~副所長メッセージ~ 『学びこそ教職員のパワー源』 「LD 」,「アスペルガー症候群」,「高機能自閉症」,「学びの共同体」,「メンター」,「グループアプローチ」,「ソーシャルスキ ルトレーニング」,「特別支援教育」,「言語活動の充実」,「キャリア教育」,「教育コンソーシアム」,「市民性の教育」,「ミドルリ ーダーの育成」,「特別支援教育コーディネーター」,「ワークショップ」,「インクルーシブ教育」,「OJT」,「コンプライアン ス」,「モンスターペアレント」,「シラバス」,「クライシスマネジメント」,「ESD」,「ネグレクト」,「ICT教育」・・・・ これらは、私がこの約10年間で教育に関わって新しく学んだ言葉や考え方です。社会の変化に伴い、生徒や教育をとりまく環境 も大きく変化しています。児童生徒がその変化した環境に適応し、社会を生き抜くための「生きる力」をつけるために、様々な教育 に関係した新しい考え方や施策が打ち出されてきています。それらが、この新しい言葉に集約されています。 私たち教員は、常に教育における「不易と流行」を考えなければなりませんが、社会の変化に伴う新しい考え方や施策を積極的に 学んでいかなければ時代に取り残される教育になってしまいます。教育センター学びの丘では、現在の教育の最先端の考え方やスキ ルを取り入れて研修を実施しています。所長挨拶でも述べましたが、「学校の頼れるサポーターに!」をスローガンに、「教育研 究」、「教職員研修」、「学校支援」の充実を3本柱に事業を展開しています。教職員はもとより、多くの皆様が、当教育センター にお越しいただくことを心より願っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 教育センター学びの丘 副所長 花本 明 ☆研修・研修講座 レポート 第 3 弾☆ 7 月 25 日実施 『生きる力を育む防災教育』 -防災教育研修 - 近い将来、紀伊半島沖を震源とする東南海・南海地震と、それによる巨大津波の発生が予測されています。本県では、児童生徒の 安全確保のため、防災教育の一層の推進が喫緊の課題となっています。このような状況を踏まえ、当センターでは、各学校で防災教 育推進の中心的役割を担っている教員を対象に、防災教育研修を実施しました。 午前は、本県教育委員会健康体育課指導主事が『津波防災教育指導の手引き』について実践例を紹介しながら解説しました。「想 定にとらわれるな」「状況下において最善を尽くせ」「率先避難者たれ」という“避難3原則”を中心に、これまで行ってきた防災 教育に東日本大震災の教訓を生かすことの重要性を強調しました。 午後は、上越教育大学 藤 岡 達 也 教授が「災害安全の効果的な推進のために」と題し、講義を行いました。持続可能な社 会の構築には自然災害への対応が不可欠であり、生きる力を育む防災教育をどのように展 開していけばよいのかなどについて説明しました。最後に、防災や減災が喫緊の課題とな っている今日、それをやりがいと思って頑張ってほしいと受講者を激励しました。 高知県出身の物理学者 寺 田 寅 彦 氏は、「天災は忘れた頃にやって来る。」と いう言葉を残したと言われています。今一度、私たち指導者は、自然の中で生き、生かさ れているという認識を強くし、防災意識を高めていかなければなりません。今後、各学校 において本研修の内容を踏まえ、防災教育が一層充実していくことが期待されます。 防災教育研修の様子 7 月 31 日・8 月 1 日実施 『自分の心を見つめ直すために』 -教育相談研修講座④⑤ ~カウンセリングワークショップ~ - カウンセリングワークショップでは、非日常の世界に浸りながら、自分の心を見つめ る体験をします。子どもの心を理解するには、自分についての理解を深めたり、感受性を 磨いたりする必要があるからです。 今回の研修では、風景構成法やコラージュ、構成的グループ・エンカウンター、箱庭、 イメージの言語化等、いろいろな活動を行いました。「じっくり自分のことを見つめる機 会がもててよかった」との感想にあるように、受講者にとってこの2日間は、自分の心を を見つめる体験となったようです。 アンケートでは、この講座を、今後も続けてほしいという要望が多く見受けられ、ニー ズの高さも感じました。 カウンセリングワークショップの様子 8 月 7 日~8 月 8 日実施 『いろいろな体験を子どもたちへ』 -幼稚園等新規採用教員研修園外研修(宿泊研修)- 白崎青少年の家で、幼稚園等の新規採用教員が宿泊研修を行いました。2日間の体験的な 研修を行うことで、教員相互の交流を深め協調性を育てるとともに、表現活動や自然と触れ 合う体験についての実践的指導力の向上を図っています。 初日は、造形等の表現活動の研修で、色画用紙を使ったおいしそうな冷麺づくりや、かわ いい軍足人形づくりに取り組み、その後実践交流を行いました。2日目は毎年大好評の自然 とのかかわりを深める指導についての研修を行いました。この研修では、実際に昆虫採集や 色画用紙で作った、冷麺 観察等をすることで、生き物と触れ合う喜びや驚きを感じ、自然観察の際の注意すべきこと を体験的に学びました。 研修後には、次のような感想が寄せられました。 「のりをマスタードやドレッシングに見立て、サンドイッチや冷麺づくりをすることによ って、子どもが楽しみながらのりやはさみを使えるようになることに感心しました。」「苦 手だったセミを触ることができました。拒絶するのではなく、どんどんチャレンジ精神をも って関わっていきたいと思います。」「子どもに戻った気分で楽しく体験ができました。教 師がまずその楽しさを体験して、子どもたちにおろすことが大切だと感じました。」 【連載コラム】『校内研修活性化②』 自然観察の様子 ワークショップ型校内研修のプログラムの組み立て方(1) 前回は、ゴール設定(具体的な達成目標)について触れま したが、今回はプログラムの組み立て方です。ポイントは、 (3) 各回の主担当者決定 ファシリテータ・チームで各回の主担当者を決めます。 ズバリ次のとおりです。 ワークショップ型校内研修のプログラムは、学習指導案を 作成する場合と同じ手順で作成するとよい 次回は、各回のプログラム作成をどう組み立てるかにつ いて、具体的な方法を紹介します。 ここで作成するプログラムは、「略案」と表現されるラフ なプランでOKです。 ところで、プログラムは誰が作成すればよいのでしょうか。 校内研修を企画する世話人役が単独で企画することもひとつ ☆ICT 授業活用サポート受付中☆ の方法ですが、それよりも、世話人役がファシリテータ(促 ICT授業活用サポートは、ICTを 進)・チームを組織し、このチームでプログラムの原案を作 活用した「わかる授業」づくりや情報モ 成し提案することをお奨めします。 では、ここからはプログラムの作成例を示します。 このコラムで示すのは、1回の校内研修で完結するのでは ラル教育に係る授業支援や校内研修を支 援する事業です。 本年度4月から8月までに、11 の学校や研究会等の支援 なく、複数回でまとまった内容となるシリーズとして捉える に出向いています。内容は、ICTを活用した授業づくりに プログラムの作成手順です。「シリーズ=単元」、「各回の 係る指導助言、授業等支援、ICT機器の授業活用に係る校 研修=毎時の授業」というイメージです。 全体プログラムは、次のように作成するとよいでしょう。 【全体プログラムの作成】 (1) 年間研修計画への位置付け 可能であれば、年度初めに 1 年間の校内研究のテーマ を全職員で確認し、校内研究推進のための研修計画を共 有します。 (2) テーマとゴール設定 シリーズのゴール設定をした上で、必要な研修の回数 内研修、情報セキュリティ等を含む情報モラル教育の充実に 係る校内研修等、個々の課題に対応する内容です。具体的に は、「電子黒板、実物投影機等ICT機器の授業活用」「デ ジタル教科書とデジタル黒板の有効活用」「Microsoft® Office PowerPoint® や Windows Live ® Essentials ムービ ーメーカーによる教材作成」「青少年のケータイ利用の現状 と課題」「情報モラル教育の指導カリキュラム」等です。 申込については、事前に研究開発課 [(0739)26-3494]まで問い合わせいただ き、希望する内容及び日程等を調整後、 申込用紙をご提出ください。 を決め、スモールステップでシリーズのゴールに接近す るように各回のテーマとゴール設定をします。単元と各 授業に目標やねらいがあるのと同じです。なるべく具体 的に示すことがコツです。 http://www.wakayama-edc.big-u.jp/ict/ict_top.htm
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