第7回議事録 - 電子政府とオンライン申請

不動産登記オンライン申請利用促進協議会
第7回表示の登記に関する分科会議事録
日
時
:
平成22年3月4日(木)午後2時
場
所
:
日調連会議室
出席者
:
法務省民事局民事第二課
∼
午後5時
岩崎補佐官、佐藤不動産登記第二係長、清水係長(権利担当)
法務省民事局総務課登記情報センター室
齊藤補佐官、桑原登記情報第五係長、NTT データ担当者
日調連
関根制度対策本部副本部長、
國吉制度対策本部副本部長(オンライン登記推進室長)、
小野・漆畑・廣瀬・神前・中原・奥村・眞鍋制度対策本部員
ブロック協議会オンライン登記申請促進組織
関東 原田リーダー、近畿 檀浦リーダー、中部 茶谷統括責任
者、中国 堀口リーダー、九州 上村リーダー、東北 川瀬リー
ダー、北海道 梅澤リーダー、四国 向井リーダー(代理出席 平
塚会員)
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報告事項
(1) 各局別オンライン申請件数等の推移について
(法務省)
資料は、法務局別の登記種別ごとのデータである。
なお、この資料は法務省大臣官房司法法制部が作成しており、登記の処理を行
った日付で統計を取っており、平成22年6月発行の統計年報で正式発表となるが、
それまでに数値が変動する可能性があるので、ご留意いただきたい。
表示に関するオンライン登記申請件数は、盛岡・福井地方法務局が多いようで
ある。
建物表題登記については、平成22年1月1日から実施されている「建物表題登記
をオンライン申請で行った場合に所有権保存登記の登録免許税が軽減される等
の措置」が採られたことにより、オンライン登記申請が伸びており、今後も引 き
続き期待される。
データを見る限り、オンライン登記申請件数は徐々に増加しているが、更なる
オンライン登記申請促進のために、今後も意見交換を行っていきたい。
(2) 民間事業者との連携仕様等説明会の開催について
(法務省)
平成21年10月5日に「登記・供託オンライン申請システム」(新法務省オンライ
ン申請システム)に関する基本設計等説明会を開催した。また、平成22年3月24
日に、機密保持契約書を提出した民間業者に対する連携仕様等説明会を行う予 定
である。本説明会で配布する資料は、説明会終了後に速やかに公表する予定で い
る。
(質疑等)
・
日調連は参加できるのか。
→
2
会場に余裕があれば可能である。
説明事項
(1) 「申請用総合ソフト」の共同利用について
(法務省)
現在のオンライン申請システムでは、申請書作成支援ソフトを用いて申請情報
を作成して送信する仕組とされているところ、開発中の申請用総合ソフトは、 申
請書作成、電子署名、公文書取得等、すべての作業手順に対応できるソフトと す
ることの予定がされている。ただし、このソフトは、一台のパソコンにおいて 作
業をすることを前提としての利便性を追求したものとなっている。したがって、
事務所内において複数名で共同利用する方法に関しては、資料のとおりである の
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で留意願いたい。本資料で提案している共同利用方法が、現場の実情に即して い
るのか意見をいただきたい。なお、体験版を11月頃配布する予定であり、全国 9
か所で説明会も予定している。
(質疑・意見等)
・
作業現場から登記申請を行い、最終的に事務所のパソコンにデータを移動 す
るということは可能であるか。
→
・
可能である。
現行のソフトで作成したデータは申請用総合ソフトでも使えるのか。
→
これらのソフトにおいてデータの互換性はない。ただし、データ移行ツー
ルを提供する必要があると考えている。
・
登記事務処理状況の自動更新機能が付いているか。
→
・
ない。アクセス集中を避けるためであるから、ご理解いただきたい。
成果品が見た目良く印刷されることを希望する。
(2) 問題となったオンライン登記申請事例について
(法務省)
新しくオンライン登記申請に挑戦する土地家屋調査士が増えていることに感
謝する。
今までシステム上の問題について協議を行ってきたが、最近は制度や手続上の
問題点が見えてきたので、事例を次のア・イに紹介する。
ア
法務省オンライン申請システムにおけるログインID等の管理について
Aさんのメールに、Aさんが申請をしていない補正コメントが届いた。
調べたところ、Aさんの法務省オンライン申請システムのログインIDとパス
ワードでログインした状態で、Bさんの電子署名によってオンライン登記申請
が行われていた。
さらに詳細を調査したところ、Aさんがオンライン登記申請の環境設定を依
頼した業者が、Bさんから同様にオンライン登記申請の環境設定を依頼され、
業者がAさんのログインIDとパスワードを利用して法務省オンライン申請シス
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テムにログインし、テストとして架空のオンライン登記申請を行った際、Bさ
んの電子証明書によって電子署名を行い、申請をする前に中断するところ、実
際に申請まで行ってしまった。架空の申請であるから、当然補正となり、当該
補正通知が、ログインされたIDによって登録されたAさんのメールアドレスへ
送信されたものである。
本来であれば、ログインIDとパスワードは、本人が厳重に管理すべきところ
であり、この事実をどう考えるか。
(質疑・意見等)
・情報漏えいに関する意識が薄いのではないか。厳重注意に値すると考える。
・
研修会にICカードを持った補助者が来る場合がある。補助者がオンライン
申請を行うことは、補助者が土地家屋調査士として職印を押すことと同様の
ものであることを意識するよう、注意を促したい。
・
電子署名及び認証業務に関する法律第3条は、次のとおりである。
「電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務
上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報につい
て本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に
管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限
る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」
このことから、本人以外による電子署名は、真正に成立したものと推定さ
れないこととなる。また、ICカードの管理は、職印の管理に等しい。オンラ
イン登記推進室として、この内容を通知する。
→ (法務省)ICカードの管理と法務省オンライン申請システムのログイン
ID及びパスワードの管理は、まったく別のものであるから、この点を分
けて周知願いたい。
イ
いわゆる特例方式による申請について
Cさんが、新築建物の表題登記について、オンライン登記申請を特例方式で
行った。翌日、添付書類等を郵送で送付し、後日、郵送にて登記完了証が届い
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たが、オンライン登記申請の処理状況においては、処理が終了されていない状
態の表示となっていた。
詳しく調べたところ、Cさんは、郵送する際に、封筒の表書きには「添付書
類在中」と記載したところ、特例方式による申請の際に同封する別記第13号様
式を同封せず、また、申請書のコピーに職印を押印していたことから、法務局
において郵送申請として受付され処理されていた。
本件は、オンライン申請が受付されていたにもかかわらず、郵送申請でも重
複して受付されたものであり、法務局においても、今後同様のことが起きない
よう対策を採る予定であるが、土地家屋調査士会においても、必要書類に不備
がないように、会員に周知を行っていただきたい。
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協議事項
(1) 更なるオンライン利用促進に向けた方策について
①
任意的添付情報の書面提示省略モデル事例
本会議において、日調連から法務省に書類提出を行った。法務省からは、今
後内容を精査して検討を行いたいとの回答がされた。
②
登録免許税納付用紙の取扱い
(法務省)
事務負担の軽減を図るため、登録免許税納付用紙の改正案を作成した。基本的
には、必要最低限の内容を記入するようにしてある。まだ、決定案ではないので、
意見等があったら、取りまとめの上、報告いただきたい。
(2) その他
①
現時点において、オンライン申請の障害となっている理由は何であるか。
・
環境設定を行うのに、技術的ハードルが高すぎるようだ。
・
オンライン登記申請を怖がる人がまだまだ多い。しかし、一度申請を行え
ば、次もやってみようという気持ちになるようである。申請用総合ソフトは、
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体験版が出るとのことなので、これによりオンライン申請をやってみようと
いう会員が増えるのではないかと期待している。
・
特例方式の不動産登記令第13条第2項の原本提示が徹底されていない問題
が大きいと考える。
・
紙申請のほうがオンライン申請より早く処理される場合が多々ある。こ れ
を解決しない限り促進は難しい。
・
紙申請を好む会員がいまだに多い。登記完了証にある登記官の印を重視 す
る傾向がある。
(法務省)
全国の法務局に周知が必要と思われる事例があったら、取りまとめて報告い
ただきたい。
②
その他
・ (法務省)登記所でXMLデータによる土地所在図等を印字した際に、線がギ
ザギザになる等の事象については、平成22年4月1日以降、プログラム改良に
より改善される見込みである。
・
(法務省)平成23年2月からの申請用総合ソフト導入に伴うプリンタ等の
大幅な設備改良(入替)の予定はない。
・
(日調連)申請用総合ソフトに移行する際は、移行期間を設けていただき
たい。
→
(法務省)移行期間を設けることは難しい。開始1か月前には、ソフト
の配布を行う予定であるから、その間に準備をお願いする。
・
(日調連)申請用総合ソフトのインストールは、簡単に行うことができる
のか。
→
(法務省)Microsoft Windows XPの場合、「.net framework」がインス
トールされていない場合及びインストールされているバージョンが低い
場合に、対応するバージョンのダウンロード及びインストールが必要にな
るときがある。ただし、それ以外の設定は簡単に行える。
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・
(日調連)法務局で使用しているXMLビューアを配布していただきたい。
→
(法務省)平成21年度に検討を行ったが、経費・ライセンス等の問題が
あり、難しいという結論に至った。
なお、XMLデータで申請している方は非常に少ないので、現時点で、XML
データによるエラー事例も極めて少ない。
・
(法務省)現場<法務局>での取り扱いについて、オンライン登記申請の
促進を阻害することがあれば、連絡をいただきたい。
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