ビデオゲームの教育をプレイ

「ゲーミフィケーションを活用した
小学校教育の可能性について」
-小学校での”ゲーム作り”体験授業の実施-
岸本 好弘 三上 浩司
東京工科大学
授業の様子
1時間目 『ゲームを考える』
アンケート結果
回答者 対象児童52名(男子30名、女子22名)
(1) 今回の授業は楽しかったですか?
※48名(約90%)の児童が「とても楽しめた」と回答。
2時間目 『ゲームを作る』
(2) 授業に参加して気付いたことは?
「ゲームを遊ぶことは
「ゲームは遊ぶ人のこ
簡単だが、作るのはと
とを考えて難易度を調
ても難しい」
整している」
※ 21名(約40%)の児童が 「ゲームなど、作品を
「もの作りの苦労」、「ふだん 作る上でも勉強は大
の勉強の大切さ」に気づいた 事」
と回答。
1. 研究背景
小学校の新学習指導要領(2012年4月実施)にお
いては、思考力・判断力・表現力の育成のため授業
形態の創意工夫が求められている。
当研究では、児童にとって身近な ビデオゲーム
を題材とした授業を通して、完成品で遊ぶだけでは
味わえない「作る楽しさ」の体験が、学習意欲につな
がるかを検証した。
同時に、授業の運営全体にゲーミフィケーション
要素を用いることで、「楽しみながら学ぶ」 という
新しい授業形態の試みを行った。
2. 実施内容
2012年11月14日東京都八王子市立片倉台小学
校において6年生2クラス52名を対象に授業を行った。
1時間目『ゲームを考える』では、まず「テレビと
ゲームの違い」に着目させ、能動的に物事にかかわ
ることの楽しさに気づかせた上で、「なぜゲームは面
白いのか?」を各人で考えさせ発表させた。
2時間目『ゲームを作る』では、二人に一台のパソ
コンでスクロールアクションゲーム作りに挑戦、お互
いのゲームをプレイし合い、感想をやりとりさせた。
3. 授業に用いたゲーミフィケーション要素
1時間目
『ゲームを考える』
「能動的参加」 考える、話しあう、
発表する
「 達 成 可 能 な ゲームという身近
目標」
なものが題材
要素
2時間目
『ゲームを作る』
パソコンでゲーム
を作る
決められた時間
で作業する
「自己表現」
考える、話しあう、 面白いと思うもの
発表する
を形にする
「 即 時 フ ィ ー ド 発表したらすぐに 感想を言ってもら
バック」
コメントをもらえる う、言ってあげる
「称賛演出」
拍手や誉め言葉
拍手や誉め言葉
4. まとめ
今回の「ゲーム作り体験授業」は対象児童全員か
ら好評を得、更に約4割の児童に「もの作りの苦労」
「ふだんの勉強の大切さ」についての気付きが認め
られた。このことにより、児童に身近な題材とゲーミ
フィケーション要素を用いた授業運営が、「楽しく取り
組んでいるうちにいつの間にか学んでいた」という満
足感を対象児童にもたらし、学習意欲を喚起するこ
とが実証された。