12 REAL-TIME PROTOTYPING RTPRO-PC Markus Gebhardt、Gunnar Piel、ETAS マルチコアPCでリアルタイムプロトタイピング ECU開発では、新機能のプロトタイピングが開発の手法として確立されてからしばらく経ちます。個々のECUに実 装されている機能のシミュレーション(バイパス)やECU上にないソフトウェア全体のシミュレーション(フルパ ス)を実環境に接続して行うため、シミュレーションもリアルタイムに実行しなければなりません。一般に、リアル タイムシミュレーションは、タイミングに関して事前に選択された既定値を順守できるように最適化され、専用に 開発されたハードウェアにより処理されます。PCまたはラップトップコンピュータ上でラピッドプロトタイピング 実験のリアルタイム設定、実行、および可視化を行えるPCソフトウェアが、このたびETAS RTPRO-PCとして発売 されました。 R E A LT I M E S J 3 / 2 0 1 1 – 1 / 2 0 1 2 一見したところ、Windows® PCは厳しい のセットアップにはデュアルブートメカニ 基礎を支えるテクノロジー タイミング要件に対応できるリアルタイム ズムのインストールも含まれているので、 最新世代のIntel Core-i7マルチコアプロ プロトタイピングシステム用 プラット ユーザーはプロトタイピングターゲットを セッサにより、1台のPCまたはラップトッ フォームとして適格とはいえません。しか 使用しない場合、PCまたはラップトップ プコンピュータ上で2つのオペレーティン し、PCまたはラップトップコンピュータは、 コンピュータをオフィスコンピュータとし グシステムを同時に実行できます。各種の プロトタイピング専用システムに使用され て使用することができます。 物理プロセッサコアが、稼働中の両システ 応用分野 ら「見える」のは、自身に割り当てられて ラップトップコンピュータのこの本来の性 RTPRO-PCのユーザーから見ると、PCま いるハードウェアコンポーネントだけです。 能をプロトタイピング用途向けに利用する たはラップトップコンピュータは仮想ネッ RTPRO-PCを使用すると、リアルタイムシ には、リアルタイムオペレーティングシス トワークインターフェース経由でリアルタ ステムは割り当てられているコンポーネン テムの装備が必要になります。 イムシステムにアクセスできるWindows® トに直接、排他的にアクセスできる一方、 RTPRO-PCによりリアルタイムシステムと Windows®の両方をマルチコアプロセッ コンピュータのように機能します。これに タイミングが重要でないWindows® アプ 対し、ETAS ASCET-RP、INTECRIO、ま リケーションには仮想コンポーネントが割 ムに割り当てられます。それぞれのOSか ているマイクロコントローラに比べるとか なり高い性能を発揮できます。PCまたは サ上に統合することができます。よって たはINCAのユーザーから見ると、このリ り当てられます。この割当ての下、 1台のPCまたはラップトップコンピュータ アルタイムシステムはたとえばES910ラ Windows®はこれらの仮想コンポーネン が、試作制御モデルを作成する、およびそ ピッドプロトタイピングモジュールなどの トをリアルタイムに使用されないネット のモデルをリアルタイム環境上で実験する 外部プロトタイピングターゲットのように ワークポートとして使用できます。このよ ためのプラットフォームになります。 考えることができます。 うにリアルタイムシステムは特権的地位を バイパスまたはフルパスを実行するには、 与えられるので、リアルタイム挙動で最適 PCまたはラップトップコンピュータを な応答処理を実現します。 RTPRO-PCの長所 バイパス/フルパス実験専用に開発された ECUに CANま た は Ethernetイ ン タ ー ハードウェアが必要ないので、コストを大 フェース経由で接続します。コンピュータ 製品のリリース予定 幅に節減できます。同時に、ユーザーはPC のUSBインターフェースはそれぞれ2つの やラップトップコンピュータの短い世代交 トをもたらします。つまり、ラップトップ CANポートを持つ2台のES581.3 CANバ スインターフェースUSBモジュールに接続 して使用できます。つまり、XCP-on-CAN バイパスだけでなく、 I/O信号を車載の CANバスとやりとりしたり、あるいはI/O ハードウェアをCAN経由で接続したりも ETASは、XCP-on-CANおよびXCP-onEthernetを利用してPCベースでプロトタ コンピュータ上にすべてがまとめられてい できます。さらに広い帯域幅が必要なプロ 代サイクルから利益を得ることができま す。これらのコンピュータの高い処理性能 だけでなく、可用性とコンパクトさも、 RTPRO-PCソリューションの重要なメリッ 13 イピングを行うための高性能でコスト効率 的なソフトウェアを、RTPRO-PCとして提 供します。RTPRO-PC V1.0は2011年第 4四半期に出荷される予定です。 るので、開発者はプロトタイピングター トタイピング用途向けに、Ethernetポー ゲットを運んで接続するという雑事から解 ト搭載のECU(XETK ECUなど)をXCP- 放され、プロトタイピングターゲットを常 on-Ethernetプロトコル経由で接続するこ RTPRO-PCプロトタイピングターゲットは PCまたはラップトップコンピュータ上の ASCET、INCAおよびINTECRIOの に手元に確保できます。また、RTPRO-PC ともできます。 アプリケーションと連携して実行されます。 通信はEthernetまたはCANバス経由で MICROSOFT® リアルタイムに処理されます。 USB USB (XETK) ECU ASCET INCA INTECRIO Virtual Eth XCP-on-UDP (XETK) RTPRO-PC Eth CAN USB ES581.3 PCIe Eth I/O CAN I/O
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