低炭素型都市をつくる ―科学と政策の架け橋

名古屋大学イニシアティブ「脱温暖化都市づくり」
GCP イニシアティブ「都市と地域における炭素管理」
国際シンポジウム
“低炭素型都市をつくる
―科学と政策の架け橋―”
2009 年 2 月 16 日 於 ホテルメルパルク名古屋
+
国際ワークショップ
“低炭素型都市の実現に向けて ―国際共同研究と連携強化―”
2009 年 2 月 17,18 日 於 名古屋大学野依記念学術交流館
主催: 名古屋大学大学院環境学研究科, グローバルカーボンプロジェクト(GCP),
独立行政法人国立環境研究所
後援: 環境省,愛知県,名古屋市,(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
国際シンポジウム及び国際ワークショップ開催の目的
•
低炭素型都市づくりを目指した,エネルギー・発展・炭素管理に関する国際的な産学官連携を強化
し,気候変動の緩和に寄与する
•
研究成果やモデリング・分析手法などを共有し,低炭素型都市の実現に向けた国際的な議論を深化
させる
•
低炭素型都市に関する,さまざまな研究分野の統合手法を探求する
•
低炭素型都市の実現に向けて,政策関連性に対する学術的取り組みを行い,研究と政策の架け橋を
築く
開催スケジュール
日時
国際シンポジウム
懇親会
2 月 16 日
2 月 17 日
懇親会
国際ワークショップ
z
10:00 – 17:40
18:00 – 20:00
国際ワークショップ
サイドイベント:
ポスターセッション
場所
2 月 18 日
〃
(サルビアの間)
9:30 – 17:00
名古屋大学野依記念学術交流館 1F
会議スペース
17:00 – 18:00
名古屋大学野依記念学術交流館 1F
ポスターセッションスペース
18:00 – 20:00
レストラン花の木 (名古屋大学内)
9:30 – 17:10
名古屋大学野依記念学術交流館 1F
会議スペース
招待者宿泊施設: ホテルメルパルク名古屋
〒461-0004 名古屋市東区葵 3-16-16
TEL:052-937-3535,FAX:052-937-3673
(地下鉄東山線,JR 中央線
ホテルメルパルク名古屋(カトレアの間)
千種駅から徒歩 1 分)
国際シンポジウム
“低炭素型都市をつくる
―科学と政策の架け橋―”
2009 年 2 月 16 日 於 ホテルメルパルク名古屋
司会進行:井村秀文 教授,竹内恒夫 教授
9:00
受付:ホテルメルパルク名古屋(カトレアの間)
10:00 – 10:10
開会の辞
10:10 – 10:15
挨拶
10:15 – 10:35
招待講演
気候変動に対する我が国の政策フレームワークと行動
10:35 – 11:20
招待講演
持続可能な都市の実現に向けた挑戦
11:20 – 11:35
名古屋大学イニシアティブ「脱温暖化都市づくり」概
要紹介
11:35 – 11:50
グローバルカーボンプロジェクトイニシアティブ「都
市と地域の炭素管理」概要紹介
11:50 – 13:15
昼食
平野眞一 教授
名古屋大学総長
Michael Raupach 博士
豪州連邦科学産業研究機構
(CSIRO) リサーチサイエンティス
ト/グローバルカーボンプロジェ
クト
竹本和彦 氏
環境省地球環境審議官
Arnulf Grubler 教授
国際応用システム分析研究所
(IIASA)/エール大学
井村秀文 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 グローバルカー
ボンプロジェクト(GCP) つくば国
際オフィス事務局長
基調講演
13:15 – 13:30
都市の炭素循環に関するモニタリングとモデリング
13:30 – 13:45
2008 年における世界のエネルギー展望
13:45 – 14:00
エネルギーと気候政策:ニューヨーク,パリ,上海の
事例から
14:00 – 14:15
名古屋市における低炭素でも快適な都市への挑戦
14:15 – 14:30
14:30 – 14:45
討論
コーヒーブレイク
Michael Raupach 博士
豪州連邦科学産業研究機構
(CSIRO)
リサーチサイエンティスト
Paul Dowling 氏
国際エネルギー機関(IEA)
エネルギーアナリスト
Nigel Jollands 博士
IEA プリンシパルアドミニストレ
ーター
Stephen A. Hammer 博士
コロンビア大学
都市エネルギープロジェクト長
加藤正嗣 氏
名古屋市環境局長
基調講演
14:45 – 15:00
米国の 100 のメトロポリタン地域における CO2 フット
プリントの縮減
15:00 – 15:15
都市と気候変動
15:15 – 15:30
低炭素型都市に向けたエネルギー・物質の管理
15:30 – 15:45
土地利用,都市の形と交通・エネルギー:低炭素型都
市の実現に向けた機会と挑戦
15:45 – 16:00
討論
Marilyn A. Brown 教授
ジョージア工科大学/オークリッ
ジ国立研究所
Jan Corfee-Morlot 氏
経済協力開発機構(OECD) プリン
シパルアドミニストレーター
森口祐一 博士
国立環境研究所 循環型社会・廃棄
物研究センター長
林 良嗣 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
研究科長
パネルディスカッション
テーマ:低炭素型都市をつくる-機会と挑戦-
16:00 – 17:30
パネリスト:
Simon Guy 教授(マンチェスター大学)
Frank Southworth 教授(ジョージア工科大学)
Nigel Jollands 博士(IEA プリンシパルアドミニスト
レーター)
中上英俊 博士((株) 住環境計画研究所 代表取締役
所長)
花木啓祐 教授(東京大学)
森秀行 氏((財)地球環境戦略研究機関(IGES)副所長)
Michael Raupach 博士(CSIRO リサーチサイエンテ
ィスト/GCP)
司会:
Shobhakar Dhakal 博士
(国立環境研究所 GCP つくば国際オフィス事務局長)
17:30 – 17:40
閉会の辞
18:00 – 20:00
懇親会:ホテルメルパルク名古屋(サルビアの間)
笹野泰弘 博士
国立環境研究所 地球環境研究セ
ンター長
国際ワークショップ
“低炭素型都市の実現に向けて
―国際共同研究と連携強化―”
2009 年 2 月 17 日 於 名古屋大学野依記念館 1F
司会進行:井村秀文 教授
9:00
受付:名古屋大学野依学術記念交流館 1F
09:30 – 09:40
開会の辞
09:40 – 09:50
主催者挨拶(GCP):ワークショップの目的
林 良嗣 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
研究科長
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際オ
フィス事務局長
Session I:
都市システムのモデリング(座長:井村秀文 教授)
09:50 – 10:05
SynCity による都市エネルギーシステムの解析
10:05 – 10:20
都市におけるエネルギー革命―国際エネルギー機関
(IEA)における取組
10:20 – 10:35
都市の CO2 排出削減がエネルギーと環境に及ぼす長
期的効果-カトマンズ盆地におけるケーススタディ
10:35 – 10:50
バンコクにおける 2050 年のエネルギー動向と CO2 排
出量に関するシナリオ分析
10:50 – 11:00
11:00 – 11:15
11:15 – 11:30
討論
コーヒーブレイク
空間詳細な土地利用変化シナリオに関する
モデル分析
11:30 – 11:45
気候変動政策における都市の集積経済効果 – CGE モ
デルによるアプローチ –
11:45 – 12:00
気候変動と都市:気候変動影響評価と適応策,緩和策
の統合
12:00 – 12:15
脱炭素化する都市:モデルからさまざまな道筋へ
12:15 – 12:25
12:25 – 13:30
討論
昼食
James Keirstead 博士
ロンドン大学 インペリアル・カレ
ッジ 研究員
Nigel Jollands 博士
国際エネルギー機関(IEA) プリン
シパルアドミニストレーター
Ram M. Shrestha 教授
アジア工科大学
Aumnad Phdungsilp 講師
トゥラキット・バンディット大学
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際オ
フィス事務局長
山形与志樹 博士
国立環境研究所 主席研究員
Fabio Grazi 博士
開発と環境に関する国際研究セン
ター 研究員
Richard Dawson 博士
ニューカッスル大学 ティンダール
気候変動研究センター 上級研究員
Simon Guy 教授
マンチェスター大学 建築研究セン
ター
Session II:
中国の都市化と都市の形,及び土地利用(座長:一ノ
瀬俊明 博士)
13:30 – 13:45
都市のエネルギーと CO2 排出量に関するモデリング-
北京市を対象として-
13:45 – 14:00
途上国はいかに都市の持続可能性を見出すか-中国に
おける建築エネルギー研究からの考察-
14:00 – 14:15
上海における都市交通政策-土地利用及び人口移動が
及ぼす都市への影響-
14:15 – 14:30
14:30 – 14:45
14:45 – 15:00
15:00 – 15:10
都市の形,土地利用と交通システム-中国の諸都市に
ついて-
討論
コーヒーブレイク
Session III: 地球環境研究総合推進費「低炭素型都市づ
くり施策の効果とその評価に関する研究(Hc-086,
FY2008 -2010)」平成 20 年度研究成果(座長:井村秀
文 教授)
研究の目的と枠組み
姜克 博士
国家発展和改革委員会 能源研究
所 部長
朱頴心 教授
中国清華大学建築学院
潘海嘯 教授
同済大学城市計画系
陳晋 教授
北京師範大学資源学院
井村秀文 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
低炭素型都市の計画作成と評価
都市の類型による低炭素都市の決定要因:個別性
と一般性
都市の成長,建物,インフラとエネルギー:分析
ツールの開発
15:10 – 16:00
技術の役割に関する評価:低炭素技術の進歩と普
及の見通し
急成長するアジア都市における低炭素都市づく
り:建物セクターにおける緩和策
一ノ瀬俊明 博士
国立環境研究所 主任研究員
谷川寛樹 准教授
和歌山大学システム工学研究科
大西暁生 博士
名古屋大学大学院環境学研究科
研究員
東修 助教
名古屋大学大学院環境学研究科
竹内恒夫 教授/杉山範子 助教
名古屋大学大学院環境学研究科
吉田友紀子 氏
国立環境研究所高度技能専門員
低炭素型都市実現にあたって鍵となる要素
日本の建物におけるエネルギー消費データ
16:00 – 16:40
新しい建物エネルギーシステムの可能性
土地利用及び交通システムの役割
16:40 – 16:55
討論
16:55 – 17:00
1 日目の総括
18:00 – 20:00
懇親会
平野勇二郎 博士
名古屋大学大学院環境学研究科
研究員
奥宮正哉 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
加藤博和 准教授
名古屋大学大学院環境学研究科
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際
オフィス事務局長
レストラン花の木(名古屋大学内)
17:00 – 18:00 サイドイベント:ポスターセッション -国際シンポジウム,国際ワークショップ参加者によるさまざまな研究活動の紹介-
2 月 18 日 於
名古屋大学野依記念館 1F
司会進行:井村秀文 教授
9:30 – 09:40
9:40 – 9:55
開会の辞
Session IV: 都市におけるエネルギーシステムと CO2
排出量:その対策と政策的意味(座長:谷川寛樹 准
教授)
ステークホルダーとの温室効果ガス排出インベント
リ,エネルギーシナリオ及び計画の策定-地域的な温
室効果ガスインベントリ作成プロジェクト(GRIP)-
9:55 – 10:10
低炭素型都市づくりに向けた課題
10:10 – 10:25
中国諸都市のエネルギー消費と CO2 排出量評価
10:25 – 10:40
10:40 – 11:00
討論
コーヒーブレイク
グローバルな都市におけるエネルギー消費と CO2 排
出量
11:00 – 11:15
11:15 – 11:30
EU27 カ国における都市スケールでのエネルギー消費
評価
11:30 – 11:45
LCA による交通システムのエネルギー評価
11:45 – 12:00
12:00 – 13:30
討論
昼食
Session V: 都市と気候変動のイニシアティブ(座長:
森秀行 氏)
13:30 – 13:40
気候変動政策における都市の国際協力
13:40 – 13:50
経済協力開発機構(OECD)における取組
13:50 – 14:00
アジア開発銀行(ADB)における取組
14:00 – 14:10
都市の気候変動研究ネットワークと都市と気候変動
影響評価のための国際パネル
14:10 – 14:20
気候変動の緩和と大気汚染の改善
14:20 – 14:50
14:50 – 15:10
討論
コーヒーブレイク
井村秀文 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
Sebastian Carney 博士
マンチェスター大学環境開発学科
リサーチフェロー
Julia Steinberger 博士
アルペン・アドリア大学社会経済研
究所 上級研究員
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際オ
フィス事務局長
Christopher Kennedy 教授
トロント大学土木工学科
Niel Schulz 博士
ロンドン大学インペリアル・カレッ
ジ 都市エネルギーシステム チー
ムリーダー
柴原尚希 氏
名古屋大学大学院環境学研究科
研究員
中村秀規 氏
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
プログラム・マネージメント・オフ
ィス 政策ガバナンスチーム研究員
Jan Corfee-Morlot 氏
経済協力開発機構(OECD) プリン
シパルアドミニストレーター
Sharad Saxena 氏
アジア開発銀行(ADB) 気候変動ス
ペシャリスト
Stephen A.Hammer 博士
コロンビア大学 都市エネルギープ
ロジェクト長
Alvin Mejia 博士
クリーン・エアー・イニシアティブ
- アジア
15:10 – 17:00
ワークショップの総括評価
・ 本ワークショップの評価
・ 本フォーラムの今後のあり方
・ 国際的な協力関係構築のあり方
・ 成果の文書化
・ URCM Book プロジェクトへのフィードバック
17:00 – 17:10
閉会の辞
井村秀文 教授
名古屋大学大学院環境学研究科
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際オ
フィス事務局長
Shobhakar Dhakal 博士
国立環境研究所 GCP つくば国際オ
フィス事務局長
名古屋大学イニシアティブ「脱温暖化都市づくり」
背景
・ 2008 年 7 月の G8 首脳会議(洞爺湖サミット)にて,2050 年までに温室効果ガス排出量を少なくと
も 50%削減する長期目標が示された.
・ 低炭素社会の実現には,経済活動の主舞台であり,人口の多くが住む都市における地域主体の取組
み,特に民生・交通部門での気候変動緩和に向けた取組が不可欠である.
・ 先進国,途上国の諸都市は,互いに協力しあい,持続可能な建築,交通,より優れたエネルギー効
率などを追及していかなければならない.
・ 特に急速な都市化と都市の膨張に直面している中国,インドなどのアジア諸都市において,こうし
た対策は急務である.
・ このため,アジアを中心に,次世代の環境対策を担う学生や若手研究者を育成するため,教育及び
研究活動において,国際的な連携強化を図ることは非常に有意義である.
イニシアティブの設立
・ 名古屋大学は,世界各国の大学,研究機関,産業,行政機関,NGO や市民との協力体制を築きあ
げ,特に経済成長の著しいアジア諸都市を対象に,気候変動緩和のための研究及び教育プログラム
を推進するため,2007 年に「脱温暖化都市づくり」名古屋大学イニシアティブを設立した.
活動内容
・ 大学,研究機関,国際機関,NGO などの連携強化のため,国際的なネットワークを確立する.
・ 気候変動の緩和及び適応策に関する研究教育プログラムの開発を進める
・ 国際会議を開催する.また,これを通じ,研究成果の共有など,国際的な情報交換を活発化させる.
目標
・ 低炭素型都市を実現するためのロードマップを示す(2050 年までに温室効果ガス排出量を半減).
・ 単体技術の効率(ファクター4)だけではなく,技術的要素と社会経済的要素を連携させ,複合的・
社会システム的な効率(ファクター5)を総合的に考慮した環境効率性評価を実施する.
・ これにより,都市のエネルギー効率を劇的に改善させる.
・ 将来,途上国の環境対策をリードしていく若手研究者に対する研究教育基盤を整備する.
・ アジア諸都市の低炭素型化において実行可能な提案を行う.
温暖化する地球
経済成長、人口増大、都市化、エネルギー消費急増のアジア
大学は何をすべきか?
「脱温暖化都市づくり」名古屋大学イニシアティブ
世界各国の大学・研究所の連携
研 究
建築、交通、電力・ガス
土地利用、水・みどり、
都市計画・・・
…
国際協力
ネットワーク
知識・技術、
人材交流
名古屋大学
教 育
温暖化対策を担う人材づくり
都市での実践
以下の大学・研究所等に参加を
呼びかけています
国立環境研究所
清華大学、上海交通大学
アジア工科大学
チュラロンコン大学
タタ資源エネルギー研究所
温暖化防止:鍵を握るアジアの都市
グローバルカーボンプロジェクト(GCP)イニシアティブ
「都市と地域における炭素管理(URCM)」
GCP とは?
・ 国内外の温暖化問題に関する政策的論議や対策を円滑に行
うためには,世界共通の科学的知識・認識が必要である.
・ その世界共通の科学的知識・認識を目指して,世界の科学
コミュニティを支援するプロジェクトが GCP である.
・ GCP は,地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP) ,地球
環境変化の人間社会側面に関する国際研究計画(IHDP) ,世
界気候研究計画(WCRP) ,生物多様性科学国際協同プログ
ラム(DIVERSITAS)という 4 つの国際計画のパートナーシ
ップ(地球システム科学パートナーシップ:ESSP)により実
施されているプロジェクトの一つである.
・ GCP の事務局は,国立環境研究所 地球環境研究センター
(つくば市)と豪州連邦科学産業研究機構(キャンベラ市)に設置されている.
イニシアティブ(UCRM)の設立
・ GCPは2005年に「都市・地域における炭素管理(URCM)」イニシアティブをスタートさせた.
・ URCMとは,持続可能な都市開発と炭素管理を両立するための,地域に立脚した科学的イニシアテ
ィブである.
UCRMの科学的課題への取り組み
・ 都市化と地球規模の炭素サイクルは,人口,豊かさ,エネルギー,その他生物物理学的・社会経済
的メカニズムなどを通じて,どのように相互に関わっているのか?
・ 都市及び地域における,現在と過去の炭素排出と吸収をどう定量化するか?
・ 未来の低炭素社会での都市及び地域の発展のシナリオをどう描くか?
・ 根底的・直接的の要因(地形,社会経済的要因,歴史的要因等)のどういった特徴が都市及び地域
の炭素フローの違いを生み出しているか?
・ どのような炭素管理戦略が都市の炭素排出量抑制に役立つか?
・ 都市および周辺部の炭素管理の整理・統合によるトレードオフと地元への相乗効果はどの程度か?
・ 法律・制度などが,健全な都市と地域の炭素管理に果たす役割とは?
UCRMの具体的実施内容
・ 政策貢献のための,包括的で総合的な研究を行う.
・ URCM内の未開拓分野で,パイオニア的研究をスタートさせる支援を行う.
・ 会議やワークショップの開催により,URCM の科学コミュニティを構築する.
・ 科学者と政策担当者の対話により,政策担当者に科学的理解を広める.
・ 他の科学コミュニティや政策コミュニティとの協力関係を構築する.
URCMの枠組み
広域スケール
診断的
アプローチ
地球全体の都市化傾向
とその炭素サイクルへ
の影響を理解する
都市・地域の開発とそ
の炭素収支英の影響を
理解する
炭素管理への介入の方
策・手段・トレードオフを
明らかにする
問題解決的
アプローチ
狭域(都市・地域)
スケール
• 人口、豊かさ、エネルギー使用の
傾向が炭素排出の結果を左右す
る(先進国/発展途上国の都市/近
郊/郊外において)
• これらの傾向を左右する大きな
要因を特定する
• 過去の炭素の定量化および比較
• 地方レベルでの直接的要因と根
底的要因
• 未来のシナリオとその炭素収支
絵の影響
• 介入の方法:エネルギーの洗濯/
輸送/建築/大気汚染の管理
• 手段:規制/経済/情報/技術投資
• 炭素管理と他の社会経済要素と
の共通のメリットとトレードオフ
• 様々なレベルの制度の視点から
見た可能性と障壁
国立環境研究所 地球環境研究センター
地球環境研究センターでは,国立環境研究所が問題解決を目指して研究資源を集中させることを決め
た 4 つの重点研究プログラムのうちのひとつである「地球温暖化研究プログラム」を推進している.
人類が大量に大気中に放出している二酸化炭素などの温室効果ガスによって進みつつある地球温暖
化とそれに伴う気候変化は,今世紀中にも人類の生存基盤に関わる重大かつ深刻な影響をもたらすと予
測されており,その防止及び影響緩和に向けた取組が世界的に進められている.
「地球温暖化研究プログラム」では世界最高水準の観測・モデルに基づいた地球温暖化とその影響・
リスクに関するメカニズムの理解と将来予測の研究,社会経済システムを温室効果ガスの排出の少ない
ものへと変革するためのビジョン・シナリオ研究などを実施する.研究成果は「気候変動に関する政府
間パネル(IPCC)」などを通じて,国内外の地球温暖化対策に活用される.
地球温暖化研究プログラムの構成
地球温暖化研究プログラムは,上記の 4 つの研究課題に取り組む 4 つの中核研究プロジェクトと,そ
の他の 8 つの関連プロジェクト,更に地球環境研究センターが実施する事業(大気・海洋モニタリング,
陸域モニタリング,地球環境データベース,等)のうち地球温暖化に関係する活動とから構成されてい
る.中核研究プロジェクトは,運営費交付金で実施される研究だけでなく,環境省の地球環境研究総合
推進費等のいわゆる外部研究資金(競争的資金)で実施される研究課題への取り組みを含めて,総合的
な視点から取り組むこととしている.関連プロジェクトは主として外部研究資金による.また,地球環
境研究センター事業は運営費交付金で取り組まれる.本研究プログラムは,地球環境研究センターに新
たに設置された4つの研究室とモニタリングやデータベースを担う 3 つの推進室が中心となり,センタ
ー事業に関わる兼務研究員,関連プロジェクト担当の基盤領域の研究員,そしてフェロー等の多くの契
約職員とともに推進される.