世界の旅シリーズ 写真・文 佐藤文彦 ヨーロッパ大陸最高峰『モンブラン』 白銀輝く気高き「頂点」 フランス、シャモニーとモンブランを旅する 長 い間、多くの人々を魅了しながらもそ アルプス山中の寒村に過ぎなかったシャ の挑戦を跳ね除けてきた、 ヨーロッパ最高 峰のモンブラン。標高4807 m を誇り、 モニーも第1回冬季オリンピックが開催さ れてから、高級リゾートへと変貌を遂げ その優美な姿は女性に形容されることが多 い。だが、その処女峰も人間の欲望の前に た。今は多くのホテルやレストランがひし めいている。カジノでは夜毎、華やかな衣 遂に屈する日が来た。1786年、巨額の 懸賞金が掛けられた初登頂に意欲を燃やす 装に身を包んだ紳士・淑女たちが熱い戦い を繰り広げている。さすがは山奥とはい 2人の男、バルマとパカールがついにその 栄誉を担った。バルマは水晶掘り。つまり え、フランス。 美食と遊びには事欠かない。 そんな町で、黙々とレースを編む一人の女 当時のアルプスは水晶などの宝石掘りたち が、登山ルートを開拓して行ったといって 性がいた。アンドレアさん。自分の心の中 のイメージを織り上げていくという。そん も過言ではない。 な彼女の作品は、まさにシャモニーに降る 雪のように純白で、かつ美しい。 町並みを美しく飾る。 真心を込めてレースを編む。 マーケットで見かけた美しい花々。 モンブラン︵白い山︶の優美な姿。 元気でお茶目な子供達。 名物のラクレット(石焼き料理) 。
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