第4次沖縄市国土利用計画

第4次沖縄市国土利用計画
平成25 年 3 月
沖
縄
市
-
目
次
-
前文
第1 市土の利用に関する基本構想 ・・・・・・・・・・・・・・1
1 市土利用の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(1)理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(2)沖縄市総合計画基本構想における将来像・・・・・・・・・1
(3)本市の特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(4)市土利用の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(5)市土利用の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
2 利用区分別の市土利用の基本方向・・・・・・・・・・・・・5
(1)農用地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(2)森 林 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(3)原 野 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(4)水面・河川・水路 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(5)道 路 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(6)宅 地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(7)その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
第2 市土の利用目的に応じた区分ごとの
規模の目標及びその地区別の概要 ・・・・・・・・・7
1 市土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標 ・・・・・・7
2 地区別の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
ア 北部地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
イ 中部地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
ウ 東部地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
エ 西部地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第3
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
第2に掲げる事項を達成するために必要な措置の概要 ・・・14
公共の福祉の優先 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
国土利用計画法等の適切な運用・・・・・・・・・・・・・・14
地域整備施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
市土の保全と安全性の確保・・・・・・・・・・・・・・・・14
環境の保全と美しい市土の形成・・・・・・・・・・・・・・14
土地の有効利用の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
土地利用の転換の適正化・・・・・・・・・・・・・・・・・17
多様な主体の協働による市土管理の推進・・・・・・・・・・18
市土に関する調査の推進と情報の公開・・・・・・・・・・・18
指標の活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
前文
第4次沖縄市国土利用計画は、国土利用計画法(昭和 49 年法律第 92 号)第 8 条の規定に基づ
き、長期にわたって安定した均衡ある土地利用を確保することを目的として、沖縄市の行政区域
における国土(以下「市土」という。
)の利用に関する基本的事項を定めるものである。
この計画は、同法第5条の規定に基づいて定められた第4次国土利用計画(全国計画)および
同法第7条の規定に基づいて定められた第4次沖縄県国土利用計画を基本として策定したもの
である。
なお、この計画は、
社会情勢の変化等に対応するため適宜計画と実績等との較差の検討を行い、
必要に応じ計画の見直しをおこなうこととする。
第1
1
市土の利用に関する基本構想
市土利用の基本方針
(1)理 念
日本社会は、国際化、高度情報化、少子高齢化の進展とともに、成熟した社会の中で、地域の
自立の促進と美しい国土の創造を探求してきた。
我が国の限りある資源や環境の保全は、それまでの経済的な豊かさを求めてきた社会構造から
精神的な豊かさを求める社会への転換が 21 世紀の国土のグランドデザインの基軸として描かれ
ている。
また、2011 年 3 月 11 日の東日本大震災は、大規模災害の大きな教訓となり、各地域の総体的
な連携の必要性やそれを通じて如何に安全・安心を確保し、災害に強いしなやかな国土の形成を
どのように図っていくのかという命題を投げかけた。
国土利用の一翼を担う市土利用については、市土が現在および将来における市民の限られた資
源であるとともに、生活および生産を通じる諸活動の共通の基盤であることに鑑み、公共の福祉
を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、市域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮
して、健康で文化的な生活環境の確保と市土の均衡ある発展を図ることを基本理念として、総合
的かつ計画的におこなうものとする。
(2)沖縄市総合計画基本構想における将来像
国は、民間主導の自立型経済の発展を大きく前にすすめるため、沖縄振興特別措置法を改正す
るとともに、沖縄振興基本方針を策定した。また、沖縄県においては、沖縄振興基本方針に基づ
き、沖縄振興計画である「沖縄 21 世紀ビジョン基本計画」を策定し、県民自らがすすむべき方
向を示した。
本市においてもこれからの 10 年を展望するビジョンとして、市民の英知と互いに支え合う精
神を基調とする協働によるまちづくりを実践し、
「沖縄市大好き!人・文化・環境をつなぐまち」
の実現に向け、第4次沖縄市総合計画基本構想において6つの都市像を掲げている。
都市像1 平和を創り かおり高い文化を発信するまち
都市像2
未来に輝き 世界にはばたく
こどものまち
都市像3
心がふれあい 安心の輪でつながるまち
都市像4
人と資源を活かし 産業の力づよい成長を支えるまち
都市像5
地球にやさしく 安全で安心なくらしができるまち
都市像6
うるおいある 快適な空間を
将来につなぐまち
(3)本市の特性
地
勢
本市は、沖縄本島の中部に位置し、市域面積 49.00 ㎢の約 9 割が標高 100m 以下の地域で、中
城湾に面する東海岸部から斜面地域が連担しながら、西北部の丘陵域へと広がっている。市北部
1
には自然豊かな森林が広がり、市街地から北へと河川が流れ、市北部の河川と合流し、西へと続
いている。
市土利用
市土利用の状況は、中心市街地から連続して市街地が広がっており、北部は自然・農業を中心
とした地域がみられ、東部は大部分が低地となり、市街地と農地等からなっている。一方、北西
部から西部にかけて広大な米軍基地が横たわっている。
交
通
道路網の特性として、南部圏域と北部圏域を結ぶ国道 329 号が南北方向に延び、南西から北東
へ向け国道 330 号、続いて県道 75 号線が伸びている。また、南西から北へ沖縄自動車道が通過
し、2つのインターチェンジを有している。さらに、中心市街地と東部を県道 20 号線が結び、
市街地を囲むように沖縄環状線が位置している。
人
口
本市の人口は、平成 22 年国勢調査において、130,249 人となっており、前回調査に比べ、3,849
人増加し、県内第2の規模となっている。
世帯数については、47,999 世帯となっており、前回調査に比べ、3,349 世帯増加しているが、
世帯構成は、約 2.7 人と過去最低を示していることから、核家族化の進展が伺える。
産
業
就業人口については、昭和 60 年から平成 22 年までに 12,037 人と増加する一方、就業率は、
平成2年の 53.4%を境に減少傾向にあり、平成 22 年には、47.8%と最も低くなっている。平成
22 年の完全失業率については、14.5%と県平均の 11.0%に比べ高い状況にある。平成 22 年にお
ける産業別就業者数は、第 3 次産業が 81.8%と最も多く、第 2 次産業は 16.9%、第 1 次産業は
1.4%となっている。
(4)市土利用の課題
モータリゼーションの進展や交通網の発達などにより、人々の行動範囲が広がるなか、郊外へ
の大規模集客施設の立地、就業や生活の場の郊外化がすすみ、それにともない特に中心市街地の
空洞化や人口密度の低下、低未利用地の増大が懸念されている。また、米軍再編による中南部都
市圏における大規模な駐留軍用地の返還が合意されるなか、本市の中心市街地等へ配慮した跡地
利用が求められる。
このようなことから、中心市街地からの就業人口や定住人口流出を抑え、人々を呼び込むまち
づくりに取り組むとともに、臨海部の産業振興と新たな土地活用の促進、市街地のにぎわい創出、
歩いて暮らせるまちづくり、コミュニティーの維持、総合交通体系の構築、企業誘致・雇用促進
などを踏まえ、総合的な観点で土地利用を検討していくことが必要となっている。
また、都市の拡大が進行し、基盤整備が整わないなか、住宅、工場、サービス施設などが立地
するなどスプロール化がみられるとともに、本市の北部地区においては、農業振興地域内への
2
産業廃棄物処理施設等の集積がすすむ現状があるなど、秩序ある土地利用を促進する方策を検討
する必要がある。
さらに、都市構造上大きな制約となっている米軍基地は、市域の約 34.5%を占めており、市
土利用を図る上で課題となっている。
本市には、森林や水辺など豊かな自然環境が存在するとともに、都市内には緑地や河川があり、
生物の生息・成長や人々の安らぎとうるおいなどを提供している。また、本市の東部には、自然
豊かな海域と良好な生活空間が広がっている。一方で宅地開発等による緑地の減少や斜面緑地の
開発、河川等の水質問題など、自然環境の保全や環境の負荷を低減する取り組みが必要となって
いる。
先の東日本大震災は、これまでにない未曾有の大災害となり、災害から市民の安全と安心を守
るこれまでの取り組みに大きな見直しをせまる事象となった。このようななか、本市においても
大雨時の浸水被害や土砂災害、地震や津波など自然災害への対応が懸念されている。
(5)市土利用の基本方針
ア
活力ある都市の形成
・市街地の土地利用については、土地の高度利用や低未利用地の活用など土地の有効活用
を考慮し、計画的に良好な市街地の形成を図る。また、快適な空間の形成と安全・安心し
て暮らせる住環境の整備をすすめるとともに、交通ネットワークの向上や公共交通の利用
促進など総合交通体系の形成を図る。さらに、オープンスペースの確保やユニバーサルデ
ザインの導入促進、個性ある地域の景観の保全・形成、歴史的・文化的風土の保全など質
の高い土地利用の形成をすすめる。
・中心市街地については、にぎわいの創出や良好な生活空間の創出に向けて、一体性を考
慮した土地の有効利用をすすめる。
・経済活動を支える土地利用については、地域産業の振興と企業立地の促進を図るための
基盤整備や諸制度の整備をすすめるとともに、既存産業の育成に資する土地利用を図る。
また、住宅や工業など混在する地域については、土地利用の再整理を図るなど有効活用を
図る。
・沿岸域の土地利用については、陸域と海域の一体性に配慮しつつ、経済活動の促進を図る
とともに、海洋レジャーやレクリエーション空間の形成に資する土地利用をすすめる。
イ
自然的土地利用の保全
・自然環境を構成する森林や水辺などの土地利用については、生態系の維持や形成、環境負
荷の低減、災害の防止などを促進するため、保全等をすすめる。
・都市内のうるおいある空間づくりや自然・歴史・文化とのふれあいづくりのため、都市緑
化や水辺の保全・活用を図るとともに、歴史・文化的資源の保全等に努める。
・農業振興地域については、生産環境と周辺環境との調和を図りつつ、優良農地の保全・
確保や耕作放棄地の有効利用に努める。また、農振白地地域の中で、市街化の傾向が顕著
な地域については、農業振興と市街化傾向を考慮した秩序ある計画的な土地利用をすすめ
る。
3
ウ
安全・安心の確保
・災害から市民の生命と財産を守る防災の強化に加え、被害を最小限に抑制する減災に資す
る土地利用を図るため、防災拠点の整備、オープンスペースの確保、ライフラインの強化・
充実、密集市街地の改善などをすすめる。
また、水資源のかん養や浸水被害の軽減、土砂災害の防止に向けて森林や斜面緑地の保
全を図るとともに、水系の整備や管理をすすめる。
エ
市土利用の総合的なマネジメント
・土地の有効利用と低未利用地の利用促進、慎重かつ計画的な土地利用転換といった一連の
プロセスを重視する視点や、質的向上の視点、土地利用の相互の関係性や多様な主体のかか
わりを踏まえ、総合的な観点で市土利用の基本的な考え方についての合意形成を図るととも
に、柔軟かつ能動的に取り組む必要がある。
また、このような土地利用については、地域の主体的な取り組みを促進していくことが重
要である。
・米軍再編による大規模な駐留軍用地の返還については、地域の均衡ある発展に資するよう
広域的な調整を図るなど、総合的な土地利用への対応をおこなう。
オ
基地の計画的返還と跡地利用
・米軍施設・区域等の計画的返還を促進するとともに、地権者の合意形成に基づいた跡地利
用をすすめる。
4
2
利用区分別の市土利用の基本方向
(1)農用地
農用地は、本市の農業を支える貴重な土地であるとともに、地域環境を維持する緩衝機能など
多面的な機能を有することから適切な保全・確保に努める。
また、収益性の高い都市近郊型農業の確立や優良農地の保全・確保をめざす。
そのために、農業経営基盤の強化や生産基盤施設の整備・拡充を促進するとともに、耕作放棄
地の解消を図るなど、農業生産環境の保全と向上に努め、環境への負担の少ない持続可能な土地
利用に取り組む。
本市の北部地区における産業廃棄物処理施設の集積などがみられる宅地と農用地が混在する
地域については、農用地の保全を基本としつつ、計画的な土地利用を図る。また、市街化の進展
による土地利用の転換が著しい農用地については、農業振興と市街化傾向を考慮した秩序ある計
画的な土地利用をすすめる。
(2)森林
森林は、水源かん養や自然環境の保全、景観、防災対策、CO2 の削減などの多面的な機能を
有する重要な役割を担っていることから、保全等を図る。また、御嶽林や斜面緑地などの保全に
努めるとともに、市街地や河川周辺の緑地等の保全・活用を図る。
なお、緑地は動植物が生息・生育する貴重な空間であることから、適切な保全等を図りつつ、
野外学習やレクリエーション活動の場として確保に努める。
(3)原野
野生生物の生息・生育地など、貴重な自然環境を形成する原野については、環境を保全する土
地利用をすすめる。その他の原野については、自然環境および周辺環境に配慮しつつ、保全や土
地利用の転換など適正な土地利用を図る。
(4)水面・河川・水路
水面・河川・水路については、自然環境の保全や生活環境の向上および水質保全、防災面に配
慮した整備や維持管理など、適切な土地利用を図る。また、景観に配慮しつつ、都市におけるう
るおいある空間やレクリエーション空間となるよう土地利用をすすめる。
(5)道路
一般道路については、交通ネットワークの整備や公共交通機関との連携を踏まえた体系的・計
画的な道路整備を行うとともに、適切な維持管理に努める。
交通の安全性の確保や防災機能の発現を考慮するとともに、自然環境や周辺環境および、道路
緑化や歩道の整備など良好な道路環境の形成に配慮した整備をおこなう。また、生活に密着した
道路については、地域交流の場となる道路づくりに努める。
特に、中心市街地内の主要道路については、周辺環境と調和した都市景観の形成に努めつつ、
緑化の推進やアメニティ空間の創出等を図る。
5
農道については、自然環境の保全に配慮し、農業の生産性の向上を支える基盤施設として整備
をすすめる。
(6)宅地
ア.住宅地については、人口の増加や都市化の進展等に対応しつつ、地域特性に配慮した望ま
しい居住水準と良好な居住環境の確保に向け、生活関連施設の整備や良好な都市環境の形成に向
けた土地利用をすすめる。
また、市街地においては、老朽住宅の更新と防災機能の向上を図りつつ、土地利用の高度化や
低未利用地の有効利用によるオープンスペースの確保、生活関連施設の整備など、安全性の向上
を図り、ゆとりある快適な住環境の確保をすすめる。
イ.工業用地は、産業の振興と雇用の拡大を図るため、企業の立地動向やインフラの整備など
をふまえ計画的に工場等の立地誘導をすすめる。立地にあたっては、自然環境の保全に配慮し、
生活環境および農業環境との調和を図り、適切な誘導・配置をおこなうなど、良好な工業的土地
利用を促進する。
ウ.事務所・店舗用地等については、経済のソフト化・サービス化の進展等に対応した土地利
用をすすめるとともに、既存産業の充実や新たな産業の集積などを促進する。特に中心市街地で
は、土地の高度利用やストックの活用など地域の活性化に資する土地の有効利用を図る。
(7)その他
ア.公用・公共用施設については、市民の多様化するニーズ、本市の社会構造、都市構造を踏
まえるとともに、環境に配慮した用地確保や適正な配置をおこなう。また、市有財産の有効利用
の観点からも、既存ストックの有効活用や耐災性の確保、景観資源としての活用、住民との協働
や民間活力の活用など時代潮流に即した維持管理をすすめる。
また、墓地については、散在化している状況を踏まえ、周辺地域の土地利用や自然環境との調
和に配慮し、可能な限りの集約化や適正地への誘導をすすめる。
イ.沿岸域の土地利用については、自然的、社会的、経済的動向を踏まえ、海域と陸域の一体
性に配慮するとともに、環境との共生や防災に配慮し、地域等の活性化に向けた土地利用をすす
める。
臨海部における湾港等については、本市の物流や産業を支える重要な基盤であることから、防
災機能等に配慮しつつ、港湾機能を充実させる取り組みをおこなう。
ウ.米軍施設・区域等については、国・県による積極的かつ計画的な返還を促進するとともに、
返還軍用地については、良好な生活環境の確保、産業の振興、交通体系の整備、自然環境の保全
など地域特性を踏まえた跡地利用に向け取り組む。
6
第2
1
市土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標
及びその地域別の概要
市土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標
(1)計画の目標年次は平成 29 年とし、基準年次は平成 22 年とする。
(2)市土の利用に関して基礎的な前提となる人口および世帯数は、
「第4次沖縄市総合計画」
のフレームに基づき、平成 29 年において、おおよそ 142,000 人、58,000 世帯と想定する。
(3)市土の利用区分は、農用地、森林、原野、水面・河川・水路、道路、宅地、その他の地目
別区分する。
(4)市土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標については、利用区分ごとの市土の利用の
現況と推移についての調査に基づき、将来人口等を前提とし、各種計画の動向等に配慮しながら、
必要な土地の面積を予測し、土地利用の実態との調整をおこない定めることとする。
(5)市土の利用に関する基本構想に基づく、平成 29 年の利用区分ごとの規模の目標は、次の
通りとする。
(6)なお、以下の数値については、今後の社会経済の不確定さなどに鑑み、弾力的に理解され
るべき性格のものである。
■市土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標
(単位:ha,%)
構 成 比
平成12年 平成22年 平成29年
区分
(2000)
(2010)
(2017) 平成12年 平成22年 平成29年
農用地
487.1
394.3
355.6
9.9%
8.0%
7.1%
農地
459.1
394.3
355.6
9.4%
8.0%
7.1%
採草放牧地
28.0
-
0.6%
-
-
森 林
872.0
872.0
871.6
17.8%
17.8%
17.4%
原 野
274.7
207.5
183.4
5.6%
4.2%
3.7%
水面・河川・水路
91.6
91.6
91.6
1.9%
1.9%
1.8%
水面
41.6
41.6
41.6
0.8%
0.8%
0.8%
河川
43.2
43.2
43.2
0.9%
0.9%
0.9%
水路
6.8
6.8
6.8
0.1%
0.1%
0.1%
道 路
389.0
437.1
453.0
7.9%
8.9%
9.1%
宅 地
1,121.2 1,180.9 1,246.0
22.9%
24.1%
24.9%
住宅地
738.0
815.5
855.5
15.1%
16.6%
17.1%
工業用地
74.3
81.4
86.2
1.5%
1.7%
1.7%
その他宅地
308.9
284.0
304.3
6.3%
5.8%
6.1%
その他
1,664.4 1,716.7 1,793.7
34.0%
35.0%
35.9%
合 計
4,900.0 4,900.0 4,994.8
100.0%
100.0%
100.0%
年
(注)端数処理の関係で計の欄が一致しない項目があります。
7
2
地区別の概要
地区の区分は、自然的、社会的、経済的および文化的諸条件を勘案し、次の4つの地区に区分
する。また、地区ごとの土地利用の方向性を以下の通り示す。
■地区区分
(人、世帯、ha)
人口・世帯・面積
地区名
行 政 区 名
平成22年
北部地区
池原、登川、知花、松本、明道、
18,278
19,200
6,960
8,100
2,004.0
2,004.0
美里、東、宮里、吉原、越来、
37,718
38,700
城前、照屋、安慶田、室川、住吉、
15,114
16,300
540.0
540.0
泡瀬第二、古謝、東桃原、大里、
43,862
48,300
泡瀬第一、泡瀬第三、泡瀬、高原、
16,370
18,500
950.0
1,044.8
八重島、センター、胡屋、園田、
35,815
35,800
中の町、諸見里、久保田、山里、
14,919
15,100
1,406.0
1,406.0
米軍施設・区域
中部地区
嘉間良
東部地区
平成29年
比屋根、与儀、海邦町、新港地区、
東部海浜地区、米軍施設・区域
西部地区
山内、南桃原、米軍施設・区域
注1.上段: 人口、中段: 世帯、下段: 面積
2.平成22年の人口、世帯数は住民基本台帳データ(3月1日)
8
ア
北部地区
北部地区は、丘陵地が広がり、台地・段丘が複雑に分布する地形を成しており、地区の多くを
米軍施設・区域が占め、地区の南側では用途地域が指定されているほか、残りの大部分は農業振
興地域となっている。
土地利用の状況については、農用地や森林、原野など主に自然的土地利用が地区の大部分を占
めており、比謝川や倉敷ダムなど河川・水面の土地利用も多く、レクリエーション空間としても
活用されている。
この地域では、依然として農振白地地域における開発によって、農用地以外の用途の混在が見
られるほか、河川の氾濫や不法投棄をはじめ、悪臭や騒音等の環境問題が発生している。
本地区においては、本地区の特徴である自然的土地利用を中心に据え、動植物の生息・生育の
場であり、また、貴重な景観資源でもある森林など緑地の保全や水辺の保全と活用などをすすめ
る。また、農用地については、優良農地の保全・確保や農業の高付加価値化を図るなど、有効活
用をすすめるとともに、農業生産基盤の整備や自然環境に配慮した農業の促進、悪臭や騒音等の
環境問題の解決に向けて取り組む。さらに、自然環境や周辺施設等の地域資源の活用を図るとと
もに、農業生産拠点等を促進する農用地の拡充や農商工の連携による農業活動の充実など、農業
の振興に資する土地利用を促進する。
農振白地地域については、スプロール化の抑制に努め、農業環境に慎重な配慮のもと、秩序あ
る計画的な土地利用をすすめるとともに、工場、廃棄物処理施設等の集積を抑制するために、規
制誘導をおこなう。
市街地では、道路等の基盤整備による居住環境の向上と災害面や環境衛生面の向上を図り、地
域の歴史・文化的な資源を活用した土地利用に努める。
工業用地については、既存企業の振興や企業誘致を促進するため、基盤整備をおこなうなど良
好な操業環境の創出に資する土地利用や混在した用途の再整理を図り、環境に配慮した土地利用
に努める。
なお、平成 29 年における土地利用ごとの規模の目標を次の通りとする。
(ア)農用地については、宅地等への転換が見込まれ、9.9ha 減少し、176.3ha 程度となる。
(イ)森林については、道路へ 0.3ha の転換が見込まれ、761.7ha 程度となる。
(ウ)原野については、宅地への転換が見込まれることから、6.2ha 減少し、43.1ha 程度となる。
(エ)水面・河川・水路については、現状の 87.1ha 程度と見込まれる。
(オ)道路については、県道等の整備が予定されていることから、1.3ha の増加が見込まれ、
125.5ha 程度となる。
(カ)宅地については、市街地の拡大による住宅地の整備等により、15.2ha の増加が見込まれ、
253.6ha 程度となる。
(キ)その他については、道路への転換が見込まれ、0.1 ha 減少の 556.7ha 程度と見込まれる。
9
イ
中部地区
中部地区は、なだらかな傾斜の台地と一部急斜面地を含む斜面地からなり、河川が市街地内を
縦断している。また、国道 330 号と県道 75 号線および国道 329 号が交わるコザ十字路を中心と
し、地区の全域が用途地域に指定されているなど、都市的土地利用が顕著な地区となっている。
土地利用の状況としては、大部分が都市的な土地利用となっており、戦後、急速に形成された
市街地と復帰後に形成された新市街地からなっている。
また、一部に農用地、森林等の自然的土地利用と宅地化の混在が見られる。
本地区は、中心市街地における商業機能の低下や人口減少、密集市街地など、都市問題を抱え
ている。一方で新市街地においては、宅地化や基盤整備が着実にすすんでおり、良好な市街地環
境の整備の早期完了が求められている。
本地区においては、防災および減災に配慮した密集市街地や住環境の改善をおこなうなど、土
地の有効利用を図る。また、中心市街地においては、地域資源を活かした土地利用の促進、低未
利用地の有効利用を図り、合理的・効率的な土地利用をすすめるなど、都市機能の向上や良好な
生活空間の創出を図る。
また、河川の改修の促進や斜面緑地の保全など災害防止をすすめるとともに、緑地や歴史・文
化資源および水辺等の活用に向けて取り組む。
なお、平成 29 年における土地利用ごとの規模の目標を次の通りとする。
(ア)農用地については、宅地等への転換が見込まれることから、9.0ha 減少し、25.7ha 程度とな
る。
(イ)森林については、現状の 20.0ha 程度となる。
(ウ)原野については、宅地への転換が見込まれることから、5.4ha 減少し、21.7ha 程度となる。
(エ)水面・河川・水路については、現状の 1.5ha 程度と見込まれる。
(オ)道路については、区画整理事業による市道整備等が予定されていることから、10.9ha の増
加が見込まれ、78.5ha 程度となる。
(カ)宅地については、市街地の拡大に伴う住宅地の整備等により、18.6ha の増加が見込まれ、
316.8ha 程度となる。
(キ)その他については、宅地や道路への転換により、15.1ha 減少し、75.9ha 程度となる。
10
ウ
東部地区
東部地区は、地区の大部分が海岸低地からなり、斜面を経て丘陵部へと移行する地形となって
いる。地区内は用途地域が指定されているほか、農業振興地域が広がっている。近年は、人口増
加が著しく急速な市街化が進行している地域となっている。
土地利用の状況は、市街地では宅地や公共施設等の都市的土地利用が多く、臨海部では、港湾
や漁港、工業基盤施設など本市の産業を支える土地利用となっている。また、農業振興地域では、
農用地や緑地等の自然的土地利用と都市的土地利用が混在している状況にあり、耕作放棄地の有
効利用や市街化の進展による無秩序な土地利用の拡大が懸念されている。
斜面緑地については、開発の傾向がみられることから、防災や自然環境保全の視点、景観の面
での対応が必要である。また、東部地域の大部分が低地となっていることから、地震や津波など
の自然災害等への対応が望まれる。
本地区では、良好な市街地環境を形成する土地利用をすすめるとともに、港湾や漁港等の臨海
部においては、防災機能や環境保全に配慮し、操業環境の充実を図る。
農業振興地域については、優良農地の保全や計画的な農業基盤の整備をすすめるとともに、自
然環境に配慮した農業を促進する。また、農振白地地域については、生産環境と周辺環境との調
和を図る土地利用をすすめるとともに、市街化の進展が著しい地域については、農業振興と市街
化傾向を考慮した秩序ある計画的な土地利用をすすめる。
斜面緑地については、災害防止等に配慮した土地利用を促進するため、保全等をおこなう。ま
た、低地においては防災や減災に配慮した土地利用をすすめる。
東部海浜開発地区については、環境との共生や自然災害に配慮した土地利用を図る。また、新
たな雇用の創出や地域経済の活性化を促進し、市土の発展に寄与する拠点の形成に向けた土地利
用をすすめる。
なお、平成 29 年における土地利用ごとの規模の目標を次の通りとする。
(ア)農用地については、市街化が顕著な地区であり、特に農振白地地域での農地転用が進むと予
想されることから、14.0ha の減少が見込まれ、90.1ha 程度となる。
(イ)森林については、道路整備による転換により 0.1ha の減少が見込まれ、9.9ha 程度となる。
(ウ)原野については、宅地への転換が見込まれることから、8.7ha 減少し、98.7ha 程度となる。
(エ)水面・河川・水路については、現状の 2.0ha 程度と見込まれる。
(オ)道路については、県道等の整備が予定されていることから、3.1ha の増加が見込まれ、118.8ha
程度となる。
(カ)宅地については、市街化による宅地への転換が進むと予想されることから、21.8ha の増加
が見込まれ、352.8ha 程度となる。
(キ)その他については、東部海浜開発地区の埋立等により 92.7ha 増加し、372.6ha 程度と見込
まれる。
11
エ
西部地区
西部地区は、地形の大部分が連続する丘陵・台地から形成され、地区全体が用途地域に指定さ
れるなど都市的土地利用が顕著な地区となっている。
本地区は、戦後、胡屋十字路周辺を中心に、基地の門前町として各種産業が集積し、本市は中
部圏域の中心都市として急速な発展を遂げたが、近年は、商業機能の低下や人口減少による空洞
化への対応、密集市街地の改善など、都市機能の回復および求心力の向上が課題となっている。
また、一部に農用地、森林等の自然的土地利用と宅地化の混在が見られる。
本地区においては、防災および減災に配慮した密集市街地や住環境の改善を図るなど、土地の
有効利用を図る。
また、中心市街地においては、地域資源を活かした土地利用の促進、低未利用地の有効利用を
図り、合理的・効率的な土地利用をすすめるなど、都市機能の向上や良好な生活空間の創出を図
る。
本市の南の玄関口にあるキャンプ瑞慶覧地区については、計画的な返還を促進するとともに、
地域の特性を活かした跡地利用計画の策定に取り組む。
なお、平成 29 年における土地利用ごとの規模の目標を次の通りとする。
(ア)農用地については、宅地等への転換が見込まれることから、5.8ha 減少し、63.4ha 程度とな
る。
(イ)森林については、現状の 80.0ha 程度となる。
(ウ)原野については、宅地への転換が見込まれることから、3.8ha 減少し、19.9ha 程度となる。
(エ)水面・河川・水路については、現状の 1.0ha 程度と見込まれる。
(オ)道路については、県道等の整備が予定されていることから、0.6ha の増加が見込まれ、
130.2ha 程度となる。
(カ)宅地については、農用地や原野の転換により、9.5ha の増加が見込まれ、322.9ha 程度とな
る。
(キ)その他については、道路整備等により、0.5ha 減少し、788.6ha 程度となる。
12
地区別の土地利用ごとの規模の目標
北部地区
区 分
農用地
森林
原野
水面・河川・水路
道路
宅地
その他
内 容
宅地等への転換により減少
道路への転換により減少
宅地への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
県道等の整備により増加
市街地拡大により増加
道路への転換により減少
規模の目標
176.3ha
761.7ha
43.1ha
87.1ha
125.5ha
253.6ha
556.7ha
H22からの増減面積
△9.9ha
△0.3ha
△6.2ha
0 ha
1.3ha
15.2ha
△0.1ha
内 容
宅地等への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
宅地への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
市道等の整備により増加
市街地拡大により増加
宅地や道路への転換により減少
規模の目標
25.7ha
20.0ha
21.7ha
1.5ha
78.5ha
316.8ha
75.9ha
H22からの増減面積
△9.0ha
0 ha
△5.4ha
0 ha
10.9ha
18.6ha
△15.1ha
内 容
宅地等への転換により減少
道路への転換により減少
宅地への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
県道等の整備により増加
市街地拡大により増加
東部海浜開発地区の埋立などにより増加
規模の目標
90.1ha
9.9ha
98.7ha
2.0ha
118.8ha
352.8ha
372.6ha
H22からの増減面積
△14.0ha
△0.1ha
△8.7ha
0 ha
3.1ha
21.8ha
92.7ha
内 容
宅地等への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
宅地への転換により減少
転換に関わる整備予定なし
県道等の整備により増加
農用地や原野からの転換により増加
道路への転換により減少
規模の目標
63.4ha
80.0ha
19.9ha
1.0ha
130.2ha
322.9ha
788.6ha
H22からの増減面積
△5.8ha
0 ha
△3.8ha
0 ha
0.6ha
9.5ha
△0.5ha
中部地区
区 分
農用地
森林
原野
水面・河川・水路
道路
宅地
その他
東部地区
区 分
農用地
森林
原野
水面・河川・水路
道路
宅地
その他
西部地区
区 分
農用地
森林
原野
水面・河川・水路
道路
宅地
その他
13
第3
1
第2に掲げる事項を達成するために必要な措置の概要
公共の福祉の優先
市土については、公共の福祉を優先させるとともに、自然的、社会的、経済的および文化的諸
条件に応じた適正な土地利用を図るため、各種の規制措置、誘導措置等を通じた総合的な対策の
実施に努める。
2
国土利用計画法等の適切な運用
国土利用計画法および土地利用関係法の適切な運用により、また、本計画や市基本構想等にお
ける土地利用に関する計画を基本とし、土地利用の計画的な調整を推進しつつ、適正な土地利用
の確保と適正な地価の安定に努める。また、土地利用の影響の広域性を踏まえ、関係する行政機
関相互の適切な調整を図る。
3
地域整備施策の推進
市土の均衡ある発展を図るため、本市の総合計画に基づき、歴史的・文化的および自然的環境
を活かし、個性豊かで調和のとれた地域づくりをすすめる。その際、新たな事業の計画等の策定
にあたっては、社会的、経済的および環境的側面などについて配慮する。
4
市土の保全と安全性の確保
市民生活の安全性の確保と快適性を高めるため、道路・通信ネットワークの拡充を図るととも
に、市域における防災機能の向上に資する地域防災拠点の整備やオープンスペースの確保、ライ
フラインの強化・充実など、地域環境の改善に努める。
また、河川および水路の保全・管理に努め、水系・流域内の土地利用との調和に配慮した整備
をすすめるとともに、水質の浄化と親水空間の創出を図る。
市土の保全や安全性の確保のため、森林・農用地等の自然的土地利用の維持・保全・管理など
をすすめるとともに、斜面地および沿岸域での災害防止や減災への対応、緩衝機能の向上に資す
る緑地の維持・保全・整備に努める。
5
環境の保全と美しい市土の形成
(1)地球温暖化対策に配慮した都市づくり
太陽光発電等の新エネルギーの活用、緑地・水面等の効率的な配置や保全・整備、公共交通機
関の整備・利用促進や円滑な道路交通体系の構築など環境の負荷を軽減する土地利用に努める。
14
(2)廃棄物の抑制及び適切な処理
廃棄物の発生抑制とリサイクルを一層すすめるとともに、環境の保全に十分配慮した廃棄物の
適切な処理をすすめる。また、廃棄物の不法投棄等の不適正処理防止に努める。
(3)適正な土地利用による生活環境の保全
土地利用の混在による環境の悪化を防止するため、農業振興と市街化傾向を考慮した秩序ある
計画的な土地利用をすすめるとともに、住居系、商業系、工業系等の用途区分に応じた適正な土
地利用への誘導をすすめる。
また、大気汚染・騒音・悪臭等、生活環境問題の解決に向けた取り組みを図るとともに、公害
の未然防止に資する規制誘導等に向けた土地利用を図る。
(4)健全な水循環の確保
森林・緑地や農用地などの適切な維持管理、水辺空間における自然浄化能力の維持・回復、生
活排水・雨水等の適切な処理、透水性の向上促進等により水環境の質的向上を図り、健全な水循
環の確保を図る。
(5)自然環境の保全
森林や緑地、河川などの生物の生息・生育の場所である自然については、適正な保全や市民等
による保全活動の促進を図るとともに、必要な施設整備による自然環境の維持・形成など、地域
の特性に応じた環境と共生する土地利用をすすめる。
(6)美しくゆとりある市土の保全
歴史的・文化的風土の保存、文化財の保護等を図るため、適切な策を講ずる。また、地域特性
を踏まえた計画的な取り組みを通して、美しく良好な景観の保全やまちなみ景観の形成、緑地・
水辺景観の形成に努める。
(7)各種事業における適切な環境配慮の促進
良好な環境を確保するため、事業の特性を踏まえつつ公共事業等の位置・規模等の検討段階に
おいて環境的側面の検討をおこなうとともに、事業の実施段階において、必要に応じて環境影響
評価を実施するなど、適切な環境配慮を促進し、土地利用の適正化を図る。
また、沖縄県県土保全条例、沖縄県赤土等流出防止条例などの各種規制措置等により適切に対
処する。
6
土地の有効利用の推進
(1)農用地
農用地については、生産性の高い都市近郊型の集約農業の展開や計画的な農業生産基盤の整備
を促進する。また、農業経営の担い手への農用地の集積を促進するとともに、農業の合理化、施
設の近代化を促進し、農用地の有効利用を図る。
15
(2)森林
森林については、公益的機能を十分考慮し、森林資源の保全をおこなう。また、緑地等につい
ては、美しい景観や自然とのふれあい、癒しの場として野外学習やレクリエーション等の場とし
て総合的な利活用を図る。
市街地等の緑地については、良好な環境を創出するため、積極的な保全や有効利用を図る。
(3)水面・河川・水路
水面・河川・水路については、災害の発生防止、水資源の確保、水質の確保、生態系の維持等
を図るため、自然環境の保全・再生や地域の特性に適合した整備をすすめるとともに、親水性の
ある空間等の形成に努める。
また、農業振興に資する農業用排水路の整備・拡充を図るとともに、雨水排水路の整備など環
境衛生に配慮した取り組みをすすめる。
(4)道路
一般道路については、市民の日常生活の利便性や経済活動等の向上を図るため、幹線・補助幹
線および生活道路等の計画的な整備をおこなう。
道路整備については、電線類の地中化、緑化等の道路景観等を推進することにより、良好なま
ちなみ景観やアメニティ空間の形成を図るなど、地域個性を活かした整備に努める。さらに、歩
道空間の確保やバリアフリー化等に努め、安全性・快適性を向上するとともに、防災機能の向上
に努める。
農道については、自然環境の保全に配慮し、計画的な整備をおこなう。
(5)住宅地
ア.住宅地については、
生活関連施設の整備を推進し、安全で快適な住環境の確保をすすめる。
また、安全性の向上と快適な環境を確保するとともに、既存ストックの有効活用や低未利用地
の活用等によるまちなか居住を促進する。
イ.工業用地については、企業誘致の促進のため、工業の新規立地および再配置をすすめ、用
途の純化を促進するとともに、工業用地の質を高めるため、道路等の基盤整備を計画的にすすめ
る。また、周辺環境との調和を図るため、緩衝緑地の設置や公害防止に努める。
ウ.事務所・店舗等のその他宅地については、魅力ある都市機能の創出を図るため、商業機能
の充実や周辺環境と調和したまち並みの形成などに取り組む。
(6)公用・公共用施設用地
公用・公共用施設用地については、市民の多様化するニーズに対応するため、既存ストックの
有効活用を推進するとともに、適正な社会資本の整備を計画的・効率的にすすめる。
16
(7)沿岸
沿岸域については、新たな雇用の創出や地域経済の活性化をめざす東部海浜開発事業をすすめ
るとともに、防災・減災や環境に配慮した港湾・漁港施設等の整備をすすめる。
(8)低未利用地
低未利用地のうち、耕作放棄地については、周辺土地利用との調整を図りつつ、農用地として
の有効利用に努めるとともに、地域の実情に応じた土地利用への転換をすすめる。
また、市街地における低未利用地については、市街地環境の質的向上に資するため計画的かつ
適正な活用を促進する。
(9)中心市街地
中心市街地については、市街地開発事業等による土地の有効利用を促進するとともに、交通環
境やまちなみ景観、地域との連携などにより、商業環境・住環境とが一体となった都市機能や情
報発信機能の整備をすすめ、魅力ある中心市街地の形成を図る。
(10)米軍施設・区域等
米軍施設・区域等については、計画的返還を促進するとともに、返還軍用地については、地権
者との合意形成や自然環境および周辺土地利用との調和を図り、地域特性を踏まえた計画的な土
地利用をすすめる。また、市民生活の利便性等の観点から基地内道路等、基地内施設の共用に向
けた取り組みをすすめる。
7
土地利用の転換の適正化
(1)土地利用転換の基本的な考え方
土地利用の転換を図る場合には、いったん転換された土地利用が容易には元に戻せないことに
加え、その影響の大きさに十分留意したうえで、人口および産業の動向、周辺の土地利用の状況、
社会資本の整備状況、自然的、社会的状況を勘案して適正に行うこととする。
(2)農用地から他用途への転換
農用地の利用転換については、生産性の確保、農業経営の安定および地域農業や地域景観、自
然環境等に及ぼす影響に留意し、非農業的土地利用との計画的な調整を図りつつ、無秩序な転用
を抑制し、優良農地が適切に確保されるように十分考慮する。なお、用途の混在する地域につい
ては、その実情に即し、土地利用の転換を視野に入れた総合的かつ計画的な土地利用の実現を図
る。
(3)森林から他用途への転換
森林の利用転換については、災害の防止、自然環境および生活環境の保全と水源かん養、保健・
休養等森林の有する多面的機能に十分留意し、周辺土地利用との調整を図る。また、原野につい
17
ては、環境の保全に配慮しつつ、適正な土地利用の転換を図る。
(4)大規模な土地利用転換
大規模な土地利用の転換については、その影響が広範であることから、周辺地域を含めた事前
調査を十分おこない、市土の保全と安全性の確保、環境の保全等に配慮しつつ、適正な土地利用
を図る。
8
多様な主体の協働による市土管理の推進
土地所有者以外の者が、それぞれの特長を活かして市土の管理に参加することにより、市土の
管理水準の向上など直接的な効果だけでなく、地域への愛着のきっかけや市土の管理に対する関
心の喚起など適切な市土の利用に資する効果が期待できる。
このため、国や県、市町村による公的な役割、所有者等による適切な管理に加え、海岸清掃活
動、地元農産品や地域材製品の購入、緑化活動や活動への寄付など、所有者、地域住民、企業、
行政、他地域の住民など多様な主体が様々な方法により市土の適切な管理に参画する協働の取り
組みを推進する。
9
市土に関する調査の推進と情報の公開
市土の適正な利用を図るため、土地利用の実態把握など必要に応じて市土利用の現況および自
然的、社会的条件など、市土に関する基礎的な調査を実施するとともに、その総合的な利用を図
る。また、市土の利用に係る情報収集・公開に努め、土地利用等の適切な運用を図るとともに、
市民等の市土利用に対する関心と理解を深め、市民と協働によるまちづくりを推進する。
10
指標の活用
持続可能な市土管理に資するため、計画の推進等に当たっては規模の目標に関する各種指標を
参考に、市土の保全や有効利用などをすすめる。
18