8月29日 8月21日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 7月28日∼ 8月8日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 8月25日∼ 8月29日 8月25日∼ 8月29日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 7月28日∼ 8月1日 8月4日∼ 8月8日 8月4日∼ 8月11月 8月4日∼ 8月8日 8月25日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 7月22日∼ 7月25日 7月28日∼ 8月1日 8月5日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 8月4日∼ 8月8日 7月22日∼ 7月25日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月1日 7月28日∼ 8月1日 7月18日∼ 7月31日 7月28日∼ 8月1日 8月25日∼ 8月29日 7月28日∼ 8月1日 環境都市工学科 氏 名 片家 啓 川口 立騎 熊本 桂子 栗林 広 小泉 塁 小坂 佳久 小村 泰一 坂野 哲平 椎名 浩太 髙垣 皓司 滝本 友博 竹中 康太 田代 純一 田中 康平 谷口 満誉 谷脇 知晃 田本 雅典 土屋 佳久 中井 佑哉 西原 真美 濵端 良輔 平野 史也 福嶋 孝啓 二俣 慶祐 前田 侑輝 前山 公佑 松本 光平 南口 茜 三原佐智雄 村林 雄太 森内 悟 山本 紘司 和田 光平 実 習 先 南海電気鉄道株式会社 大阪ガス株式会社 日高郡日高川町 和歌山県海草振興局建設部 和歌山縣ヘルス工業株式会社 和歌山県伊都振興局建設部 株式会社レールテック 有田郡有田川町 和建技術株式会社 有田郡有田川町 国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所 関西電力株式会社和歌山支店 株式会社レールテック 和歌山県有田振興局建設部 和歌山県日高振興局建設部 関西電力株式会社御坊発電所 株式会社環境地盤 御坊市産業建設部 国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所 海南市 高田機工株式会社和歌山工場 関西電力株式会社御坊発電所 南海電気鉄道株式会社 大阪ガス株式会社 南海電気鉄道株式会社 高田機工株式会社和歌山工場 国土交通省近畿地方整備局和歌山港湾事務所 和建技術株式会社 有田郡湯浅町 和歌山県企画部地域振興局 和歌山市建設局下水道部 和歌山縣ヘルス工業株式会社 和歌山縣ヘルス工業株式会社 17 期 間 8月5日∼ 8月8日 7月23日∼ 7月31日 8月4日∼ 8月8日 7月28日∼ 8月8日 7月22日∼ 7月25日 8月4日∼ 8月8日 8月21日∼ 8月29日 7月23日∼ 7月29日 8月25日∼ 8月29日 7月23日∼ 7月29日 8月18日∼ 8月22日 7月22日∼ 7月25日 8月21日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 7月22日∼ 8月5日 8月18日∼ 8月21日 7月28日∼ 8月1日 8月4日∼ 8月8日 8月18日∼ 8月22日 8月6日∼ 8月12日 8月18日∼ 8月21日 8月18日∼ 8月21日 8月5日∼ 8月8日 7月23日∼ 7月31日 8月5日∼ 8月8日 8月18日∼ 8月21日 8月4日∼ 8月8日 8月25日∼ 8月29日 7月28日∼ 8月1日 8月18日∼ 8月29日 8月18日∼ 8月29日 7月22日∼ 7月25日 7月22日∼ 7月25日 2.11 平成20年度5年生卒業研究テーマ 機械工学科 氏 名 卒業研究テーマ名 指導教員 相原 史郎 2次元位置有感紫外線光子検出器の開発 溝川 石上 陽一 フィードバック制御教材としてのロボットアームの開発 津田 伊藤 博之 セイルウイング型風力発電風車について 坂田 今村 誠之 高磁場環境下で用いる触覚刺激呈示装置の開発 北澤 上村 陸 高齢者に適した車操舵装置形状の提案 北澤 岡本 憲 フィードバック制御教材としてのロボットアームの開発 津田 栗原 貴宏 高磁場環境下で用いる触覚刺激呈示装置の開発 北澤 児嶋 洋海 高磁場環境下で用いる触覚刺激呈示装置の開発 北澤 越本 智大 旋削加工における切削油の静電噴霧供給 三原 阪井 章悟 平板の座屈解析 藤原 坂口 友哉 WARAIロボット二号機の開発 津田 嶝 功 円筒のエネルギ吸収特性 藤原 下坂 僚 6061アルミニウム合金の張り出し成形性に及ぼす熱処理の影響 樫原 新家 誠 切削動力計の設計・製作 三原 千郷 光司 直線翼型風力発電用風車について 坂田 武内 康浩 拡張加重結合容量法による位置有感X線検出器の開発 溝川 武内 祥泰 セイルウイング型風力発電風車について 坂田 竹谷 健司 文楽人形に関する研究 津田 田伏 洸助 高齢者に適した車操舵装置形状の提案 北澤 辻 修吾 木質材料の機械的性質と組織との関係 樫原 中田 成悟 2次元位置有感紫外線光子検出器の開発 溝川 名手 裕喜 ばね振り子のCGアニメーションの作成 山東 直川 将也 物理学習のためのビリヤードソフトウェアの開発 山東 硲 基行 マルチパルス放電加工装置の製作 西本 橋本 悠希 拡張加重結合容量法による位置有感X線検出器の開発 溝川 花坂 謙一 Webカメラをロボットの目とするシステムの構築 佐野 林 明音 ガスタービンエンジン用燃焼器の適正設計 福田 平山 勝也 直線翼型風力発電用風車について 坂田 堀口久美加 超音速噴流の合流特性に関する研究 福田 松 6061アルミニウム合金の張り出し成形性に及ぼす熱処理の影響 樫原 松田 洋平 切削動力計の設計・製作 三原 松原 史弥 ロボットの頭脳となる組込みリアルタイムOSの評価 佐野 溝畑 有祐 超音速噴流の合流特性に関する研究 福田 南 明秀 超音速噴流の合流特性に関する研究 福田 宮本 琢也 WARAIロボット二号機の開発 津田 矢野 智久 旋削加工における切削油の静電噴霧供給 三原 山田 勝大 Webカメラをロボットの目とするシステムの構築 佐野 山中 良佑 Webカメラをロボットの目とするシステムの構築 佐野 山本 健太 ロボットの頭脳となる組込みリアルタイムOSの評価 佐野 山本 浩嗣 WARAIロボット二号機の開発 津田 歩行補助器の開発 津田 慎 ティオ 18 電気情報工学科 氏 名 卒業研究テーマ名 指導教員 合川 治樹 電磁誘導加熱(DPH)に関する研究 徳田 揚野 束 CGによる校内見学システムの構築 阿部 友則 振動片方式粘度計の測定精度向上に関する研究 植田 諭 E−learningシステムの機能拡張 上山 聖司 RCサーボを用いたアームの製作 若野 太田 和宏 Cu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池の作製に関する研究 山口 大谷 龍輝 WARAIロボット(Ⅱ)の製作 若野 岡田 武士 学外実習データベースの構築 岡本 純也 電磁誘導加熱(DPH)に関する研究 徳田 岡本 拓也 TlおよびBiを含む新規混晶半導体のバンドギャップエネルギーに関する研究 直井 梶本 洋平 人間の行動を考慮した津波災害避難シミュレーションの開発 栗塚 翔太 半導体ガスセンサの過渡応答モデルの構築 清水 啓安 ReRAM用酸化物薄膜に関する研究 白井 渉 LED照明器具の設計 関本 正光 複合要因を考慮した地震被害予測システムの構築 髙尾 洋輔 TlおよびBiを含む新規混晶半導体のバンドギャップエネルギーに関する研究 直井 田中 雄也 色素増感型太陽電池の作製に関する研究 山口 玉井 俊行 地震直後の火災の消火シミュレーションの検討 玉川 貴裕 WARAIロボット(Ⅱ)の製作 田村 直也 BST薄膜の誘電率膜厚依存性に関する研究 佐久間 辻本 剛平 ReRAM用酸化物薄膜に関する研究 佐久間 森 徳田 森 森 謝 藤本 佐久間 若野 謝 謝 若野 津村 駿 Cu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池の作製に関する研究 山口 出口翔太郎 紫外線を用いた消臭器の開発 藤本 寺島 一樹 洋上風力発電設備に接続された海底ケーブルのサージ特性 山吹 土井 悠生 振動片方式粘度計の測定範囲拡大に関する研究 徳田 中 久枝 半導体ガスセンサのドライクリーニングへの応用 藤本 西川 翔平 学習によるマルチエージェントの協調行動の獲得 謝 野崎 泰弘 半導体ガスセンサの食品製造プロセスへの応用 藤本 東山 和樹 待機電力の調査と小電力の測れる高感度電力計の製作 渡邊 福林 祐司 太陽光発電システムの性能評価に関する研究 山口 藤本 大貴 「アルゴリズムとデータ構造」用動画教材の検討と作成 森 鮒田 和憲 待機電力の調査と小電力の測れる高感度電力計の製作 渡邊 松田 健太 待機電力の調査と小電力の測れる高感度電力計の製作 渡邊 道畑 智樹 前駆電磁波観測による地震予知法の研究 山吹 南 旭浩 ReRAM用酸化物薄膜に関する研究 村田裕次郎 WARAIロボット(Ⅱ)の製作 若野 矢野由香梨 電磁誘導加熱(DPH)の電気特性改善への適用に関する研究 徳田 湯川 聡志 LED照明器具の設計 若野 吉田 聖 半導体ガスセンサの食品製造プロセスへの応用 藤本 米村泰一郎 振動片方式粘度計の測定精度向上に関する研究 徳田 紫外線による消臭機構の解明とその応用 藤本 アミット 19 佐久間 物質工学科 氏 名 卒業研究テーマ名 指導教員 赤松 宏紀 Spiropiran部位を有するCalix [4]arene誘導体の合成と錯形成挙動 岩本 熊代 南 シリカ粒子表面でのエトキシ化反応に関する平衡論的検討 塩路 稲葉 慧 アゾ染料分解菌KJ1株の同定 米光 岩 章太 システアミンを保護剤とした紫外線照射によるCdSナノ粒子の合成と基板上へのパターン形成 上岡 孝浩 耐熱性セルラーゼ生産菌のスクリーニング 楠部 林 片山 瑞紀 Phast SystemTM によるC.elegans タンパク質の分離と解析 山川 川端 菜摘 マイクロ波を用いた梅干調味廃液からのHMF合成及びHMFとクエン酸によるムメフラール合成 高木 川原 慶也 長鎖アルキルスルファニル基を持つ無金属テトラピラジノポルフィラジンの合成と液晶物性 高木 貴志 雄介 生体適合性コラーゲンポリマー 土井 北村 有斗 免疫組織染色法による抗原タンパク質の解析 山川 京泉 大道 ヒドロキシプロリンを含むモデルペプチドの合成 土井 河野 将大 梅干調味廃液の電気透析処理に関する研究(4) 岸本 齋藤 辰也 Crown ether部位を持つ新規クロメン系化合物の合成と錯形成挙動 岩本 坂口 圭祐 カリックスアレーンイオンコンプレックス薄膜の性質 野村 椎崎 愛 Saccharomyces cerevisiae S288C株を用いた高圧食品加工技術標準試験の検討 楠部 椎 マイクロ波を用いたカリックスアレーンの連続合成 野村 TCANと芳香族アミンの反応における溶媒効果 高木 元揮 清水 千恵 髙垣 領太 クロメン部位を有するカリックス[4]アレーン誘導体の合成と錯形成挙動 岩本 竹本 雄紀 サマリウム触媒によるイミノピナコールカップリング 河地 谷藤 可菜 粒状活性炭による天然色素の吸着分離に関する研究 岸本 19 田和 昌樹 コラーゲンモデルペプチドの合成と F-NMR 土井 寺杣 陽太 コラーゲンセンサーの作製と応用 土井 冨上 拓也 表面修飾によるCdSナノ粒子の蛍光増幅特性 苫谷 樹 tert-Butyl Calix [6] areneによるシリカゲルの表面改質 林 冨上 西岡 美幸 1,3-1,4-β-グルカナーゼc103遺伝子の大腸菌中での高発現 米光 西野 匠 静水圧処理したBY-2細胞の回復培養 楠部 西山 恵子 ウメの倍数体育種に関する研究 −コルヒチン処理による4倍体誘導− 米光 西山 康太 新規アルコール発酵酵母のスクリーニング 米光 原 良丞 梅干調味廃液の酸化処理に関する研究 岸本 廣嶋 稔 フェルラ酸からバニリルアミンの合成 野村 福元 淳生 抗原性タンパク質に対するモノクローナル抗体の作製 山川 堀本 孝史 シリカ粒子表面のアルコキシ化改質制御 塩路 前田 紘弥 梅干表面で生息する酵母に対する増殖抑制法の検討 山川 松原 知也 植物性タンニンを用いた機能性材料開発 野村 松本 憲 シリカ粒子表面の反応性に関する速度論的検討 塩路 松山 直記 [2.2]メタシクロファン合成のための新規促進剤の開発 河地 眞鍋 香澄 calix [4] arene誘導体の合成 ∼色素化calix [4]areneの合成∼ 冨上 宮脇 景子 Calix[6] arene誘導体の合成 冨上 望月 美咲 電荷移動錯体形成能を有するCalix [4] arene誘導体の合成と物性 冨上 森 友希 凍結保存融合細胞が生産する抗体の評価 山川 Calix [4] areneの効率的ハロメチル化反応の開発 河地 ハリム 20 環境都市工学科 氏 名 卒業研究テーマ名 指導教員 井上 博貴 PETボトルと使用済みガラスビンを有効利用したタイルの耐久性について 久保井 上続 厚美 想定地震の違いによる津波浸水予測図の差異について∼印南町の場合∼ 小池 上野 舞子 細粒分を含む砂質土のせん断特性に関する研究 原 大隈 大輔 災害図上訓練による防災意識向上に関する研究 伊藤 大橋 知奈 粗粒土の締固め特性に関する研究 片山 誠也 河川・ため池の水質浄化方法についての基礎的研究 勝丸 竜次 リン資源回収技術のLCA評価 川口 拓郎 地下水涵養におけるバイオマスの利用に関する研究 大久保 木村 圭佑 王子川流域の水環境特性に関する研究 大久保 木村 亮 中小橋梁の振動特性の推定に関する研究 小谷 純平 水砕スラグを細骨材に用いたモルタルに関する研究 三岩 佐藤 和久 銅スラグ骨材およびスラッジ水を使用したコンクリートに関する研究 三岩 柴本麻里子 王子川流域の水環境特性に関する研究 大久保 新屋 麻美 地下水涵養におけるバイオマスの利用に関する研究 大久保 原 久保井 靏巻 辻原 高垣 創太 和歌山県における想定地震の違いによる津波到達時間の差異について 小池 高田 淳平 地震時の塔の揺れに対する片振子型IMDの制振性能に関する研究 小川 髙橋 泰道 県内産骨材を用いたコンクリートの乾燥収縮特性 中本 田口 貴大 乾燥収縮特性の早期判定方法の検討 田中 智也 河川・ため池の水質浄化方法についての基礎的研究 谷本 誠也 椿山ダムによる下流河川への影響に関する研究 靏巻 田畑 至啓 振幅制限を受けるIMDの制振性能に関する研究 小川 中本 久保井 田伏 量 PETボトルと使用済みガラスビンを有効利用したタイルの耐久性について 玉置壮一朗 歩道橋の振動特性と歩行者の不快感との関係についての調査研究 辻原 土橋 弘樹 堺市のLRT導入に向けたモビリティ・マネジメントに関する研究 伊藤 土井 健資 礫を含む中間土の液状化特性に関する研究 夏目 拓治 想定地震の違いによる津波浸水予測図の差異について∼印南町の場合∼ 小池 西川 和政 銅スラグ骨材およびスラッジ水を使用したコンクリートに関する研究 三岩 西川 智代 想定地震の違いによる津波浸水予測図の差異について∼御坊市の場合∼ 小池 東谷 麻央 椿山ダムによる下流河川への影響に関する研究 靏巻 平岡 晃輔 土の締固め特性に関する研究 藤川朋奈弥 転炉スラグ骨材を利用したコンクリートに関する研究 三岩 藤原 圭佑 災害図上訓練による防災意識向上に関する研究 伊藤 藤本健一郎 振幅制限を受けるIMDの制振性能に関する研究 小川 星田 倫宏 低品質骨材コンクリートの乾燥収縮特性の改善 中本 前地 佑樹 河川・ため池の水質浄化方法についての基礎的研究 前原 大樹 アルカリ骨材反応性促進判定試験方法の検討 中本 松野 隆志 電子住宅地図を使用した避難行動シミュレーションに関する研究 辻原 溝口 智哉 リン資源回収技術のLCA評価 靏巻 南口 眞人 堺市のLRT導入に向けたモビリティ・マネジメントに関する研究 伊藤 森下 竜行 転炉スラグ骨材を利用したコンクリートに関する研究 三岩 森本龍之助 想定地震の違いによる津波浸水予測図の差異について∼田辺市の場合∼ 小池 山中 悠資 地盤震動の同時観測記録を用いた地盤の減衰パラメータの同定に関する研究 辻原 和歌山県および近畿地方における長周期地震動に関する研究 小川 マノ 久保井 原 原 21 久保井 2.12 自己点検結果 3年続いて今年度も「特別教育研究経費事業」を採択していただき、教育の基本の一つである 「きめ細かな教育」に関して他高専の教員と一緒に調査研究を行い成果を公表することができた。 教員同士の授業参観、授業アンケート、学生との懇談等の取組も定着しており、これらの施策をど れだけ実質的な教育改善に繋げるかが今後の課題となる。 留年生数は年度によって増減するが、大切なのはたとえ留年したとしても最終的に一定のレベル の実力を身に付けた技術者として社会に送り出せるかである。その意味で、留年者数よりもむしろ 中途退学者数や卒業率といった数字を改善する必要がある。この面でも、一学年での修業年限の上 限を廃止し、落ち着いて学習できる環境は既に整っている。学生をどのように動機付けるかがこれ からの課題となる。 また、オープンキャンパスや学校見学会、そして、なるほど体験科学教室等、中学生向けのイベ ントはいずれも例年以上の盛り上がりを見せた。中でもオープンキャンパスの参加者数は大幅に増 加しており、中学関係者のみならず、広く社会全般に和歌山高専を浸透させるとともに、子供の理 科系離れ対策にも一定の効果を上げているものと判断する。入試倍率の増加もこれら地道な活動の 成果が現れているものと考える。今後もこのような活動を続けて行きたい。 22 3 専 攻 科 関 係 3.1 入学試験と入学者の確保 平成20年度入学者は25名(メカトロニクス14名、エコシステム11名)であった。また、平成20年 度に実施した平成21年度専攻科入学者選抜試験の状況は下表のとおりであった(入学者はメカトロ ニクス13名、エコシステム8名)。 社会人特別選抜入試については、平成21年度専攻科入学者選抜試験から出願資格の見直しを行い 社会人がより受験しやすいよう改正を行ったが、受験者はなかった。また、平成22年度入学者募集 要項の見直しを行い、英語入試にTOEICの活用を導入した。 平成21年度専攻科入学者選抜試験の受験者数、合格者および入学者数 推薦入試 学力入試 社会人 特別選抜 受験者数 13 22 0 合格者数 12 19 0 入学者数 12 9 0 3.2 専攻科教育の充実 本校の「地域環境デザイン工学」教育プログラムの学習・教育 目標(B)「社会のニーズおよび環境に配慮し、かつ与えられた 制約下で、工学の基礎的な知識・技術を統合して課題を解決する デザイン能力を身につける。」を達成するため、1年生の工学特 別実験(必修・4単位)の中に「創造デザイン」を平成20年度か ら開設した。「創造デザイン」の到達目標は、「自己の専門分野で の学問的知識や経験をもとに、総合的視野に立った技術開発計画 を立案でき、問題解決する手法について理解する。」ことである。 メカトロデザイン (ライントレースロボットの競技会) 本年度は前期の授業開始から9週(1週は6時間)を配当し、「メカトロデザイン」 、 「県産品デザ イン」および「構造デザイン」の3テーマを設定した。本科4学科の出身学科に拠らず学生たちは 3テーマから自由に希望のテーマを選択し、2 ∼ 4人のチームを編成して企画・製作(実験)・ 報告・プレゼンテーション等をとおして技術開発の手法を学習した。その成果報告会は6月12日 (木)に開催された。課題解決までのプロセスが重要ではあるが、 中には新聞報道で取りあげられた成果もあり予想以上の結果を残 すことができた。 今回の取組みを点検し、より改善していくことは重要であり、 そのために学生や教員へのアンケート調査を行うとともに、外部 有識者との懇談会を行った。 県産品デザイン(大賀蓮酒の作成) 学生アンケートでは、問題解決手法について理解できたという回 23 答が多数であり、学生自身も実感できていることを示している。 外部有識者(大阪大学大学院工学研究科 藤田喜久雄教授)と の懇談会では、「成果発表会で発表を聞いていた学生の皆さんが 活発に質問して、発表者との質疑応答もきちんとできていた点に 感心しました。3テーマでのデザイン教育が実施されましたが、 それぞれ1年目であることを踏まえると、きちんと成果が出てい るように思います。」とのコメントに自信をいただいた。チーム 編成では出身学科による偏りが見られたが、成果発表会における テーマを超えた学生間の質疑応答は、十分な工学(融合複合)が 構造デザイン (ブリッジコンテストにおける載荷実験) 計られていると考えられる。 一方、チームの人数、課題達成と創造性のバランス、アイデアの絞込み過程、デザイン科目のス テップアップなどで貴重なご意見をいただいた。 「創造デザイン」を毎年行い、担当する教員の経 験が積み重なる中で少しずつ改善へと前進していきたいと考えている。 学生アンケートの結果 (問題解決手法の理解度に対する設問) 3.3 学修単位の実施 学修単位の規定をより厳格に運用するために、平成19年度より1、4時間目の講義については、 110分の講義を15回実施し、2、3時間目の講義科目については90分授業を18回実施している。 しかしながら、90分授業の場合、時間割上に現れない3回分の授業について適宜実施していたた め、3回分の授業が学期末に集中するなどの問題が見られた。本年度はこの問題を解決するために、 90分授業の科目については、3回分の講義を時間割の空き時間にバランスよく配置し、学期はじめ に専攻科生と担当教員にその時間割を配布した。 24 3.4 インターンシップ 企業等での就業体験や大学院での研究体験を行うインターンシップを選択科目(2単位)として 開設している。平成20年度は、企業等で13名、大学院で5名がインターンシップを行った。 専攻科インターンシップの様子 (大阪大学大学院) 平成20年度専攻科インターンシップの実施状況 メカトロニクス工学専攻 学生氏名 淺井 康孝 実 習 先 (株)エム・システム技研 期 間 8/18㈪∼ 8/29㈮ 奥 尚之 バンドー化学(株)南海工場 8/18㈪∼ 8/29㈮ 達谷 慎一 バンドー化学(株)伝動技術研究所 8/18㈪∼ 8/29㈮ 東内 基 環境テクノス(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 森本 隆司 三浦工業(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 生島 亘 大阪大学大学院工学研究科 8/25㈪∼ 9/12㈮ 竹内 悠将 大阪大学大学院工学研究科、大阪大学接合科学研究所 8/25㈪∼ 9/5㈮ 中谷 裕紀 大阪大学産業科学研究所 3/2㈪∼ 3/13㈮ 森下 隆至 大阪大学大学院工学研究科 3/16㈪∼ 3/27㈮ エコシステム工学専攻 学生氏名 実 習 先 期 間 池谷 壌 富士通(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 梶原 克之 富士通(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 坂下 智康 本州化学工業(株) 8/21㈭∼ 9/4㈭ 辻 浩典 和歌山県有田振興局建設部 8/18㈪∼ 8/29㈮ 中村 拓真 スガイ化学工業(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 古川 義憲 小西化学工業(株) 9/1㈪∼ 9/12㈮ 山 悠 アタカ大機(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 山吹 拓記 富士通(株) 8/18㈪∼ 8/29㈮ 藤井 亮 奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 8/18㈪∼ 9/12㈮ 25 3.5 学会発表 学生のプレゼンテーション能力を向上させる点において学会発表は有益であることから、積極的 な支援を行っている。平成20年度は学会発表旅費補助の指針を専攻科委員会で決め、旅費を補助し た。平成20年度の学会発表等の件数は下表のとおりである。 平成20年度専攻科生による学会発表実績 クラス 1M 1E 2M 2E 発表件数 5 6 6 3 3.6 学位申請 学生13名(メカトロニクス6名、エコシステム7名)が(独)大学評価・学位授与機構へ学位審 査の申請を行い、12月に実施された小論文試験を経て、12名が「学士(工学)」の学位を取得した。 3.7 平成20年度専攻科2年生特別研究テーマ メカトロニクス工学専攻 区分 特別研究テーマ名 氏名 指導教員 伊藤 晃大 松葉伺歩行時の松葉伺動作の計測・警告システムの開発 津田 苫谷 将来 半導体ガスセンサの過渡応答モデルの構築 藤本 福林 由郎 小型セイルウイング型風車発電に関する研究 坂田 前田 和也 Cu2ZnSnS4薄膜太陽電池の作製に関する研究 山口 松本 昇之 二次元位置有感紫外線光子検出器の研究 溝川 満永 善樹 有限差分―最小自乗法による熱伝導逆問題の解析 藤原 エコシステム工学専攻 区分 氏名 特別研究テーマ名 指導教員 芝本 健 ドロップレット法によるウメ培養シュート茎頂部の超低温保存 米光 清水 翔太 梅干調味廃液に含まれる有用物質の分離・回収に関する研究 岸本 白井 琢也 温泉由来eDNAからの1,3-1,4-β-グルカナーゼ遺伝子のクローニング 米光 杉野 光彩 ムメフラール中間体の安全かつ安価な合成方法の検討 高木 竹中 翔大 堆肥由来eDNAからの1,3-1,4-β-グルカナーゼ遺伝子のクローニングと大腸菌での発現 米光 谷 健多 抗体生産性融合細胞の長期凍結後培養と新規作製 山川 山 2,3,6,7-tetracyano-1,4,5,8-tetraazanaphthaleneと求核試薬との反応について 高木 和弘 26 3.8 平成20年度進路 進 路 先 [ 企 業 ] (株)イシダ メカ専攻 エコ専攻 1 (株)三宝化学研究所 1 塩野義製薬(株) 1 パナソニックエレクトロニックデバイス(株) 1 森永乳業(株) 1 [ 進 学 ] 大阪大学大学院 1 徳島大学大学院 1 長岡技術科学大学大学院 2 奈良先端科学技術大学院大学 合計 1 1 5 6 3.9 専攻科棟の有効利用 専攻科棟の有効利用の観点から、専攻科では講義室等が空いている時には事前申請により使用を 許可している。平成20年度の許可実績は、6日以内の短期使用が28件、6日以上の長期使用が6件 であった。使用目的は、特別研究、特別ゼミナール、本科の講義、公開講座、会社説明会、本科卒 業研究発表会等であった。 3.10 自己点検結果 デザイン能力を育成するカリキュラムの開設が喫緊の課題となっており、平成19年度に立案した 「創造デザイン」 (メカトロデザイン、県産品デザイン、構造デザインの3テーマ)を工学特別実 験で本年度実施した。アンケートや外部有識者による評価から、十分満足できるレベルで実施でき たと考えられる。学修単位を履行するために90分授業を18回実施しているが、時間割上に現れない 3回分の授業について時間割の空き時間にバランスよく配置する時間割を学期当初に作成した。そ の結果、学生の負担も軽減され、有益な対応ができた。一方、学位審査では、1名の不合格者(本 校2例目)が出たことは反省点である。問題点を分析し、改善策を講じていきたい。 また、専修学校卒業生にも認められている大学院入学資格が、専攻科修了生には認められていな い現状が判明し、改善する必要性を痛感している。 社会人特別選抜入学試験では出願資格の改正を行い、より受験しやすい制度に変更したが、制度 変更の周知不足もあり、受験者がいなかった点は課題として残った。一方、TOEICを学力入試 に活用する募集要項に変更し、英語学習への意欲向上の試みをスタートさせたので、今後の推移を 注視したい。 27 4 外 部 評 価 関 係 4.1 日本技術者教育認定機構(JABEE)による「地域環境デザイン工学」 教育プログラムの審査 平成18年度に(社)日本技術者認定機構の審査を受けた「地域環境デザイン工学」教育プログラ ム(工学(融合複合・新領域)関連分野)が認定されたが、判定にW(弱点)が1 ヶ所、【C】(懸 念)が4ヶ所あり改善が必要であった。 改善すべき点については平成19年度に該当部署で対応していただき、平成20年度に中間審査を受 審した。受審にあたり、外部評価検討委員会の中に外部評価検討WGを作り、WGのメンバーが前 回審査で指摘を受けた事項について、どのように改善されたかの資料収集と自己点検書の本文編と 引用・裏付資料編の草案を作成した。 さらに、改善点を本校ホームページでも公開した。これらの審査書類を、外部評価検討委員会 で審議し、さらに、運営委員会に諮り、承認を受けた後、(社)日本技術者認定機構へ平成20年7 月末に提出した。その後、同機構の実地審査が11月にあった。審査結果は、平成21年6月に通知が あり、今回受審した5項目すべてをA(適合)と判定していただき、本校の「地域環境デザイン工 学」教育プログラムは新たに3年間認定が継続された。 4.2 自己点検結果 (社)日本技術者教育認定機構の初回審査で指摘があった事項は、平成19年度中にすべて改善策 を講じることができ、平成20年度の同機構の中間審査では、すべてA(適合)と判定していただい た。その結果、審査の28項目中、21項目がA(適合)となった。今回の審査結果は十分満足できる 内容であるが、今後も引き続き教育改善に努め、より良い教育を提供できるようにしたい。 28 5 厚 生 補 導 関 係 厚生補導関係として、学生の自主活動や人格形成の立場から学生会活動、クラブ活動、交通安全、 補導および進路などの指導を行なっている。 5.1 学生会活動 学生会は、学生会長の芝野好希君(電子情報工学科4年)を中心に春と秋の校内体育大会、11月 の高専祭そしてクラブ活動支援(高専体育大会の壮行会やクラブ予算の会計)などを実施した。 5.1.1 校内体育大会 校内体育大会は学生会が主催し、体育委員会が準備を行い、 例年春と秋の2回実施している。今年度は、5月15日(木)に 春季体育大会を、10月22日(水)に秋季体育大会を実施した。 春は、晴天に恵まれ、絶好の体育大会日和となりソフトボー ル、サッカー、ソフトテニス、みんなでジャンプ、バスケット ボール、バレーボール、卓球などの種目が行われた。大会の フィナーレには学年別リレーと学科対抗綱引きが行われ、熱の 学科対抗綱引き 入った応援が繰り広げられた。総合得点で競うクラス順位では、機械工学科4年が総合優勝、そし て環境都市工学科3年が準優勝の栄冠を勝ち取った。 秋は、朝から時折小雨が降り、絶好とは言えない天気の中、 韮澤弘志校長の挨拶の後で競技が始まり、各競技を順調にこな した。グラウンド状態から学科対抗綱引きだけは行われなかっ たが、大会のフィナーレにはクラス対抗リレーが行われ、熱戦 が繰り広げられた。競技の結果、機械工学科3年が高学年を抑 えて見事総合優勝に輝いた。準優勝には環境都市工学科4年が サッカー競技 入った。 5.1.2 高専祭 第43回高専祭が11月8日(土)、9日(日)の2日間開催さ れた。今年度は同窓会ホームカミングデー、企業交流会、電子 情報工学科の改修工事、さらに雨天と従来に無く多様かつ悪条 件の中、補導委員や職員の方々の応援で大きなトラブルも無く、 例年にも増して賑やかなものとなった。 内容は、例年通りクラス展示やクラブの模擬店などに加え、 8日に高専合同同窓会主催の「ホームカミングデー」が開催さ 会場のにぎやかな様子 れ、100名以上のOBが集い旧交を温めた。 また、9日には和歌山県との共催で「わかやま企業交流会2008 in 高専」が行われ、40社近い県 29 内企業が参加し、ブース展示とプレゼンテーションによるア ピールで多くの学生や保護者を引き付けていた。 これらの新しい企画に伴って来場者も格段に増え、そして高 専祭への来場者や参加学生は本校最大のイベントとも言える催 しを大いに楽しんだ。 企業交流会のブース展示で 5.2 クラブ活動 5.2.1 クラブリーダ−研修会 5月24日(土)に平成20年度クラブリーダー研修会を開催し た。この研修会は、各クラブのリーダーが一堂に会して、クラ ブ活動のあり方やリーダーとしての心構え等を学ぶことを目的 に、毎年開催している。 ○10:00∼11:00 「クラブ活動に関する諸注意」 (図書館棟視聴覚教室) クラブ活動に関する諸注意 ○11:00∼12:00 クラブ予算会議 ○12:00∼13:00 昼食・休憩 ○13:00∼15:00 芥河晋助教講演「知って得するスポーツ科学」 (図書館棟視聴覚教室) 午前中は、担当教員よりクラブ活動上の注意点や熱中症に関する話があり、その後学生会代表者 がクラブ予算の執行について資料を基に説明した。 昼休憩をはさみ、午後には一般科目、芥河晋助教を講師に招き、 「バイオメカニクス」を基にし たケガの予防や効果的な筋力トレーニングに関する講演が行われ、特に運動系クラブの代表者達は 非常に熱心に聞き入り、質問も長時間に及んだ。 芥河助教による講演 全国大会出場を決めたジャンプ 30 5.2.2 近畿地区高等専門学校体育大会および全国高等専門学校体育大会 第45回近畿地区高等専門学校体育大会は、8月の全国大会(ラグビーは1月)の予選会を兼ねる 地区大会を近畿地区の7高専で数種目ずつ分担して開催した。本校は、14種目のうち硬式野球、柔 道の2種目を担当した。野球は御坊市総合運動公園野球場で、柔道は御坊市立武道館でそれぞれ熱 戦を繰り広げた。 地元開催ということもあって応援する学生・職員の数も多く、たくさんの声援と温かい拍手が選 手達の大きな力となった。2競技とも本校職員、部員および地元の 高校生や柔道教室の子供達らの協力によって準備運営され、無事に 終了した。その他の近畿各会場でも全国大会を目指して熱戦が繰り 広げられた。 第43回全国高等専門学校体育大会が8月上旬に近畿各地で開催さ れ、本校からは22名の選手が近畿地区大会を勝ち抜き全国大会に進 出した。 陸上競技の部で、砲丸投げの山本将之君が3年連続となる出場を 果たし、優勝はならなかったものの全国2位という輝かしい成績を 2位入賞の山本君 残した。また、卓球の女子ダブルスも3位と健闘した。 本校選手の第45回近畿地区高等専門学校体育大会での成績上位者 および第43回全国高等専門学校体育大会での成績 競技名・種目 陸上競技 近畿地区大会 全国大会 男子 200m 3位 5C 田和 昌樹 走幅跳び 2位 2A 弓倉 和真 第15位 砲丸投げ 1位 4A 山本 将之 第2位 円盤投げ 3位 4C 稲葉 義昭 第19位 団体 2位 4B 大浦 慎右 3C 山本 秦平 3B 柏木 翼 2A 玉井 至 2A 野水 将哲 2D 笠谷 亮太 1C 浜中 椋平 卓 球 1B 竹村 瑞生 女子 シングルス 1位 1D 小谷 桂子 2位 2C 平山 明奈 ダブルス 1位 3D 塩路 絢子 2C 塩 恵未 2位 2C 平山 明奈 1D 小谷 桂子 テ ニ ス 男子 シングルス 2位 5C 松本 憲 女子 シングルス 2位 5C 清水 千恵 ダブルス 2位 2C 杉原あさみ 2D 宮原 和子 31 第3位 5.2.3 文化系クラブ 文化系クラブの多くは11月の高専祭における発表を目標に活動しているが、年間を通して独自の 活動を展開しているクラブの例として、吹奏楽部およびボランティアサークル「アメーバ」を以下 に紹介する。 吹奏楽部は、高専体育大会の壮行会、高校野球の応援、高専 祭、卒業式などで演奏を行い、本校の活動の様々な場面を音楽 でサポートしている。 同部は第20回定期演奏会を1月24日(土)に御坊市民文化会 館大ホールにおいて開催した。今回は「旅」と題したストー リーを部員が考案し、その展開に沿って選曲した全10曲を3部 に分けて演奏した。演奏の合間には部員によるナレーション 吹奏楽部第20回定期演奏会 と寸劇が加わり、ときに笑いも織り交ぜながらの進行となった。 第2部および第3部では吹奏楽部のOB、OGも加わり、総勢50名を超えるメンバーによる迫力の サウンドが響いた。【演奏曲目】第1部:「天空への挑戦」、 「ケルティック・ノッツ」、 「ツタンカー メンの呪い」、「山寺にて」、第2部:「ヤッターマンの歌」、 「崖の上のポニョ」、 「アラジン」、第3 部:「ジャングルファンタジー」、「オリエント急行」、「ハリーポッター」、アンコール曲:「情熱大 陸」 環境福祉ボランティアサークル「アメーバ」(代表世話人機 械工学科4年山下隼矢君)は、本校周辺の海岸清掃をはじめ、 森林ボランティア活動や里山の自然林を守る活動を展開してい る。 最大の活動は毎年8月に行う夏合宿であり、本年度は8月16 日(月)∼18日(火)の2泊3日で実施し、学生と教員合わせて 14名が参加した。合宿初日は午後から学校裏の海岸清掃を行っ た。用意した約10枚のゴミ袋が1時間ほどで満たされると海岸 アメーバ(海岸清掃活動) は元の静けさを取り戻した。宿泊場所はみなべ町千里観音宿泊所を利用した。2日目の午前は印南 町印南原の植林地において下草刈りを行った。草いきれの中で鎌を振ると汗がしたたったが、若木 が陽光を浴びるようになると清々しい風を感じるようになった。午後は千里海岸の浜掃除を行い、 その夜、南部ウミガメ研究班代表の後藤氏の案内で千里海岸でのウミガメの孵化の様子を観察した。 海洋や海岸の自然を守ることの重要さを再認識する経験となった。 また、本年度、地域のNPO団体「里山を愛する会」と共同で活動している里山の保全活動へは、 放置竹林の伐採などを中心に計5回のべ22名が参加している。 5.3 ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、 デザインコンペティション 高専ロボコンは、全国から61校62キャンパスの高等専門学校が参加する全国規模の教育イベント である。各キャンパスから2チームがエントリーし、全国8地区(北海道・東北・関東甲信越・東 海北陸・近畿・中国・四国・九州沖縄)で開催される地区大会に出場し、そこで選抜された25チー ムにより全国大会が開催される。 32 第21回大会の競技課題は「ROBO−EVOLUTION 生命大進化」で、「歩行」ロボットのタイムレースである。最 初は「多足歩行の障害物レース」。パイロンを一周する「大回 転」と、幅50cm× 高さ20cmのハードルを跳び越える「山越 え」に挑戦。続いては、20秒間の「変身パフォーマンス」。多 足から2足へ、ロボットが華麗に変身する。そして最後が「2 足歩行」。全長12m(地区大会は10m)のコースを先に走り抜 高専ロボコン2008全国大会 けたチームの勝利となる。高専ロボコン2008近畿地区大会は、 10月5日(日)に本校の担当で御坊市立体育館において開催された。近畿地区の高等専門学校7校 14チームが出場し、熱戦を繰り広げた。本校Aチームの「すっぱいダーマン」は前回に続いて優勝 を目指したが、惜しくも準優勝となった。また、Bチームの「吉宗の動く城」は初戦で敗退したが、 ジャンプするという奇抜なアイデアが評価され、特別賞(本田技研工業)を受賞した。本校Aチー ムは審査員推薦により全国大会への切符を手にした。本校チームの全国大会出場は3年連続であり、 前回、前々回と全国大会準優勝であったので、今年こそはと期待された。 高専ロボコン全国大会は、11月23日(日)に東京両国の国技 館で開催され、今年は、出場する25チーム全てが必ず3分間の 競技を行う機会を持ち、アイデアと技術を十分に披露できるよ うに、対戦形式を「1回戦」と「決勝トーナメント」にし、さ らに「特別試合」も行った。「1回戦」で、本校チームは電気 系統が断線するトラブルがあったが、1分でゴールし、25チー ム中6位であった。1回戦の記録上位8チームが出場する「決 勝トーナメント」では、初戦で優勝した沖縄高専と対戦し、残 すっぱいダーマン 念ながら惜敗した。優勝は逃したものの全国大会ベスト8は前回、前々回に続く上位進出であり、 本校チームの技術力の高さを示すことができた。 高専ロボコン全国大会の出場メンバーは、選手で機械工学科4年 小山佳祐君、同科3年 栩野 登久君、同科1年 濱中崇文君、ピットメンバーで機械工学科4年 中橋康平君、同科1年 秋山 宗之君、電気情報工学科2年 上田圭祐君、山田健太君、同科1年 木下拓也君である。 なお、本校ロボコンチームの活躍は、日本テレビ『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(平成 20年10月29日(水)午後7時放送)、NHK総合テレビ『高専ロボコン2008全国大会』 (平成20年12 月30日(火)午後7時15分放送)、NHK BS2『高専ロボコン2008全国大会』 (平成21年1月2 日(金)午前10時15分放送)などで紹介された。さらに、 『南紀こども体験博2008』や『きのくに ロボットフェスティバル2008』など県内外の各種イベントにも10回出演し、子供たちの科学技術へ の興味喚起に貢献した。 全国高等専門学校デザインコンペティション2008 in 高松が 平成20年12月13日(土)∼ 14日(日)に香川県高松市 四国電 力(株)総合研修所と高松南新町商店街で開催された。このコ ンペティションはデザインの領域を「人が生きる生活環境を構 成するための総合的技術」として捉え、全国の高等専門学校で 学ぶ学生の知識と技術と創造力の発揮の場として2004年から開 静的耐荷力の部の載荷風景 催されている。 33 本校から参加した構造デザインコンペティションのテーマは ブリッジコンテストで、今年度は厚さ2mmと1mmのデザイ ンボード(紙)を利用して製作した橋梁模型の強度とデザイン を競う内容であった。 競技は、「橋梁模型の静的耐荷力」の部と「可動橋におけ る可動部の傾斜耐力」の部があり、30校から約60橋のエント リーがあった。本校の作品は「橋梁模型の静的耐荷力」の部で 72.4kgの荷重に耐え、ベスト8の記録を残した。模型自体の重 可動橋の傾斜耐力の部の載荷風景 量が400g以内に制限されていたため、なんと自重の約180倍の荷重に耐えたことになる。また、全 作品の中で数少ないトラス橋であり、丁寧な仕上がりと強度を上げるための細かな工夫が審査員か ら高く評価された。 本校は昨年度、同部門で優秀賞を受賞しており期待されたが入賞を逃した。今回で第5回目にな るこのコンペティションも、年々レベルが高くなってきている。参加した環境都市工学科の学生7 名は、4月から活動をはじめ、夏休みに合宿する等して、30橋以上の試作品を作っては耐荷力試験 を行い、課題を見つけ改善・工夫を繰り返す等、本選まで大変意欲的に取り組んだ。入賞こそ逃し たが、彼らの熱意と努力は高く評価したい。 第19回 全 国 高 専 プ ロ グ ラ ミ ン グ コ ン テ ス ト は、10月11日 (土)∼ 12日(日)に福島県いわき市いわき明星大学で行われ、 本校はコンピュータ部のメンバーが課題部門および競技部門に 参加した。 課題部門は「ゆとりを生みだすコンピュータ」(応募44チー ム)を通過した20チームのプレゼンテーション審査とデモンス トレーション審査が行われた。本校チームは「SeNSei」とい 全国高専プログラミングコンテスト うSocial Network Service(コミュニティー型Webサイト)を 利用した小中学校の先生方を支援するシステムで本選に臨み、敢闘賞を受賞した。 競技部門の方は「フラっと収集車」というテーマで、マップ上に配置された特産品・名産品をト ラックでいかに効率よく集めるかを競うものだった。しかしながら、大会当日に主催側の用意した システムにトラブルが発生し、11月∼ 12月にかけてインターネット経由でのネット対戦となった。 本校チームは健闘したものの上位に勝ちあがることはできなかった。 5.4 交通安全 5.4.1 交通安全についての講話 本校では、無免許や保健無加入車両の使用を防止するため、バイクおよび自動車での通学を許可 制としている。しかし、交通事故や交通違反が多く発生しているため、これらの防止を目的として 交通講話を実施している。 本年度は、1 ∼3年生には交通講話を中心に、また4、5年生には交通講話に加えて薬物乱用 防止の講話を御坊署の警察官を招いて行った。このとき、本校の規則、昨年度の違反や事故状況な 34 どを説明し、また御坊署の警察官より安全運転マナーの向上や最近の道路交通法の変更点、交通事 故例を用いて安全運転を呼びかけた。薬物乱用防止の講話では、恐ろしい事例などをあげて乱用防 止の啓発を行った。 日程と内容は次の通りである。5月21日(水)に1年生を対象に、交通関係の学内規則と違反時 の処分を中心に講話を行った。6月18日(水)にはHR時間を利用し2回に分けて、2年生は前半 (約1時間)に、3年生は後半(約1時間)に、御坊署警察官が二輪車による事故防止などについ て講話を行った。また、4年生は12月16日(火)に、5年生は12月17日(水)に、御坊署警察官を 講師に招き、自動車を運転する場合の安全運転方法や薬物乱用の防止に関して講話を行った。 5.4.2 二輪車安全運転講習会 本校では、2、3年生のうち二輪車で通学する学生や寮持ち込みをした学生を対象にして、安全 運転励行と運転技術向上のため、御坊自動車学校の協力の下に、二輪車安全運転講習会を毎年実施 している。 本年度は10月27日(月)に開催し、参加した学生は39名であった。授業終了時間により15時00分 からの第1班(20名)と16時30分からの第2班(19名)の2つのグループに分かれて講習を行った。 受講生は、最初に教室で御坊署交通課の安全運転に関する講義を受けた。その後、数グループに分 かれて運転練習を行った後、一人ずつ運転技能診断試験を受けた。その内容は、右折・左折の方法、 狭く曲がった通路を走るスラローム走行や幅30cmの狭い部分をゆっくり走行する一本橋走行等で ある。最後に、指導員からの講評と安全運転をするための注意事項を聞いた。このような二輪車安 全講習会の開催は、学生の交通安全に対する技術、意識、マナーの向上に役立つもので今後も継続 する必要がある。 5.5 補 導 厚生補導委員会では、学生の交通安全と非行防止のため登校時の校門指導や昼休みに学校周辺の 巡回を行っている。また、御坊広域青少年補導センターとの連携による学生指導も行っている。 本年度に審議対象となった補導件数は79件(交通関係65件、飲酒・喫煙および夜間外出0件、そ の他14件)で、前年度121件(交通関係62件、飲酒・喫煙および夜間外出40件、その他19件)と比 較して、交通関係はほとんど変わらないが、飲酒・喫煙および夜間外出が大幅に減少している。ま た、その他の補導件数も若干減少している。停学を含む校長訓告以上の重い補導件数は15件で、前 年度の59件と比べると大きく減少している。これらの重い補導件数の中で、暴走運転などの交通関 係は1件で昨年度より7件減少し、重い補導件数の大半は度重なる校則違反や交通違反である。飲 酒・喫煙の補導件数が減少した理由として、これらの行為は夜間などの指導の行き届かない時間に 移行したものと思われる。これらは道路の側溝や農地内の吸い殻のポイ捨ての多さに反映されている。 特筆すべき事項として、教室を離れる授業時間内での盗難を未然に防止するため、防犯カメラの 設置、ロッカーの設置、犯罪防止の講演などを進めていることが挙げられる。これらの盗難事件を 少しでも減少させるには、厚生補導委員会のみならずその他の委員会を含めた学校全体で取り組ま なければならない。 35 5.6 修学支援 修学支援として、(独)日本学生支援機構の奨学金をはじめ各種奨学金の便宜を図り、現在約130 名の学生が貸与を受けている。また、授業料免除は、授業料等の免除及び徴収猶予委員会において 適正に審査を行い、予算の不足額については国立高等専門学校機構本部に申請手続きを行なってい る。 また、平成18年度から独自の制度として後援会中津奨学金制度がスタートした。勉学意欲が強く、 卒業する意志のある学生を上記委員会にて選考し、後援会長に推薦した。最終的に、前期6名、後 期5名の学生に授業料相当額の貸与が行なわれた。 5.7 進路指導関係 昨今、卒業生の就職活動の時期が早まってきている。卒業生・修了生は本科が165名、専攻科が 13名で、このうち本科87名、専攻科5名が企業等に就職している。公務員試験は本科生4名が合格 した。 進学は本科生で68名、うち本校専攻科に21名が進学し、他の国公立大学の3年次へ47名が編入学 した。専攻科では6名の修了生が大学院へ進学した。 求人数は本科および専攻科とも前年度とほぼ同程度である。 高専生獲得を希望する企業も多く、 卒業生の社会での活躍が大きな要因のひとつと考えられる。 平成20年度卒業生の進路 公務員 進 学 その他 求人企業数 求人倍率 機械工学科 卒業生・修了生 企業等就職 41 23 0 17( 7) 1 657 28.6 電気情報工学科 41 24 0 16( 6) 1 669 27.9 物質工学科 41 18 0 22( 6) 1 364 20.2 環境都市工学科 42 22 4 13( 2) 3 317 14.4 本科合計 165 87 4 68 (21) 6 2,007 23.1 メカトロニクス工学専攻 6 3 0 2 1 253 84.3 エコシステム工学専攻 7 2 0 4 1 125 62.5 専攻科合計 13 5 0 6 2 378 75.6 ( )内は専攻科進学者内数 5.8 自己点検結果 学生会は学生会長を中心に校内体育大会や高専祭を積極的に運営している。学生会活動における 予算の健全化として、学生会費の収入とそれに見合った支出を念頭に、企画やクラブ援助費の決定 をするよう指導した。夏休みなどの長期休暇中の課外活動については、学寮と連携した形で指導体 制ができた。今年度も高専ロボコン、プロコン、デザコンというコンテストへの積極的な参加があ り、高専ロボコンでの全国大会出場、プロコンやデザコンでの上位入賞などの活躍があった。今後 も学生の自主活動については、その重要性を認識して教職員全体としての支援体制の継続が必要で 36 ある。近畿地区高等専門学校体育大会では、本校は硬式野球、柔道の2種目を主管し、関連クラブ の指導教員等多くの教職員の協力を得て、無事に実施することができた。 交通安全については、死亡事故を繰り返さないよう安全運転を強調している。通学等で車両の利 用を許可しているからには指導を徹底しなければならず、そのため定期的に校門に厚生補導委員が 立ち、朝の交通指導も実施している。しかし、悲しいことに、夏休み期間中に、女子学生が自宅近 くの交差点で自転車による交通事故で重体となり、その後尊い命が失われた。本校の立地の都合上、 車両の使用を無くすことが出来ないため、交通安全にはこれまで以上に重点的な指導が必要である。 また、若者のマナー等が時代と共に変化しているため保護者との連携がますます重要となってきた。 補導については、昼の見回り、クラス担任からの注意・クラス掲示ならびに犯罪防止の講演会な どを実施しており、補導件数は減少した。校長訓告以上の指導については、二度と繰り返さないよ う保護者同席の上で行なっている。また、学生本人には反省文も課している。未然に犯罪を防止す るため、「犯罪と非行防止」の講演、防犯カメラの増設、教室内のロッカー設置、全校集会での注 意・啓発などを行った。今後もハードとソフトの両面において安全で安心して学び・活動しやすい 環境づくりを継続する必要がある。 進路指導については、年々就職活動時期が早くなってきている。そのため、4年生の保護者を 対象とした進路指導説明会を12月に実施して進路情報を説明している。学生には、4年次でのイン ターンシップ(学外実習)を契機に、自分の進路を真剣に考えさせるように進路調査を実施した。 本校は技術者育成の教育機関であるから、入学時から意識的に進路情報を学生に伝え、指導してき ている。その最終段階として、4年次に行う学外実習と進路指導説明会は時期と内容について妥当 と考えている。 37 6 寮 務 関 係 6.1 概要 本校の学生寮(柑紀寮)は、全7棟からなる定員520名の全国有数の規模を誇る学生寮である。 現在、本寮には全寮制対象の低学年男子学生を中心に、男女寮生が日々生活しており、寮での集団 生活を通して自立と協調の精神を身につけ、相互の協力と信頼を育み、豊かな人間性を養えるよう に努めている。寮の運営は、寮務主事他8名の教員と学生課長他3名の事務職員で行われており、 さらに、選抜した指導寮生及び副指導寮生を各寮棟、各階に配置し,彼らには低学年寮生の指導等 を委ねている。 平成20年度寮生数 (平成20年5月1日現在) 1年 2年 3年 4年 5年 専攻科生 合 計 131 (14) 117 (15) 104 (12) 〈5〉 72 (14) 〈5〉 76 (13) 〈4〉 14 (1) 514 (69) 〈14〉 ( )内は女子内数〈 〉内は外国人留学生内数 6.2 入寮選考 本校は1、2年生男子を対象に全寮制を実施している。そのため全寮制対象者(通学可能者等の 入寮免除者を除く)で寮の定員の半数近くが占められている(1、2年生女子は、希望すれば優先 的に入寮できる) 。男女とも3年生以上の入寮希望者を加えた人数が定員をオーバーした場合には、 3年生以上の希望者を対象に選考を行い、一部の者には入寮を辞退してもらっている。 6.3 生活指導 寮生が規則正しい生活を行うため、1年生男女に7回、2年生男子に6回、3年生男子に3回、 4、5年生男子に2回、1 ∼ 5年生女子に4回、各30分程度の生活指導を行った。 6.4 食事 寮では朝、昼、夕の三食を寮食堂で提供している。食材費は1日665円であるが、限られた予算 の中で少しでも魅力ある食事を提供できるように努力を重ねている。寮生が好みの食事を選択で きるように、朝食、昼食、夕食のいずれも二種類のメニューから選択できるようにしている。また、 クリスマス等各種記念日には特別料理などが提供され、寮生も楽しみにしている。 38 6.5 室内設備更新と共有施設修理および防犯設備強化 2年前に全面改修された女子寮(2号館)を除く全ての男子学生寮を対象に、古くなった机、椅子、 ベッドの新品との入れ替え作業、および共有施設における損傷箇所の修理作業を実施した。さらに 7号館男子寮トイレの女子仕様から男子仕様への改修、6号館1階における留学生専用台所の拡張 整備(倍増)、および防犯カメラの増設(倍増)を実施した。これにより、前年度の「設備の一部 更新」と「建物の耐震補強工事完了」に引き続き、本年度は残り部分の設備の大規模な改善が成さ れ、施設の一層の充実と防犯体制の強化を実現させることができた。 6.6 主なイベント等 柑紀寮では、積極的で活発な寮生を育てるべく、数多くのイベントや行事を行っている。平成20 年度に柑紀寮で行ったイベントや種々の施策、出来事等は以下の通りである。 6.6.1 指導寮生の研修会および交流会 (1)研修会・任命式 前期および後期の最初にそれぞれ指導寮生任命式を含む研修会を行った。 前期については、4月5日(土)、6日(日)に和歌山県日 高郡日高町志賀の日高少年自然の家で「指導寮生研修会」を実 施し、今年度の指導寮生28名、副指導寮生41名、及び学生寮関 係教員8名の合計77名が参加した。この研修会は柑紀寮の運営 の要である指導寮生・副指導寮生にその基本的な職務内容や心 構えなどを身に付けてもらうことを目的に一泊二日で行われ、 本年度で5年目となる。 研修会で協議中の指導寮生達 最 初 に 山 川 寮 務 主 事 か ら、本年度の指導寮生任命書の授与が行われ、引き続いて柑紀 寮の規則や指導寮生・副指導寮生の役割確認を行った。その後、 「寮に規則は必要か」等をテーマに賛成派、反対派、審判団の 3組に分かれ、組対抗のディベート形式で熱い議論を展開した。 テーマごとに行われた各ディベートのまとめで、審判団代表の 学生が総評と共に双方の健闘を称えて丸く収める場面では大き な拍手が沸いていた。 39 ディベートで発言中の指導寮生 平成20年度指導寮生・副指導寮生は下表の通り。 前期 担当 号館 階 2 3 1 2 2 3 1 3 4 組 氏名 4C ワンイン 4C 津村 登紀 指導寮生 組 氏名 副指導寮生 組 4C 氏名 ワンイン 東谷 麻央 4C 中 裕紀子 3D 5A 堀口久美加 5D 新屋 麻美☆ 4D 小村 泰一 3D 田代 恭平 4D 小村 泰一 3D 田代 恭平 5C 坂口 圭祐◎ 3D 橋爪 真哉 5C 坂口 圭祐◎ 3D 橋爪 真哉 4B 辻田 和真 3D 佐田 常人 4B 辻田 和真 3D 佐田 常人 4D 福嶋 孝啓 3D 辻井 愛也 4D 福嶋 孝啓 3D 辻井 愛也 4D 村林 雄太 3C 大南 照悟 4D 村林 雄太 3C 大南 照悟 5C 齋藤 辰也○ 3C 物部 勇馬 5C 齋藤 辰也○ 3C 物部 勇馬 4B 芝野 好希 3D 渡邉 智哉 4B 芝野 好希 3D 渡邉 智哉 5A 直川 将也○ 3D 宇治田真悟 5A 直川 将也○ 3D 宇治田真悟 4B 三輪 友太 4B 三輪 友太 4B 峯上 良平 4B 峯上 良平 4D 栗林 広 4C 大谷 英響 5B 出口翔太郎 5B 大谷 龍輝 5B 野崎 泰弘 5A 田伏 洸助 5C 田和 昌樹 5C 福元 淳生 4A 関 裕正 4B 春日 真裕 4A 達谷 正勝 4A 畑 雄太 4A 岩 翔太 4A 田中 拓磨 3 5A 山田 勝大 1 5A 平山 勝也 2 5A 松 慎 3 5C 松山 直記 2 副指導寮生 5D 阪井 章悟 1 5A 5A 新家 誠 松田 洋平 5D 東谷 麻央 4C 津村 登紀 濵本 夏美 4C 中 裕紀子 3D 濵本 夏美 3D 河波 秀美 5A 堀口久美加 3D 河波 秀美 3D 井上 桜 4D 西原 真美 5D 新屋 麻美☆ 5A 阪井 章悟 5A 山田 勝大 5A 平山 勝也 5A 松 慎 5C 松山 直記 5A 5A 5A 新家 誠 松田 洋平 千郷 光司 3D 井上 桜 4D 西原 真美 4D 栗林 広 4C 大谷 英響 5B 出口翔太郎 5B 大谷 龍輝 5B 野崎 泰弘 5A 田伏 洸助 5C 田和 昌樹 5C 福元 淳生 4A 関 裕正 4B 春日 真裕 4A 達谷 正勝 4A 畑 雄太 4A 岩 翔太 4A 田中 拓磨 5A 千郷 光司 5A 花坂 謙一 4A 中本 明宏 5A 花坂 謙一 4A 中本 明宏 5B アミット 4B ダウス 5B アミット 4B ダウス 南口 眞人 南口 眞人 5D 木村 圭佑 5D 5D 木村 圭佑 5D 専攻科 達谷 慎一 − − 専攻科 達谷 慎一 − − 専攻科 池谷 壌 − − 専攻科 池谷 壌 − − 3 5A 越本 智大 5A 越本 智大 4 5A 辻 修吾 5A 辻 修吾 5 5D 前原 大樹 5D 前原 大樹 5A 4D 2 7 氏名 5A 3 6 組 2 1 5 後期 指導寮生 1 1 (平成20年5月1日現在) 1 5C 松本 憲 5A 山本 浩嗣 5D 溝口 智哉 5D 田畑 至啓 5B 栗塚 翔太 5D 大隈 大輔 嶝 功 3A 辻本 義孝 5A 森内 悟 3A 野木 翔太 4D 松本 憲 山本 浩嗣 5D 溝口 智哉 5D 田畑 至啓 5B 栗塚 翔太 5D 大隈 大輔 嶝 功 3A 辻本 義孝 森内 悟 3A 野木 翔太 ◎:指導寮生委員長 ○:指導寮生副委員長 ☆:指導寮生女子寮長 40 5C 5A (2)佐世保高専との交流会 6月20日(金)に佐世保高専学生寮関係者(寮生3名、教職員1名)の訪問を受けた。柑紀寮は 全国の高専の中でも屈指の規模を誇る点や、学生による自主的な運営がなされている点で全国の高 専から優れた評価を受けており、毎年多くの高専の寮関係者が見学・研修に訪れている。佐世保高 専は、平成15年度に続く2度目の来寮である。 本校指導寮生との全体討議では、スライドを用いて互いの寮 での取り組みを紹介した後、寮内の諸問題について熱い議論が 交わされた。その後、柑紀寮の食堂にて夕食を共にした後、教 職員同士、寮生同士の交流会に分かれてさらに議論を深めると 共に、今後の両校の学生寮の発展と交流を誓い合った。 この他、3月13日(金)に松江高専学生寮担当教員3名の訪 問を受け、寮内施設を案内すると同時に双方の学寮に関する情 全体討議で話し合う指導寮生達 報交換を行った。 (3)長野高専との交流会 指導寮生研修会の一環として指導寮生14名(男子11名、女子 3名)と学寮担当教員2名(山川、岸本)が、6月22日(日) に長野高専学生寮(定員:男子380名、女子50名)を視察した。 学生はグループに分かれて寮内を見学後、「リーダーシップ の取り方」、「低学年の指導」、「寮の行事」、 「寮での過ごし方」 の4テーマでグループ討論を行った。 教員は、大澤幸造長野高専寮務主事の案内で、学生寮および グループで討議する指導寮生達 校内を視察後、情報および意見の交換を行った。本校の学生達は、学生寮のシステムの違いなどを 認識したようで、先方の良い点を活かして行きたいと異口同音に語っていた。 6.6.2 避難訓練 4月21日(月)夕と10月23日(木)夜に避難訓練を実施した。本校では全学生の過半数に当たる 約500名が寮生活を送っており、近い将来に起こると予想される大規模地震や、不慮の火災に対す る備えが必須となっている。10月の訓練では午後5時30分に柑紀寮5号館2階から出火したとの想 定で実施し、全館に火災警報装置が鳴動すると、寮生で組織された自衛消防隊員の指示により全寮 生が図書館棟前駐車場に設定された集合場所へ避難した。 また、寮生全員には防災用品が入った非常用持ち出し袋を配布し、不測の事態に備えている。 避難する寮生:4月(左)と10月 (右) 41 6.6.3 ウェルカミングパーティー 4月26日(土)に新入寮生歓迎イベント「第13回ウェルカミングパーティー」を開催した。この 行事は新入寮生と指導寮生等の親睦を深める目的で毎年この時 期に行っている。1年生131名に指導寮生・副指導寮生及び学 寮関係教職員が加わり、バレーボール大会で汗を流すと共にカ レーパーティーを楽しんだ。 バレーボール大会では、指導寮生をチームリーダーとした各 チームが予選リーグを戦い、さらに決勝トーナメントへ進んだ チームによる優勝争いを行った。 優勝した小村指導寮生チーム 熱戦後には、先輩女子寮生有志等による手作りのカレーライ スが用意され、参加者たちは山盛りのカレーをほおばっていた。 6.6.4 救命講習会 5月24日(土)に御坊市消防本部の指導の下で普通救命講習会を実施し、学寮の生活指導を担当 している寮生等12名、寮関係教職員2名の計14名が受講した。 この講習会は、過去に寮生が病死したことをきっかけに毎年 この時期に行っているもので、今回で12回目となる。参加者は、 講師から心肺蘇生法などの説明を受けた後、ダミー人形を相手 に人工呼吸や心臓マッサージ、そしてAED(自動体外式除細 動器)による心臓電気ショックなどの実技を行った。 最後に効果測定(実技試験)が行われ、全員が合格の認定を 心臓マッサージをする受講生 受けた。 6.6.5 テーブルマナー講習会 10月27日(月)に5年生寮生を対象とした「第2回柑紀寮テーブルマナー講習会」を開催した。 これは正式な会食の際に臆することなく対応できるようにと、学生寮での「食育」の一環として昨 年度から実施しているものである。 会場となった紀州南部ロイヤルホテルのソムリエの根本講師 から献立の説明を聞き、 「マナーとは、食事を楽しみ、料理を 最高の状態でいただくための作法です。どれだけ周りに気を配 ることができるかが大切です」などの教えを受けた。参加者は 全員、正装(スーツ姿)で最初は緊張気味であったが、講師の 分かりやすい説明に次第にリラックスし、用意されたフランス 料理のコースディナーを堪能した。参加学生からは、 「とても 緊張しつつも料理を楽しむ 参加者たち いい経験になった」、 「料理もすごくおいしかった」との感想が 寄せられ好評であった。 42 6.6.6 寮祭 6月28日(土)から29日(日)の2日間、恒例の寮祭を開催した。この催しは寮生同士の親睦を 図る目的で年に一度開催しているもので、今年度は200名あまりの寮生が参加した。 前夜祭で映画上映会を催した後、寮祭初日はバレーボール大会、夜には映画上映会、2日目は大 縄跳びにフリースロー、ぐるぐるバット等のミニ・ゲームや、○×クイズ大会が各号館のフロア 対抗形式で行われた。いずれの催しも盛況で熱戦が繰り広げられた。映画上映会の参加者や、各大 会・ゲームの上位入賞チームには「富くじ」が分配され、最終日の夕刻には大抽選会で盛り上がっ た。1等はMPプレーヤーと自転車(各1本)、2等賞以下には座卓・簡易ソファーや日常生活に 欠かせない食料詰め合わせ等の賞品が準備され、参加者は寮祭を心ゆくまで楽しんでいた。 ミニゲームのフリースロー競技(左) と障害物競走(右) 6.6.7 ニューイヤースポーツフェスティバル 1月17日(土)に年始恒例のニューイヤースポーツフェス ティバル(バレーボール大会)を開催した。この行事は、4月 のウェルカミングパーティーと共に1年生と指導寮生との親睦 を目的として毎年行っているもので、今回で14回目となる。各 階ごとに編成された指導寮生1名をリーダーとした1年生主 体のチームで、予選リーグと決勝トーナメントを戦い抜き、13 チームが優勝を目指した。半日以上に及ぶ熱戦の末、男子チー ムの“痙攣”(2号館1階)が優勝した。“痙攣”は4月のウェ ルカミングパーティでの優勝 グランド・チャンピオンに輝いた 田代副指導寮生チーム「痙攣」 チームとの頂上決戦にも勝利し、年間グランド・チャンピオンに なった。 バレーボール大会終了後は恒例の新春餅つき大会に移り、指導寮 生によるサポートの下、1年生達は慣れない手つきで杵を振り下ろ していた。 つき上がった餅は寮生らの手によって丸められ、あん こ、きな粉、おろし醤油、砂糖醤油などのタレで食し、寮生達は楽 つき大会 しい一日を過ごした。 6.6.8 グリーンキーパー活動 グリーンキーパー活動とは寮内のボランティア活動のことで、今年度は約100名の寮生が花壇班、 ゴミ拾い班、草刈り班、家庭菜園班等いくつかの班に分かれ、年間を通じて8∼15回の寮内環境整 備活動に励んだ。 43 6.6.9 留学生討論会 1月28日(水)に留学生交流討論会「世界はファミリー」を開催した。この催しは、本校に在籍 する留学生と学寮の日本人学生との交流推進を目的として毎年開催されており、今回で10回目とな る。今年のテーマは「ファッション」で、マレーシア、インド ネシア、バングラデシュ、ラオスからの留学生12名と、日本人 学生の代表10名が質問し合う形で進められた。 はじめにマレーシア出身のミョル君、ウォン君、ガニ君、イ ンドネシア出身のダウス君、ラオス出身のカムレック君が自国 の代表的なファッションを紹介し、続いて討論会が行われた。 双方からは多くの質問・意見が出され、参加した約130名の 学生たちは、質問に対する迷回答、珍回答に大いに盛り上がっ ていた。 留学生の意見を真剣に聞く 寮生たち 6.7 自己点検結果 学生寮(柑紀寮)は定員520名の全国有数の大規模寮である。1、2年生男子は原則全寮制で寮 生全体の約半分を占める。恒常的に入寮希望者が定員を大幅に超えているため、毎年40 ∼ 50名に 入寮を断念していただく事態が続いており、改善に向けた寮の増築と関係職員の補強が早急に望ま れる。 寮の運営は、寮務主事他8名の教員と学生課長他3名の事務職員(非常勤1名含)で行っている。 また、教員1名および非常勤の寄宿舎指導員1名の計2名で毎日の当直を行っている。これに加 えて平日には、教員1名が17時30分から21時30分まで寮生の指導にあたっている。 さらに、各寮棟、各階には指導寮生・副指導寮生を配置し、低学年寮生の指導等の多くの部分を 委ねている。これら指導寮生・副指導寮生は高学年寮生から選抜しているが、極めて意識の高い人 材の確保に成功している。 彼らは寮のリーダーとして、日々の点呼や清掃の指導、また勉学や悩みの相談まで行っており、 寮を運営する教職員からの支援と信頼のもと「自主的な活動」が行われている。 今後、さらに強化が必要と思われるものとしては、近年の新入生に増加傾向が見られる精神面で の不安定性や学力低下に対する対策が挙げられる。これらについては、メンタルケアや自学自習を サポートできるようにするための寮内システムの見直しと再構築が必要であると考える。 建物については、前年度の耐震改修工事計画の全てを完了したのに引き続き、本年度は建物内部 における設備更新と修理を大規模に行ない、住環境の改善を一段と進める事ができた。今後は、現 収容規模を大きく超える入寮希望者が毎年出ている現状を改善することが必要であり、学寮規模の 拡大に向けた増改築が課題であると考える。 44 7 各 施 設 の 活 動 7.1 地域共同テクノセンター 7.1.1 受託研究・民間等との共同研究・技術協力依頼・技術相談 本年度は、受託研究1件、民間等との共同研究11件、技術相談などが17件あり、金額は下記のとおりである。 受託研究 民間等との共同研究 技術協力依頼・技術相談 件 数 1件 11件 17件 金 額 8,000千円 5,006千円 7.1.2 交流会事業 本校が地域産業界との連携で行った事業及び関連事業は次のとおりである。 和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会(事務局:御坊商工会議所)および南紀熊野産官学技 術交流会(事務局:田辺商工会議所)を中心として、技術相談、講演会、技術懇話会などを開催し、 技術交流を深めている。 ① 講演会 産官学の交流を進めるため、御坊市および田辺市で講演会を実施し、技術や情報の交換を行った。 ・和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会 開催日 平成20年6月12日(木) 場 所 御坊市「旅路旅館」 講 師 機械工学科 准教授 佐野和男 演 題 品質・コスト・納期についての現場の声 ・南紀熊野産官学技術交流会 開催日 平成20年8月26日(火) 場 所 田辺市「紀伊田辺シティプラザホテル」 講 師 クオリティ株式会社 代表取締役社長 浦 聖治 氏 演 題 (株)エスアールアイとクオリティグループの世界戦略 ② 和歌山高専技術懇話会 産官学の技術交流や最新の情報交換を図るため、講演会、パネル討論、研究発表、パネル展 示を開催し、産官学の交流を深めた。 開 催 日 平成21年3月19日(木) 場 所 本校図書館棟1階視聴覚教室 テ ー マ 地域における産官学連携 基調講演 「地域産業振興への地域IT企業の役割について」 講 師 株式会社エスアールアイ 営業部部長 兼 経営管理部部長 佐々木 哲 氏 研究発表 戦略的研究 1件 地域関連研究 4件 45 ③ 教員奨励研究発表会 本校独自の研究奨励費補助に基づいて、21件の研究課題が実施され、その研究成果の発表会 が開催された。一部の研究発表については、上記②の技術懇話会において行われた。研究成果 の詳細については本校地域共同テクノセンターから発行される「広報」に掲載される。 開催日 平成21年3月18日(水) 場 所 本校図書館棟1階視聴覚教室 ・一般研究 14件(地域に関わらない一般的な研究) ・教育奨励研究 2件(教育の発展に寄与する研究) ④ きのくにロボットフェスティバル2008 地域貢献の一貫として、人々にロボットを通じて「ものづくり」への興味を深めてもらい、 科学技術の振興に資することを目的に、きのくにロボットフェスティバル2008を実施した。 開 催 日 平成20年12月21日(日) 場 所 御坊市立体育館 入場者数 約6,000人 内 容 スーパーロボットショー、きのくに学生ロボットコンテストなど ⑤ 和高専・次世代テクノサロン 紀南地域における産官学民の連携を強化し、異業種交流 を活発に行うことで地域の産業技術の高度化や多様化など を考え、産業振興の一助とすることを目指し、本校教員や OB、研究開発や実業界で活躍されている方々を講師に招 き、和高専・次世代テクノサロンを実施した。 開催日 講演者 講演題目 20. 4.16 財団法人わかやま産業振興財団 経営支援部長 木瀬良秋 氏 中小企業が元気を出すための支援等について 20. 5.21 和歌山工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 伊藤 雅 地域の活性化と交通 ―地域を元気にする新たな交通シ ステムとかしこい交通システムの使い方― 20. 6.25 デュプロ精工株式会社 代表取締役社長 池田弘樹 氏 お客様にとっての価値と商品開発戦略 20. 7.14 「風のがっこう」 主幹 ケンジ・ステファン・スズキ 氏 「環境先進国デンマークという国」 20. 8.26 クオリティ株式会社 代表取締役社長 浦 聖治 氏 (株)エスアールアイとクオリティグループの世界戦略 20. 9.17 経営技術アドバイザー 田中勇次 氏 「技術士の経営技術コンサル活動と中小企業支援」 20. 11. 15 大阪大学大学院工学研究科 教授 浅田 稔 氏 「ロボット研究の最前線」 46 20. 11. 15 経済産業省 製造産業局産業機械課長 米村 猛 氏 「ロボット産業の現状と将来」 20. 11. 15 和歌山工業高等専門学校 電気情報工学科 教授 山口利幸 「ロボットを通じたものづくり教育」 20. 12. 17 和歌山工業高等専門学校 環境都市工学科 助教 原 忠 「中国・四川汶川大地震 現地調査報告と復興支援」 21. 1.21 株式会社坂口製作所 取締役 坂口清信 氏 「紀伊山地から全国へ (株)坂口製作所の取組み」 21. 2.18 和歌山工業高等専門学校 特命教授 田中勇次 「激変する時代の経営改善」 21. 3.18 和歌山工業高等専門学校 一般科目 准教授 後藤多栄子 「コンプライアンスと企業活動」 7.1.3 出前授業・実験 本年度は、地域における出前授業や出前実験を積極的に実施した。 地域の市町村にある教育委員会などの要請による出前講座 ●橋本市教育委員会 講 座 名 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 楽しい化学実験「染料の合成と染色」 20.8.23 物 質 工 学 科 高木浩一 野村英作 18 中学生 講 座 名 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 鉄を食べるアメーバをつくろう(磁 性スライム) 20.8.7 電気情報工学科 徳田将敏 雑賀洋平 17 水の汚れをはかる 20.8.28 環境都市工学科 大久保俊治 10 9 ●かつらぎ町教育委員会 小学校 5、6年生 はりがねエンジンをつくろう 20.10.25 機 械 工 学 科 樫原恵蔵 濵口龍弘 ガラス細工 20.12.6 物 質 工 学 科 土井正光 林 泰公 17 講 座 名 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 鉄を食べるアメーバをつくろう(磁 性スライム) 20.8.20 電気情報工学科 徳田将敏 雑賀洋平 30 小学生 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 風上に進む車 20.8.2 機 械 工 学 科 坂田光雄 20 ガラス細工 20.11.29 物 質 工 学 科 土井正光 林 泰公 21 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 20.12.6 電気情報工学科 佐久間敏幸 20 小学生 保護者 ●印南町教育委員会 ●みなべ町教育委員会 講 座 名 小学生 ●関西電力(株)御坊発電所 講 座 名 ソーラーカー製作教室 47 ●みなべ町立南部小学校 講 座 名 DNAを取り出してみよう 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 20.11.5 物 質 工 学 科 米光 裕 70 小学6年生 保護者 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 20.8.11 物 質 工 学 科 冨上健次郎 塩路 修平 10 小学生 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 20.8.2 電気情報工学科 山口利幸 小畑俊二 19 小学生 保護者 ●日高川町土生ボランティア会(なごみ会) 講 座 名 低温の体験 ●美浜町学童保育友遊クラブ 講 座 名 光でうごくオルゴールをつくろう 7.1.4 その他の事業 ① 和歌山県内企業合同説明会 平成20年12月12日(金)に本校体育館にて株式会社紀陽 銀行との共催による「和歌山県内企業合同説明会」を開催 し、4年生および専攻科1年生とその保護者合計約300名 が参加した。この説明会は、学生のキャリア教育並びに地 域経済活性化への貢献を目的として本校と紀陽銀行が平成 20年3月に締結した「連携協力に関する協定書」に基づい て実現したもので、今回が初の取り組みである。 ② 和高専人材バンク 平成20年8月に、今後の和歌山高専における技術者教育や地域連携推進をさらに推進する ために、様々な分野で活躍されてきた卒業生および退職教職員に協力を得るシステムとして、 「和高専人材バンク」を立ち上げ、卒業生および教職員OBの登録を積極的に推進している。 また、当人材バンクの試験的運用として、登録者に講演会講師やイベント運営員等として協力 を得た。 48 ③ 中学校理数系教員指導力向上研修事業 理数系教員指導力向上研修事業「おもしろ理科・数学実験隊」(支援:独立行政法人科学技 術振興機構)を今年度3回開催した。本事業は、教育委員会等と大学・高専等の連携により、 科学技術、理科・数学に関して、観察・実験等の体験型科目に係る理数系教員の実践的指導力 の育成を図ることを目的としたもので、本校では今回が初めての取り組みである。 ④ サイエンスパートナーシッププロジェクト事業 サイエンスパートナーシッププロジェクト事業(支援: 独立行政法人科学技術振興機構)として、本校と名田中学 校および田辺工業高等学校が連携して、中・高生を対象と した共同教育を実施した。この共同教育は、大学・高専等 の研究機関と小・中・高等学校等が連携して、生徒を研究 現場で学習させるもので、本校では今回が初めての取り組 みである。 ⑤ 文系公開講座 本校文系教員による公開講座「物語られた世界 ―歴史と文学 2008 ―」を一般市民対象に和歌山市(9月20日(土))と御坊市 (11月29日(土))で開催した。テーマと講演者は次のとおりであ る。 「昭和初期和歌山県山間部の貧困」 重松正史 准教授 「白雪姫の黒髪の謎」 太古隆治 准教授 「 『源氏物語』の言葉と表現」 宮本克之 准教授 「コンプライアンスと市民」 後藤多栄子 准教授 ⑥ 各種イベントでの宣伝活動 第6回全国高専テクノフォーラム((独)国立高等専門学校機構主催)(8月20日(水)、21 日(木):呉市)、わかやまテクノ・ビジネスフェア’ 08( (財)わかやま産業振興財団、和歌山 県、(社)和歌山情報サービス産業協会主催)(12月5日(金):田辺市、12月9日(火):和歌 山市)、紀のくにマッチングプラザ(和歌山県、(財)わかやま産業振興財団、和歌山県商工会 連合会主催)(2月2日(月):大阪市)、いずみニューテクフォーラム(JSTイノベーショ ンプラザ大阪主催) (10月8日(水))等にて本校の研究・技術シーズについての宣伝活動を 行った。 7.1.5 自己点検結果 本年度の活動で特筆すべき事項は、 「和高専人材バンク」を立ち上げたことである。また、学生 のキャリア教育の充実と地元企業とのマッチングを目的として、地元大手銀行である紀陽銀行と昨 年度締結した連携協力協定に基づき、和歌山県内企業合同説明会を今年度初めて開催した。 さらに昨年度に引き続き、きのくにロボットフェスティバル2008を開催し、また和高専・次世代 テクノサロンを実施した。また、一昨年度、昨年度に引き続き経済産業省の中小企業ものづくり人 49 材育成事業に採択された「紀州材の利用・製品化に関する技術者育成講座(管理法人:御坊商工会 議所)」を実施した。 今年度は小中学生対象の公開講座・出前授業や一般市民対象の公開講座も例年にも増して活発に 実施した。さらに中学校理数系教員指導力向上研修事業並びにサイエンスパートナーシッププロ ジェクト事業を今年度初めて実施し好評を得た。 一方、学内研究奨励費補助では、企業等と連携して短期間に研究成果が得られる可能性の高い テーマを戦略的に進める研究補助枠(補助金額120万円以下)を設けており、産官学の連携を推進 している。これら事業により、本校学生の技術者教育、和歌山県内の産官学民の連携の促進や地域 産業振興、科学技術の振興等が期待される。 7.2 ロボット教育センター 7.2.1 センターの設立 今年度、和歌山高専におけるロボットにかかわる教育の進展 と地域におけるロボットを活用した科学技術の理解促進に貢献 することを目的として、本センターを新設した。具体的な業務 は以下の4点である。 ①ロボットにかかわる教育方法の検討 ②ロボットにかかわる教材の開発 ③ロボットを活用した教育イベント等への参画・協力 ④その他必要な事項 また、センター開所の看板を機械工学科棟2階に仁坂知事、韮澤校長とともに掲げた。知事から 激励のお言葉をいただいた。 7.2.2 教育方法等の検討 業務①②に関連する事項として、学外からいただいた技術的な相談等9件に対応した。これらの 相談が本校学生の教育に活用できることを期待した。下表中2件を機械工学科と電気情報工学科の 卒業研究で、1件を機械工学科3年の工作実習でテーマに取り上げていただいた。これらの取組み は地域の活性化にも貢献した。 また、3件は本校の単位が認定される正課の中で行われたが、単位が関係しない中にも興味ある 取り組みが見られた。それは、きのくに学生ロボットコンテスト・ 高校生部門に参加したいとい う地元の高等学校からのロ ボット製作指導の依頼であっ た。この指導補助が出来そう な機械工学科5年生数名に協 力してもらった。 50 業務①②に関連する取組み 時 期 テーマ等 依頼先 4/10 ∼ 3/15 笑いロボット2号機の製作について 自治体 5/1 ∼ 3/15 LED活用技術について 企業 6/4 ∼ 2/10 掃除ロボットの製作について 企業 6/29 ∼ 11/4 梅の洗浄や害虫の検出について 7/16 ∼ 8/13 大声と山彦の音量測定装置の製作について 11/2 ∼ 12/17 きのくに学生ロボットコンテスト・高校生部門のロボット製作指導 学校 2/2 ∼ 3/31 エコカーの製作について 企業 企業 2/3 ソーラー付おもちゃの製作について 2/3∼ 農業用ロボットの製作について 自治体 企業 NPO法人 7.2.3 教育イベント等への参画・協力 和歌山県、和歌山県教育委員会、御坊市、御坊市教育委員会、御坊商工会議所、和歌山高専産官 学技術交流会、本校からなる実行委員会を組織して、本センターが主体となって企画・準備する イベントとして「きのくにロボットフェスティバル2008」を平成20年12月21日(日)に御坊市立体 育館で開催した。本イベントは、きのくに学生ロボットコンテストとスーパーロボットショーで構 成されている。また、きのくに学生ロボットコンテストには、県内6ブロックや近畿地区6高専で 行われた予選会で選ばれた代表の小学生、中学生が決勝大会を行った。スーパーロボットショーで は、企業の最先端ロボットのトヨタ・パートナーロボットや三菱重工業・ワカマルなど、そして高 専ロボコンで優秀な成績を修めた沖縄高専、津山高専、鹿児島高専、本校がデモンストレーション を行った。 教育イベント等での講演やデモンストレーションなど 開催日 イベント等名称 会場等 概要 4/4 和歌山放送開局50周年記念イベント 和歌山東急イン 高専ロボコンロボットの実演と解説 5/30 中小企業総合展2008 in KANSAI 西日本地域ものづくりフォーラム インテック大阪 高専ロボコンのプレゼンとデモンス トレーション 田辺商工フェア2008 田辺市ハナヨア リーナ 高専ロボコンロボットのブース展示 とデモンストレーション 6/16 日高高校スーパーサイエンスハイス クール 県立日高高等学校 レゴロボットの解説と製作 8/8 小中学生のための電気教室 大阪市立科学館 高専ロボコンロボットのデモンスト レーションと解説 5/31 ∼6/1 51 8/31 オープンキャンパス 8月末∼9月初 「笑ってこらえて」の番組撮影 和歌山高専 高専ロボコンロボットの展示 WARAIロボットの展示と実演 和歌山高専 和歌山高専ロボコンチームの取組み 10/29(水)PM7:00日本テレビ系 列で全国放送 9/13 日高高校スーパーサイエンスハイス クール 県立日高高等学校 高専ロボコンロボットの解説 10/4∼5 オールトヨタスペシャル ∼子供た ちに夢をwithトヨタ∼ 和歌山マリーナ シティ 高専ロボコンロボットの展示 10/8 第10回いずみニューテクフォーラム 大阪科学技術セ ンター ロボット関連技術のシーズの発表 10/23 和歌山県教育センター学びの丘の教 員研修講座 田辺市Big-U 最先端ロボット研究から見る人と情 報研修講座の講師 10/26 南紀こども体験博2008 田辺市Big-U 高専ロボコンロボットのデモンスト レーションと解説 U遊祭2008 田辺市Big-U 高専ロボコンロボット他のデモンス トレーションと解説 11/2 御坊商工会議所青年部エコはなまる マーケット 御坊小学校 エコ技術に関するブース展示 11/15 和高専・次世代テクノサロン−和歌 山高専ロボット教育センター設立記 念講演会− 御坊商工会議所 ロボットを通じたものづくり教育他 の講演 12/5 わかやまテクノ・ビジネスフェア 08 農商工交流の場in田辺 田辺市Big-U WARAIロボット1号機の展示と実 演 12/9 わかやまテクノ・ビジネスフェア 08 産学官交流の場in和歌山 和歌山ビッグ愛 WARAIロボット1号機の展示と実 演 1/3∼8 観光イベント「初詣・初笑い神事」 日高川町丹生神 社 WARAIロボット1号機・2号機の 展示と実演 1/17 出前授業 湯浅町立山田小 学校 高専ロボコンロボットのデモンスト レーションと解説 3/21 下津町交流委員会イベント 下津町 ロボットの解説と実演&製作教室 11/1∼2 7.2.4 その他の取組み 本センターが円滑に活動を展開できるように、本校学生の就職内定先企業等に寄付をお願いした。 11社から合計60万円のご寄付の申込みがあった。昨今の経済情勢が厳しい中、本校の学生が就職で お世話になるとともに、在校生の教育にご理解とご協力をいただきましたことに深く感謝申し上げ、 下記にご芳名を掲載します。さらに、校舎内に社名プレートを掲示しています。 52 ○恵和株式会社 ○コーンズドッドウェル株式会社 ○堺化学工業株式会社 ○ニューレジストン株式会社 ○株式会社カルバック ○住金マネジメント株式会社和歌山事業所 ○住友金属物流株式会社 ○住金プラント株式会社 ○株式会社日本アルミ ○日建産業株式会社 ○旭化成株式会社 また、本センターの活動を広く展開するために、科学技術振興機構(JST)等の事業に申請書 を提出した。 7.2.5 自己点検結果 本校の特色ある活動を推進する母体として、「ロボット教育センター」を立ち上げた。初年度の 活動として、相当数の実績を上げることができたと考えている。特に、和歌山県、和歌山県教育委 員会、御坊市、御坊市教育委員会、御坊商工会議所、和歌山高専産官学技術交流会、本校が主催す る「きのくにロボットフェスティバル」は約6000名が来場され、大盛況の中開催できた。また、県 内外でイベント等に参加し、ロボットを活用した科学技術の理解促進に貢献することができた。一 方、本センターを運営していく財源を確保することは重要であり、企業からの寄付以外にも外部資 金の獲得に努力する必要がある。また、従来から本校に設置されている地域共同テクノセンターの 業務と重複する事項や本センターが所掌することが相応しい高専ロボコンの活動などがあり、今後 業務の分担を見直し、より効率的な運営を図る必要がある。今後さらに創意工夫をしながら、セン ター設立の目的を達成できるように努力していきたい。 7.3 情報処理教育センター 7.3.1 公開講座「お手軽アニメーション」 日 時:平成20年7月26日(土)1日間 時 間:10:00 ∼ 15:00 場 所:和歌山工業高等専門学校 専攻科棟マルチメディア教室 対 象:一般∼中学生 講 師:本校の教職員 溝川辰巳、青山歓生、森 徹、真田 順 本講座では、平成19年度に引き続きフリーのFlashアニメー 講師による指導風景 ション作成ツールSuzukaを用いて、アニメーション作成の実習を行った。Suzukaを用いると普通 のパソコンを用いて、誰でも簡単にアニメーションが作成できるようになる。受講生は中学生14名 で講師は本校の教職員4名が担当し、電気情報工学科の学生3名が補助した。午前中は、講師の先 53 生や補助学生の指導を受けながらアニメーション作成の練習を行った。午後は各自、自由テーマで アニメーション作成に取り組み、最後に作品の発表会を行った。受講生は、自分の作成したアニ メーションが思い通りに動くのを見て喜んだ。受講後のアンケートは概ね好評であり、次年度以降 も実施していく考えである。 7.3.2.パソコンの組み立て(なるほど体験科学教室) 高専祭期間中の平成20年11月8日(土)に「Making PC ∼パソコンなんて怖くない∼」とのテー マで、パソコン組み立ての体験を行った。これは、平成20年度理工系教育推進事業「なるほど体験 科学教室」で開設している教室の一つで、小・中学生を対象に 科学の面白さを知ってもらう目的で毎年実施しているものであ る。 参加者は中学生2名、講師は情報処理教育センターのスタッ フ青山歓生、真田 順が担当した。 パソコンの仕組み及び各部品について簡単な説明を行った後、 2台のパソコンを一人につき1台組み立てた。パソコンは市販 組み立て作業風景 の組み立てパソコンを利用した。講師の指導下、パソコン筐体 への各装置の組み込みから配線まで行った。 7.3.3 教育用電子計算機システムの更新 教育用電子計算機システムの更新を平成22年3月に行う。その準備のため、平成20年12月に教育 用電子計算機システム仕様策定委員会を発足し、次期演習室の導入作業を行っている。仕様策定委 員は、溝川メディアセンター長(機械工学科)、青山メディア副センター長(機械工学科)、三原由 雅(機械工学科)、森 徹(電気情報工学科)、河地貴利(物質工学科)、伊藤 雅(環境都市工 学科)、森岡 隆(一般科目)で構成されている。 7.3.4 自己点検結果 情報処理教育センターでは、公開講座「お手軽アニメーション」、なるほど体験科学教室「Making PC」を行った。受講生からも良い評価を得ており、今後とも続けてゆきたい。ただし、「Making PC」は受講生が2名と少なく、もう少し講座の内容に工夫が必要となる。演習室の更新に関して、 平成20年度中にシステムの基本構成を設計することができた。 7.4 図書館 本校図書館は、「誰もが親しみ、利用しやすく」を目標に、諸施策や機材導入・改善に努力を続 けている。学内に対しては、読書感想文コンクール、教員・学生による図書推薦、学生図書委員会 による「図書館だより」発行等を図書館設立当初より継続実施し、図書館に対する意識向上を図っ ている。また、所蔵しているビデオやCD・DVD・LD等をいつでも利用できるよう視聴覚コー ナーを設置している。なお、所蔵している図書情報のデータベース化により、館内の検索端末機や ホームページを通じて容易に検索できる状態になっている。 54 7.4.1 活動内容 学生図書委員が中心となり教員図書委員の指導のもと「図書館だより」を年2回発行(第115号、 第116号)した。学生がパソコンで編集、4色刷りとした。また、「読書感想文コンクール入選作品 集・群青」(第5号)を発行した。編集は国語科で行った。いずれも業者には印刷・製本だけを依 頼した。 「読書感想文コンクール」への応募作品は166編で、その中から、第1席1編、第2席3編、第3 席2編、佳作7編、計13編の作品が選ばれた。表彰式は平成11月5日(水)に行われ、入賞者には 韮澤弘志校長から賞状と賞品(図書カード)を授与した。 その他本年度も次のような活動を行った。 ・新入生、編入生、留学生、新任教員に対して図書館の利用についてのオリエンテーションを 行った。 ・年度初めに長期貸出中の研究用図書の確認を行い、夏季休業中に蔵書点検を実施し、蔵書の 管理を徹底して行った。 ・4回実施された校内の大掃除の際に学生に対し書籍の配列の乱れを整理させ、図書は「日本 十進分類法」に基づき分類順に配架していることを教え、図書館利用の認識をもつように指 導した。 ・地域のみでなく、全国レベルでの資料提供を促進するため、所蔵図書のNACSIS−CA T(国立情報学研究所が運営している全国の大学図書館等の総合目録データベース)への遡 及入力を昨年に引き続き行っている。 ・昨年設けた「学習参考書コーナー」を利用促進のため、目に留まりやすい自習机近くに移動 させた。 ・書庫内の配架場所の移動を行い、利用促進に努めた。 7.4.2 利用状況 今年度の図書館利用状況については、以下のとおりである。 ここ数年貸出冊数は、減少傾向にある。入館者数も平成19年度以降減少している。分野別に見る と「歴史」「芸術」「言語」分野が前年度を上回っているが、残りの分野は全て減少している。よ り一層授業と図書館との関連を密接にするとともに、一般教養書などの蔵書の充実が必要である。 (表7.1、表7.2) 本校図書館は学外に公開されており(平成12年8月1日(火)より)、自然科学・工学技術系図 書が多く利用されている。この地域にあっては一般公共図書館にない特色が現れている。また、芸 術・文学書等も多く借り出されており、登録者区分の広さがうかがわれる。中高校生の入館も多く、 学習の場として積極的に利用されている。今年度は昨年度よりも新規登録者数・更新登録者数とも に増加した。学外利用者の貸出冊数は、全体の貸出冊数が減少しているにもかかわらず、昨年度に 比べ増加した。今年度、学外利用新規登録者数が平成12年度の公開以降ついに700名を超えた。(表 7.3、表7.4、表7.5) 55 7.4.3 和歌山地域コンソーシアム図書館 県内の高専・大学及び地域の公共図書館が参加する「和歌山地域図書館協議会」において、 「和 歌山地域コンソーシアム図書館」を平成13年度に発足させ、同年10月より「蔵書情報の検索・提供 サービス」をWeb上から可能とした。本校では平成15年2月13日(木)からサービスを開始して いる。現在、Web上に公開している図書館は30館で、昨年度より蔵書数で約22.6万冊増加、We b公開数で約24.8万冊増加、アクセス件数は約7.4万件と年々急増しており、県民の利用度は高まっ ている。一方、「貸出・配送サービス」 は、昨年度より125冊増加したが、送料を受益者負担として いることがネックとなってまだまだ利用度は低い。いかに利用を増やしていくかが今後の課題に なっている。 7.4.4 自己点検結果 本校の「図書館だより」、 「読書感想文コンクール入選作品集・群青」の発行システムは教員・学 生図書委員や国語科教員の協力のもとに効率よく機能を果たしている。 本図書館は蔵書管理、入退館者管理が非常にきめ細かにチェックされて、蔵書の紛失も極めて少 ないことが特徴である。 本校の図書館もまた、IT化社会への適応を余儀なくされており、それに対する検討が急務であ る。運営面においては、バリアフリーに対応する一層の設備更新・施設整備を進める時期が来てい る。また、本校の教育・研究、地域産業に関する技術資料等の厳選と蔵書増に努めるとともに、一 般教養図書についても学内外からの要望をできるだけ受け入れ可能とする必要がある。さらに、各 地域の図書館との連携を活かした情報提供サービスを一層強め、紀南の情報発信源としての積極的 な取り組みを果たすことが今後の課題である。 表7.1 入館者数 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 昼 間 (8:30 ∼ 17:00) 19,770人 (793) 18,724人 (834) 20,737人 (644) 18,100人 (601) 16,906人 (665) 夜 間 (17:00 ∼ 21:00) 6,864人 (260) 5,575人 (126) 4,363人 (169) 3,959人 (325) 4,782人 (221) 合 計 26,634人 (1,053) 24,299人 (960) 25,100人 (813) 22,059人 (926) 21,688人 (886) *( )は、一般利用者(内数) *定期試験期間中の夜間開館は、17:00 ∼ 22:00 *平成17年度は「入館管理システム」が6月から10月まで故障したため、その間同一人の入館は1日1回としてカウントし たことから、トータルは例年よりも減少した 表7.2 貸出冊数 分類(NDC) 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 0 総 記 297 282 243 180 141 1 哲 学 174 196 137 136 81 2 歴 史 237 195 116 126 148 56 3 社会科学 337 303 271 267 221 4 自然科学 1,478 1,310 1,026 1,144 940 5 技 術 2,230 1,706 1,489 1,164 897 6 産 業 67 35 24 40 37 7 芸 術 2,255 2,320 1,090 706 736 8 言 語 312 260 237 279 318 9 文 学 1,551 1,386 1,573 1,486 1,119 図 書 合 計 8,938 7,993 6,206 5,528 4,638 雑 誌 528 616 606 482 458 合 計 9,466 8,609 6,812 6,010 5,096 *( )は、一般利用者(内数) 土曜日貸出冊数(内数) 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 494冊 465冊 362冊 364冊 294冊 *貸出冊数については、昼間・夜間の区分はしていない 表7.3 一般開放に伴う学外利用者職業別登録者数 区 分 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 合 計 小 学 生 0人 1人 0人 0人 2人 3人 中 学 生 25 23 19 26 32 125 高 校 生 2 6 4 2 1 15 大 学 生 0 4 3 2 1 10 専門学校生 0 15 0 1 0 16 会 社 員 7 8 8 7 8 38 公 務 員 3 2 5 0 1 11 農 業 1 0 1 0 0 2 自 営 業 1 2 0 2 0 5 主 婦 0 1 0 0 0 1 そ の 他 12 10 17 20 20 79 新規登録者 計 51 72 57 60 65 305 年度更新者 計 66 52 59 57 60 294 合 計 117 124 116 117 125 599 *平成12年8月1日から一般開放 57 表7.4 一般開放に伴う学外利用者入館者数 平成16年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼ 17時 745人 745人 17時∼ 21時 260人 260人 10時∼ 16時 合 計 1,005人 48人 48人 48人 1,053人 平成17年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼ 17時 757人 757人 17時∼ 21時 126人 126人 10時∼ 16時 合 計 883人 77人 77人 77人 960人 *平成17年6月から10月まで「入館管理システム」故障のため、その間、同一人の入館は1日1回としてカウントしたこと からトータルは、例年よりも減少した 平成18年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼ 17時 563人 563人 17時∼ 21時 169人 169人 10時∼ 16時 合 計 732人 81人 81人 81人 813人 平成19年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼ 17時 497人 497人 17時∼ 21時 325人 325人 10時∼ 16時 合 計 822人 104人 104人 104人 926人 平成20年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼ 17時 565人 565人 17時∼ 21時 236人 236人 10時∼ 16時 合 計 801人 58 109人 109人 109人 910人 表7.5 一般開放に伴う学外利用者分類別貸出数 分 類 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 合 計 0 総 記 16冊 5冊 5冊 9冊 10冊 45冊 1 哲 学 16 14 4 9 6 49 2 歴 史 25 26 9 16 17 93 3 社会科学 20 16 19 7 16 78 4 自然科学 83 52 44 69 54 302 5 技 術 109 78 80 83 107 457 6 産 業 11 7 8 2 9 37 7 芸 術 44 210 111 30 128 523 8 言 語 6 2 9 7 5 29 9 文 学 154 169 276 247 234 1,080 雑 誌 21 79 27 28 11 166 合 計 505 658 592 507 597 2,859 *平成12年8月1日から一般開放 59 8 国 際 交 流 関 係 8.1 本校外国人留学生との交流 平成20年度、本校にはティオ・チアン・シェン君(機械工学科5年:マレーシア)、グプタ・ア ミット君(電気情報工学科5年:バングラデシュ)、アブドウル・ハリム・ビン・ママット・ナウ イ君(物質工学科5年:マレーシア)、シラサック・マノ・サワン君(環境都市工学科5年:ラオ ス)、ヒー・シー・リー君(機械工学科4年:マレーシア)、ミョル・アスランディ・ビン・モータ ル君(機械工学科4年:マレーシア)、フィルダウス・クルニアワン君(電気情報工学科4年:イ ンドネシア)、ウォン・ウェイ・ジアン君(物質工学科4年:マレーシア)、リー・ワン・インさん (物質工学科4年:マレーシア)、ムハマド・タウフィク・ビン・タイブ君(機械工学科3年:マ レーシア) 、ゴー・キアン・キオン君(物質工学科3年:マレーシア) 、チャン・ズイ・タック君 (物質工学科3年:ベトナム)、ガニインドラン・ライノーラジ君(環境都市工学科3年:マレー シア)、チンタヴォン・カムレック君(環境都市工学科3年:ラオス)の14名の留学生が在籍した。 また、上海電機学院との学生交流も継続中で、年々交流を深めている。このように留学生の受け入 れを実施すると共に、本校日本人学生との交流促進に努め、本校学生の国際感覚がさらに向上する ように努力しているところである。本校では国際化をさらに進める方針を掲げ、今後も留学生の積 極的な受け入れを推進する予定でいる。 以下に、本年度実施した留学生との主な交流内容を紹介する。 8.1.1 新入留学生歓迎会 4月17日(木)に新入の留学生(3学年生5名)と日 本人チューター、本校教員の計14名で歓迎会を兼ねての 昼食会を開催した。食事が進むにつれて和気藹々とした 雰囲気となり、自己紹介を交えての歓談を楽しんだ。 新入留学生を囲んでの歓談風景 8.1.2 留学生ボウリング大会 4月28日(月)に留学生ボウリング大会を開催し、本校に在 籍している留学生とそのチューター、留学生担当教員等総勢25 名が参加した。環境都市工学科5年マノ君(ラオス)が188点 のハイスコアーを記録して優勝した。 ボウリング場で全員集合 60 8.1.3 留学生サイクリング 6月14日(土)に、本校在学中の留学生を対象にサイクリング を実施した。この催しは、サイクリングで地元の自然に触れて もらうために企画された。留学生とチューター(相談役の学 生)および関係教職員の合計23名がサイクリングで汗を流すと 共に、目的地の大滝川森林公園では、バーベキューや手巻き寿 司の他に、大滝川での水遊びを楽しみ、森林の中で初夏の紀州 を大いに満喫した。 水遊びを楽しむ留学生達 8.1.4 留学生スピーチ大会 11月19日(水)に留学生スピーチ大会を開催した。この催しは、留学生と日本人学生との交流推 進を目的として年1回、種々のテーマで開催されているもので、今回で10回目となる。 今回のテーマは「学生生活」で、昨年まで1 年生の寮生向けに実施していたものを、当該留 学生の在籍する学年の全学生(3年生182名) に対象を変更して行った。マレーシアからの留 学生ゴー君(物質工学科) 、タウフィク君(機 械工学科)、ガニインドラン君(環境都市工学 科)、ベトナムからの留学生タック君(物質工 質問に応えて説明するゴー君 学科)、そしてラオスからの留学生カムレック 君(環境都市工学科)が、慣れない日本語で母国での学生生活等について写真を交え熱心に紹介し た。 8.1.5 きのくにサイエンスセミナー 11月15日(土)∼ 29日(土)の期間に恒例の「きのくにサイエンスセミナー」を毎週土曜の日 程で計3回(2回は午前と午後の2部構成)開催した。 (1)11月15日(土)の午前には環境都市工学科教授の小川一志氏による「明石海峡大橋(世界で 一番長い橋)の建設」と題した講演が行われ、留学生と一般学生の計57名が参加した。 午後は「日本文化教室」として電気情報工学科教授の佐久間敏幸氏による将棋講座が行われ、留 学生8名が参加し、日本の伝統的競技に興じるひと時を楽しんだ。 講演中の小川一志氏 将棋の実演を楽しむ留学生達 61 (2)11月22日(土)の午前には関西電力(株)和 歌山支店副支店長の小門俊次氏による「環境と エネルギー∼低炭素社会に向けた電気事業の取 り組み∼」と題した講演が行われ、留学生と一 般学生の計50名が参加した。 午後は「日本文化教室」として福々総合文化 教室の田渕 講演中の小門俊次氏 福美先生に よる生花教室が開催され、留学生6名が参加した。留学生たち は生花の基本知識の講義を受けた後、早速、生け花に挑戦して いた。 (3)11月29日(土)の 午 作品を手にする留学生達 前には御坊市市民福祉部環 境保全係長の杉本誠司氏による「地球温暖化の現状と待ったな しの温暖化対策」と題した講演が行われ、留学生と一般学生の 計60名が参加した。 講演中の杉本誠司氏 8.1.6 留学生日本文化研修旅行(広島県) 1月31日(土)から2月1日(日)に1泊2日の日程で日本 文化研修を行い、留学生14名(引率教員:楠部)が広島県の原 爆ドームと厳島神社を訪れた。 「原爆ドーム」は今も当時の無残な世界を残しており、留学 生も絶句していた。原子爆弾の爆発地点を説明すると、全員が 快晴の空を見上げていた。資料館では、被爆者の写真や子ども の遺品などの展示物前で思わず脚が止まり、怒りと無念と平和 への祈念が複雑に交錯した様子であった。熱心なあまりに閉館 原爆投下時刻のパネルに見入る留学生 直前まで見学する学生もいた。 「厳島神社」では、大鳥居の「太陽と月」の印や「二礼二拍 一礼」の説明等に興味深く聞き入っていた。学生達は手水舎で の作法をしっかりと行っていた。 厳島神社の大鳥居と鹿 62 8.2 中国上海電機学院との交流 本校は 国際性を備えた人材の育成 を教育研究理念の中で謳っており、国際的にも開かれた学 園を目指している。その具体的方策の一つとして、上海電機学院との交流を進めている。上海市は 人口が約1,700万人で、急激に経済成長している世界最大級都市の一つであり、また数多くの日本 の企業が進出していることでも有名である。この上海市にある学生数約1万人の上海電機学院と交 流することは、近い将来、技術者として企業に就職する本校の学生にとって非常に有意義であると 考えている。 本校と上海電機学院の両学生の有意義な交流が実現することを目指し、平成14年度に本校の教員 が上海電気技術高等専科学校(現上海電機学院)を訪問して交流協定を締結した。平成16年度から 相互に短期留学という形で学生交流が始まり、現在に至っている。本年度の交流について紹介する。 8.2.1 上海電機学院短期留学報告会 上海電機学院への平成19年度短期留学(3/23 ∼ 4/1)報告会を5月27日(火)に全校生を対 象に開催した。短期留学生を代表して機械工学科5年の阪井君と松田君が、パワーポイントを使い 上海電機学院学生との現地での交流の様子や上海の街並および風景等を紹介した。 8.2.2 上海電機学院から本校への短期留学 7月6日(日)か ら17日(木)ま で の12日 間、同 学 院 の 学 生12名と引率教員2名が本校に滞在し、授業・実習の参観、学 生会、寮生会との交流、日本文化体験(生花、茶道、着付け)、 地元企業の見学、周辺地域の観光等を楽しんだ。 留学最終日には送別会が行われ、韮澤弘志校長が浴衣姿の留 学生の一人一人に修了証書を手渡した。留学生からの感謝の言 葉に引き続き、訪問団一行を代表して何寧教員が「今回の留学 は、私たちにとって貴重な体験になりました。日本の皆さんの 白良浜海水浴場にて 「はい、チーズ!」 優しさは心に残りました。是非、上海にも来てください。 」とお礼を述べられた。 8.2.3 上海電機学院への短期留学 3月22日(日)から4月2日(木)の日程で、本校学生12名、引率教員2名の計14名が上海電機 学院に短期留学した。上海電機学院では学生・教職員から「熱烈歓迎」され、12日間の滞在期間中、 歓迎会、授業・クラブの見学、学生との交流、中国語・中国武術の講義・実習、そして上海市内や 近郊の観光等のスケジュールを楽しんだ。学生達は初めての中 国訪問であったが、両校の豊富な交流実績や中国の学生の細や かな配慮のおかげもあって、交流はスムーズに進み、中国の学 生のリードで英語・中国語・日本語を交えての和やかな交流と なった。学生同士の交流会では、中国の学生が歌・踊り・書道 などの中国文化を披露し、本校の学生が日本の歌・ゲームを披 露する等、お互いの文化を紹介し交流を深めた。 上海市内での記念写真 63 8.3 自己点検結果 本年度は14名(前年度12名)の外国人留学生が在籍し、前年度に続き過去最高の在籍数となった。 本校の国際化を推進するために今後も外国人留学生の受入を積極的に行う必要があるが、そのため には、編入生枠の拡大や私費留学生の受け入れ体制を整えると同時に、増員に向けた設備面での整 備が必要である。今年度は留学生専用の調理室を新たに1室整備し、受け入れのための環境整備を 一歩進める事が出来たと考えている。 生活面では、編入学の初年度となる3年次に各人に日本人チューター(外国人留学生相談員)を 付け、住居は日本人学生と同じ学生寮に置く等、日本人学生との交流の機会を多くするようにし、 疎外感を与えないように配慮している。さらに、留学生の中からも生活面での指導を行う立場の指 導寮生を任命し、自主的に自分達で生活改善が図れるようにしている。 施設面では個室を提供している他、数の多い男子には留学生専用の補食室(本年度、2倍の規模 に増設した)とシャワー室(本年度、改修工事を実施した)を設けている。女子についても一昨 年度に女子寮の大規模な改修工事を施し、個室の他、シャワー室の設置等、設備の充実をおこない、 快適な生活を送れるようにしている。 平成16年度より開始した上海電機学院との短期留学制度は、慣例行事となり軌道に乗っている。 一方、次年度からは準備を進めていた上海電機学院との長期留学制度がいよいよ本格的に始動する 予定であり、これに向けた対応として担当職員および施設の充実を早急に進める必要がある。 64 9 人 権 教 育 活 動 9.1 平成20年度の活動 第1回委員会において、本校の人権教育に関する基本方針と本年度の人権教育計画を確認した。 同計画に基づいて、教職員や学生を対象とした人権に関する講演会等を実施した。 9.2 人権講演会 9.2.1 職員対象講演会 全国的に見て高専では自殺が多いため、昨年度に引き続き、自殺防止やメンタルケアの取り組み として 「メンタルヘルス講演会」 を計3回実施した。 (第1回) 演 題:「自殺に波及する心の病への対応方法について」 講 師:松本メンタルクリニック 院長 松本 幸男 氏 月 日:10月30日(木) 参加者:32名 (第2回) 演 題:「自殺予防に向けての心のケアについて」 講 師:本校カウンセラー 臨床心理士 鈴川 元治 氏 月 日:12月4日(木) 参加者:20名 (第3回) 演 題:「メンタルヘルスケアとこころの緊急支援―アクシデントを乗り切るために―」 講 師:相愛大学 教授 桑原 義登 氏 月 日:2月16日(月) 参加者:33名 9.2.2 学生対象講演・講習会 演 題:「エイズについて」 講 師:御坊保健所 丸山 英一 氏 月 日:10月6日(月) 参加者:第1学年160名 65 9.3 平成20年度近畿地区高等専門学校人権教育連絡協議会 日 時:平成20年10月31日(金)13:00 ∼ 15:30 場 所:メルパルク大阪 主 管:和歌山工業高等専門学校 参 加:近畿地区7高専10名が参加。本校から大久保学生主事及び佐野人権セクハラ委員会委員 が出席した。 協議事項 1.メンタルケアの実情について∼それにあたる人員・態勢・初期教育及び人権上の配慮 2.インターネットを利用しての「いじめ」について 承合事項 1.2chを代表とするインターネットへの書き込みによる 謗中傷は加速するばかりです。 学校や学生、教職員がその対象となった場合に講じることのできる対策についてご教示願 います。 2.ブログやメール等での迷惑行為防止対策について 3.人権教育をどのような時間を用いて実施しておられるのかお聞かせいただきたい。 4.人権教育の観点から実施される講演会等の催しについて 5.学生および教職員対象の人権教育の取り組みについて 6.各府県の高等学校人権教育研究会等が募集する人権作文などの作品への応募について 7.スクールセクハラ防止対策について 8.不登校、またはいわゆる保健室登校の学生に対して過去どのように対処されてきたのか事 例をお教えください。特に欠席時数が進級基準に抵触した場合はどのように扱われたかご 教示願います。 9.学習障害のある学生が入学した際のクラス運営や寮生活について 10.学寮でのひきこもり学生について 9.4 学生相談室 学生相談室は、環境都市工学科久保井教授を室長とし、「なんでも相談員」として教員6名、学 寮の事務員及び看護師各1名の8名を配置し、事務的なサポート体制として学生課長と学生課事務 員が加わっている。相談室として今年度は教員6名が毎週1日1時間オレンジルームに在室し、相 談学生が来室したときに対応できるように対処した(学校医の西本先生にて基本指導を受けている)。 また、非常勤カウンセラーとして大谷クリニックの大谷医師に緊急時や時間外にメンタル面での診 察を委嘱している。さらに、学生の相談によりきめ細かく対応するために週1回のカウンセラー対 応として臨床心理士2名体制とした。 平成20年度の学生相談に関する統計結果から、以下のグラフにあるように臨床心理士への相談件 数は多く、学生が専門家の相談相手を必要としている状況がうかがわれる。相談の内容は友人・対 人関係と健康・精神衛生の2項目が相談件数の半数に達している。学生の悩み事が社会状況に対応 66 して、多岐に分化していると判断される。また、教職員の相談件数が40%近くに達している。今年 度も職員の心のケアについても考えさせられる。さらに、学生の相談者の性別分布から、男子学生 の件数が非常に多くなっているのが特徴である。 今後、一部には深厚な悩みを抱えた学生が以前より増加する傾向もみられ、クラス担任をはじめ、 学寮や厚生補導など関連部門(学生指導支援室)と関連した対応体制のさらなる充実が望まれる。 本年度の活動を要約すると次のとおりである。 相談総数:187件 (平成19年度:143件、平成18年度:95件、平成17年度:80件、平成16年度:113件) 各種会議への出席 ⑴ 平成20年度全国メンタルヘルス研究協議会(1名参加+委員として1名参加) ⑵ 平成20年度近畿地区カウンセリング連絡協議会(2名参加) ⑶ 第5回全国国立高等専門学校メンタルヘルス研究集会(2名参加) ・問題学生への対応体制(複数人)として以下の通りに実施した。 【一般】担当相談委員+看護師+カウンセラー +担任+室長 【寮生】担当相談委員+看護師+カウンセラー+寮務係長+担任+室長 ・情報を共有するため、各種会議資料等を回覧した。 ・守秘義務についての定義付けと相談員の立場(位置づけ)について検討した。 ・学生相談室と学生指導支援室の違いを明確にした。 ・学生間に生じた問題について学生相談室長、関係学科主任と担任で関係者を集め対策を検討した 旨報告された。今後も学生相談に関する問題が生じた場合、相談室の対応について相談員に報告 し、対処の方法を検討することとした。 ・学生相談室のホームページ掲載および学生相談室パンフレットを配布した。 ・メンタルヘルス関連本の入荷案内を教職員全員に周知した。 (自殺予防経費で購入し、オレンジ ルームに保管した。) 学生相談室については、学校のガイダンスやパンフレットの配布で相談室の紹介に務めたが大き な改善はなかった。また、今年度も教員等の相談員に対する相談件数が少なく、もっぱら、2名の 臨床心理士と看護師に偏っていた。臨床心理士にカウンセラーとして来校してもらい、学生の相談 件数が多くなった。その結果、多くの学生が専門家に相談し何らかの問題解決につながっていると 言える。今後、臨床心理士に積極的に学生に関わりを持てる環境整備や教職員に対する研修の機会 を持つようにしたい。また、教員と臨床心理士との連携を増して、学生の悩み解消の環境づくりを 進める必要がある。 参考までに学生相談に関する本年度のデータを次に掲げる。 67 図1 相談対応者 図2 相談者内訳 図3 相談場所 図4 相談者の性別 図5 相談者の学年 図6 相談内容 68 図7 月別相談者数 9.5 自己点検結果 今年度においても自殺防止が大きなテーマであり、教職員や学生を対象とした講習会を実施した。 今後も学生に対する人権に関する啓発や教職員の研修を引き続き行う必要がある。 学生相談室については、教員に対する相談件数は少ないが、臨床心理士2名の週1回程度来校に は効果が現れており、相談件数も多くなっている。今後も、臨床心理士に定期的に相談できる環境 づくりを推進するとともに、教員と臨床心理士との連携も図り、学生・教員の悩みを解消して、よ り良い学校環境としたいと考えている。 人権教育活動や学生相談は、学生の質の変化にともなって、今後ますます重要になると予想され る。学内の各学科、クラス担任、学生相談室、学生指導支援室、学科主任、臨床心理士の方などが 連携して、実態に即した活動の充実と継続的な見直しが必要である。 69 10 広 報 活 動(情報企画委員会) 10.1 ホームページ パソコンが一家に一台にまで普及し、インターネットが情報検索のごく当たり前の手段になって、 ホームページが本校の情報発信の主要な手段になっている。そのためホームページ上の情報が古 かったり誤っていたりすると、社会に正しい情報を提供することが出来なくなる。正しく新しい情 報の提供のためには、ホームページの迅速な更新が不可欠となる。平成20年度も樫原教務主事補が 中心となり、関係部所の協力の下で、新年度早々にホームページを更新することができた。今後と も情報の迅速な更新を心がけて行きたい。 10.2 広報活動 広報窓口(情報企画委員会―企画広報室)を通じて学内の情報を新聞各紙に積極的に流している。 平成20年度は野球部の活躍やロボコン、ソイルタワーコンテスト等の学生のイベントに加えて、も の作り人材育成事業や公開講座・出前授業等の事業が数多く実施された結果、過去最高の616件も の新聞報道があった。本校の記事を多数掲載いただいた新聞各紙の関係者に深謝するとともに、コ ンテストや試合で活躍された学生、各事業に尽力された関係各位に感謝する。 学内の情報を発信し続け、常に外部から本校の内部を垣間見える状況にしておくことは、地域か ら親しみを持たれる、開かれた学校を作る上での必須項目だと考える。今後ともより多くの情報を 発信できるように努力を続ける所存である。 平成20年度新聞記事掲載実績(平成21年4月1日本校確認分) 平成 月 文教 文教 文教紙 朝日 計 新聞 ニュース 速報 毎日 新聞 讀賣 新聞 産経 全国紙 紀州 新聞 計 新聞 日高 新報 2・1 紀州 紀伊 わかやま 地元紙 南紀州 紀南 生活 紀南 その他 合計 民報 新報 計 新聞 新聞 ニュース 計 20年 4 1 4 5 3 4 1 2 10 9 4 4 6 23 5 2 5 7 2 1 2 2 7 13 10 1 2 3 29 6 4 6 10 1 1 1 3 11 7 1 2 7 3 7 10 3 4 4 15 20 20 3 3 46 2 6 6 1 19 14 1 3 4 41 1 10 12 1 2 3 11 10 1 3 1 26 2 4 1 4 12 14 3 2 31 1 2 20 12 4 2 38 2 6 17 15 35 12 4 10 12 2 4 2 30 3 3 45 1 1 8 5 1 1 1 16 5 5 28 1 7 11 2 1 21 12 57 157 134 17 29 20 357 8 9 2 10 11 11 2 11 2 9 11 2 12 3 14 17 2 2 21年 1 1 7 8 2 1 5 6 3 合計 4 1 1 3 4 1 20 87 107 19 1 1 1 2 12 14 70 1 1 21 2 7 7 7 8 51 6 6 40 6 8 79 11 12 60 6 47 7 8 54 13 13 64 12 70 7 7 88 45 7 0 95 33 0 616 10.3 学内広報 今年度も学内広報スタッフにより、学校要覧を実用的なものへと 内容を改訂するとともに、学園だより第81号、82号を発行した。 スタッフ 和田(一般)、宮本(一般)、後藤(一般) 濵口龍(技術支援室)[写真] 10.4 自己点検結果 学園だより第82号 平成21年3月発行 昨年に引き続き年度始めにホームページを更新できた。新着情報は適宜更新されているが、その 他の情報においても年度途中に更新することが今後の課題である。 新聞記事を中心とした情報発信面では、学内の活動が活発化したことで、過去最高の616の記事 が掲載され、新聞紙面を通じて本校の存在をアピールできたと考える。 学内広報関係では、当初の予定通りに学園だより等を発行することができた。今後も迅速な広報 活動を心がけたい。 71 11 教 員 の 研 究 活 動 本校の教育研究の活性化を図るために、自己点検評価の一環である教員の研究業績調査を下記の とおり実施した。 11.1 調査方法 平成21年6月1日∼ 6月30日にかけて実施した。以下にこの調査の対象者及び研究業績調査票 を記載する。 学 科 名 知能機械工学科 役 職 教 授 准教授 助 教 電気情報工学科 教 授 准教授 物質工学科 講 師 教 授 准教授 助 教 氏 名 福田 匡 坂田 光雄 溝川 辰巳 藤原 昭文 青山 歓生 樫原 恵藏 北澤 雅之 佐野 和男 西本 圭吾 濵田 俊彦 三原 由雅 矢野 敏雄 山東 篤 津田 尚明 徳田 将敏 藤本 晶 山口 利幸 佐久間敏幸 謝 孟春 若野憲一郎 渡邊仁志夫 雑賀 洋平 直井 弘之 森 徹 山吹 巧一 村田 充利 山川 文徳 米光 裕 野村 英作 土井 正光 岩本 仁志 河地 貴利 岸本 昇 塩路 修平 林 純二郎 森田 誠一 楠部 真崇 学 科 名 環境都市工学科 役 職 教 授 助 教 氏 名 中本 純次 大久保俊治 久保井利達 辻原 治 靏巻 峰夫 伊藤 雅 小池 信昭 原 忠 三岩 敬孝 森川 寿 橋本 雅博 赤崎 雄一 秋山 聡 右代谷 昇 桑原 伸弘 後藤多栄子 重松 正史 太古 隆治 中出 明人 平山 規義 宮本 克之 森岡 隆 吉田 芳弘 和田 茂俊 芥河 晋 嘱託教授 冨上健次郎 准教授 一般科目 出向中 教 授 准教授 嘱託教員 72 平成20年度年報 研究業績調査 提 出 者: 学科 氏名 提出年月日: 項目1、2について、調査対象期間を限定しません。 1.学協会等への加入、活動状況 (1)現在加入している学協会名を記入してください。 (2)学協会で務めた役職とその期間を学協会毎に記入してください。 2.学位取得(博士号)の状況 (1)取得している学位と取得年月を記入してください。 (2)学位論文の題目を記入してください。 (3)学位を取得した機関(大学等)を記入してください。 以下の項目についての調査対象期間は、平成20年度(平成20年4月1日∼平成21年3月31日)とし ます。なお、実績がない場合は、「なし」とご記入下さい。 3.学外活動、兼職状況 (1)学協会以外で、学外の委員会、財団等で務めた役職とその期間を記入してください。 (2)他高専、大学等での兼職(非常勤講師等)とその期間を記入してください。 4.科研費の応募、採択状況 (1)平成20年度を研究期間とする科研(申請は平成19年度)に応募したものについて、研究 種目、研究課題を記入してください。 (2)上記(1)のうち、採択されたものを再度記入し、平成20年度の交付金額を記入してく ださい。 5.助成金等の受入状況 (1)調査対象期間を助成期間とする助成金(研究助成、海外渡航助成等)に応募したものに ついて、助成機関、研究課題を記入してください。 (2)上記(1)のうち、採択されたものを再度記入し、平成20年度の交付金額を記入してく ださい。 6.奨学寄付金等の受入状況 (1)企業等から受け入れた奨学寄付金について、課題、金額を記入してください。ただし、 上記5(2)を奨学寄付金にした場合は、記入しないでください。 7.学内予算による研究補助金等への応募、採択状況 (1)平成20年度に応募した研究補助金等について、申請区分、テーマを記入してください。 (2)上記(1)のうち、採択された申請区分、テーマを再度記入し、その金額を記入してく ださい。 8.著書・編書の状況 (1)全員の著者名、著書名、出版社名、発行年(西暦)の順に記入してください。 73 9.論文の発表状況 (1)全員の著者名、論文名、論文誌名、Vol.、No.、発行年(西暦)、pp.最初のページ−最 後のページの順で、原文のまま記入してください。なお、レフェリーの査読を経て掲載さ れた国際会議のプロシーディングスも含めてください。 10.特許等(外国のものを含む)の取得状況 (1)特許番号(公開を含む)、発明の名称、特許権者、登録年月日を記入してください。 (2)実用新案についても上記(1)と同様に記入願います。 11.国際会議への出席、発表状況 (1)国際会議で役員や会議の座長等を行った場合、その会議名(開催地、開催期間)と役割 を記入してください。 (2)発表した(共同研究者としての連名も含む)講演等について、全員の著者名、演題、ア ブストラクト等がある場合はアブストラクト等冊子名、pp.最初のページ−最後のページ、 ない場合は会議名(開催地、開催期間)の順で記入してください。 12.国内学会、研究会等への出席、発表状況 (1)役員や座長等を行った場合、その学会や研究会の名称(開催年月)と役割を記入してく ださい。 (2)発表した(共同研究者としての連名も含む)講演等について、全員の著者名、演題、ア ブストラクト等がある場合はアブストラクト等冊子名、pp.最初のページ−最後のページ、 ない場合は会の名称(開催年月)の順で記入してください。 13.講演会、各種行事での講演状況 (1)上記11、12以外で、講演会、各種行事等で講演を行った場合、行事等の名称(講演年 月)、演題を記入してください。 14.受賞等の状況 (1)研究成果に対して表彰等を受けた場合、受賞名、贈呈機関を記入してください。 15.内地留学等・在外研究員の状況 (1)内地研究員として、内地留学等をした場合、研究課題、派遣先研究機関、留学等の期間 の順で記入してください。 (2)在外研究員として、海外留学した場合、研究課題、派遣先研究機関、留学期間の順で記 入してください。 16.調査研究等による海外出張の状況 (1)上記11、15(2)以外で、調査研究等による海外出張をした場合、出張目的、主な出張 先機関、渡航国、出張期間の順で記入してください。 17.共同研究、受託研究の状況 (1)実施した共同研究について、研究課題、共同研究機関を記入してください。 (2)実施した受託研究について、研究課題、依頼先機関を記入してください。 18.技術相談、技術指導の状況 (1)技術相談・技術指導等の依頼内容、その依頼機関を記入してください。 74 11.2 教員の研究業績 以下に教員の研究業績を記載する。なお、各項目の記載内容は次のとおりである。 (1)所属 現在の所属学科、役職、現在の役職に関する履歴を示す。 (2)学位取得の状況 取得している学位(博士)名、取得機関、学位論文題目と取得年月を示す。 (3)研究成果の公表件数 平成20年度における著書・編書、論文、特許等、国際会議、国内学会等での公表件数を示す。 (4)加入している学協会名 現在加入している学協会名を示す。 (5)学外活動 平成20年度の期間に、学協会、学外の委員会、財団等で務めた役職とその期間及び他高専、大 学等での兼職(非常勤講師等)、講演会、各種行事等で行った講演について示す。 (6)研究助成金の受入状況 平成20年度を研究期間とする科学研究費補助金、助成金(研究助成、海外渡航助成等)、企業 等から受け入れた奨学寄付金、学内研究補助金等について、申請件数および採択課題名、金額 (平成20年度分)を示す。複数の研究者が共同研究として申請、採択されたものについては、そ れぞれの研究者の業績と見なし、研究者毎にカウントしている。金額に関しては、共同研究の場 合、総額を示す。 (7)地域との連携 平成20年度に、実施した地域との連携に係る「技術相談」、「受託研究」、「民間等との共同 研究」についてその件数を示す。 (8)他機関との共同研究・受託研究 平成20年度に、実施した他機関(大学等)との連携において、(7)の項目に該当しないもの について、相手方と研究課題を示す。(但し、個人レベルでの共同研究については論文等の公表 として表現するので割愛した。) (9)海外出張(海外研修含む) 平成20年度に、国際会議又は在外研究員以外で、海外出張した調査研究等について、出張目的、 主な出張先機関、渡航国、出張期間を示す。 (10)内地研究員・在外研究員の状況 平成20年度を含む期間に、内地研究員又は在外研究員として実施した内地留学等又は海外留学 について、研究課題、派遣先研究機関、留学等の期間を示す。 (11)受賞等の状況 平成20年度を含む期間に、研究成果等に対して受賞した表彰等について、受賞名、贈呈機関、 受賞年月を示す。 (12)研究成果一覧 平成20年度における著書・編書、論文、特許(特許公開・特許登録)等、国際会議及び国内学 会等での公表状況を列記する。ただし、学位論文及び科研費(助成金)等を受領後の成果報告書 75 については、別項目で評価していることから、本項には記載していない。また、共著のものにつ いては、それぞれの研究者の寄与があると判断し、研究者毎に記載している。ここで、[著書] は著書・編書、[国際]は国際会議発表、[国内]は国内学会等発表を表す。なお、レフェリー の査読を経て掲載された国際会議のプロシーディングスは論文として扱った。 76 11.2.1 知能機械工学科 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 11.2.2 電気情報工学科 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 11.2.3 物質工学科 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 11.2.4 環境都市工学科 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 11.2.5 一般科目 122 123 124 125 126 127 128 11.2.6 嘱託教員 129 12 学 内 組 織 学内の各種委員会等の関係を表12.1、表12.2に示す。 表12.1 学内組織 ・主要役職 校長 副校長 教務主事 学生主事 寮務主事 専攻科長 地域共同テクノセンター長 ロボット教育センター長 メディアセンター長 技術支援室長 韮澤 高木 藤本 大久保 山川 山口 米光 山口 溝川 坂田 主事補 樫原、靏巻、後藤 主事補 西本、土井、中出 主事補 山吹、岸本、森岡 副専攻科長 雑賀、辻原 副センター長 山東、小池 副センター長 事務部長、若野、佐野 副センター長 青山、重松 室長補佐 (技術専門職員)林、眞田 ・学科主任 機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 一般科目 藤原 徳田 野村 中本 森川 主任補佐 〃 〃 〃 〃 濵田 直井 岩本 三岩 吉田 ・学級担任 機械工学科 電気情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 1年 坂田 (補佐:重松) 森 冨上 伊藤 2年 3年 4年 5年 赤崎 三原 福田 津田 桑原 平山 原 謝 河地 和田 佐久間 楠部 久保井 若野 塩路 小川 太字は学年主任 物理担当主任:溝川辰巳、化学担当主任:岩本仁志、生物担当主任:山川文徳 ・運営委員会・企画会議 委員会名 委員長 企画会議 韮澤校長 運営委員会 韮澤校長 施設マネジメント委員会 韮澤校長 主事補・副等 高木副校長 委 員 名 藤本、大久保、山川、山口、米光、藤原、森川、事務部長 副校長、主事、専攻科長、 5学科主任、テクノセンター長、 メディアセンター長、教育システム点検委員長、事務部長 高木副校長 企画会議メンバー、総務課長 施設マネジメント部会 高木部会長、総務課長、総務課長補佐、施設係長 運営委員会メンバー 環境マネジメント委員会 韮澤校長 高木副校長 高木部会長、テクノセンター長、岸本、靏巻、辻原、 環境マネジメント部会 三原、直井、宮本、総務課長、総務課長補佐、 施設係長、企画広報室長、学生課長、学生課長補佐 防火防災対策委員会 韮澤校長 総務課長 運営委員会メンバー 将来構想検討ワーキング 米光テクノ 土井 センター長 樫原、山吹、森、雑賀、岸本、伊藤、小池、後藤、窪田、城台 数学ワーキンググループ 高木副校長 藤本、山口、雑賀、佐久間、森、森川、橋本、右代谷、濵田、溝川、塩路、 伊藤、秋山 130 表12.2 委員会等 委員会名 専攻科委員会 教務委員会 委員長 主事補・副等 委 員 名 5学科主任 山口 専攻科長 雑賀、辻原 藤本主事 樫原、靏巻、 後藤 専攻科成績判定会 5学科主任、教務主事、副専攻科長 5学科主任 成績判定会 5学科主任、専攻科長、教務主事補、 オブ:副校長、学生主事、寮務主事 厚生補導委員会 大久保 主事 西本、土井、 中出 佐野、謝、林、原、中出、秋山 学寮委員会 山川主事 山吹、岸本、 森岡 津田、直井、楠部、三岩、芥河 地域共同テクノセンター 米光 委員会 センター長 山東、小池 山東、佐久間、岩本、小池、右代谷、総務課長、学生課長、 林技術支援室長補佐、眞田技術支援室長補佐 メディアセンター 委員会 溝川 センター長 青山、重松 技術支援室委員会 坂田 技術支援室長 教務主事、テクノセンター長、事務部長、藤原、野村、 林技術支援室長補佐、眞田技術支援室長補佐 安全衛生委員会 高木副校長 桑原(衛生管理者)、事務部長(安全管理者)、西本校医(産業医)、 西本、林(純)、小川看護師、総務課長、眞田技術専門職員 図書委員会 北澤、若野、冨上、小川、宮本、右代谷、図書係長 情報処理教育セン 青山、森、河地、伊藤、眞田技術専門職員 ター委員会 樫原、靏巻、後藤、米光、森(IT)、総務課長 情報企画委員会 藤本主事 広報担当 ネットワーク担当 HP:樫原、眞田;年報学校案内:靏巻;学校要覧、 学園だより:和田、宮本、後藤、濵口技術職員;新聞記事:藤本、 情報セキュリティ:藤本 、ビデオ:楠部 (長)青山、森、河地、三岩、橋本、秋山、 情報担当事務 FD委員会 藤本主事 大久保、山口、米光、総務課長、学生課長 知的財産評価委員会 米光 テクノセンター長 専攻科長、教務主事、出願学科主任、後藤、外部委員、総務課長 外部評価検討委員会 山口 専攻課長 人権セクハラ委員会 大久保主事 厚生補導委員会メンバー、総務課長、学生課長 進路対策委員会 大久保主事 専攻科長、教務主事、5年担任 国際交流委員会 山川主事 教務主事、寮務主事補、留学生在籍担任、謝 企画会議メンバー、総務課長、学生課長 外部評価検討委員会 (長)山口、辻原、樫原、雑賀、塩路、三岩 ワーキング 授業料等の免除および 大久保主事 徴収猶予委員会 教務主事、寮務主事、専攻科長、5学科主任 組み換えDNA実験安 米光 テクノセンター長 全委員会 山川、土井、赤崎、橋本、西本校医、総務課長 レクリエーション 委員会 事務部長 山東、渡邊、林、靍巻、平山(総務課2、学生課1、支援室1) 学生相談室 久保井室長 山東、直井、楠部、原、中出、小川看護師、小林栄養士、カウンセラー 学生指導支援室 大久保 学生主事 学生相談室長、学生主事補、森川、学生課長、小川看護師、 対象クラス担任および学科主任が指名する者 セクシャルハラスメント 久保井室長 相談室 教育システム点検 委員会 ロボット 教育センター 学生相談室員(除カウンセラー)、総務課長、学生課長 坂田委員長 久保井 教務主事、専攻科長、学生課長 センター員 山口 センター長 若野、佐野、 事務部長 北澤、津田、楠部、原、芥河、眞田、坂本(研究員) 運営会議 山口 センター長 藤本、大久保、米光、藤原、徳田、坂田、高木、事務部長 131 編集後記 例年どおり年報を発行することができました。平成20年度も 各分掌でさまざまな取り組みがなされました。また、各教員の 研究、学内外での活動も着実に進展しつつあります。 年報は今後を見据えるための道標でもあります。現状と課題 を認識することで、より確かな将来像を描くことができるよう に思われます。その一助として、本年報が機能することを願っ ています。今後も、本校の活動を的確に伝える年報の作成に向 けてさらなる改善を図る所存です。ご一読いただき、忌憚のな いご意見やご感想をいただければ幸いです。 最後に、ご多用の折、ご執筆いただきました教職員の皆さま や編集に携わっていただいた方々に感謝いたします。(宮本) 平成21年11月 □編 集 和歌山工業高等専門学校情報企画委員会 委員長 藤本 晶(副校長) □校 正 宮本克之(教務主事補) 132 和歌山工業高等専門学校 ─平成20年度年報─ 平成21年11月 印 刷 平成21年11月 発 行 編 集:和歌山工業高等専門学校情報企画委員会 発 行:和歌山工業高等専門学校 〒644-0023 御坊市名田町野島77 TEL (0738)29−2301㈹ FAX (0738) 29−8216 印 刷:株式会社和歌山印刷所 〒640-8412 和歌山市狐島609−9 TEL (073)451−4111㈹ FAX (073) 452−2631 平成21年11月
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