資金寄付者感謝状贈呈式並びに永年勤続職員表彰式より と き 平成1 2年6月5日 ところ ホテルニューオータニ 結核予防事業資金として多額のご寄付を下さった方々に、感謝状をお渡しになりました。 式典に続き記念撮影とお茶会が行われ、妃殿下は資金寄付者、永年勤続職員の各テーブル をお回りになり、なごやかなひとときを過ごされました。 複十字シール募金に多額のご寄付を下さった方に感謝状を 贈呈 お茶会にて、全国の支部職員とお言葉をかわされる妃殿下 こ 5 0 の7月に2回目の厚生大臣に就任しました。 年前、初めて厚生大臣に 任命された当時は、結核の罹患状況の改善がスピードこそ遅くなったと はいえ依然進捗している時代でありました。それが今日では罹患状況は改善か ら増加へと転じ、新たな取り組みが必要となっています。 厚生省では昨年7月に﹁結核緊急事態宣言﹂を発したところですが、それを 契機として、結核予防会をはじめ、各関係団体、都道府県等におかれては、結 核対策への取り組みの必要性を再認識し、協力して各種結核対策を推進する決 意を新たにしていただいたところであります。 厚生省といたしましても、ポスター及びリーフレットによる普及啓発をはじ めとして、集団感染防止対策、多剤耐性結核対策等の様々な対策を行ってまい りました。 2 4 1 0 さらに、本年4月には、公衆衛生審議会結核予防部会の下に﹁結核緊急対策 検討班﹂を設け、近年の結核対策において緊急性の高い課題である大都市や高 齢者における問題について検討を行っていただき、その検討結果が7月に結核 予防部会に報告されました。これを受けて、厚生省では、 ﹁大都市対策﹂及び ﹁高齢者対策﹂に積極的に取り組んでいくこととしています。 ま た、先 に 開 催 さ れ ま し た 九 州・沖 縄 サ ミ ッ ト の﹁G8コ ミ ュ ニ ケ・沖 縄 2000﹂において、2010年までに結核による死亡者数及び有病率を % 削減することなど、G8各国においても結核対策に取り組んでいくことが確認 されました。我が国も、これまで培ってきた経験を生かしながら今後とも国際 社会において期待されている役割を積極的に果たしていきたいと考えています。 今年も9月 日から 日までの﹁結核予防週間﹂が始まります。結核予防週 間においては、例年、各種啓発事業を実施しているところでありますが、本年 度においては、地域の状況に即した対策を強化し、より きめ細かく結核に対する正しい知識の啓発に努めること を目標としています。本週間を機会に、さらに国民の結 複十字 大臣就任のごあいさつ 9/2 0 0 0 津島雄二・つしまゆうじ 厚生大臣 津島 ■ メッセージ 大臣就任のごあいさつ ■ 今月のテーマ 原田 藤野 久⋮4 忠彦⋮2 雄二⋮1 ︱病院の立場から︱ 結核対策における病院と保健所との連携 ︱保健所の立場から︱ 白井 島尾 千香⋮7 忠男⋮6 ■エイズ・結核・マラリア対策が沖縄サミットの話 題に! ■神戸市の結核対策 ■ 特対事業 石川 小山 信克⋮ 明⋮ 小田内里利⋮ 名古屋市における治療脱落中断者の状況調査 ■ ずいひつ ドイツの冬 結核予防週間によせて ■ 結核予防週間特集 実施要領 支部関連普及活動/優良市町村表彰・けいりん号 伝達式/複十字シール運動PRビデオ紹介 禁煙外来紹介 内山 山岸 隆司⋮ 文雄⋮ ■ 教育の頁 免疫抑制宿主における結核発病防止 ■複十字病院 尾形 藤木 英雄⋮ 明子⋮ ■インドネシア結核対策共同プロジェクト報告 ■フィルム評価会報告 山下 尾形 武子⋮ 正方⋮ ■複十字病院に多剤耐性結核病棟完成! ■結核研究所に対策支援部誕生! 中西 志乃⋮ 13 10 16 14 1 7 2 01 8 2 62 2 3 02 8 1 32 25 3 結 核 研 究 所 ホ ー ム ペ ー ジ を 通 し て 寄 せ ら れ たe メールの報告 紙︺結核予防週間ポスター ▽予防会だより ︹表 ︹カット︺佐藤奈津江 ●9/2 000複十字 №275 1 ▽本部関連行事・マスコミ資料 CONTENTS 3 0 核に対する関心が高まり、 世紀に向けての結核対策の 推進に大きく寄与するものとなりますよう期待しており ます。 終わりに、結核予防会を始めとする各関係団体のます ますのご発展を祈念いたしまして、私のあいさつといた します。 2 1 D O U B L E‐ BARRED CROSS Message №2 7 5 今月のテーマ 結核対策における 病院と保健所との連携 結核治療中の脱落・中断及び治療失敗を予防し、なおかつ、感染の拡大を防ぐ上で、 治療の場である医療機関と結核患者管理を行っている保健所との連携の重要性が注目さ れています。 昨年4月より独自の連携システムをスタートさせ、確かな成果を上げつつある国立療 養所神奈川病院と秦野保健所の取り組みについて、今回、それぞれの立場から執筆いた だきましたので、紹介します。 国立療養所神奈川病院 藤野忠彦 問題点 院長 ︱病院の立場から︱ はじめに あるが行われている。その結果わが国の結核 病院と保健所間連携は従来より程度の差は 未受診者への対応 結核病学会のシンポジウムで﹁結核対策にお 1 ける保健所と病院の連携︱看護婦間連携のあ 対策は成果を上げてきたのであるが、さらに 回日本 り方﹂が取り上げられた。また学会の前日に 効率を上げるためには重点項目あるいは問題 本年4月に大阪にて開催された第 行われた公開シンポジウム﹁大阪の結核︱そ 決﹂となったとしても、他方では全く解決に 対策﹂に取り組むのでなければ、一方では﹁解 保健所そして行政機関が一体となって﹁結核 うことである。病院、診療所などの医療機関、 対策は皆で取り組まなければならない﹂とい 会大阪府支部亀田和彦氏が強調された﹁結核 ない事柄として認識されたことは、結核予防 を通して結核対策において欠かすことのでき 耐性結核となり、治療失敗例の多くを占めて な症例は、新たな感染源となり、さらに多剤 まったような例が少なからずある。このよう 断し、そのために﹁不規則治療﹂となってし 己判断であるいは仕事の都合などで通院を中 不明となり、あるいは退院し外来通院中に自 導くことである。入院中に無断離院し、行方 無くして、すべての症例を﹁正しい治療﹂に となることは﹁治療中断﹂ 、﹁不規則治療﹂を 病院の立場から、すなわち結核治療上問題 点の整理を行う必要が生じてきた。 なっていないケースが生じるからである。 そして行政がそれぞれ発表を行った。これら の現状と対策に向けて﹂では診療側、保健所 7 5 2 9/2000複十字 №275● 索活動をすることは不可能である。病院の立 患者が行方不明となった時には医療機関が捜 効果は上がらなかった。まして入院治療中の を一部の病院で試みたところもあるが、結局 の通知のように受診のための通知をすること 者に運転免許証の期限切れの通知や車検切れ かの特殊な事情のない限り行えない。未受診 あっても、個々の患者を呼び出すことは何ら 外来診療であり、予約制を行っている病院で う。しかし実際は訪れた患者を診察するのが 連絡し、治療の継続に努めるべきであると思 この様な場合には病院からも直ちに患者に 何らかの配慮が払われるべきであろう。 携﹂に役立つ効果的な情報の共有のためには は、正しい患者照会とはならない。今後﹁連 意の電話で患者のカルテも手元にない状況で 欠くと言わざるを得ない。また主治医への不 わせ、照会であるが、電話連絡では慎重さを ければならない。例えば患者に関する問い合 の情報管理には慎重の上に、さらに慎重でな 問題がある。情報開示と言われながらも患者 られていたように、正確な患者情報の共有の の結核病学会において率直な意見として述べ 健所側にも十分あるものと思われるが、今回 行っている。従って患者情報に関しては、保 いる。また、保健所でも保健婦は患者調査を に至るまで、多くの書類を保健所に提出して ある。結核の撲滅の目標に近づくためには一 る問題ではないことは、現状が示すとおりで 結核対策は強力な抗結核薬だけで解決され なると聞いている。 ると、退院後においても管理が極めて容易に 入院中より既に﹁患者︱保健婦﹂の関係があ け入れられないのには、この様な事情もある。 院後に初めて訪れる保健婦が必ずしも快く受 もひた隠しにしておきたいこともあろう。退 ことも、あるいは家族に結核患者のいたこと 患者の立場からすれば、結核で入院していた 問の折に主治医と情報交換なども行っている。 にて積極的に患者訪問を始めている。患者訪 いる。 場からすれば、治療を完了させなければなら 例でも感染源を減らすことにある。このため おわりに ないという道義的責任はあるが、患者に強制 力まで及ぼすことは法制上からもできない。 健所の立場から﹂で触れられる病院︱保健所 少なくない。この様な問題の対策に次の﹁保 病院主治医には相違ないが、主治医に執拗に である。結核治療に大きな役目を果たすのは かなかったり、動く方向の異なっていること 感ずることは、一方の車輪が錆ついていて動 がっていて同じ方向に動くことである。時折 連携とは、まさしく車の両輪のようにつな 題、教育問題、経済問題を含んでいるので、 療には大袈裟に言えば社会問題、公衆衛生問 からひしひしと感ぜられることは、結核の治 らないであろう。いずれにしても病院の立場 の連携もなければ結核対策は完全なものとな 予防法制定 もってあたらなければならない。明年は結核 じ認識の 下 に 新 し い 時 代 に 対 応 し た 連 携 を には病院、診療機関、保健所そして行政が同 連携によって効果的な取り組みが試みられ成 問題解決を求める姿が続くならば連携は成り 多角的に﹁連携﹂をした解決法が最も重要と 病院における主治医・保健婦間の連携 果を上げつつある。 立たないであろう。はじめに引用した言葉で また、結核患者の中には病識に欠ける患者が 病院と保健所の連携で問題となるのは﹁患 あるが﹁皆で取り組まなければならない﹂と 周年になるのであるが、行政と 者の情報﹂に関することである。病院は﹁診 2 患者情報の共有 条 断﹂し、﹁治 療﹂を 行 っ て い る の で、患 者 に 関する正確な情報がある。結核予防法第 条 の認識がなければならないことを痛感する。 なるということである。 当院では保健所保健婦が入院中より病院内 、 による﹁患者の届出﹂に始まり、第 3 52 2 の﹁公費負担申請﹂そして﹁定期病状調査﹂ ●9/’ 2000複十字 №275 3 5 0 3 4 今月のテーマ 保健予防課主査 原田 久 ︱保健所の立場から︱ 神奈川県秦野保健所 病院と保健所との連携の試みとして、神奈 て、﹁結核患 者 管 理 促 進 事 業﹂を 実 施 し て い 川県では、国立療養所神奈川病院の協力を得 結核対策における病院と保健所の連携のた るので紹介したい。これは、登録中の結核患 病院と保健所の役割 めには、それぞれの役割、固有の分野につい 成し、結核医療機関に送付する。医療機関で 医療費の公費負担が切れてから2カ月経過す て行ってきた。結核サーベイランス端末では、 されている結核サーベイランス端末を使用し 担申請書の診断書の記載事項と保健所に設置 従来、結核患者管理は、結核医療費公費負 行う。そして、指導状況を病院に報告する。 やかに電話、訪問、手紙等により受診勧奨を 未受診患者に対しては、保健所保健婦がすみ ている場合には、情報を保健所に通報する。 ステムやカルテにより調べ、﹁未受診﹂ となっ トに基づき受診状況を病院のコンピュータシ ソーシャルワーカーが、送付された患者リス 互いに補い合うことで、効率的な結核対策を 両者の役割を認識し、不足している分野を 療中断者を発見するまでには、早くても治療 間を要する。このような事情から、従来は治 開催している。 の医師やソーシャルワーカーと症例検討会を ﹁病院の立場 か ら﹂で 述 べ ら れ て い る と お 展開することができる。 4 9/2000複十字 №275● 中断から半年ほど経過してしまうこととなっ ていた。 病院側でも、予約外来制度を取り、未受診 者のフォローアップに努力しているが、治療 中断者を確実に発見し、治療を継続させるま でには 至 っ て い な い。そ こ で、﹁結 核 患 者 管 理促進事業﹂として従来の業務を見直し、補 強する形で結核医療機関と保健所が連携して、 治療中断者を早期発見する方策を試行した。 ﹁結核患者管理促進事業﹂の方法 ︵図1参照︶ はじめに保健所は、結核医療費公費負担台 を受けて外来通院している患者のリストを作 帳を基に、結核予防法第 者に、治療中断や不規則治療となることなく 正しい治療を完了してもらえるようにするこ 条による公費負担 とを目標としている。 て考える必要がある。 病院は、主に患者の診断・治療を担当して いる。一方、保健所は、結核患者の登録管理、 接触者の定期外健康診断等により、主に感染 り、治療を担当する病院には結核治療を完了 ると療養状況不明者として患者がリストアッ このような作業を毎月ごとにくり返して行っ は、結核医療を担当する医事課担当者または する道義的責任はあるが、病院から個々の患 プされる。その後、定期病状調査を行うこと ていく。対応が困難な患者に関しては、病院 従来の患者管理 者を呼び出して、指導することは困難であろ になるのだが、治療を担当する主治医から定 の拡大防止を担当している。また、結核予防 う。まして、患者に強制力を及ぼすことは不 期病状調査が返信されるまでには、さらに時 も位置づけられている。 可能である。 法には、保健所長の業務として家庭訪問指導 3 4 保 医 健 診を治療中断者とする定義に従えば4・9% 病院側と保健所側で個別症例ごとに方針を 各保健所に配属されている結核担当保健婦 断・治療を担当する病院と患者管理・感染拡 れる効果は大きい。症例検討会を通じて、診 確認し合い、一致した方針で患者指導に当た は、0・5∼1名程度と限られているが、こ 大防止を担当する保健所が、まさに車の両輪 が治療中断者となる。 の方法で問題症例を抽出することにより、保 のように活動を展開できる。 名中3名は治療に復帰している。受診勧奨に 保 健 所 か ら の 受 診 勧 奨 に よ り 治 療 中 断 の8 断から把握までの期間に6カ月以上を要して 状調査による治療中断者の把握では、治療中 従来の結核医療費公費負担申請書と定期病 まとめ 健所にとっては、問題となる患者に対し効率 的に保健指導を行うことができるようになっ よっても受診しないものについては、症例検 いたが、この方法により、2カ月以内に治療 た。 討会を行った。 きた保健所の結核患者管理の範囲内である。 この事業に関わる業務は、従来から行って 中断を把握できるようになった。 単身者、不規則な生活、経済的困難、自覚症 症例検討会から、治療中断の要因として、 状の消失などが判明し、これに対して、患者 従来の定期病状調査では、療養状況が不明に 作成し、患者情報を照会することとなる。照 の意向に沿った患者の社会生活に好都合な医 会先の医療機関に通院患者が数十名程度いれ なる都度、個別に患者情報の照会をするのに 患者に関する情報は、圧倒的に医療機関に ば、まとめて取り扱うこととなり、定期病状 療機関への変更や、受診日の変更などの指導 多く、指導に行き詰まった時に、症例検討に 調査に比較し、迅速で効率的な方法となる。 対し、この方法では、毎月、結核予防法第 より情報交換を行うことで打開策が見出され 今後、結核通院患者の多い、結核医療の中 条による公費負担を行っている患者リストを ることも多々ある。指導困難な患者に対応す 核的な医療機関に対してこの方法を導入する を心掛けた。受診の得られなかった症例は、 で に 、 秦 野 、 平 塚 、 大 和 、 厚 木 、 小 田 原 の5 る場合には、担当保健婦の孤立感、負担感が ための条件を検討したい。 多面的な問題を抱えていることが多い。 保健所から国立療養所神奈川病院に患者リス 大きいものであるが、検討を重ねることによ 者は 健指導技術の向上のためにも、症例検討会は 1 8 平成 トを送付し、実人数で164名分の情報提供 り保健婦の負担を軽減することもできる。保 翌月には受診していた。残る8名は2カ月以 名で、このうち 名は受診勧奨により 年2月末ま ④治療中断患者への対応の報告 を受けている。1回でも未受診となっていた 結 果 ① 34条外来通院患者リスト 年4月から試行し平成 ―治療中断者早期指導システム(仮称)― 役立っている。 ●9/’ 2000複十字 №275 5 1 1 上連続して受診しなかった。2カ月以上未受 3 4 所 関 1 2 ②受 診 状 況 療 ③受診勧奨 治療中断 患 者 通 院 機 結核患者管理促進事業 図1 1 0 エイズ・結核・マラリア対策が 沖縄サミットの話題に 日から まる 日まで沖縄で開催されま 世紀を、一層世界中が繁栄 した。今回の会議は、来年から始 2 3 2 1 1エイズウイルスに感染した若者 2010年までに目標を達成する 金 と 専 門 家 の 数 が 整 え ば、 きないことではないと思われます。 ことは容易ではないにしても、で %減らす。 の数を する。 2結核による死亡と有病率を半減 ている一つが感染症の流行です。 続けられていますが、それを妨げ これを解消するため懸命の努力が している人が今なお をどのように進め、どの分野から で会議を開催し、関係機関の協力 戦略に合意するために、今秋日本 せんが、その第一歩として新しい 力を強化し仕事を進めねばなりま 術機関、NGOの関係者などと協 各国政府や国際機関、産業界、学 この目標を達成するためには、 を半減する。 いますが、途上国では保健医療の で死亡率の急速な低下が見られて 立つ疾病で、先進国では薬の使用 エイズは南北間の格差が最も目 域です。 やワクチンの開発が期待される領 く、研究の推進による新たな薬剤 ワクチンは未だ決定的なものがな 薬に対する耐性が増えつつあり、 い熱帯地で流行し、殺虫剤や治療 億人もおり、 気と貧困の悪循環を断ち切ると高 源を動員して国際協力を行い、病 医学、技術、資金などすべての資 であるとその重要性を明らかにし、 首脳宣言では、健康が繁栄のカギ このような事態に対して、G8 けられており、これが普及した地 普及を目指して全世界で努力が続 しい考え方に基づく対策の迅速な ます。既にDOTS戦略という新 でいるのは結核対策であると思い つの病気の中で、対応が一番進ん 今回名指しで取り上げられた三 けの協力を進めねばならないと考 り、官民力を合わせて、できるだ である日本が提唱したことでもあ 感染症対策への協力は、主催国 す。 しつつある希望の星と言える国で の普及で、流行を抑えるのに成功 ルなどは、衛生教育とコンドーム 6 9/2000複十字 №275● とはありましたが、今回のように 世界の繁栄に妨げとなる感染症と して、その対策を目標を示して取 り上げたのは初めてのことです。 特にアフリカではエイズが強く流 優先的に取り上げるかを相談し、 マラリアは主として途上国に多 行し、せっかく伸び始めた平均余 インフラの弱さのため、薬価が下 3マラリアに関連する病気の負荷 命が、逆戻りを始める状態になっ タイム・テーブルまで作成するこ 世界では1日1ドル以下で生活 ています。エイズと結核はお互い げられたとしても、一挙に成果が らかにうたっています。そして、 域では高い治癒率が得られている えています。 にあってタイやウガンダ、セネガ 上がることは期待薄です。その中 とになっています。 くなり、深刻な事態が起こってき 2010年までの具体的な目標と ので、途上国がやる気になり、資 ています。 して次の三つを掲げました。 病気による対応の違い に影響しあって、双方の進行が早 病気と貧困の悪循環の切断を 感染症対策で 2 5 エイズの問題が取り上げられたこ サミットでも、寄生虫疾患対策や して取り上げられました。従来の ラリア対策が重要な項目の一つと 染症対策、特にエイズ、結核、マ 開催されましたが、討議の中で感 らし、安定した世紀とするために し、世界の人々に心の安寧をもた 2 1 1 2 島尾忠男 結核予防会顧問、エイズ予防財団理事長 世紀最後のサミットが7月 2 0 神戸市の結核対策 白井千香 ︱結核診査協議会の統合と機能強化︱ 神戸市保健所 結核・感染症対策係主幹 神戸市では、地域保健法の全面施 行 を 受 け て、平 成 年4月 に 保 健 所 の 統 合 ︵1保健所9区保健 部・保 健 セ ン タ ー 体 制︶を 行 い ま し た。そ れ に 伴 い、1カ 所となった保健所に結核診査協議会の統合と結核発生動向調査入力事 務 の 一 元 化を行いました。発生届及び公費負担 申 請 受 理、患 者 管 理、接 触 者 検 診、定 期 健所、区保健部の対応だけでは患 者さんの支援が難しいと考えてい ます。 近年の結核対策の歩み 従来、結核罹患率が高いことか 災害に伴う結核患者の増加が危惧 ら平成7年の阪神淡路大震災では、 されました。当時は全国から多大 な支援を受けましたが、結核予防 会からも青木先生︵現会長︶に震 災1カ月後に神戸市に講演に来て いただき、その後の復旧に努力す (登録年) 0 ツ反・BCG業務は従来通り各区で行っ て い ま す。神 戸 市 の 結 核 事 情 は、政 令 成9年に新登録患者数が、過去2 ることができました。2年後の平 塗抹陽性 200 指 定 都 市 の 中 で も 結 核 罹 患 率 ワ ー ス ト2︵人 口 万 対 約 ︶ 、年 間800∼ 100 年より3%増加しましたが、その 300 900人の新規患者が発生しています。そのため昨年の結 核 緊 急 事 態 宣 言 を 深 れや結核死を含む重症例が稀でな 600 刻に受け止め、 ﹁神戸市緊急5カ年結核対策指針﹂を打ち出し、平成 年度から く、﹁治 癒 率﹂が あ ま り よ く あ り 400 の5年間で罹患率を全市平均 以下にするという目 標 を 掲 げ ま し た。結 核 診 査 250人弱で、肺結核患者の3割 ません。この地域では生活保護受 培養その他 陽性 500 協議会は統合から2年を経て、保健所の機能強化の 一 端 と な っ て き ま し た。神 程度と全国より少ない現状です。 700 戸市の結核対策の概要を示してみたいと思います。 ているため菌検査把握率が悪く、 高 罹 患 率 の 問 題 に 加 え、﹁結 核 治療成績︵コホート分析︶は、罹 塗抹陽性肺結核患者の発見は の統計﹂から見て、特に菌検査不 神戸市の結核問題 明と病状不明が多く、他都市とか 給率が高く、住所不定者等の自己 5 患率が約100と高い地域︵中央 10 な り の 格 差 が あ り ま す︵図1︶ 。 900 6 0 退院、行方不明の問題もあり、保 菌陰性およ び不明 800 11 *11年は概数 10 9 8 平成7 神戸市 東京都 札幌市 横浜市 名古屋市 大阪市 北九州市 15 1 0 区、兵庫区、長田区︶に発見の遅 図2 新登録患者数と菌内訳 (神戸市) 1 0 検査中や菌検査不明のまま登録し ●9/2 000複十字 №275 7 肺外結核 (人) 1,000 1 2 (年) 10 9 8 7 平成6 図1 菌検査不明率 (%) 20 5 0 0 モデル的に試行しました。事例検 を含む4地区でのコホート分析を い前述の中央区・兵庫区・長田区 ニュアル﹂を作成し、罹患率が高 ために﹁神戸市保健婦結核管理マ 受 性・合 併 症・副 作 用・年 齢 等︶ 、 薬剤や投薬期間の検討︵病状・感 外 の 疾 患 の 検 討、﹁治 療﹂︱使 用 点を﹁診断﹂︱診断根拠や結核以 有意義な審議ができるように、論 の流れを示します。診査協議会で が非常に困難でした。図3に診査 毎週出席できる結核専門医の確保 率よくなりましたが、件数が多く、 酸菌症も分かり次第主治医から保 改善しています。転症や非定型抗 7%、平成 たINH単独治療は平成 した。また、以前は 年末に %以上だっ て菌陰性の長期治療は減ってきま の結果﹁不合格﹂も止む無きとし 施及び結果の把握は改善し、診査 で問い合わせることで菌検査の実 ました。診査前に保健所から電話 の初回面接は、7割以上にもなり とが目的ではなく、標準治療を理 です。もちろん不合格を増やすこ 1、不合格の理由は表2のとおり けています。診査件数の推移は表 治医の判断を考慮して再申請を受 たな情報入手があった場合は、主 けで不合格とはしていません。新 やX線フィルム等の情報の不備だ そろうまで﹁保留﹂とし、菌検査 す。情報が十分でない時は条件が 向きに受け止めていただいていま 年末には3・4%と 2 5 3 0. 1 結核否定(他疾患へ転症等) 1 3 1 5. 7 1 0 1 2. 0 4 4. 8 8 9/2000複十字 №275● 後は減少しています︵図2︶ 。 討を通して個々の問題点から治療 ﹁管理﹂︱服薬指導、接触者検診 解していただき、結核は短期治療 3 9. 8 不活動(XP固定的) 年に、患者管理の強化の 成功と中断・失敗の要因を探るこ への助言などについて整理し、前 で 治 癒 す る こ と が で き、決 し て 3 3 平成 とができ、この結果、長田区で平 健所に連絡できるようフリーダイ ﹁不治の病﹂ではないことを患者 必要に応じて主治医へ保健所医師がTEL 成9年に、また、兵庫区で平成 日にプレゼンテーションの準備を ヤルを活用していますので、結核 さんの医療と公共の福祉に還元す TEL ・菌検査問い合わせ ・主治医への意見書 ・届け出 (塗抹・培養・同定・感受性) ・公費負担申請 (結核外の疾患・合併症など) FAX等で回答 (フリーダイヤル) 年に新たに登録された肺結核塗抹 し ま す︵診 査 準 備 会︶ 。診 査 会 前 診査協議会の助言や指導が結核統 受付 陽性患者の中断と失敗を0にした 計に反映する期待が持てます。不 3 1. 3 継 続 排菌なく1年以上経過 号1999年 後 期 に 報 2 6 経過があります。︵ ﹁保健婦の結核 H1 1年度3 4条公費負担申請(再申請で承認された5件は除く) 展 望﹂ 3 1. 3 INH単独治療* 合格の結果説明は文書だけでなく、 2 6 告︶ 。標 準 治 療 の 普 及 は、統 合 し 1 1 保健所医師が主治医に即日に電話 連絡をして いますが、 6 3 1 1 1 3 2 3 1 4 1 3 8 8 た診査協議会の指導や結核病院の 1 0 8, 4 7 7 5, 2 6 9 3, 1 8 3 2, 2 3 2 2, 0 7 0 1, 9 1 5 1, 7 2 0 1, 7 4 5 主導もあり、PZAを含む4剤使 用率が、肺結核塗抹陽性患者の約 ﹁終了時期 について診 前回の意見が「今回限り」 再治療 再発の根拠なし 査会から意 見をもらっ てよかっ た﹂ ﹁では、 薬をやめて 件数 (8 3件中) 初 回 所見なし(治療不要) 6割と全国平均を上回っています。 結核診査協議会の統合による 機能強化 結核診査協議会は統合後、毎週 件︶ 、年 間 回行っています。統合前は9 経過を見ま す﹂など前 不合格の理由 表2 結核診査協議会 診査準備会 割合(%) 由 理 1回︵平 均 診 査 件 数 に 1 0 3 4条不合格 1 9 8 0年 1 9 8 5年 1 9 9 0年 1 9 9 5年 1 9 9 6年 1 9 9 7年 1 9 9 8年 1 9 9 9年 *1件マル初の継続不要を含む 複数理由あり 結核指定医療機関 受診 ・結核発生動向調査 保 健 所 各区保健部(9区) 〈診査結果〉 ・XPフィルム ・ビジブルカード ・公費負担申請書 1 0 件︶ 、 1 0 3 4条合格 度) (年 一般医療の診査件数推移(神戸市) 表1 4 5 全市で年間216回でしたので効 図3 神戸市の公費負担申請の流れ(1週間で処理) 1 0 7 4 区 の 保 健 所 で 月2回︵平 均 5 0 し診査を充実させていきたいと るため、医療機関と保健所で協力 3短期化学療法によるDOT 面接を進めていくことが大切です。 めの主治医連絡や病院訪問、本人 例ごとに治療成績や接触者検診を 数回のコホートミーティング︵事 るようにします。各区ごとに年間 を迅速化して統計分析に活用でき 機会をつくりながら健康管理への 疎集団へのアプローチは、検診の 所、住所不定者など、健康管理過 する若年者、多数の中小零細事業 思っています。 今後の取り組み 神戸市では、DOTSを、治療 成績を上げ結核患者を減らす戦略 として理解しようという段階にあ ります。DOTS戦略の五つの要 素について神戸市の方向を述べま くり中断防止に努めます。住所不 滑に受診継続を行うシステムをつ ていますので、退院から外来へ円 話し合いを毎月の訪問の際に行っ 入院患者の情報共有や病棟婦長と の4月から、主要な結核病院とは DOTの理解を得る方向です。こ まず、結核病院と協力し病院内 かめれば、治療成績は向上するは ることで患者支援のポイントをつ 治療がうまくいった事例を共有す つながります。事例ごとの問題や の評価にもなり、対策への意欲に 成績の評価は、担当者の仕事振り 検討する会︶を計画します。治療 時の指導が定着しているので、日 また、院内感染対策では医療監視 夫していかなければなりません。 との連携によるDOTなど︶を工 うサポート体制︵医療機関や福祉 げ、﹁発 見 し た ら 必 ず 治 す﹂と い 意識啓発や患者の早期発見につな 人と 常的な相談にも保健所が頼りにさ ∼ れる機能強化を図ります。高齢者 管理に特別な配慮が必要ですので、 は、 1二次感染予防︵罹患率の高 しています。重点的に取り組むの 立て、5年後の罹患率低下を目指 戦略を意図して具体的事業を組み このように結核対策の総合的な てください﹂というつもりで努力 所で盛り上がりつつあり﹁見てい 結果を出す意気込みが、今、保健 年後を待たずとも罹患率を下げる 痰検査を導入できないかなど、5 の健康チェックに胸部X線撮影や ショートステイ、デイサービスで 対策には、入居施設のみならず、 福祉施策と併せた選択的DOTを い地区での治癒率の向上、積極的 をしていきます。 くありませんが、ある地区では全 日本での問題は特にないとは言 保健部・保健センターでの事業強 な 接 触 者 検 診︶ 、 2保 健 所 と 各 区 患者の2割に相当するため、患者 われていますが、標準治療として 結核の診断治療のうえで教育啓発 の開業医や病院勤務医にも公開し、 結核診査協議会での事例を、地域 分析、多剤耐性や糖尿病合併の実 推進︵他機関との協力、RFLP 患 者 管 理︶ 、 3研 究、調 査 解 析 の 化︵菌検査の把握向上、統計処理、 と協力して改善していくことにつ 西日本の結核事情を近隣の自治体 が、﹁西 高 東 低﹂と 言 わ れ 続 け る さらに神戸市の結核対策の向上 に活用することも考えています。 ながれば願ってもないことです。 5評価と監視体制 結核発生動向調査への情報入力 都市部特有の人口の集中、流動 態調査など︶です。 4薬剤供給の安定 検討していきます。 の薬剤使用が円滑に行えるよう、 まとめ ずです。 定の結核患者は、年間 3 0 全市の罹患率に与える影響は大き 2 0 す。 1政府︵行政︶が結核対策に責任 を持つこと 結核対策を推進すると言いなが 年4月から保健所 ら、予算を確保することは難しい ですが、平成 に結核・感染症対策の本庁機能を 統合し、企画立案と事業実施体制 を一体化しました。結核対策を市 政に反映するよう、保健所が政策 立案や予算、事業企画を主導して いきます。 2塗抹陽性患者の発見 菌検査の把握︵培養・同定・薬剤 感受性検査を含めて︶を確実にし なければなりません。結果確認だ けでなく菌検査の重要性を医師に も患者さんにも理解してもらうた ●9/2 000複十字 №275 9 1 2 特対 名古屋 保健予防課主査 小田内里利 名古屋市における 治療脱落中断者の状況調査 名古屋市中村保健所 不定者のテント住居の場が多い公園 を抱える中区並びに土木建築会社の 寮を抱える港区や南区であった。 定住者と住所不定者の比較 ①発見契機・治療歴・中断歴・既往 歴・治療開始時排菌・治療中断後の 治療再開・治療効果については、不 明を除くと、定住者と住所不定者で は差が見られなかった。 ②平均年齢は、定住者 ・4歳、住 度の厚生省結核対策特別促進事業で、 対象者 名、帰国︵外国人︶が5名であった。 不明が 名、病院・施設入所中が9 者の方が有意の差をもって若かった。 所不定者 ・8歳であり、住所不定 医療機関 ホート観察調査で治療脱落中断とさ 2826名であった。このうち、コ 平 成6年 か ら8年 の3年 間 で 合 計 161名の調査対象者から、肺外 検討対象者の選定 が未返送であった。 送付し、142名返信があり、 名 指導を多く実施していた。 を除くと、定住者の方が有意に保健 を含め病変も大きく広がっていた。 6 以下のデータから調査・分析を実 女性 名、中断の定義に該当しない 結核及び転症となっている者 名、 2・8カ月後、住所不定者で2・0 ⑤平 均 治 療 中 断 時 期 は、定 住 者 で 3 0 1結核登録票︱161名分 施した。 訳は、定住している者 名、住所不 討・分析を実施した。この 名の内 者 名を除いた男性 名について検 ⑥治療中断時排菌は、不明を除くと、 意に早い時期に中断していた。 ヵ月後であり、住所不定者の方が有 治癒率向上のためには、治療脱落中 4名︶であった。アンケートを送付 ︵うち、転居先不明が 名、死亡が 名から返信があり、 名が未返送 繁華街を抱える千種区、名古屋駅前 住所不定者が多く見られたのは、 結果 どによる保健指導は、不明を除くと、 ⑦医療機関におけるパンフレットな いと思われた。 のに対して、名古屋市では5・ % 2結核コホート調査票︱161名分 断を無くすことが大切であると考え 住所不定者の方に対して有意に治療 住所不定者の方がやや菌陽性者が多 と高いことから、名古屋市の治癒率 定者 名であった。 た。そこで、再興感染症としての結 医療機関で結核の保健指導が行われ 9 3 を 抱 え、区 役 所 に 住 所 不 定 者 の 相 9 3 談・援護の担当を持つ中村区、住所 5 6 2 7 していない 名の内訳は、住所不定 3 7 者が 名、死亡が8名、転居・所在 8 5 核の現状調査として治療脱落中断者 7 6 1 04 9 名に送付し、 を低下させている要因として治療脱 1 3 3患者アンケート︱ 2 8 落中断の影響が大きいと考えられ、 9 の状況調査を行い、名古屋市の治癒 4 0 3 6 8 方法 であり、名古屋市は ・ %と下位 8 5 から5番目であった。また、治療脱 9 落中断者は、全国で3・ %である 8 2 ④初回保健婦訪問保健指導は、不明 平成8年度のコホート観察調査の 目的 れた161名について今回の調査を 4 7 実施した。 7 1 結果、全国の平均治癒率は ・ % たので報告する。 ③学会分類は、住所不定者の方が有 5 5 意に病型はひどく、両肺への広がり 率向上対策を考えていくことにした。 1. 4医療機関調査票︱のべ 1 4 に、患者のべ172名分の調査票を 1 1 名古屋市の結核新登録患者数は、 1 0 治療脱落中断者の調査研究を実施し 名古屋市では、平成 年度と 年 事業 9/2000複十字 №275● 10 ⑧医療機関側から見た本人の認識状 ていた。 識されていたのは 名であった。つ であり、そのうち双方から中断と認 が治療中断と認識していたのは 名 断とされていたのは 名、患者本人 はあるが、アパートに表札もなく定 寮に住んでいることが多く、住民票 4タクシー運転手︵5件︶︱会社の スもあった。 く、結核の病状もひどい。早い時期 住者で比較すると、住所不定者は若 足・病識がない、治療中断について 割合が高い。住所不定者は、認識不 師の指示を守って治そうとしている れ不明を除くと、定住者の方が、医 機関にアンケートをとった。それぞ 療中断者がかつて入院していた医療 3段目④の医療機関調査票の中で治 てどのように思っているのか、前頁 断について、また経済的不安につい 患者本人が、病気のことや治療中 る内服中止、脳梗塞合併で経口摂取 われたケース︵ 件︶︱副作用によ 1医療の面から見て特徴があると思 に分けられた。 なるグループがいくつかのパターン らに詳しく検討すると、治療中断と この 名について、登録票からさ れていたのは 名に過ぎなかった。 関または本人から治療中断と認識さ 者の検討対象者 名のうち、医療機 ま り、 ︵定 義 上 中 断 と さ れ る︶定 住 ケースもあった。 理検診を受診して経過を見ていった 治療を継続したケース、保健所の管 が無いケース、治療中断しながらも 健所からのアプローチに対して反応 スもあった。また、治療中断後の保 が多く、全く面接をしていないケー 日雇いやとび職、土建業などの職業 があると思われたケース︵ 件︶︱ 5性質や職業などの面から見て特徴 着して居住しないことが多い。 べた治療完了者とを比較すると、治 9年度の全国コホート観察調査で調 ず、経済的不安も高い。 ということに対しての理解も見られ ており、病識もなく、治療脱落中断 は、結核治療に対する認識が不足し 機関への調査によると、住所不定者 保健所からでは少ない。また、医療 療機関では多く実施されているのに おり、結核についての保健指導は医 に菌陽性のまま治療脱落中断をして 治療脱落中断者を住所不定者と定 上がると考えられる。 況 悪いことだと分かっている、経済的 今回の調査は、住所不定者 名、 考察 確認ができた 名のうち、治癒であ から中断時の本人の認識を見ると、 た、定住者について、登録票の記録 療機関は治癒だと認識していた。ま 断の定義に当てはまりながらも、医 あったが、定住者は 名中 名が中 全員が医療機関から見 て も 中 断 で た中では、住所不定者は 名のうち 医療機関からの調査票が返ってき 3若年者︵2件︶︱治療中断後の職 スもあった。 をしておらず、情報が何もないケー 確認はしていない。また、全く面接 治療が多い。帰国予定については、 療を受ける場合には、無保険で自費 2外国籍︵4件︶︱外国籍で結核治 療︵他疾患の可能性︶など。 門ではない医療機関による診断的治 規 則 治 療、服 薬 指 導 な し︶ 、結 核 専 問題︵菌陽性にもかかわらず外来不 く、住所不定者の治療脱落中断を阻 断者に占める住所不定者の割合は高 ことからも分かる様に、治療脱落中 検討対象者の5分の2に及ぶ。この 落中断者は調査対象者の4分の1、 の 分の1であるが、今回の治療脱 は、平成9年度では、全新登録患者 屋市の新登録患者のうち住所不定者 定住者 名について検討した。名古 について実施し、住所不定者 名、 定住者121名の合わせて161名 査では明らかにならなかった。 ターもあるかもしれないが今回の調 至っているのはなぜか、別なファク 分かっている。しかし、治療中断に 安があり、治療中断は悪いことだと を持つ肺病変があり、経済的にも不 また、これらの者は、再治療で空洞 2週間以内の指導についても少ない。 または家族への指導の割合が低く、 療脱落中断者に対しての方が、本人 1 5 3 3 1 0 5 6 3 7 ﹃本当の治療中断﹄? ると認識しているのは 名、中断で う概念が考えられ、全国各地でケー 平 成2年 に、 ﹃予 防 可 能 例﹄と い あると認識しているのは 名であっ 1 1 止すれば名古屋市の治癒率はグンと について、治療脱落中断者と、平成 定住者の初回保健婦保健指導状況 不安がある、治療開始時と治療中断 不能、アルコール依存症、痴呆によ 3 1 る服薬理解不足、結核の治療方針の 2 3 時の症状が不変の割合が高かった。 2 0 場検診で経過観察となっているケー 2 0 3 0 3 1 5 1 た。すなわち、医療機関から治療中 ●9/2 000複十字 №275 11 4 0 3 4 5 6 1 2 3 4 2. 特対 名古屋 事業 気で治す気持ちを持ってもらうこと もらい、治療を最後まで継続して本 を普及し、治療中断の怖さを考えて 結核という病気に対する正しい知識 ちを盛り上げることが必要である。 2患者本人の治療継続に対する気持 リアできると思われる。 これからも心して実施していけばク 上がってきていると感じているので、 調査後、住所不定者への指導件数は を完全実施するべきである。今回の 1保健所保健婦による初回面接指導 ︿住所不定者に対して﹀ 患者管理に役立てる必要がある。 でアプローチしたらよいのかを探り、 に入らない︶させるにはどんな方法 とは言わず、治療脱落中断者の定義 療期間の2カ月以内の中断は再治療 中断後の2カ月以内に治療再開︵治 たら中断しなかったか、また、治療 保健所がどのようなアプローチをし 確立し、ケース検討を十分に行い、 定義と要因別分類についての概念を ﹃治療中断防止可能例﹄についても、 マッチした指導方法︵夜間の指導な 3若 年 者 に つ い て は、そ の 世 代 に 必要であろう。 ての勉強会などを考えていくことが 療機関との症例検討や治療法につい 携の必要性を感じ、今後は、治療医 対策における保健所と医療機関の連 2医療の面からは、これからの結核 完了には大切である。 1本人への2週間以内の面接が治療 ︿定住者に対して﹀ 治癒が望めると考える。 対する認識を持ってもらえば結核の 定期的保健指導により、治療完了に している。そこで、DOT保健婦の 治療をきちんと継続することを目指 治療完了を促す患者サービスであり、 れているが、本来は、監視ではなく 配付のみが画期的方法として注目さ では直接監視下による服薬と報奨の るのが目的であり、DOT事業の中 機関退院後のDOT実施へ結び付け て保健指導をする。この方法は医療 けて結核の基礎知識から治療につい 訪問面接を実施し、患者に時間をか 中の住所不定者に対して、定期的に 婦は、医療機関の協力を得て、入院 であると考える。 DOTSを確立していくことも必要 況も国民性も違うことから、日本式 が、日本はニューヨークと結核の状 TS事業が大きな成果を挙げている る。ニューヨークにおいては、DO 大したらどうかという意見も聞かれ この対象者を住所不定者以外にも拡 象者は住所不定者に限っているが、 日本で実施されているDOTSの対 OTSを考えてみたらどうか。現在 ながら患者に服薬させる名古屋式D 訪問等して、看護婦等が直接確認し そ1カ月以内︶に把握して、居所へ と、治療中断した患者を早期︵およ したら治療が継続できるかと考える ばならないと思う。この場合、どう ローチの手法を確立していかなけれ 内に治療が再開できる よ う な ア プ フォローについて、中断後2カ月以 グループと言えるが、治療中断後の であり、治療中断となるハイリスク ら見て特徴があると思われたケース 5タクシー運転手などは、職業面か ないかと考える。 患者発見時の行政的支援が必要では な問題があるが、医療機関での結核 4外国籍の患者については、全国的 検討していく必要があると感じた。 診断の的確性も含め、全国レベルで 討課題であり、治療開始時の結核の ケースが見られることが、今後の検 療医療機関で治癒と診断されている 合、治療脱落中断と言えるのに、治 結核の標準的治療期間から見た場 治療脱落中断者への対応 治療中断と治癒 が必要である。そのためには、平成 どの工夫︶を探る必要性がある。 役割が注目される。このDOT保健 年2月から名古屋市が実施してい ス検討が行われた。これと同じく、 るDOT事業の中のDOT保健婦の 2. 1. 1 2 9/2000複十字 №275● 12 ずいひつ ドイツの冬 しくなり、また冬になればなったで夏の暑さが懐かしく 人間とは勝手なもので、暑い夏が来ると冬の寒さが恋 音楽会も冬のものだ。フライブルグのような小さな町 られ、美しい。2月のカーニバルのにぎわいも楽しい。 クリスマスからお正月にかけて、街中は豆ランプに飾 ンサートが開かれる。 にも立派なオペラ劇場があり、毎晩のようにオペラやコ なる。この夏の猛暑に辟易し、かつて過ごしたドイツの 冬の日々を思い起こした。 今から数えると二十数年前の1973年1月末、私は サッカーシーズンも冬である。時には雪の中で試合が 行われることもあるが、スタンドの熱狂は寒さなど問題 デュッセルドルフのライン河畔にしばしたたずんでいた。 そしてやがて5月。長い冬中じっと身をひそめていた 空はどんよりと曇り、水平線の近くに太陽が淡くかすん 草木が一斉に芽を吹き、野山が日々、緑を濃くしていく。 にしない。 団の奨学生として希望に満ちた渡独のはずであったが、 で見えるだけの寒々とした風景であった。フンボルト財 単身の淋しさ、言葉の不自由と研究生活への不安などが すべての花々も色とりどりに咲き乱れ、その美しさはハ 五月﹂を聴くまでもない。この感動があるから人々は長 イ ネ の﹁詩 人 の 恋﹂を、シ ュ ー マ ン が 歌 っ た﹁ 美 し の うるわ 余計寒さを募らせ、心を暗くしていた。 そ の 後、南 西 ド イ ツ の 古 都 で シ ュ ヴ ァ ル ツ ヴ ァ ル ト い冬に耐えられるのだろうと思う。 日本の四季の変化と、その時々の美しさは世界でも類 ︵黒い森︶の中心地であるフライブルグに住み、ドイツ 淋しがっている暇はなかった。日本からの留学生同志が をみない。そしてその季節に応じた楽しみ方がある。そ 語学校に通った。久しぶりの学生生活で勉強に追われ、 親しくなり、また片言ながらドイツ語が通じるようにな とは思いながらも、今年の夏の暑さは尋常ではなかっ のことにもっと日本人は感謝すべきであろう。 月頃から日差しが弱くなり、 た。ドイツの冬の日々を思い出しながら、本格的な秋の ドイツは冬の国である。 るとようやく生活を楽しむ余裕が出てきた。 昼間の時間が目に見えて短くなる。そして長い夜の日々 到来と、それに続く冬の訪れが待ち遠しい今日この頃で 前結核予防会 ある。 ( 第一健康相談所長 ) が4月まで続く。だがドイツ人達はその長い冬を上手に 日本BCG研究所 副所長 楽しんでいる。外の寒さは厳しいが、家の中は隅々まで 暖房が行き届いていて、1年中同じ服装で過ごせる。そ んな快適な住居で、家族との語らいを楽しむ。また友人 明 小山 を招き招かれてのパーティは頻繁で、ワイン、ビールが 人々をより饒舌にする。彼らが議論好きなのはこんなと ころから生まれたに違いない。 ●9/’ 2000複十字 №275 13 1 0 結核予防週間に寄せて 赤信号が出た日本の結核 石川信克 に心筋梗塞を患い、アルコール性肝障害、糖 尿病がありました。糖尿病はある病院で治療 中でしたが、うまくコントロールできていま せんでした。今年3月頃よりやせが目立ち、 4月頃より咳も出てきましたが、本人も気に しておらず、主治医も特に何の検査もしませ んでした。5月に出勤後、低血糖発作を起こ し、救急車にてある病院へ運ばれましたが、 胸部X線検査で肺結核を疑い、結核専門病院 に転院しました。急性呼吸不全のため、胃液 本人は2年前より膠原病のため、ある大病院 母。子供の結核から逆に発見された例です。 歳 の 女 性、2児︵7歳 と4歳︶の まず最近出会った患者さんの事例から考え 変換が迫られていることは間違いありません。 れには様々な要因が考えられますが、対策の の多い環境にあり、発病因子がそろっていま れにしてもこの人は若いとはいえ、感染機会 トレスも発病促進に関係あるでしょう。いず 病が促進されたのでしょう。生活難などのス 可能性が考えられ、ステロイド剤によって発 は、看護助手をしていたときに感染を受けた とも感染していました。本人の感染と発病で は4×8 = で最重要となります。子供のお 陰で発見されたわけですが、当然子供は2人 やっと診断されましたから、感染危険度指数 の遅れです。咳症状が出てから4カ月経って 例3 人以上が結核で亡くなっています。 250人程、さらに の う ち、 たことです。最近の年間結核死亡2700人 状があったにもかかわらず受診や診断が遅れ トロールがうまくできていなかったこと、症 死亡しました。 しかし、全身状態は徐々に悪化し、 吸管理下で結核の化学療法が始められました。 をとったところ結核菌陽性で、急きょ人工呼 で治療を受けていました。その後ある施設で 血圧、糖尿病があり、ある病院で治療中でし この患者さんで問題となるのは、まず発見 陽性︵ガフキー8号︶でした。 結核研究所副所長 日本の結核問題は、従来の減少傾向が増加 看護助手をしていました。今年4月になって、 すので、結核のハイリスクグループに属しま た。 に転じ、いまや赤信号が出たと言えます。こ 膠原病の再発でステロイド剤の投与が始まり、 す。担当医は当然早く胸部レントゲン写真を 受けました。今年2月より全身が疲れやすく 若い人の結核が減っていない | %は 歳 以 上 で す が、 歳代で この患者さんの問題は、まず糖尿病のコン 2 1 5 0 年前より高 歳代の若さでも110 4 0 | 歳 女 性、商 店 経 営。 6 0 年前には子宮癌の手術、放射線治療を 1 5 8 9 例1 日目に 同時に咳も出てきました。8月には咳、たん、 撮るべきでした。 年前 6 5 てみましょう。 胸痛などが出てきましたが、胸部X線検査は されませんでした。子供が発熱、小児科を受 | 歳 男 性、大 手 企 業 の 社 員。 した。3月より起きられなくなり、別の病院 が、その病院では特に精密検査はしませんで なり、食欲もなく、体重も減少してきました 1 0 3 2 防げるはずの結核死亡が減っていない 例2 1 0 診し、肺結核と診断されました。その後、家 族検診にて肺結核が発見され、喀痰は塗抹強 4 3 2 7 9/2000複十字 №275● 14 は小康状態となりましたが、全身状態が悪化 付けて結核治療が始められました。いったん でした。呼吸不全があるため、人工呼吸器を より粟粒結核と診断、胃液検査で結核菌陽性 疑われ専門病院に送られてきました。検査に に入院し胸部X線検査をしたところ、結核が 題であるという自覚を強め、手抜きでもなく、 厚生省も自治体も、感染症の制圧は政治的課 世界的な汚名を残すことになりかねません。 に結核を半減することはできないばかりか、 上がったとはいえ、本気でかからねば 年後 その他の都市での取り組みも、ようやく腰が 大 阪 市︵全 国 平 均 の3倍 以 上︶ 、東 京 の 諸 区、 しょう。結核問題がますます深刻化している 要でしょう。 正しい知識の伝達や、地域的な取り組みも必 必要です。マスメディアや地区組織を通じた れ、関心の低下に対しても、定期的な警告が に対しては、年々延びている患者の受診の遅 よることを知らされるべきであります。住民 責任の半分が、診断の遅れや不適切な治療に しょう。医師や医療機関は、今の結核問題の 特色が現れています。まず、糖尿病は結核発 必要と思われます。 して行うという強い意志と大胆な方向づけが あれもこれもでなく、最重要な優先策を徹底 この患者さんには、最近の高齢者の結核の 病のハイリスクです。そこへがんの放射線治 今年の結核予防週間の重点目標は、1地域 今年の重点目標 し、7月末に死亡しました。 療をしていますから免疫抑制作用のため、さ いつの時代にも共通の課題と言えるものです の状況に即した対策の強化、2国民の結核に 結核に直接・間接関与している専門家の責 が、日本の結核事情が改善していない現状に ︿専門家の決意﹀ 任は大です。結核を減らすために必要な優先 における治療率向上︵DOTS︶事業の開始 防止の手引き、積極的疫学調査の導入、都市 保健所での対策強化の手引き、施設内の感染 する自らを含めた警告を行いました。その後、 言を発し、低迷している日本の結核問題に対 わが国では厚生大臣が昨年、結核緊急事態宣 も重要なことは、行政の強い政治的決意です。 国や自治体で結核を減らしていくために最 行政努力の評価など、地域固有の課題をとら 例検討、住民の意識調査、疫学指標の分析、 はそれぞれの地域において、絶えず患者の事 う。このために、予防会支部や地域の保健所 ニアでなければ存在価値は無いと言えましょ は、率先して専門家集団をリードするパイオ 行政に進言する必要があります。結核予防会 し、時代に合った有効な施策を勇気を持って り根拠の弱いものを厳しい科学的な目で見直 ち、絶対必要なもの、根拠のあるものと、よ ます。現在行われている様々な結核対策のう たことなど、まさに赤信号が出ているのです。 者の間で結核を﹁忘れている﹂傾向が強まっ れなど国民一般はもとより、医師・医療従事 鈍化が見られること、受診の遅れや診断の遅 ていること、若い年齢層でも増加傾向や減少 特に都会で増加しており、地域格差が拡大し の新登録患者数が2年連続して上昇したこと、 対して特に必要なことと言えましょう。結核 対する正しい理解を深めることです。これは、 も、そのことを医師が疑っていなかったため 的研究課題や、活動方針を見直す必要があり など様々な方策が出されつつあります。今後 え発信しているでしょうか。新しい試みを促 ︿行政の決意﹀ それらをいかに確実に持続的に全国で展開し 進し、その成功・失敗から学ぶ姿勢も必要で 強めたい決意 に早期の診断がやや遅れたと言えましょう。 らにリスクは高まったと言えましょう。しか 1 0 て い く か、行 政 的 責 任 は 当 分 重 い と 言 え ま ●9/2 000複十字 №275 15 結核予防週間 9月24日∼30日 9月2 4日 (日) ∼3 0日 (土) 1 趣 旨 我が国の結核事情は、かつて多くの人々の命が奪い去られた時代には想像もできなかったほどの大幅な改 善を遂げてきた。 しかしながら、我が国の結核の現状は、年間約4万4千人の新規結核患者が発生し、約2千8百人が結核 で亡くなっているなど、罹患率、死亡率は先進諸国の中で最も高い水準にある。さらに平成9年にはこれま で減少を続けてきた新規発生患者が3 8年ぶりに、罹患率が4 3年ぶりに増加に転じ、平成10年もこの傾向が 続いているので、結核が再興感染症として猛威を振るうのではないかとの危惧が現実のものとなっている。 そこで、厚生省では昨年7月に「結核緊急事態宣言」を行い、関係団体、地方自治体及び関係省庁に対し て、結核問題を再認識し、各種対策の推進に努めるとともに、国民に対する啓発活動を強化するよう要請し ているところである。 結核対策を推進するためには、結核対策の取り組みについての国民一人一人の理解と協力が必要不可欠で あることから、この結核予防週間を機会に国民の結核への関心を大いに高めるとともに、結核に関する知識 を深め、結核対策の推進に一丸となって取り組む気運を高めることを趣旨とするものである。 2 主 催(予定) 厚生省、都道府県、政令市、特別区、 社 日本医師会、 財 結核予防会、 社 全国結核予防婦人団体連絡協議会 及び 財 健康・体力づくり事業財団 3 後 援(予定) 文部省、労働省、日本放送協会、 社 日本新聞協会、 社 日本民間放送連盟、 財 日本学校保健会、 社 国民健 康保険中央会、健康保険組合連合会、 社 生命保険協 会、全国地域婦人団体連絡協議会、 社 全国地区衛生 組織連合会、 社 日本放射線技師会及び 社 日本看護協 会 4 実施期間 平成12年9月2 4日 (日) から9月3 0日 (土) まで 5 重点目標 1地域の状況に即した対策を強化し、よりきめ細 かく結核に対する正しい知識の啓発に努める。 2国民の結核に対する正しい理解のため、結核予 防婦人会を始めとする地域の団体組織などを通 じて、普及啓発を図る。 6 結核予防週間中の標語 「結核!みんな知ってる 忘れてる。 」 その他実施機関によって適宜作成するものとす る。 7 実施行事等 1 結核予防週間の周知 結核予防週間のポスターを作成し、関係各機 関へ配布するほか、電車・バス内での広告、懸 垂幕、電光掲示板等により国民一般に対して結 核予防週間の周知を図る。 2 結核対策推進優良市町村の表彰 結核対策の推進を図るため、結核対策全般に わたって優良な成績をおさめている市町村に対 し、 財 結核予防会総裁表彰を行う。 資料の配布 結核に対する関心を高めるため、関係各機関 等に結核予防のためのポスター、リーフレット 等を配布する。 4 講習会等の開催 結核予防活動を推進するため、結核予防婦人 会を中心とした地区組織の拡充強化を図るとと もに、各地において講演会、講習会、パネル展 等を開催する。 5 児童・生徒への結核の知識の普及 結核の正しい知識を児童・生徒に普及するた め、全国の小中高等学校において学級活動、学 校行事等を通じて指導するよう、文部省の後援 により呼びかける。 6 街頭健康診断等の実施 結核予防週間の周知と国民一般の結核に対す る関心を喚起するため、街頭健康診断を行うほ か、結核予防を周知する語句の入った風船、広 報ポケットティッシュ等を手渡すなどして結核 予防思想の普及を図る。 7 報道機関等との連携 全国の主要な報道機関にリーフレット等の広 報資料を配付し、結核予防週間の周知、行事の 取材等を依頼する。 広報誌、関係機関誌等に結核予防に関する記 事が掲載されるよう積極的に依頼する。 8 その他 上記のほか、各地域で適宜結核予防週間の趣 旨に沿った行事を行う。 (例)一日保健所長、各種集会の開催、標語の募 集等 3 平成1 2年度結核予防週間実施要領 9/2000複十字 №275● 16 結核予防会支部・関連普及活動(予定) 優良市町村表彰 けいりん号伝達式 結核予防週間に関係して、全国各地でイベントや広報 活動が行われます。 結核緊急事態宣言が発せられて1年。新たに全国一斉複 十字シール運動キャンペーンも加わり、一層のパワーが感 じられます。 結 核 予 防 週 間 中 の9月2 7日、ホ テ ル ニューオータニにて第4 4回結核対策推進優 良市町村表彰式と、第4 3回胸部検診車「け いりん号」完成伝達式が行われます。 結核対策推進優良市町村 ◆イベント 県 ・健康まつりでのビデオ上映・パネル展示〔北海道〕 ・街頭パレード〔青森〕 ・健康づくりポスターコンクール〔岐阜〕 ・結核予防推進大会〔大阪〕 ・結核予防事業功労者表彰〔鳥取〕 ・健やか香川2 1フェスティバル〔香川〕 北 秋 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 新 ◆街頭募金〔北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・ 福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・ 山梨・長野・富山・石川・福井・静岡・三重・滋賀・京 都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広 島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・長崎・熊本 ・大分・宮崎・鹿児島・沖縄〕 道 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 幌加内町 大 潟 村 東成瀬村 尾花沢市 柳 津 町 龍ヶ崎市 都 賀 町 館 林 市 児 玉 町 印 西 市 新 穂 村 富 長 岐 兵 兵 岡 岡 徳 佐 宮 海 道 手 城 木 潟 阪 山 野 阜 庫 庫 山 山 島 賀 崎 名 市町村名 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 滑 川 市 下 條 村 白 川 町 加古川市 稲 美 町 北 房 町 川 上 村 神 山 町 浜 玉 町 門 川 町 和 歌 山 鳥 取 長 崎 複 十 字 病 院 第一健康相談所 複十字シール運動PRビデオ2000完成 願いよ届け﹂ 平 成9年 に 製 作 し た ﹁愛よ届け に 続 き、新 作 のPRビ デ オが完成しました。 タ イ ト ル は、﹁一 枚 の シ ー ル が 世 界 を 結 ぶ∼複 十字シール運動∼﹂ 。今回 は、募 金 協 力 者 で も あ る 内容は、複十字章の説 まとめております。 明から始まり、結核の現 状、シールの歴史と役割、 募金活動の様子、平成 年度募金額、益金の使途 説明、図案募集告知と続 き、最後は、竹下さんご 自身の運動参加の感想で 全国の結核予防会各支 ●9/2 000複十字 №275 締めくくられています。 部と結核予防婦人会には、 すでに配布済みですので、 講習会、研修会等におい ての運動PRに、ぜひご 活用下さい。 17 1 1 1 5 女優の竹下景 子 さ ん に 出 根・高知〕 *そのほかポスター・パンフレットの配布、ビデオ貸し出 し、メッセージ入りグッズの配布、PR車(ステッカー 等貼付) 、職員ワッペン着用など 分間で 知・熊本〕 ◆ラジオ放送・街頭放送〔栃木・富山・岐阜・滋賀・島 演 を お 願 い し、 知・長崎・熊本・宮崎・沖縄〕 ◆テレビ放映・スポットCM〔山 形・静 岡・滋 賀・高 ◆新聞記事/広告〔秋田・長野・静岡・岐阜・三重・高 県 北 岩 茨 栃 新 大 ・大阪・兵庫・岡山・徳島・愛媛・高知・沖縄〕 千葉・神奈川・富山・石川・福井・愛知・三重・滋賀・ 兵庫・岡山・広島・徳島・福岡・長崎・熊本・宮崎・鹿 児島・沖縄〕 市町村名 けいりん号受配支部・事業所 ◆講演会・研修会〔宮城・福井・三重・京都〕 ◆無料検診・健康相談〔青森・秋田・長野・三重・京都 ◆電 光 掲 示 板・懸 垂 幕・パ ネ ル 展 示・看 板・ポ ス ター掲示〔北海道・秋田・山形・栃木・群馬・埼玉・ 海 田 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 潟 名 育頁 教の 免疫抑制宿主における 9 0 3 3 2 4 3 1 3. 0% 9 1 3 6 9 6 1 1 6. 5% 9 2 3 7 3 5 6 1 5. 0% 9 3 3 4 8 3 8 1 0. 9% 9 4 3 4 4 5 3 1 5. 5% 9 5 4 1 1 6 7 1 6. 3% 9 6 3 7 3 5 1 1 3. 7% 9 7 3 4 5 4 9 1 4. 2% 9 8 3 8 1 6 9 1 8. 1% 4 1 6 9 5 8 8 1 4. 1% ことが多いことから、結核患者の発病数を減 0%、女性では8・3%と、男性の合併頻度 併頻度は増加傾向にありました。男性は では、 歳代が ・3%、 ループであると認識していない 歳代が ・ ・ 最近、当院に入院した初回治療の糖尿病合 . 併肺結核症例のうち、糖尿病と肺結核が同時 X線検査を受けていたのはわずか 名でした。 ・ 名 動性病変の7名を除き、治療歴がないにもか りが8名、活動性病変ありが7名でした。活 中、肺結核の病変なしが6名、陳旧性病変あ り寄せが可能であったのは 名を含め、過去に撮影した胸部X線写真の取 名中、定期的に胸部X線検査を受けていた 回治療例で、かつ糖尿病の発見が先行した 最近、当院で入院治療を行った肺結核の初 見で陳旧性病変が多く認められた 3糖尿病合併肺結核症例の過去の胸部X線所 かりました。 ることを、ほとんど認識していないことが分 糖尿病は結核発病のハイリスクグループであ 3%︶でした。糖尿病を診療している医師は、 名︵ 名中、定期的に胸部 計 結核発病防止 山岸文雄 1 1. 7% に発見された者を除く 1 1. 0% 3 5 5 7 副院長 当院にて入院治療を行った肺結核患者にお け る 糖 尿 病 合 併 頻 度 を 検 討 し た と こ ろ、 3 2 2 9 9 2 6 国立療養所千葉東病院 歳以 年間に、肺結核 少させるためにはこれら免疫抑制宿主に対し は女性の約2倍でした。年齢別の合併頻度で 年までの て、対象を絞り込んだ化学予防が望まれてい は、男性は ・6%と、合 ます。そこで結核を発病する免疫抑制宿主と 4%と、働 き 盛 り の 年 代 で 合 併 頻 度 が 高 く ・5%、 して、糖尿病、腎透析、膠原病、肺癌を取り 1 6 2 3 ・8%、 上げ、化学予防を行うことの是非、及び化学 1 2 なっていました。 5 0 1 5 2医 師 は 糖 尿 病 は 結 核 発 病 の ハ イ リ ス ク グ 2 1 1 4 1 5 はじめに 現在の結核新登録患者の半数以上が 2 9 0 8 9 1987年から 8 8 患者4169名中、糖尿病合併例は588名、 3 4 上の高齢者からの発病で占められ、また高齢 3 0 4 者はステロイド剤の服用者や糖尿病合併者な 1 9 8 7 ・1%で し た︵表︶ 。4年 ご と の 合 併 頻 度 (人) 年 年次別糖尿病合併頻度 表 どの結核発病のハイリスクグループに属する (人) 1 55 7 9 8 予防を行う場合の対象者設定基準について検 糖尿病 討を行いました。 1 1肺結核患者における糖尿病合併頻度の増加 4 0 1 1 1 1. 2% 糖尿病 2 1 1 4 合併頻度 肺結核 2 1 6 0 9/2000複十字 №275● 18 ・4︵全 国 全 結 核 罹 患 率 ・0︶、女性 ・2 ・3︵同 ・5︶と、1・3倍、1・0倍と低率でし ︵全国肺結核罹患率 3 9 化学予防について、今後さらに慎重に検討す た。透析患者は過去の報告での罹患率は高く、 る必要があると考えられました。 . 年から 膠原病 核を発病しやすいと言われています。どのく 3 昭和 年間に慢性関節リウマチを らい発病しやすいかという相対危険度は、J R東日本中央保健管理所の内山先生の検討で は5・7倍、結核予防会千葉県支部の鈴木先 生の検討では5・6倍と、諸外国のものと同 いました。また放射線肺臓炎や脳転移に対し 名中6名であり、ステロイ てステロイド剤の長期投与がなされた症例は、 この3名を含め ド投与を長期間行う症例では化学予防が望ま しいと考えられました。 まとめ 免疫抑制宿主からの結核発病防止のための 化学予防の必要性、及びその対象者設定につ いて検討を行いました。糖尿病では結核治療 歴がなく胸部X線写真で治癒所見がある場合 には、化学予防は必要であると考えられまし 要ではなく、膠原病・肺癌ではステロイド剤 除き、当院に結核で入院しステロイド剤を投 以上で 長期投与例では化学予防が望ましいと考えら 名がプレドニゾロン1日 した。この投与により結核発症のリスクが増 以上の投与を長期間行う場合には化学予 が認められたことから、プレドニゾロン1日 れました。 1 0 mg すとの報告があり、また今回の検討でもそれ 名中 患者では糖尿病合併率が高いことから、糖尿 様に高い値でした。また今回検討した肺結核 1 2 た。また、腎透析での化学予防は必ずしも必 ました。その対象者は、結核治療歴がないに もかかわらず胸部X線写真で治癒所見が認め 歳代で糖尿病合併頻度が高いことよ られる者とし、また男性の肺結核症例では 歳代、 り、高齢者に限らず必要であると考えられま 腎透析 4 . . 年から 肺癌 昭和 年間に当院に入院し、肺癌 防が望ましいと考えられました。 1 0 mg 治療が肺結核発症より先行した肺癌合併肺結 1 0 した。 2 腎透析を行っている2893施設に結核発 1 5 与された膠原病症例の結核発病時の投与量は、 1 0 名について検討を行いました。陳旧 核症例 男性では 2 3 ・8︶ 、 ・8%︶から回答を得ました。平成8年 ︵ 性肺結核の病変を認めたものは4名で、この ・1%︶に治癒所見 かわらず には220名の結核患者が発生し、二次調査 名中8名︵ を認め、これら8名は糖尿病の指摘から平均 4名中3名にステロイド剤の投与がなされて が認められた時に化学予防を行っていれば、 4 38 8 1・9倍でした。肺結核罹患率は男性 ・2︶と、2・0倍、 ・2︵同 学予防対象者の設定 4糖尿病患者における化学予防の是非と、化 女性では 4 0 結核発病が防げたかもしれません。 で 名の回答を得ています。全結核罹患率は 年で肺結核を発病していました。治癒所見 5 7 糖尿病の人は、そうでない人に比較して結 1 8 1 2 4 4 5 2 4 1 7 9 1 4 病に対する化学予防は必要であると考えられ 6 3 1 2 6 3 5 0 病 の 実 態 の ア ン ケ ー ト を 行 い1210施 設 ●9/2 000複十字 №275 19 1 9 1 5 複十字病院 禁煙外来紹介 複十字病院禁煙外来担当 チン代替療法です。有用な方法ですが、これ だけでは効果はあまり期待できません。喫煙 にはさらに﹁習慣という繰り返し︵修行︶依 存﹂があるためです。 回たばこを口にすると仮定する この依存の正体は条件反射です。つまり、 1本あたり 本の喫煙者は、1日300回喫煙 あり、ニコチン依存性も強く、自力での禁煙 喫煙は長年にわたって染み着いた生活習慣で えています。しかし、多くの喫煙者にとって て広く知られるようになり、禁煙希望者が増 喫煙の健康への悪影響は隠し難い事実とし くなるのです。その原因は﹁薬物﹂と﹁修行﹂ やめられる﹂と思っているうちにやめられな トロールが問題なのです。そして﹁いつでも 喫煙シーンなど、これらによるマインドコン る自販機、魅力的な喫煙ポスター、テレビの 戦略をたてています。具体的には街にあふれ を熟知しており、その心理を標的にした販売 カーは若年者がイメージ重視で喫煙すること 開 始 は 無 理 か ら ぬ こ と だ と 思 い ま す。メ ー しい回路を作り上げ、喫煙回路を押さえ込め ことはありません。新たな習慣を身につけ新 では禁煙は不可能なのでしょうか。そんな てしまう事実をよく説明し得ると思います。 なっても、ちょっとしたことで喫煙が再開し 経回路は消去困難です。ニコチン依存が無く 経回路の形成にあり、いったん形成された神 れるようになるのです。条件反射の成立は神 動あるいは精神状態から喫煙欲求が導き出さ 内山隆司 %が限度です。そこに行動心 病歴管理室室長 成功率は ∼ 理学、医学、薬学などの専門的知識と禁煙希 ばよいのです。これが禁煙における行動療法 時の一服が脳内にインプットされ、一定の行 り、食後の一服、トイレ後の一服、イライラ を繰り返します。これを毎日続けることによ と、1日 1 0 にあります。 1 はじめに 3 0 望者に対する共感をもって、禁煙の援助を目 2 0 奇心や仲間意識、未熟な自己表現が誘因です。 多くの喫煙者の喫煙開始は若年期であり、好 なくなるかを理解してもらうことが重要です。 第一に、なぜたばこを吸い始め、抜け出せ 断症状を緩和しながら禁煙を進めるのがニコ ムやパッチを用いてニコチンだけを摂取し禁 毒性はありません。そこでニコチンを含むガ 有害物質が含まれますが、ニコチンには強い るのが依存です。たばこには200種以上の 失を不快と感じるようになり、離脱困難にな 性があります。脳へのニコチン到達を快、消 ﹁薬 物﹂と は ニ コ チ ン の こ と で、強 い 依 存 ど重みがあって触感がよく、携帯しやすい物 ら歯ブラシをくわえる、手寂しさには文鎮な や冷水などの刺激、アメを頬張る、自宅でな 具体的には食後の散歩、口寂しさには熱い茶 生活習慣の形成に意志を向ければよいのです。 ても喫煙回路は消去困難なのです。ならば新 すが、これは間違いです。禁煙に意志を向け です。意志が弱いから禁煙できないと言いま 2 禁煙外来では何をするのか たばこが心理的物理的に身近にあれば、喫煙 的とする禁煙外来の必要性があると考えます。 1 0 9/2000複十字 №275● 20 に暇を与えないようにするのです。また、新 を用意するなど、たばこから遠ざかり口と手 人によって異なりますが、多くの場合1日 効果的です。1個150円前後で必要個数は すから喫煙欲求の高まった時に使用するのが 収され、比較的速やかに脳に到達します。で な成績ですが、全例有症状者で禁煙に対する かけなくても3割が禁煙するそうです。優秀 われ、熱心にやれば7割、普通で5割、手を の が ニ コ チ ン 中 毒 度 の 評 価 で、フ ァ ガ ス ト 法がその人に適当かを考えます。最も重要な よってかなりの差があります。どちらにする 週 間 か ら8週 間 が 目 安 で す が、こ れ も 人 に る 方 も い ま す 。 期 間 は ガ ム で も パ ッ チ で も4 がニコチン禁断症状のためで、減煙では禁断 ︵減煙︶べきかです。禁煙の挫折はほとんど 禁煙している人もいますし、何よりも病院か かじめ取っておきます。中には家族に内緒で はメールを送ることです。電話の許可はあら てに途中経過確認のため電話をする、あるい 人中8人で、全例が禁煙継 は共感を持って協力したいと考えております。 こそが第一の健康被害者であり、その禁煙に 煙に悩まされ続けていますが、本当は喫煙者 とが問題だと考えます。非喫煙者は喫煙者の 依存性があり健康を害する商品を販売するこ やめられないでいるのです。たばこのような 現に喫煙者の6割は禁煙したいと思いながら に気付いても抜け出しにくいということです。 に気付けば抜け出せますが、喫煙はその問題 しかし、根本的に違うのはカルトはその矛盾 喫煙にはカルトとの共通点が多数あります。 ます。 校低学年までに禁煙教育を開始すべきと考え よりも、喫煙予防の観点から、遅くても小学 のではなく、効果は乏しいと考えます。それ 喫煙習慣は啓発で左右されるような半端なも ある喫煙者に対しての啓発活動も必要ですが、 並びに そ の 宣 伝 が 重 要 で す。﹁無 関 心 期﹂に にある人に対しては、禁煙外来の普及と充実 されています。﹁関心期﹂ ﹁準備期﹂ ﹁禁煙期﹂ 心期﹂ ﹁準備期﹂ ﹁禁煙期﹂と4段階があると 喫煙から禁煙への移行には﹁無関心期﹂ ﹁関 4 おわりに 意欲も強いためと思われます。 習 慣 の 確 立 に は 半 年 は 必 要 で 、 こ の 間 に1 本 ニコチン吸収は持続的ですが即効性では劣り 個以内で事足りているようです。パッチでの でも吸うと元に戻ってしまう例が多いことも 銘記しておくべきです。 3 当院での具体的方法と実績 ローム法という簡単な問診を用います。中毒 か、あるいは併用するかは患者さんの喫煙傾 が、発汗、入浴などで剥がれやすく、かぶれ ます。1枚400円強で1日1枚で済みます 度の低い人では前述の行動療法だけで禁煙で 向や生活様式を把握し、それぞれの利点欠点 まずアンケートにより、どのような禁煙方 きる例が結構あります。中毒度の高い人には を考慮し相談して決めるのが現実的です。 症状が弱いながらもあり、期間が長くなると また、重要なことは、医師から患者さんあ ニコチン代替療法を薦めます。問題なのは完 当初の禁煙意欲が持続しにくいため挫折しや らの突然の電話は不吉なものです。禁断症状 全な禁煙︵断煙︶にすべきか、徐々に減らす すく、断煙の方が禁断症状が強くても禁煙成 3∼5カ月頃が重要ポイントです。 の強くなる禁煙開始後3∼7日目、気が緩む %︶が禁煙開始2カ月後 人 月に開設し、現在 功率が高いと言われています。誤解しないで 当院の禁煙外来は昨年 人︵ の評価可能例は には完全禁煙を達成しております。6カ月後 が受診し、 までに何らかの症状出現による院内紹介 1 0 欲しいのですが、ニコチン代替療法をすれば 本は禁煙 2 0 楽に禁煙できるということではありません。 本だから禁煙困難で、 8 5 また喫煙本数の多寡は禁煙の成功には関係な く、1日 容易というものでもないようです。 ガムにするかパッチにするかの選択も重要 1 7 続中です。一般に﹁禁煙指導の七五三﹂と言 ●9/2 000複十字 №275 21 2 0 です。ガムの場合ニコチンは口腔粘膜から吸 1 7 6 0 1 0 NGOレベルにおける結核対策共同モデル活動 藤木明子 インドネシア結核対策共同プロジェクト に 国際研修科総括主任 であると言われることがある。ところが質の 結核研究所国際協力部 おける喀痰塗抹検査技術の強化 ◆はじめに 均等性 汚 れ 1 0 1 0 1 0 0 1 0 2 0 6 0 1年半 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 4 0 未経験 7 0 7 0 1 0 0 6 0 3 0 0 6カ月 1 0 0 1 0 0 1 0 0 9 0 1 0 3 0 2 年 1 0 0 8 0 8 0 4 0 1 0 0 喀痰塗抹検査を語る時、その技術は﹁簡単﹂ % 9 0 表1 ている。 参加者 単 で は な い ら し い。﹁ら し い﹂と い う の は、 6 年 会と結核対策共同プロジェクトをジャカルタ 0 毎日何十枚と鏡検している検査技師でさえも 0 で開始して今年で4年目になった。このプロ 6 0 その標本作成技術や鏡検技術を評価すると、 8 0 ジェクトの目的は、世界的に導入・展開され 8 0 素人同様あるいはそれ以下の成績を見ること 1 0 0 があるためである。表1は今回塗抹検査技術 1週間 ているDOTS戦略をインドネシア結核予防 1 1 枚 会診療所ジャカルタ胸部疾患センター︵JR JRC バラデワ 4 5 枚 クリニック バラデワ 4 5 枚 クリニック バラデワ 4 5 枚 クリニック ア チ ェ 州 未実施 衛生研究所 ア チ ェ 州 未実施 衛生研究所 直接関わる標本の厚さ、塗抹の均等性やサイ 0 強化のためのトレーニングに参加した検査技 0 C︶及びバラデワクリニックに導入し、結核 6 0 み合格点に達している。これはきちんとした 7 0 ズについては、わずか2人が厚さに関しての 7 0 師のキャリア、1日に施設に来る検査スライ 1 0 0 ド数、そしてトレーニングを受ける前に参加 4 年 患者の治癒率を上げ、インドネシアの結核撲 1 1 枚 滅に寄与しようとするものである。DOTS JRC 訓練による基礎技術の習得無しには、日常業 B 者が作成したスライド標本を評価し、﹁適切﹂ 1 0 戦略を実施するにあたって最も重要なことは、 0 務を通じての技術の習熟は難しいことを示し 0 と判定さ れ た 喀 痰 塗 抹 技 術 の 成 績 を 六 つ の 7 0 信頼性かつ精度の高い喀痰塗抹検査技術の確 5 0 チェック項目ごとに示したものである。 9 0 以上適切と判定されたものを﹁合格﹂とする 6 年 保である。患者であるか否かの診断、また治 1 1 枚 癒したか否かの決定は全面的に喀痰塗抹検査 JRC ◆良い塗抹標本から良い鏡検結果が生まれる A ならば、すべての項目に﹁合格﹂を示す参加 良い技術を習得・保持しようとするとそう簡 サイズ 染色性 厚 さ 痰の質 所属施設 1 日 の 経験期間 検 査 数 成績に委ねられているからである。 月にインドネシアの結核予防 塗抹標本作成評価成績(適切と判定された割合:%) 参加者の背景 すでに述べた様に、参加者たちの塗抹標本 トレーニングを受ける前の参加者ごとによる 標本作成評価成績と参加者の背景 者は見当たらない。また、検査技師の技術が 1997年 1 1 C D E F G H 9/2000複十字 №275● 22 びバラデワクリニックで検査されたスライド る。実習1∼3回目までの結果は、JRC及 く影響する。それを示しているのが表2であ 塗抹標本では、塗抹の作成が鏡検結果に大き はなく連動しており、とりわけ弱陽性を示す 質と鏡検技術の質はそれぞれ独立したもので に伴い鏡検技術の質も悪い。塗抹標本技術の 作成技術は国際標準レベルから程遠く、それ る。鏡検成績に大きな改善が見られており、 に作成してもらったものを使用したものであ サハバタン病院検査室でトレーニングのため は、同国の呼吸器疾患の中心病院であるパル れ た。 実 習4回 目 以 降 の ス ラ イ ド 標 本 セ ッ ト ︵ し︵偽陰性︶については実習1回目に強陽性 1∼ り、それらは+/−及び1+︵100視野中 視野中平均 個 以 上︶ の 標 本 に1例 見 ら 個︶の標本に集中している。読み落と 標本の中で、できるだけ質の良い陰性スライ 読み間違いはすべて弱陽性の標本に、また、 枚1セットにして、 簡単と言われている塗抹検査でも、ある一定の水準にまで到達するにはそれなり の訓練がいる。塗抹標本作成実習はその第一歩である。各自毎回の実習では少な くとも1 0枚の塗抹標本の作成が行われた。 ド標本と陽性標本を選び 5 2 6 4 6 4 6 9 6 3 % 6 5. 0 7 5. 0 6 5. 0 8 0. 0 8 0. 0 8 6. 3 7 8. 8 偽陽性 % 1 7. 6 1 1. 4 3. 7 2. 9 3. 0 0 0 偽陰性 % 2 6. 1 2 0. 0 2 6. 4 1 5. 2 1 7. 0 1 1. 1 1 8. 4 塗抹標本技術と鏡検技術は塗抹検査の両輪である。塗抹標本か らきちんと抗酸菌を読み取らなければならない。抗酸菌の全く 含まれていない標本、抗酸菌がある一定量含まれている標本な どを組み合わせた標本セットを繰り返し読み、鏡検技術を磨い ていく。 いが鏡検成績にも明白に表われているのであ る。 日∼7月9日までインド ◆トレーニングとその成果 2000年6月 ネシア結核予防会JRC、バラデワクリニッ ク勤務の検査技師6人、アチェ州衛生検査所 勤 務 の 検 査 技 師2人︵個 別 参 加︶ 、合 計8人 の 参 加 者 を 対 象 に2週 間 の 喀 痰 塗 抹 検 査 ト レーニングを実施した。技術指導には西サモ ア、モンゴルで結核菌検査の指導経験のある 松本宏子検査技師︵元国連ボランティア専門 家︶と 筆 者 が、そ し て 事 務 調 整 に は フ ッ ト ワークの良い柴土真季事務員︵本部国際協力 室︶が当たった。 実際に業務に就いている技師︵アチェ州を 除く︶を対象としたこのトレーニングでは、 ●9/2 000複十字 №275 23 1 0 9 9 強陽性の標本での間違いはなくなった。この 6 0 1 0 5 2 一致率 枚 2 9 2 0 参加者に鏡検してもらったものである。読み スライド総数8 0枚 様に質の良い標本と質の悪い標本セットの違 実 習 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 間違い︵偽陽性・偽陰性︶が多く発生してお 表2 鏡検査実習ごとによる 鏡検一致率・偽陽性・偽陰性の成績 日常業務にできるだけ支障の無いことが配慮 され、午後1時半から5時半までの半日間が 40 トレーニングに費やされた。参加者たちは午 50 前中の勤務を終えてトレーニング会場のパル サハバタン病院まで時間通り駆けつけるとな ると昼食時間がとれないため、インドネシア 予防会側から昼食・送迎車が準備され車中で 昼食をすませながらの参加であった。トレー ニングの目的は塗抹検査技術の強化・標準化 である。そのためトレーニングは、講義を極 力少なくし、その分塗抹標本の作成、塗抹標 本鏡検に関わる実習に多くが費やされ、毎日 技術上の欠点・弱点を見出すための技術評価 を個々に行うことから始められた。それぞれ 枚の塗抹標本作成、そして 喀痰の質 染色性 汚れ 厚さ 大きさ 均一性 60 30 20 10 という作業は実施者側にとっても参加者側に 認・考え・工夫しながら技術向上を目指す、 個々に提供する、その材料を受けて各自が確 参加者に客観性のある情報を毎回しかも ◆改善された技術をさらに向上するために なった。 性スライ ド の 区 別 が 適 切 に 行 わ れ る よ う に すでに述べた様にほぼ全員に改善が見られ、 70 見落としの傾向にあった2人の参加者にはそ 80 日間、塗抹作 90 成目標に向かって日々励むことになった。ト (%) 100 レーニング期間中︵実働半日 (数字は「適切」と判定された割合の平均値) れが全く見られなくなり、陽性スライド・陰 7 0 枚以上のスラ 顕著な改善が見られた。鏡検技術についても わけ塗抹の厚さ、大きさ、均等性については 員に技術的な成果が上がったと言える。とり 成技術の向上を示したものである。参加者全 表2、図は参加者の鏡検技術と塗抹標本作 ことになる。 枚のスライド標本を鏡検訓練のために読んだ イドが塗抹標本作成訓練に費やされ、また 8 01 0 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 0 塗抹標本作成実習ごとによる塗抹技術の成績 図 の技術の軌道修正材料を与えられた参加者た ちは、各自最低 枚の塗抹標本鏡検の繰り返しの中でその達 1 0 成・鏡検実習7回︶各自平均 1 0 方が満たされた結果の表れとも言えよう。限 上げることができたことは、幸いにもこの両 不可欠である。今回のトレーニングで成果を を供給するにはトレーナーの質・人数確保が る。きめ細かい指導、質の高いトレーニング に反映させる術がなければ意味がないのであ 弱点なのかを的確に把握し、それを技術向上 みくもに繰り返すのでなく、どこが、何が、 行うこと以外にないのである。それもただや グであった。しかし技術の修得には繰り返し とってもかなり忍耐のいるタフなトレーニン 毎回各自の技術評価が行われた。評価内容は細部にわたりインドネシア結核予防 会イラワン医師によって通訳され参加者たちに伝えられた。一言も漏らすまいと 聞き入る参加者たちの姿勢は真剣であった。 9/2000複十字 №275● 24 られた時間内でのトレーニングで伝えられる 塗抹検査技術・人材の土台は出来たのである。 ネシア側の積極的なコミットが重要である。 な い た め に、職 場 に 戻 っ た 彼 ら を 各 施 設 の 引き上げられた参加者たちの技術を無駄にし き合った時を共有した。この経験やここまで る多くの機会を与えられてきたと思われる。 に様々な形で様々な人たちが技術や知識を得 際的に孤立しているわけではない。これまで インドネシアは結核対策分野では決して国 ◆おわりに 技術はすべて伝達され、参加者たちもそれを 支えるインドネシア側・日本側トレーニング トップ関係者がバックアップし、検査室への それらはこれまでどう生かされてきたのであ 関係者たちも、技術の改善のために真剣に向 理解と励ましが望まれる。また、インドネシ ろう。 ・7/8 毎 強化が柱。 佐渡島内の 代の男性開業医が結核 DOTSの徹底並びに高齢者に対する予防内服の ﹁不思議の国﹂インドネシアである。 ア側・日本側双方が技術のフォローアップ、 精度管理体制の確立などに継続的な努力を重 インドネシアプロジェクト︵臨 ねていかなければならない。とりわけインド ︻本部関連行事︼ ∼7/9 を発病、診察を受けた小中学生ら 人が集団感染。 染の疑い。 前橋市内の女子高生が結核を発 人に集団感染の疑い。 朝ほか 病、生徒ら ・8/ 米 フ ロ リ ダ 州 の 喫 煙 者3人 が フィリップ・モリスなど米大手たばこメーカー5 読ほか たばこ・肺がん 社と業界2団体を相手取り、健康被害に対する損 ・7/ 国 首 脳 会 議︵G8︶で、﹁心 の 安 寧﹂を テ ー マ に 害賠償支払いを求めていた代表訴訟で、同州地裁 九州・沖縄サミットの主要8カ 感染症対策について協議。具体的な目標の一つと 陪審団は 毎ほか して、2010年までに結核による死亡と有病率 て日本円にして約 ・7/ の半減を掲げ、その達成に向け今冬、国際会議を 名参加︶ 第4回 モ ン ゴ ル 結 核 予 防 セ ミ ナ ー 床検査技師研修︶ ・6/ ・8/1∼3 ︵ウランバートル、約 札幌市内の高校で男子生徒 東京で開催することを決定。また、森首相は途上 兆5千億円の支払いを命じる 日、メーカー側に対し損害賠償金とし 人が集団感染。 判決を下した。 エイズと結核の感染者が急増し 1人が結核を発病、生徒 北海道ほか トレーニング開始から経時的に各自の塗抹標本及び鏡検技術の評 価が壁に張り出される。それを見ながら各自「今日の」あるいは 「明日の」達成目標を立てる材料とし、技術向上の励みとした。 つくば市の筑波大付属病院で7 原因であることが会見で明らかとなった。 検査で使用した容器への患者番号の書き間違えが 誤って肺の一部の切除手術をしていたことが発覚。 月4日 に 肺 の 感 染 症 の 患 者 を 肺 が ん と 間 違 え、 朝ほか 国の感染症対策を支援するため今後5年間で 億 を正式表明し、NGO支援を目的に国連に新設す が3月に結核を発病、生徒と教員計 人に集団感 ・8/3 毎 浦和市内の中学校の 代の女性教師 ・8/5 ているカンボジアに対し、日米両政府が共同で救 大阪府寝屋川市の医師、小松良夫さ る100万ドル規模の基金に拠出する考えを明ら 毎 んが今秋、歴史や文学の中で結核を広くとらえた 公衆衛生審議会結核予防部会 かにした。 ・7/3 3 0 民間初の結核資料館を開館。 薬事日報 結核緊急対策検討班の報告書まとまる。都市部の 1 5 ・6/ 2 2 1 4 ︻マスコミ資料︼ 結核 2 6 1 5 4 0 ドルを拠出する﹁沖縄感染症対策イニシアチブ﹂ 読・産 2 3 済活動に乗り出すことが明らかになった。 ・6/ 2 0 3 0 4 4 ・7/3 ●9/2 000複十字 №275 25 5 0 3 0 2 2 2 3 2 5 内容は毎年﹁複十字﹂の紙面を借りて報告し 師が参集し熱心な討議が行われた。その評価 研究の背景となっている。この米国の研究は 肺がん検診は無効と結論づけたことが、この ているものの、肺がん検診を広く行っている そのデザインを含め多くの問題点が指摘され 年度の成績を示したい。 てきたが、今回も過去の評価会の成績と比較 しながら 日本は客観性のある有効性評価を示す必要が 価したフィルムを参考にしながら全体として 下に細分類︶を下した後に、前年度すでに評 ルに対し各班がA∼D評価︵Cのみ上・中・ フィルムの目慣らしを行った。8本のサンプ 第1日 目、参 加 者 は8班 に 分 か れ て 間 接 とを指摘された。この指摘こそ、我々のフィ 性を保つには適切な精度管理が重要であるこ こうした研究の解析から、肺がん検診が有効 下に貢献していることを報告された。さらに のほとんどが有意差をもって肺がん死亡の低 日本の肺がん検診評価の研究を紹介され、そ あった。西井先生は、様々な手法で行われた の8本の再評価を行って、各班の評価のばら ルム評価会活動を継続する意義を示すものと 評価会の進行 つきを正すのである。この目慣らし作業で評 言える。 行ってきた。これは全国の予防会で行ってい された間接・直接フィルムのサンプル評価を 会は、1985年から毎年本部・支部で撮影 結核予防会胸部検診対策委員会精度管理部 た。米 国 で 行 わ れ た 無 作 為 化 比 較 試 験 効性評価﹂についてレクチャーしていただい 関する研究﹂班のまとめた﹁肺がん検診の有 生省﹁肺がん検診の効果の判定とその評価に 井研二先生︵岡山県健康づくり財団︶から厚 選んで講演会が企画されてきた。今回は、西 1間接フィルム 今年度の成績と評価の推移 を下して全日程を終了した。 評価を行い、その後2班に分かれて最終判定 第2日目も8班に分かれて直接フィルムの 価基準の統一を計ってから、実際の間接フィ ルム評価が開始された。最後に全員を2班に 分け、もう一度再評価を行って最終判定を下 した。 第1日目の午後は、翌日の直接フィルムの 目慣らしを間接の方法と同様に行った。例年 る結核・肺癌検診のX線フィルムの精度管理 この後に、評価会参加者の興味のある話題を と撮影技術向上を目指した試みである。平成 間接フィルムの提出は203本だったが、 ・3% これは今までで最も少ない数となってしまっ た。このうち目標とすべきA評価は ・3%を下回った。逆に評価 ・3%といずれも少 て平均的な画像づくりは以前より容易となっ となった︵図、表1︶ 。近年装置の進歩によっ なく、平均点と思われるC上評価の目立つ年 の低いC下0%、C中 で、昨年度の 1 4 はじめに 1 1 月2、3日の両日にわたって結核研 年も 1 3 尾形英雄 複十字病院医療部長 ︶が、検診群と対照群 ︵ Mayo Lung Project で肺がん死亡率に差がなかったことを理由に 1 9 フィルム評価会報告 究所講堂に本部・支部の医師や診療放射線技 1 2 平成11年度 1 1 9/2000複十字 №275● 26 ている。もし、A・B評価の増加しない原因 が良い写真づくりへの努力不足にあるとした ら、気になる傾向と言える。 直接フィルムの提出数は143枚で、これ 2直接フィルム も 最 少 枚 数 で あ っ た 。 間 接 フ ィ ル ム 同 様C 上 年以来最も低い比 ・1%と評価が集中している。残念なが 100 50 計 C下 C中 C上 に らA評価は8・4%で、 率であった︵図、表2︶ 。 最後に 年度の評価は間接、直接とも満足で れた。良い写真をつくるには、ハード面の整 ても、A・B評価に至らない写真が多く見ら かった。一方ハード面がパーフェクトであっ 合っていないなど純粋なハード面の問題が多 ていなかったり、フィルムに蛍光板の種類が 討したが、多くは撮影条件にグリッドが合っ で、C中・C下評価のフィルムの改善点を検 い。評価会終了後少数のワーキンググループ るにせよ良い写真が減ったと考えねばならな 辛くした事実はないので、多少バイアスがあ きる成績ではなかった。昨年度と比べ評価を 平成 9 1 備だけでは不十分で撮影者の工夫が必要なた 8 6. 2% 1 3. 8% 1 0 0% 1 4 4 2 22 76 3 2 12 0 0%) 4)(1 5. 3) (1. 2. 8)(1 2. 2)(5 3) (2 無所見 (8. 10 0% 16. 7% 8 3. 3% 2 0 3 29 50 96 2 8 0 (14. 3)(2 4. 6)(47. 3)(1 3. 8) (0. 0)(1 0 0%) 1 1 めであろう。 ●9/2 000複十字 №275 27 B C上 C中 C下 計 5 3 2 10 32 9 0 0 0%) 8)(1 8. 9) (3. 0. 4)(1 7. 0)(6 0) (1 有所見 (0. 10 0% 22. 6% 7 7. 4% A 直接・CRフィルムの評価結果(1 9 9 9年度) 表2 B A 間接フィルムの評価結果(1 9 9 9年度) 表1 C下 C中 C上 B A 0 100 50 0 直接フィルム 間接フィルム 5 3 図 年ごとの評価の推移 1999年 1997年 1995年 評 価 1993年 年 1991年 1989年 1987年 評価成績 (%) 1 3 0 0 1 1 0 2 0 0%) 0)(1 0) (0. 7) (0. 6. 9) (7. 5. 4)(7 C R (1 10 0% 0. 0% 1 00. 0% 複十字病院に 多剤耐性結核病棟完成! 国の結核対策事業の一つと して、複十字病院多剤耐性結 核病棟の改修工事が実施され、 この8月に完成の運びとなり ました。多くの関係者の方々 に感謝申し上げますと共に、 ここに概略を説明させていた 世紀に向けての結核対 年6月の公衆衛生審議会 ワークの核としての役割︵広域の 法 等 の 新 た な 治 験︶ 、診 療 ネ ッ ト 進的化学療法、外科療法、免疫療 り、最近まで、具体的対策をとる ベテラン職員が多かったこともあ 難しくしたが、療養所時代からの とは結核の院内感染対策を非常に 員や看護職員の感染がやや高い傾 核患者の多い施設では、検査科職 的に違ってくる。当院のように結 院と、併設しない病院とでは基本 だきます。 意見書︵ 診療に関する相談への対応、情報 向があるが、幸い、集団発生事故 尾形正方 策︶を受け、厚生省は多剤耐性結 ことなく、経過してきた。 複十字病院院長 核対策の重要性を考え、多剤耐性 の 収 集、提 供︶ 、専 門 家 の 養 成、 平成 結核患者の治癒率向上や死亡率低 研修の実施並びに臨床研究を実施 条件の中に、関東甲信越ブロック 当院が選定された理由は、実施 の結核患者の激減による財政危機 拓してきた。しかし、昭和 年代 がら、常に結核医療の最先端を開 結核研究所と密接な連携をとりな 核研究所附属療養所として発足し、 モデルとなる施設になったと自負 核病棟の改修工事終了により他の 備を行い、そして今回多剤耐性結 術室の結核感染対策に配慮した整 修の際、結核患者の外来診療と手 新外来棟、南館の新築と本館の改 しいという思いから、平成 年の ある複十字病院がこれでは恥ずか が必要であると考える。 のことも含め、きめの細かい対策 る状況下においては治療の長期化 今後、多剤耐性結核患者が増え 定した。 複十字病院は、戦後まもなく結 において多剤耐性結核への集学的 によって一般病院への転換を余儀 は少ないようである。 下等の治療成績の改善を図るため、 できることである。 医療を担うに足る施設とあり、そ なくされ、 を 設 置。外 気 取 り 入 れ 量 を5 年に鉄筋4階建ての 床について、病室 ごとに陰圧による独立換気装置 14階病棟中 3 6 4 0 診療ネットワークを作ることを決 の条件を満たし得るとの判断から 結核の院内感染対策は、当院の /︵その部屋の空気が1時 AC h 5 1 今回の工事の概要︵図参照︶ であろう。すなわち、多剤耐性結 本館を建築、結核患者を4階病棟 ように結核病床を併設する一般病 している。 核に対する集学的医療︵先進的検 に収容することとなった。このこ しかし結核予防会の基幹病院で 広域圏にわたる拠点施設を整備し、 1 1 査技術、新薬・治験薬等による先 2 1 1 0 9/2000複十字 №275● 28 け、結核患者専用の1機を除き、 屋上には寛いで団欒できるコー 病棟内に談話室を設けると共に 剤耐性結核患者の収容に際し、 結核研究所森所長に心から感謝い て多大なご指導を頂いた青木会長、 い見識を持ち、今回の改修につい 最後に、結核院内感染対策に深 間 に5回 入 れ 替 わ る 量 の 意︶ 、 他の2機は結核患者の使用を制 ナーを設置した。 AC/ 室内空調機循環風量を 限した。 4従来は結核菌と一般細菌検査を に 区 分 し、結 核 菌 検 査 室 は エ 院内だけでなく予防会全体として 運営、病院の感染対策について病 今後も結核病棟、細菌検査室の に、できる限り優先的に、治療可 WC 処置室 エレベー ター (結核患 者専用) たします。 hに設定し、ヘパフィルター、 紫外線殺菌チャンバーを付けた。 アーバランスを陰圧に、バイオ 同室で行っていたが、今回厳密 ハザードレベルをP︱3とし、 取り組んでいく予定だが、 5当院の結核患者平均在院日数は 能な多剤耐性結核患者を受け入れ 廊 下 たいと考えている。 日と短縮してきているも 病室(6床) WC ) 処置室、談話室、面会コーナー や や 低 い 陰 圧 と し、ナ ー ス ス 2病棟廊下は排気を3AC/hと 一般細菌検査室をP︱2に設定 結核病床を効率よく運用するため 禁煙 指導室 ∼ 洗面所 のの、長期入院の予想される多 病室(6床) 処置室 エレベー エレベー ター ター 処置室 看護婦 控室 5 0 も同様。 テ ー シ ョ ン、カ ン フ ァ レ ン ス した。 :正圧 床の ルーム、看護婦控室、エレベー 病室(6床) 浴室 6 0 病室(6床) 病室 (2床) エレベーターホール ナースステー ション カンファレ ンスルーム 病室(4床) 談話室 面会コーナー 前 室 倉庫 病室(4床) 病室(2床) ターホールなどは正圧とした。 :陰圧(弱) 9 1 〔汚染空気の漏出防止〕 ・ 清浄域を正圧、汚染域を陰圧(強、弱)にするこ とで、常に清浄域から汚染域への空気の流れを設 定。院内に汚染空気が逆流しないよう配慮してい る。 ・ 室内の空気を屋外に排気する際には、ヘパフィル ター並びに紫外線の殺菌灯チャンバーにて浄化し、 汚染空気が大気に放出しないよう配慮している。 〔エアーバランスの確保〕 ・ 給気(空気を送る)設備側、排気(空気を出す) 設備側の双方に定風量装置を設置し、常に所定量 の給排気量を確保することにより、エアーバラン スが容易に崩れないシステムとなっている。 ・ 換気システムを起動もしくは停止する場合は、常 に給気設備と排気設備が連動する制御を組んでお り、さらに常に室内の陰圧を維持するために下記 の特別な運転制御方式を組み込んでいる。 起動時…排気設備が給気設備より先に運転 停止時…排気設備が給気設備より遅れて停止 ( 1 5 3エレベーターは3機あるが、そ :陰圧(強) れぞれ内部に空気清浄装置を付 ●9/2 000複十字 №275 29 複十字病院多剤耐性結核病棟 エアーバランス 図 結核研究所に 対策支援部誕生 ! はじめに 昨年7月 日に出された厚生大 受け、結核研究所では平成 年3 必要性を強く感じ、機構改革へと 的に各地域の結核対策を支援する X線写真の評価活動など。 ライブラリーの作成、全国の胸部 施︵結 核 対 策 を 含 む︶ 、結 核 写 真 対策支援部は従来の研修部門で 養護教諭等の研修企画と実施。 結核対策に係る保健婦、看護婦、 4保健看護学科 至ったのである。 日に機構改革︵一部︶を行い、 これからの活動 研修部は廃止、新たに対策支援部 事務部所属だった図書・情報科を ニ ュ ー ス レ タ ー 発 行︵予 定︶ 、発 を 提 供 す る。研 修 修 了 者 へ の を図り、現場で必要とされる情報 結核に関する図書の整備と充実 5図書・情報科 加え、計5科で構成されている。 護学科に、新たに企画科を増設、 各科の活動内容について以下に述 | 線技師、臨床検査技師、行政担当 設された。その後対象も診療放射 は結核予防指導看護婦養成所が開 年に開始され、昭和 年に に携わる医師、保健婦への研修は 等の企画など︶県・市・保健所に 結核対策担当者のワークショップ 会における結核の自由集会、全国 結核対策セミナー、公衆衛生学 開発、及びアドボカシー活動︵例 業の企画と普及啓発のための教材 結核対策推進のための様々な事 策を推進していく所存である。 研究所職員が一丸となって結核対 りであり、対策支援部だけでなく び支援等は各科で行っていくつも 結核対策特別促進事業の相談及 年の設立 生動向の報告と解説︵四半期ごと 者へと順次拡大されていった。平 おける集団感染対策の積極的疫学 結核研究所では昭和 べる。 を 予 定︶ 、ホ ー ム ペ ー ジ の 充 実 と これまでの活動 以来、研究事業と並んで活発な研 1企画科 成4年には、新たに若手結核対策 調査協力支援及び結核対策特別促 教材 専門家の育成を目的とした﹁結核 診療放射線技師の研修企画と実 3放射線学科 と実施。 結核対策に係る医師の研修企画 | より、結核研究所は従来の受け身 今回の﹁結核緊急事態宣言﹂に 1 6 の研修活動に留まらず、より積極 皆様のご協力をお願いします。 の開発協力及び資料作成など。 対策指導者養成研修﹂が加わった。 進事業集の作成など。 昭和 これまでの研修修了者は約7万人 2医学科 1 4 を数え、全国各地で結核対策に貢 質問への対応など。写真室 修活動を実施してきた。結核対策 部の組織と活動を紹介する。 ある医学科、放射線学科、保健看 月 1 2 臣による﹁結核緊急事態宣言﹂を 2 6 として出発した。ここに対策支援 1 5 献している。 1 4 山下武子 結核研究所対策支援部長 9/2000複十字 №275● 30 発信者の区分 海外 37 一般 203 学生 37 保健所 61 医師 144 ;; ;; 月 月 12 月 11 9月 0 (件) 結核対策計画、 仕事について 件でした。 4件、その他 ミ﹂などから、 者・マ ス コ 師・医療関係 臨床検査技 師・研究者・ 護 婦・薬 剤 そ の 他、﹁看 1 9 件の質問がありました。 名 件対応していました。 と改めて認識しました。 知識をさらに幅広く普及していく必要がある いろいろな方法・機会を広く活用して結核の 後もホームページを拡充することはもとより、 い合わせは少しずつ減少してきています。今 明らかです。しかし、2000年に入って問 一般の人々の結核への関心が高まったことは が 数 々 寄 せ ら れ、﹁結 核 緊 急 事 態 宣 言﹂後、 したが、一般的な結核の知識についての質問 以上、3年半の間の問い合わせをまとめま 104件、平均では が 対 応 し ま し た。最 も 多 く 対 応 し た 職 員 は 所の研究者、事務職員、本部職員を含む これらの問い合わせに対しては、結核研究 接種についてなど計 消毒について、感染について、ツ反・BCG 10 8月 7月 6月 5月 4月 3月 件 で し た。﹁学 生﹂ 2月 らは、ツ反・BCG接種について 件、検診 般﹂の方からの件数が最も多く、203件と に つ い て8件、そ の 他 件 で し た。他 に 1月 結核研究所ホームページを 通して寄せられた eメールの報告 件、 件 件、その 件、ホームページへの意見や引用願 件、院内感染対策について ’96 件、 件、ツ反・BCG接種について 件、その他 件、結核菌に関して 件、ホームページへの意見や引用願い 感染の心配 病院の紹介依頼 予防内服、副作用について ついて で し た。﹁医 師﹂で は、ツ 反・BCG接 種 に いが 件 で し た。﹁保 健 婦・保 健 所 関 係 者﹂か 全 体 の 約 半 分 を 占 め て い ま す。 そ の 次 に、﹁医 からの質問では、結核感染の心配が4件、予 他 師﹂が全体の約4分の1を占め、以下﹁保健 防内服、ツベルクリン反応、就職資料の請求 ﹁海外﹂からの問い合わせでは結核情報、資 に つ い て 各3件、そ の 他 からの質問203件の内訳は、感染・予防に 問い合わせの内容についてみると、﹁一般﹂ 10 結 核 研 究 所 で は1996年9月 に ホ ー ム ページを開設し、広く国の内外に結核の情報 を提供し、また﹁eメールでの問い合わせの 窓口﹂として積極的な対応を行ってきました。 2000年3月に対策支援部が発足して、e メールへの回答をこれまでの疫学研究部に代 わって当部が担当することになりました。こ のたび開設以来2000年3月までの﹁問い 合わせ﹂についてまとめましたので報告しま 40 1 0 図3 ’97 ’98 1 3 9 0 す。 3年半の問い合わせ件数は535件でした。 年7月 年々増加傾向にありますが、中でも厚生省か 50 1 3 ら﹁結核緊急事態宣言﹂が出された 以降は件数が急増しました。︵図1・図2︶ 結核緊急事態宣言 60 2000年1∼3月 99年 98年 1996 1997 1998 1999 2000 ’00 20 月別受信件数 図2 4 3 3 2 70 1 0 2 4 5 3 4 1 2 所﹂ 、﹁学生﹂ 、﹁海外﹂と続きます。︵図3︶ 問い合わせ を 発 信 者 別 に 見 て み る と、﹁一 2 5 その他 53 結核研究所対策支援部企画科 中西志乃 ●9/2 000複十字 №275 31 1 5 料請求9件、日本の結核情報5件、海外での 件、結核の症状について 1 8 1 3 ’99 件 87 1 5 97年 1996年9∼12月 66 64 300 250 200 件 150 100 50 0 問い合わせ受信件数 図1 1 5 30 1 1 314 9 1 9 9 件、結核 ついて 1 9 られた時間内でのトレーニングで伝えられる 塗抹検査技術・人材の土台は出来たのである。 ネシア側の積極的なコミットが重要である。 な い た め に、職 場 に 戻 っ た 彼 ら を 各 施 設 の 引き上げられた参加者たちの技術を無駄にし き合った時を共有した。この経験やここまで る多くの機会を与えられてきたと思われる。 に様々な形で様々な人たちが技術や知識を得 際的に孤立しているわけではない。これまで インドネシアは結核対策分野では決して国 ◆おわりに 技術はすべて伝達され、参加者たちもそれを 支えるインドネシア側・日本側トレーニング トップ関係者がバックアップし、検査室への それらはこれまでどう生かされてきたのであ 関係者たちも、技術の改善のために真剣に向 理解と励ましが望まれる。また、インドネシ ろう。 ・7/8 毎 強化が柱。 佐渡島内の 代の男性開業医が結核 DOTSの徹底並びに高齢者に対する予防内服の ﹁不思議の国﹂インドネシアである。 ア側・日本側双方が技術のフォローアップ、 精度管理体制の確立などに継続的な努力を重 インドネシアプロジェクト︵臨 ねていかなければならない。とりわけインド ︻本部関連行事︼ ∼7/9 を発病、診察を受けた小中学生ら 人が集団感染。 染の疑い。 前橋市内の女子高生が結核を発 人に集団感染の疑い。 朝ほか 病、生徒ら ・8/ 米 フ ロ リ ダ 州 の 喫 煙 者3人 が フィリップ・モリスなど米大手たばこメーカー5 読ほか たばこ・肺がん 社と業界2団体を相手取り、健康被害に対する損 ・7/ 国 首 脳 会 議︵G8︶で、﹁心 の 安 寧﹂を テ ー マ に 害賠償支払いを求めていた代表訴訟で、同州地裁 九州・沖縄サミットの主要8カ 感染症対策について協議。具体的な目標の一つと 陪審団は 毎ほか して、2010年までに結核による死亡と有病率 て日本円にして約 ・7/ の半減を掲げ、その達成に向け今冬、国際会議を 名参加︶ 第4回 モ ン ゴ ル 結 核 予 防 セ ミ ナ ー 床検査技師研修︶ ・6/ ・8/1∼3 ︵ウランバートル、約 札幌市内の高校で男子生徒 東京で開催することを決定。また、森首相は途上 兆5千億円の支払いを命じる 日、メーカー側に対し損害賠償金とし 人が集団感染。 判決を下した。 エイズと結核の感染者が急増し 1人が結核を発病、生徒 北海道ほか トレーニング開始から経時的に各自の塗抹標本及び鏡検技術の評 価が壁に張り出される。それを見ながら各自「今日の」あるいは 「明日の」達成目標を立てる材料とし、技術向上の励みとした。 つくば市の筑波大付属病院で7 原因であることが会見で明らかとなった。 検査で使用した容器への患者番号の書き間違えが 誤って肺の一部の切除手術をしていたことが発覚。 月4日 に 肺 の 感 染 症 の 患 者 を 肺 が ん と 間 違 え、 朝ほか 国の感染症対策を支援するため今後5年間で 億 を正式表明し、NGO支援を目的に国連に新設す が3月に結核を発病、生徒と教員計 人に集団感 ・8/3 毎 浦和市内の中学校の 代の女性教師 ・8/5 ているカンボジアに対し、日米両政府が共同で救 大阪府寝屋川市の医師、小松良夫さ る100万ドル規模の基金に拠出する考えを明ら 毎 んが今秋、歴史や文学の中で結核を広くとらえた 公衆衛生審議会結核予防部会 かにした。 ・7/3 3 0 民間初の結核資料館を開館。 薬事日報 結核緊急対策検討班の報告書まとまる。都市部の 1 5 ・6/ 2 2 1 4 ︻マスコミ資料︼ 結核 2 6 1 5 4 0 ドルを拠出する﹁沖縄感染症対策イニシアチブ﹂ 読・産 2 3 済活動に乗り出すことが明らかになった。 ・6/ 2 0 3 0 4 4 ・7/3 ●9/2 000複十字 №275 25 5 0 3 0 2 2 2 3 2 5 料店、沼田工務店、スペース・デザイン 高瀬ビル、北海道ロングリバー、大平燃 計事務所、辻商店、日本土木工業協会、 フクヤ、札幌臨床検査センター、川瀬会 ラブ、北海道対がん協会、医用センター 皮膚科、コニカ、音威子村ライオンズク 札幌山谷運送、札幌都市開発公社、田代 だ内科循環器科、仲野谷泌尿器科医院、 院、三王印刷、コニカメディカル、はね 岡本正敏、川南サチ、鈴木寿江、大内医 大内直一税理士事務所、いわて生活協同 セキ盛岡営業所、小原商店、和賀開発、 久仁会内丸病院、岩手労働基準協会、コ 岩手県町村会、岩手県厚生農業協同組合 医院、黒澤皮膚科医院、高橋内科医院、 資生堂販売盛岡支社、佐々木内科小児科 イナボット、グラクソウエルカム、岡山 野薬品、第一製薬、タケダ薬品工業、ダ 新青山、増田理化工業、山陽三菱自動車 業、大熊、旭電気、東中国大同ほくさん、 郎、久慈酒造、久慈亨和医院、亀井正明、 ベクトン・ディッキンソン、岡山薬品工 高橋孝夫、高橋医院、工藤剛、玉沢徳一 県庁、岡山県警察本部、岡山県教育庁、 組、トヨタエンタープライズ、外里克己、 販売、協同組合倉敷市環境保全協会、荒 連合会、岩手建工、岩手銀行本店、佐賀 公立学校共済組合岡山宿泊所、中国四国 師会、岩手郡医師会、岩手県歯科医師会、 シオノギ製薬、科研製薬、萬有製薬、小 遠野土建、松誠会滝沢中央病院、気仙医 農 政 局、玉 島 商 工 会 議 所、玉 島 ロ ー タ ロシュ・ダイアグノスティックス、日本 ジレビオ、日水製薬、協和メデックス、 バイエルメディカル、シスメックス、フ 五洋医療器、岡山トヨペット、国際試薬、 工業、大栗新聞販売所、鈴木基礎、第一 組合、豊島医院、圭友会病院、博愛会上 北 海 道 ︱末 吉 利 三、伊 藤 義 郎、平 田 保、 本部、新興電気、新井孝夫、狩野隆一、 ︿結核予防会役員人事﹀︵敬称略︶ 臨床検査センター、梅川医科器械店、誓 田病院、日新堂八角病院、アイワ岩手盛 徳 島 県 支 部 神 野 俊︵4・1︶ 、山 形 県 支 支部長を委嘱する]長野県支部小林文宗、 解く]鳥取県支部入江宏一︵3・ 広駐屯地、滝川駐屯地、美幌駐屯地、東 駐屯地、北千歳駐屯地、鹿追駐屯地、帯 苑の会、酒井仁、北恵庭駐屯地、南恵庭 市役所、船穂町役場、鴨方町役場、倉敷 敷古城池高等学校、就実短期大学、岡山 岡 山 県 ︱県 立 西 大 寺 高 等 学 校、県 立 倉 岡工場、石鳥谷町 衛生協会、御津町民生委員、安原良一 リークラブ、玉島青年会議所、玉島食品 方︵8・ 部 日 野 雅 夫︵6・ ︶ 、東 京 都 支 部 石 館 千歳駐屯地、島松駐屯地、苗穂駐屯地、 市役所、倉敷市役所玉島支所、倉敷市役 川力食鳥、アラカワ食鳥、平成ファーム、 □本部 [評議員の委嘱を解く]平野嘉 = ︶[理 事 を 委 嘱 す る]羽 入 直 願寺、大昌寺、金田晴恵、森田みや、久 孝︵8・ ︶[専 務 理 事 を 委 嘱 す る]羽 世彰彦、山本健一、リサイクルバザー紫 敬三︵7・1︶[副支部長の委嘱を解く] 真駒内駐屯地、札幌病院、第二航空団千 所児島支所、牛窓町役場、井原市役所、 □本部 寺 =田文男一万円、中原サチ子十 万 円、青 木 宏 夫 一 万 円︵複 十 字 病 院︶ 、 ︵敬称略︶ ︿事業資金および指定寄付﹀ ︵3・ 嘱を解く]長野県支部伊藤喜明、森達夫 京 都 支 部 有 坂 岩 雄︵6・ 木俊一、立正堂医院、明治製菓北上工場、 会病院、新見医師会、高梁医師会、日建、 胃腸科内科医院、住田町、松谷裕之、鈴 医師会、いわぎんリース・データ、江村 床衛生検査技師会、滝沢村役場、岩手県 秋柴重機、陸中建設、源勝寺、岩手県臨 岩 手 県 ︱岩 手 県 警 察 本 部、松 田 建 設、 病院、河本病院、田尻病院、赤磐郡医師 倉敷シティ病院、国立南岡山病院、金田 院、中谷外科病院、大西病院、玉野分院、 市民病院、池宗病院、岡南病院、松田病 員連合会、岡山県栄養改善協議会、玉野 ︶ [顧 問 の 委 一、鳥 取 県 支 部 西 原 昌 彦︵3・ 田鍋庸 子 四 十 万 円︵複 十 字 病 院︶ 、本 田 北上製紙、南昌病院、栃内病院、道又亨、 旭総合印刷、アークホテル、克規工業、 田老町漁業協同組合、大澤三郎、川嶋印 総合印刷、ハタ事務機、中国銀行、トマ 長瀬富子、四電工岡山営業所、明治工業 ︶ 妙子二 十 万 円︵複 十 字 病 院︶ 、清 水 礼 子 一万円︵保生の森︶ 刷、川村光雄、川上病院、千葉医院、仙 ト銀行、エバルス、オムエル、高塚薬品、 にご協力をいただき有り難うございまし た。全国で盛りだくさんの新企画を携え、 今年の予防週間はパワーアップ。次号に て報告予定です。▼毎昼にそばを食して 早9カ月。時にはミニかつ丼もプラスし、 肉々しさ︵?︶もパワーアップ︵す︶。 平成十二年九月十五日 発行 複 十 字 二〇〇〇年二七五号 編集兼 佐 藤 睦 夫 発行人 発行所 財団法人結核予防会 東京都千代田区三崎町一︱三︱十二 電話 東京︵ ︶ 局九二一一︵代︶ 印刷所 勝美印刷株式会社 東京都文京区小石川一︱三︱七 三八一二局五二〇一 電話 東京︵ ︶ 3 0 建工業盛岡支店、石川育成、真如苑東北 0 3 0 3 3 1 2 7 ︿複十字シ ー ル 募 金 に 多 額 の ご 寄 付 を下さった方々﹀︵敬称略︶ 郵便番号1 0 1―0 0 6 1 3 1 ︿編集後記﹀予防週間行事のアンケート 長野県支部畑山善行、徳島県支部辰巳真 里庄町役場、奈義町役場、岡山県愛育委 2 4 歳基地、札幌駐屯地、丘珠駐屯地、名寄 20 駐屯地 2 01 4 ︶ 、東 3 1 ︶ 入直方︵8・ ︶ [副 □支部 [ =支部長を委嘱する]鳥取県支 部 長 田 昭 夫︵5・ ︶ [支 部 長 の 委 嘱 を 予防会だより *結核研究所ホームページ http: //www. jata. or. jp 9/2000複十字 №275● 32
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