セカンドポータル - linkcom.co.jp

企業競争力を高める新コミュニケーションシステム
「セカンドポータル」
閉塞感を打開する新コミュニケーションシステム構築へのチャレンジ
株式会社リンコム
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 はじめに
この不況下、
「成長をとめてしまっている」会社が増えている。経費削減、リストラなどを
繰り返し、将来の成長に向けた投資をも減らしてしまっている。
現在、日本の多くの企業は世界企業との競争を余儀なくされているなか、唯一競争力を劇
的にあげることができる可能性があるのは IT である。にもかかわらず、IT 予算の伸び率を
比べると欧米、最近ではアジアの新興国などより低い。しかも、日本企業における IT 予算
の多くは基幹系システムの保守、メンテナンスに割かれ、戦略的な IT 投資にまわっていな
いのが現状である。
戦略的な IT システムとは、なにか?それは、競合他社にはない IT システム、オリジナル
な IT システム。財務管理、在庫管理、財務や経理に関するような基幹システムは多くの企
業が導入しており決して競争優位性を確立する戦略的 IT システムにはなりづらい。
現在、競争優位性を構築できる IT システムとなるとビジネスの現場で飛び交う情報を管理
するシステムではないかと思われる。営業現場、店舗現場、開発現場、作業現場ありとあ
らゆる現場が存在するが、その「場」に特化した情報を集めたシステム「セカンドポータ
ルシステム」である。全社向けに構築されたポータル(ファーストポータル)に対し、あ
る特定の「場」に特化した第 2 のポータルだから「セカンドポータル」。
何事も新しいことをやるときは勇気がいる。しかし今までと同じ事をおこなっていても、
今までと同じ結果しか出ないことは明らかである。今回の不況は大変厳しいが、競合と差
をつけるには、またとないチャンスである。数年後の成長を目指し、是非チャレンジして
頂きたい。
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 「場」に特化した情報戦略
今回は、
「セカンドポータル」という新しいコンセプトについてお話をしたい。「セカンド
ポータル」とは、特定の「場」に特化した情報を扱うシステムである。この「セカンドポ
ータル」自体は、決して新しい技術や考え方ではないが、いままで明確に語られたことは
なかった。
しかし、
「セカンドポータル」は他社にないオンリーワンの企業競争力の源泉になると確信
している。全社員向けに社内ポータル(ファーストポータル)を構築されている企業は多
いと思う。しかし、大競争時代において競争力をつけるには、広域をカバーしたポータル
ではなく、ある「場」に特化した「セカンドポータル」という考えが必要だ。
図 1.セカンドポータルのポジション
我々は、10 年間企業の情報を管理するシステムを構築してきた。その経験から多くの企業
は、ポータルは社内に一つという固定概念にとらわれているのでは無いかと思うようにな
った。確かに、ポータルを管理するのは非常に大変な労力が必要である。
現在、多くの企業では、現場のニーズは何かということを真剣に考え始めており、そのニ
ーズに応えてきている。しかし、既存のシステムの延長線上での対策に止まっており、決
して戦略的ではない。
例えば、営業の現場のニーズとして顧客情報データベースを構築し、顧客対応を迅速に行
いたいというものがあったとする。これに対し、良く見かける対応としては、全社員の共
通アプリ(全社ポータル)であるノーツ上に、簡易的なアプリケーションをノーツ DB で
作成するというケースで、ファーストステップとしては良いと思うが、この後の発展には
なかなかつながっていないようだ。
この様に、折角、ユーザーのニーズを聞き対応しているが、御用聞き(受動)的な対応で
終始してしまっているのが現実である。これを、戦略的な視点にて計画するという、180
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度違った考え方にかえてみると、どれだけビジネスにプラスに働くかと想いを暖めてきた。
 なぜセカンドポータルなのか?
では、なぜ「セカンドポータル」が必要とされているのか。その論拠について、三つの視
点で見ていきたいとおもう。
一つ目は、ビジネスが高度化してきているという点である。例えば、営業現場においては、
通り一遍等の御用聞き営業では通用しなくなってきており、お客様一社一社に対する提案
型の営業や、一匹狼方の営業からチーム営業へとシフトして来ている。これらは、需要と
供給のバランスが供給過多になってきており、競争が激化してきているためである。競争
が激化する中で競合より多く売るためには、たとえば、お客様の先のお客様についてどれ
だけ知っているか、つまりお客様と同じ目線でアドバイスができるという視点が必要にな
ってきている。
一昔前までは、雑談などによるお客様のうけが良いや、話がうまいなど、営業センスが良
いというだけで売れることもあったが、現在はそれだけでは決して売れなくなってきてい
る。このため、営業に関するあらゆる情報(顧客情報、業界情報、営業スキル情報など)
に対し、専門的な深い知識が必要になってきており、これらの情報を整理しまとめ、共有
することが重要になっている。
二つ目は、ものごとの成果を出すには上下左右の情報が必要だということ。例えば、営業
改革を行おうとした場合、SFA(営業支援システム)だけを導入しても成果は期待できませ
ん。多くの企業がこれで失敗している。実際に営業改革の成果を出すには、
「そもそもなん
のために営業改革を行うのか?」
、
「将来のビジョンはなんなのか?」
「そのビジョンや目的
に対してどんな戦略や活動が必要なのか?」といった情報を、営業員に理解してもらい、
納得し行動してもらう必要がある。その為には、上下左右ありとあらゆる情報を正しく伝
える手段が必要である。
図 2.成果と情報との関係
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三つ目は、全社ポータルでは対応しきれないという点である。これは、技術的な観点とい
うよりもコンセプトが全社ポータルとセカンドポータルでは異なるということ。コンセプ
トが異なるものを、混ぜ合わせてしまうとコンセプトがぼやけてしまい、役に立たないも
のになってしまうということである。
ここで、自分のブラウザーのお気に入りに何が入っているか確かめてみてほしい。Yahoo
や google といったポータルだけではなく、新聞社が構築しているポータルサイトや、料理
が趣味であれば料理に関するサイトなど、色々なサイトの URL がお気に入りとしては登録
されているのでは無いか。ポータルの雄として君臨している Yahoo や google においても必
ずしも全てのポータルにはなりえないということである。
また、ユーザーがシステムに慣れてきたという点もある。現在の多くのビジネス員は、Web
ブラウザーを利用し、世界のあらゆる Web システムにアクセスし操作を行っており、日常
化している。活字を読むにしても、既存の媒体(本、雑誌、新聞など)に対する読者離れ
は深刻化しているものの、Web 上の情報へのアクセスは非常に高まっている。
これらのことを考えると Web を媒体としたシステムで構築するという点は無視できないと
思われる。
 120%喜ばすという発想
次に最も大事なことであるが、どうしたら御用聞き的な対応ではなく、戦略的な対応を行
うことができるのか。それには、一つの問いに答えることでイメージを抱くことが出来る。
それは、
「○○○を、120%喜ばすためには、どんなセカンドポータルが必要か?」という
問いである。ちなみに、100%ではなく、120%にするのはテクニックであり、120%の方が
脳が活性化するためである。
例えば、
「営業現場を 120%喜ばすには、どんなセカンドポータルが必要か?」としたらど
うだろうか?今までとは違った新しいアイデアがわいてくるのでは無いか?例えば、スー
パー営業員のノウハウを共有する仕組みをつくろうとか、営業員のお悩み解決というフォ
ーラムを立ち上げようなど。このアイデアは決して他社をまねしたものでもなく、御用聞
きというものでもなく、営業現場を 120%喜ばすという視点から出てきたオリジナルなもの
である。
この問いは非常に簡単であり、決してシステムの専門家のみが答えることができるという
代物ではない。逆に、システムの専門家の意見だけではオリジナリティは生まれない。出
来れば、セカンドポータルを作成しようとしている特定の「場」にかかわる社員の方の意
見のほうがはるかにオリジナルにとんでいると思う。前例にとらわれないアイデアを大事
にすることこそが競争力のあるオリジナルを生む。
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アイデアが出れば、次は構築であるが、昨今ではクラウドと称されるシステムのサービス
化も進歩してきている。これにより、自社ではサーバーやネットワークの機器などを設け
ず、しかも短期間に欲しいシステムを構築することも可能で、構築の壁は急速に低くなっ
てきている。
リンコムでも、LNSaaS(LINKcomNext Software as a Service)というクラウドサービス
を開始する予定でいるが、今は、まさに「セカンドポータル」を構築するにはうってつけ
の時代になってきているといえよう。
 最後に
最後にビジネスには、営業現場、店舗現場、開発現場、作業現場ありとあらゆる「場」が
存在する。ある「場」に特化した情報を扱うシステム「セカンドポータル」は、他社にな
いオンリーワンの企業競争力の源泉となり得る。
この不況だからこそ今が絶好のチャンス。そしてビジネスに大事なことは、行動すること。
閉塞感を破るのは自分のチャレンジ次第である。
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