標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 式の計算・1 次方程式・連立方程式 1 【指導のねらい】 ★中学 1 年,2 年で扱った式の計算,1 次方程式・連立方程式の復習。 ★数列や図形に関する数量について,その規則性を文字式で説明できるようにする。 はじめに 〈導入〉 1 課から 5 課までは,中学 1 年及び 2 年の学習内容の復習である。1 課で は,方程式 (1 次方程式,連立方程式) の解法をメインに復習する。そして, それを利用して,未知数量を求める問 題 (数列や図形に関する数量を題材と した文章題)に備える。これらの事項 は 中 学 3 年 で は,2 次 方 程 式 に つ な がってくる。入試では,中学 3 年の学 習事項が中心となり,2 次方程式の事 項も重要である。扱う分量が多いが, 基礎事項,間違えやすい事項は適宜, ◆指導ページ P.2 ~ 5 ◆ 学習内容・補足事項 学習1 正負の数の計算 A1 例題 次の計算をしなさい。 ▷ 2×(-8)÷(-4) 負の数が 2 個(個数) =+(2×8÷4) =4 2 ▷ (−22)×5+(-3) 乗除→加減の順,-22=-(2×2)=-4 2 =(−4)×5+9 =(-3)×(-3)=9 (-3) =-20+9 =-11 学習2 式の計算 A2,B1,B2 例題 次の計算をしなさい。 確認していきたい。 ▷ 4a+6b-3(2a+b) 符号に注意してかっこをはずす =4a+6b-6a-3b 学習 1 =-2a+3b 負の数が偶数個→+ ・乗除… 負の数が奇数個→- ▷ 8ab÷3ab2×6b わる数の逆数をかける 2 1 =8ab× ×6 b 3ab2 ・四則の混合計算 =16 …乗除→加減の順 学習 2 かっこのはずし方 ・a + (b + c)= a + b + c ・a + (b - c)= a + b - c ・a - (b + c)= a - b - c ・a - (b - c)= a - b + c 学習 3 連立方程式の解法 ① x もしくは y の係数が 1 or - 1 ⇒係 数が 1 or - 1 の文字について 解く ⇒その式をもう一方の式に代入 (代入法) ②上記でない場合 ⇒ x か y のどちらかの係数をそろえ る ⇒加減法により,その文字を消去 (加減法) 学習 4 n を整数として, ・連続する 2 つの整数→ n,n + 1 ・偶数→ 2n ・奇数→ 2n + 1 学習3 方程式 A3,B3,B4,B5 例題 次の方程式を解きなさい。 ▷ 3(x-4)=x+2 かっこをはずす 3x-12=x+2 x を左辺に,-12 を右辺に移項 3x-x=2+12 2x=14 両辺を 2 でわる x=7 ▷ 4x+y=9 ……① 5x+2y=12 ……② ①より,y=-4x+9 y について解く これを,②に代入 ①× 2 5x+2(-4x+9)=12 かっこをつけて代入 ② 8x + 2y = 18 - 5x + 2y = 12 3x 5x-8x+18=12 後は同様にして解ける。 ここでは,代入法で解いた。 学習4 式による説明 A4,B6,B7 例題 差が 2 である 2 つの自然数の和は偶数である。このわけを説明しなさい。 差が 2 である 2 つの自然数のうち,小さい方を n とすると, 大きい方はn+2となる。これらの和は, n+(n+2)=2n+2 =2(n+1) n+1は整数だから,2(n+1)は偶数である。 よって,差が 2 である 2 つの自然数の和は偶数である。 偶数→2n,奇数→2n+1と書けることに言及する。 = 6 x= 2 x=2 x=2より,y=(-4)×2+9=1 〈加減法〉 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 1 次関数 2 ◆指導ページ P.6 ~ 9 ◆ 【指導のねらい】 ★比例・反比例及び 1 次関数を復習し,2 次関数にスム-ズに進めるようにする。 ★関数の図形との融合問題にも触れておく。 はじめに 〈導入〉 前課に引き続き,関数の復習である。 比例・反比例及び 1 次関数の復習をす る。知識事項の多い,1 次関数を中心 に復習すると良い。連立方程式の解と の対応や座標上の図形に対する応用も 確認する。中学 3 年では,これらの事 項が 2 次関数につながる。変化の割合 や変域は再度,登場する。さらに,2 次関数が含まれる分,図形との融合問 学習内容・補足事項 学習 1 比例と反比例 A1,B1 例題 次の問いに答えなさい。 ▷ y は x に反比例し, ▷ y は x に比例し,x=3 のとき y=-9 で ある。y を x の式で表せ。 x=8 のとき,y=-3 である。 y=ax に x=3, y=-9 を代入 x=-6 のときの y の値を求めよ。 (比例→y=ax) a に x=8,y=-3 を代入 x a 反比例→y= x a -3= 8 y= -9=3a ( a=-3 よって,y=-3x 題も複雑になってくる。入試でも頻出 事項であり,着実に復習し,2 次関数 a=-24 24 よって,y=- である。x=-6 を代入 x の学習に備えたい。 すると,y=4 学習 1 a を比例定数として, ・比例 y = ax ・反比例 y = ) a x 学習2 1次関数 A2,B2 例題 次の条件を満たす 1 次関数を求めなさい。→ 1 次関数…y=ax+b = 学習 2 ・1 次関数 y = ax + b (a:傾き,b:切片) ・ (変化の割合)=(傾き) ・点を通る→その値を代入 ▷ 2 点(1,7),(-3,-1)を通る。 ▷ 変化の割合が-2で,x=3 のとき y=5である。 y=ax+b に(1,7),( -3, -1)を 傾き 代入する。 y=-2x+b に x=3,y=5 を代入する。 7=a+b 5=(-2)×3+b -1=-3a+b……② ①,②の連立方程式を解く。←加減法 b=11 ……① a=2,b=5 よって,y=-2x+11 よって,y=2x+5 学習 3 ・グラフの交点の求め方 ① 2 直線を方程式で表す。 ②それを連立方程式として解き, (x,y) の値を求める。 学習 4 学習3 方程式とグラフ A3,B3 例題 2 直線 y=2x-1,y=x+5 の交点の座標を求めなさい。 y=2x-1 ……① y=x+5 ……② この連立方程式を解いて,2x-1=x+5 x=6 1 (三角形の面積)= ×(底辺)×(高さ) これを②に代入して,y=11 2 よって,交点の座標は,(6,11) →底 辺もしくは高さが等しい or 共 通しているとき,互いに面積は等 しい。 学習4 直線と図形 A4,B4,B5 y 例題 右の図のように,原点 O と点 A(2,4) ,B(6,0) を頂点とする△OABがある。点 A を通り,△OAB A (2,4) の面積を 2 等分する直線の式を求めなさい。 線分OBの中点を C とする。OC=BC,高さが等 しいから,△AOC=△ABCである。 y O つまり,求める直線は直線ACである。 2点(2,4),(3,0)を通る直線は, A (2,4) 1 次関数 y=ax+b とおける。 4=2a+b 0=3a+b これを解いて,a=-4,b=12 よって,y=-4x+12 頻出問題である。着実に理解させる。 O C 3 B x 6 B x 6 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 平面図形・空間図形 3 ◆指導ページ P.10 ~ 13 ◆ 【指導のねらい】 ★おうぎ形を円との対応を考えながら復習する。 ★角柱や円柱,角錐や円錐及び球などの立体の表面積や体積を求められるようにする。 はじめに 〈導入〉 前課までに引き続き,平面図形 (作 図)及び空間図形 (錐や柱)の事項を復 習する。入試では,作図が出題される ことは希ではあるが,幾何の基本性質 は重要である。空間図形,つまり立体 は展開図との対応をさせておくことが 学習内容・補足事項 学習 1 作図 A1,B1 例題 下の図の直線ℓ上にあって,2 点 A,B から等しい距離にある点 P を作図しなさい。 線分 AB の垂直二等分線と直線ℓとの交点が,求める点 P となる。 コンパスの線は消していけないことに注意。 A B ℓ P 大事である。それに加え,表面積及び 体積の公式を理解しておくことである。 おうぎ形の曲線部分は円周の一部であ ることを考えながら理解したい。入試 学習2 おうぎ形の弧の長さ・面積 A2,B2 例 右のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。 では,さらに複雑な図形が題材となる。 (弧の長さ)=2π×6×120=4π(cm) 360 それに対処できるために,基本事項を 120 (面積)=π×62× =12π(cm2) しっかり整理したい。 360 120° 6 cm おうぎ形が円の一部であることに 学習 1 ・2 点から等しい距離にある点 120° 言及して,説明するとよい。 360° →垂直二等分線上 ・2 辺から等しい距離にある点 →角の二等分線上 学習3 立体の表面積・体積 A3,B4,B5 学習 2 ▷ 例題 次の正四角錐,球の表面積と体積を求めなさい。 a (面積) =πr2× 360 4 cm a 360 =( 5 cm 6 cm 6 cm → (底面積) × (高さ) ・角錐や円錐の体積 1 ×6×5)×4+6×6 2 =96(cm2) (体積)= 学習 3 ・角柱や円柱の体積 底面 (表面積)= ×4+ ・おうぎ形 (半径 r,中心角が a°) (弧の長さ) =2πr× 側面 1 ×(6×6)×4=48(cm3) 3 底面積 ▷ (表面積)=4π×62=144π(cm2) 6 cm (体積)= 1 → (底面積) × (高さ)× 3 4 π×63=288π(cm3) 3 学習 4 ・回転体 図形を回転させる→柱もしくは錐 (表面積→展開図を考える) 学習4 回転体 A4 例 右の図のような長方形 ABCD がある。この長方形の辺 CD を A D 軸として,1 回転させてできる立体の表面積と体積を求めなさい。 この立体は,底面の半径が 5 cm,高さ 3 cm の円柱になるので, 2 2 (表面積)=π×5 ×2+(2π×5)×3=80π(cm ) (体積)=π×52×3=75π(cm3) 3 cm B 5 cm C 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 三角形と四角形 4 ◆指導ページ P.14 ~ 17 ◆ 【指導のねらい】 ★平行線の性質,合同な三角形・平行四辺形の性質について復習する。 ★図形の問題に対して,図形のどの性質を利用するかを見抜く練習を積む。 はじめに 〈導入〉 引き続きの復習である。ここでは, 平行線の性質,三角形の合同,そして 平行四辺形の性質について,整理する。 図形の問題にあたるときに有効な図形 の性質である。平行線や合同な三角形 を見つけることは,問題解決の糸口に つながる。中学では,強調されないが 学習内容・補足事項 学習 1 角の大きさ A1,B1 例題 次の図で,∠ x,∠ y の大きさを求めなさい。 ▷ ℓ//m ℓ ▷ A 32° 87° D 40° 45° ∠x=32°+40°=72° 図形の性質を説明させる問題は,考え 21° C B ∠x=∠CAD+∠ACD (←外角の関係) る柱になる論証力をみがく良い題材で E F =87°+21°=108° ∠y=∠DBF+∠BDF(←外角の関係) ある。計算が苦手でも,図形の証明は =45°+108°=153° 得意な生徒もいる。生徒の趣向性によ ∠ x の大きさ らず,図形は入試頻出であり,しっか り復習し,中学 3 年で扱う相似な図形 に備えたい。 学習2 三角形の合同 A2,A3,B2,B3,B4 例題 右の図はAD //BCの台形ABCDで,辺CBの延長上にAD=BEとな 学習 1 る点 E をとったものである。このとき,AM=BMであることを証明 ・平行な直線…同位角や錯角が等しい しなさい。 A D M E ・三角形の 1 つの外角は,それととな B C り合わない 2 つの内角の和に等しい。 △AMDと△BMEにおいて, AD=BE(仮定) ……① 学習 2 AD //ECより, 三角形の合同条件 ∠ADM=∠BEM (錯角) ……② ・3 組の辺がそれぞれ等しい ∠DAM=∠EBM (錯角) ……③ ・2 組の辺とその間の角がそれぞれ等 ①,②,③から 1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから, しい ・1 組の辺とその両端の角がそれぞれ △AMD≡△BME 対応する辺の長さは等しいから,AM=BM 等しい 直角三角形の合同条件 ・斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい ・斜辺とその他の 1 辺がそれぞれ等し い 学習 3 平行四辺形の性質 ① 2 組の対辺はそれぞれ等しい ② 2 組の対角はそれぞれ等しい ③対角線はそれぞれの中点で交わる 学習 4 ・底辺と高さがそれぞれ等しい三角形 →面積が等しい 学習3 平行四辺形 A4 例題 右の図の ABCDで,対角線の交点を O,O を通る直線と辺 A AB,CD との交点をそれぞれ P,Q とするとき,OP=OQ であ P ることを証明しなさい。 △APO と△CQO において,平行四辺形の対角線はそれぞれ D O Q B C の中点で交わるから,AO=CO ……① AB //DC より,錯角は等しいから,∠PAO=∠QCO ……② 対頂角は等しいから,∠AOP=∠COQ ……③ ①,②,③より,1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから, △APO≡△CQO よって,OP=OQ 学習4 平行線と面積 A5,B5,B6 例題 右の図のAD //BCの台形ABCDにおいて,△AOB=△DOC A であることを証明しなさい。 AD //BCより,△ABC=△DBC ……① △AOB=△ABC-△OBC ……② △DOC=△DBC-△OBC ……③ ①,②,③より,△AOB=△DOC D O B C 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 資料の活用・確率 5 ◆指導ページ P.18 ~ 21 ◆ 【指導のねらい】 ★度数分布表の見方を理解し,これを用いて平均値を計算できるようにする。 ★確率の計算及び,余事象の考え方を利用した確率を求められるようにする。 はじめに 〈導入〉 中学 1 年,2 年で学習した資料の活 用・確率の復習をする。度数分布表を 学習内容・補足事項 学習 1 度数分布表 A1,B1 例 ある中学校の 3 年生男子 25 人のハンドボール投げ 値などの代表値なる量も登場する。定 義を正確に理解しておけばよい。そし 10 ~ 15 15 ~ 20 20 ~ 25 25 ~ 30 30 ~ 35 計 2 7 8 6 2 25 まとめられる。 を評価することを学習する。その計量 る。また,平均値,中央値及び,最頻 度数(人) の記録(m)を調べると,右の表のような度数分布表に 利用して,集計されたデ-タの統計量 の定義に従い計算すれば良いだけであ 階級(m) 以上 未満 ▷ 度数折れ線をかきなさい。 ▷ 15m 以上 20m 未満の階級 (人)度数折れ線 8 の相対度数を求めなさい。 6 て,ここでは確率を学習する。基本的 4 には,考える事象を全て,書き出して 2 教え上げれば良い。それを用いて,確 0 10 15 20 25 30 35 (m) (その階級の度数) (相対度数)= (度数の合計) 7 = =0.28 25 率を計算するだけである。問題によっ ては,図などを利用すると数え上げが スマ-トにできる。余事象の考え方を 利用することが効果的であることもあ 学習 2 代表値 A2 ⑴,⑵,⑶,B2 ⑴,⑵,⑶ 学習 1 ・度数分布表→階級ごとに度数をまと めたもの この冊数について,次の問いに答えなさい。 ▷ 平均値を求めよ。 ▷ 中央値を求めよ。 (総冊数) (平均値)= (総人数) 66 = = 3.3(冊) 20 小さい順に並べると, 10 番目 11 番目 0,0,0,1,1,2,2,2,3,3,4,4,4,5,5,5, 5,6,6,8 (中央値)=(10 番目の値と 11 番目の値の平均値) 3+4 = 3.5(冊) 2 = 学習 2 ・代表値…平均値,中央値,最頻値 ▷ 最頻値を求めよ。 資料の中でいちばん多いのは 5 冊の 4 人 → 最頻値は 5 冊 学習 3 (階級値) { ×(度数)の総数 } (平均値)= (度数の合計) 学習 3 平均値 A2(4),B2(4) 例 学習 1 の度数分布表から,右の表をうめ, 平均値を求めなさい。 学習 4 (A の起こる回数) ・(A の起こる確率)= (起こる全ての事柄の回数) ・ (A の起こらない確率) 6,0,5,8,3,5,4,2,1,0 買ったノ-トの数(冊)を調べると,右のようになった。 る。典型的な問題をこなす中で,習熟 していけるはずである。 2,4,1,5,2,6,0,3,5,4, 例題 あるクラスの 20 人の生徒に対して,先月ひと月で {(階級値)×(度数)の総数} (平均値)= (度数の合計) 557.5 = = 22.3(m) 25 階級 (m) 以上 未満 10 ~ 15 15 ~ 20 20 ~ 25 25 ~ 30 30 ~ 35 計 階級値 (m) 度数 (人) (階級値) ×(度数) 12.5 17.5 22.5 27.5 32.5 2 7 8 6 2 25 25 122.5 180 165 65 557.5 = 1 -(A の起こる確率) 学習 4 確率 A3,A4,B3,B4 例題 次の確率を求めなさい。 ▷ 1 から 10 までの整数が 1 つずつ書か れた 10 枚のカ-ドの中から 1 枚をひく ▷ 大小 2 つのさいころを同時に投げると き,出た目の和が 4 でない確率 とき,7 以上のカ-ドをひく確率 起こる場合は,全部で 62 = 36(通り) 起こる場合は,全部で 10 通り 目の和が 4 である場合は, 7 以 上 の カ - ド は,7,8,9,10 の 4 (1,3),(2,2),(3,1)の 3 通り 通り よって,求める確率は, よって,求める確率は, 4 2 = 10 5 3 11 1− = 36 12 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 多項式の計算 6 ◆指導ページ P.22 ~ 25 ◆ 【指導のねらい】 ★乗法公式を使いこなして,正確に式の展開をできるようにする。 ★文字のおきかえに慣れ,見通しのよい計算をできるようにする。 はじめに 〈導入〉 中学 2 年の式の計算に続き,ここで は多項式どうしの乗法及び除法を中心 に学習する。分配法則による式の展開 をする。またここでは,多項式を 1 つ の文字でおきかえるという手法を学習 学習内容・補足事項 学習 1 多項式と単項式の乗法・除法 A1,B1 例題 次の計算をしなさい。 ▷ 2x(3x + 4) 分配法則 = 2x × 3x + 2x × 4 = 6x2 + 8x ▷ (4x2y - xy2)÷ xy 4x2y xy2 = - xy xy 分配法則 = 4x - y する。これは,今後,複雑な式計算を 見通しよくする際の有効なテクニック となる。この多項式どうしの乗除は, その逆の操作である因数分解につなが る。そして,それは 2 次方程式の解を 学習 2 分配法則による展開,乗法公式 A2,B2 ⑴,⑵,⑶ 例題 次の計算をしなさい。 求めることに必要である。このように ▷ (x + 3) (y - 2) 中学 3 年で学習する事項の重要な部分 =xy-2x+3y-6 を担っている。計算力は練習量がもの を言う。練習問題 B に含まれる計算 ▷ (x-y) (x+y+1) =x( x + y + 1 )-y( x + y + 1 ) =x2+xy+x-xy-y2-y 同類項 =x2-y2+x-y きるはずである。 公式① (x + 3) (x + 2) 分配法則 =x2+(3+2)x+3×2 学習 1 =x2+5x+6 までこなすとある程度の分量は確保で ・分配法則…a (b+c)=ab+ac ・除法→わる式 (または数)の逆数をか ける 2 ▷ (a+4) 公式② ▷ ▷ (2x-3)2 公式③ 2 =a2+2×a×4+42 =a2+8a+16 ▷ (3x+2) (3x-2) 公式④ 2 =(2x)-2×(2x)×3+3 2 =(3x) -22 =4x2-12x+9 =9x2-4 左記のどの公式を利用するのかを付け加えて説明する。 学習2,3 ・(a+b) (c+d)=ac+ad+bc+bd 乗法公式 ①(x+a) (x+b)=x2+(a+b)x+ab 2 ② (a+b) =a2+2ab+b2 2 2 ③ (a-b)=a -2ab+b 2 ④ (a+b) (a-b)=a2-b2 学習 4 ・おきかえの利用 →上記の①~④を利用できるように 多項式を適宜,文字でおきかえる (これにより,公式を利用して素 早くスマ-トに計算できる) 学習3 乗法公式の利用 A3,B3⑴,⑵,⑶ 例題 次の計算をしなさい。 2 (a-4) (a+3)-(a-2) かっこをつけて展開 2 2 =(a -a-12)-(a -4a+4) =a2-a-12-a2+4a-4 =3a-16 学習4 おきかえによる展開 A4,B2(4),B3(4) 例題 次の式を展開しなさい。 2 ▷ (a+b-3) a+b=A とおく。 2 おきかえを利用 2 (A-3)=A -6A+9 2 =(a+b) -6(a+b)+9 2 A=a+b を代入 2 =(a +2ab+b )-6(a+b)+9 =a2+2ab+b2-6a-6b+9 ▷ (x-y+1) (x-y-4) x-y=X とおく。 (X+1) (X-4) おきかえを利用 (A とおいてもよい) =X2-3X-4 =(x-y)2-3(x-y)-4 =(x2-2xy+y2)-3(x-y)-4 =x2-2xy+y2-3x+3y-4 式変形をする段階が多いので,順を追って説明する。 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 因数分解 7 ◆指導ページ P.26 ~ 29 ◆ 【指導のねらい】 ★素因数分解の計算をできるようにする。 ★おきかえなども駆使した因数分解ができるようにする。また,式の値の計算もこなせるようにする。 はじめに 〈導入〉 ここでは,6 課で学習した式の展開 の逆の操作である因数分解を学習する。 また,素因数分解もあわせて学習する。 学習内容・補足事項 学習 1 素因数分解 A1 例 24 を素因数分解しなさい。 24=23×3 2 24 2 12 因数分解の方が苦手な生徒が多い。ま た,式の値の計算も行う。式の値は中 学 1 年,2 年でも取り扱った事項であ 23 3 3 る。展開とは異なり,パズルの感覚で 楽しみに感じる生徒もいる。展開より ⇒ 2 6 元の多項式の積を見つけることにあた ⇒ 因数分解は,式展開された多項式から 2 が 3 つ,3 が 1 つの積⇒ 23 × 3 学習 2 共通因数をくくり出す因数分解 A2,B1 ⑴ 例題 次の式を因数分解しなさい。 ▷ 2a2 b-4ab2 ▷ ax+3ay=a(x+3y) 共通因数 り,スム-ズに学習できるであろう。 =2ab×a-2ab×2b 共通因数 因数分解も計算練習の量がものを言う。 =2ab(a-2b) 演習問題 B まで取り組むとある程度, 計算にも慣れるであろう。 学習 1 ・素因数分解の候補となる素数 → 2,3,5,7,11,13,17,… 学習 2 ・mx+my=m (x+y) 学習 3 学習3 公式による因数分解 A3,B1⑶,⑷,⑹,B3 例題 次の式を因数分解しなさい。 ▷ x2+7x+12 =(x+3) (x+4) 2 ②a2+2ab+b2= (a+b) 2 ③a2-2ab+b2= (a-b) ④a2-b2= (a+b) (a-b) 学習 4 ・おきかえの利用 →上記①~④を利用できるように多 項式を適宜,文字でおく (積が12,和が 7 の 2 数⇒ 3 と 4 ) 2 ▷ a +6a+9 =(a+3)2 ▷ x2+2x-15 =(x-3) (x+5) 公式① (積が-15,和が 2 の 2 数⇒-3 と 5 ) 公式② (9=32 で 3 の 2 倍は 6 ) 左記のどの公式を利用するかを加えて説明する。 因数分解の公式 ①x2+(a+b)x+ab=(x+a) (x+b) 公式① 学習4 いろいろな因数分解 A4,B1⑵,⑸,B2⑶,⑷,B4 例題 次の式を因数分解しなさい。 ▷ 2x2+18x+36 2 をくくり出す =2(x2+9x+18) 公式① =2(x+3) (x+6) (積が18,和が 9 の 2 数⇒ 3 と 6 ) ▷ (x+3)2-25 x+3=Aとおく。 (a2-b2=(a+b) (a-b)の利用を見越して) 2 (x+3) -25=A2-25 公式④ =(A+5) (A-5) ={(x+3)+5} {(x+3)-5} =(x+8) (x-2) 学習5 式の値 A5 例 a=13,b=4 のとき,a2-6ab+9b2の値を求めよ。 2 a2-6ab+9b2=(a-3b) =(13-3×4)2 =12 =1 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 平方根 8 ◆指導ページ P.30 ~ 33 ◆ 【指導のねらい】 ★平方根の四則演算をできるようにする。その際に利用する乗法公式の復習も行う。 ★平方根を含む式の値の学習で,式の値の総復習を行う。 はじめに 学習内容・補足事項 〈導入〉 8 課では,平方根について四則演算 の計算を中心に学習する。ここに来て, 扱う数が有理数と無理数(平方根)にま で拡張された。無理数の基礎的概念に 学習 1 平方根の乗法・除法 A1,B1 例題 次の計算をしなさい。 ▷ 2 3 × 3 2 ▷ 8 × 6 ÷ 12 = 2 × 3 × 3 × 2 ルートの外と中身を それぞれで計算 = 6 × 3 × 2 = 2 2 × 6 ÷ 2 3 計算の際には,根号の外に有理数を追 = 2 × 2 × 6 2 × 3 2×6 = 3 い出すか否かで計算の労が変わってく = 4 は触れないが,効率的で,実用的な四 則演習の方法を身につける。これらの る。見通しの良い取り扱いができるよ = 6 6 = 2 うに,式の見方に慣れる練習を積みた い。この平方根の導入により,2 次方 程式,三平方の定理で取り扱える数が 拡張されることになる。 学習 1 学習 2 平方根の加法・減法 A2,B2 例題 次の計算をしなさい。 ▷ 12 + 3 = 2 3 + 3 ▷ 50 - 8 + 3 2 = 5 2 - 2 2 + 3 2 =(2+1) 3 ルートの外 をまとめる = 3 3 計算をする 平方根の乗法・除法 a × b = ab a a a ÷ b = = b b =(5-2+3) 2 = 6 2 ルートの外を まとめる計算 をする 学習 3 いろいろな計算 A3,B3,B4 例題 次の計算をしなさい。 75 ▷ 75 ÷ 15 - 2 5 × 3 = - 6 5 15 学習 2 ▷ 3 × 6 + 2 2 = 18 + 2 2 平方根の加法・減法 ルートの外 = 3 2 + 2 2 ルートの外 = 5 - 6 5 をまとめる = 5 2 をまとめる =- 5 5 (乗→加の順に計算) (乗除→加減の順に計算) m a+n a= (m+n) a 学習 3 2 ▷ 2 ( 6 + 3 2 ) ▷ ( 5 + 3 ) 乗法公式 2 2 (a+b)2=a2+2ab+b2 =( 5 )+2× 5 × 3+( 3 ) の利用 = 2 × 6 + 3 × 2 × 2 =5+2 15 +3 ルートの外をまとめる = 12 +3×2 =8+2 15 分配法則 ・乗除→加減の計算の順 ・かっこ→分配法則や乗法公式 学習 4 =2 3 +6 式の値の求め方 ①与えられた式を計算する。 ( 項をまとめたり,因数分解する ル-トは文字式と同様にして計算する ) →加減の作業が減らせる ②数値を代入する。 学習4 式の値 A4,B5 例題 次の式の値を求めなさい。 ▷ x= 7+1 のとき,x2-2x の値 x2-2x=x(x-2) =( 7+1) {( 7+1)-2} =( 7+1) ( 7-1) (a+b) (a-b)=a2-b2 の利用 2 =( 7 )-12 =7-1 =6 代入 ▷ a= 3+ 2,b= 3- 2 のとき,a2-2ab+b2 の値 2 a2-2ab+b2=(a-b) 因数分解の公式の利用 2 ={( 3+ 2 )-( 3- 2 )} 2 =(2 2 ) =8 代入 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 2 次方程式⑴ 9 ◆指導ページ P.34 ~ 37 ◆ 【指導のねらい】 ★因数分解を利用した 2 次方程式の解法で解けるようにする。 ★解の公式を用いて,2 次方程式の解を求められるようにする。 はじめに 〈導入〉 中学 1 年,2 年で,1 次方程式,連 立方程式と学習してきた。ここでは, 2 次方程式の解の求め方及び,その利 用を学習する。前課までで学習した, 因数分解や平方根が登場する。この課 では,2 次方程式の解の求め方を中心 に学習する。数パタ-ンの解法に慣れ てもらい,解の公式の使い方を学習す 学習内容・補足事項 2 学習1 ax2=b,(x+m) =n の形の解き方 A1,A2,B1,B3⑵ 例題 次の 2 次方程式を解きなさい。 ▷ x2 = 7 ▷ 2x2-18 = 0 x =± 7 x2 = 9 (⇒ 7 の平方根は± 7 ) x =± 3 (⇒ 9 の平方根は± 3) 2 2 ▷ (x-2) =16 ▷ (x+3) = 5 x+3 =± 5 5 の平方根 x =-3± 5 ると良い。因数分解を利用する解法は, ある (式が複雑な場合)。その場合は, 解の公式の利用に切りかえるのも良い ことを補足してもよいだろう。解の公 =6,-2 学習 2 平方完成による解き方 A3 2 例題 次の 2 次方程式を (x+m) =n の形に変形して解きなさい。 x2+2x = 5 ( 1 2 1 を加える。したがって, 2 × 2 2 くこなし,公式の定着を図って欲しい。 1 2 1 2 2 x +2x+ 2 × = 5+ 2 × 2 2 2 学習 1 x +2x+1 = 6 式自体複雑であるので,演習問題を多 両辺に (x の係数)× ( ・ax2 = b の解 b b x2 = より,x =± a a 2 ・ (x + m) = n の解 x + m =± n より,x =- m ± n ・x2 + ax = b の解 ( ) a 2 両辺に, を加えると 2 1 1 x2 + ax + a2 = b + a2 4 4 a 2 1 2 x + = b + a 2 4 a 1 x + =± b + a2 2 4 a 1 x =- ± b + a2 2 4 ) (一般形を知っている必要はない。 与式の左辺を(x+m)2の形に変形で きれば良い。 ) ( ) (x+1)2 = 6 x+1 =± 6 x =-1± 6 6 の平方根 学習 3 因数分解による解き方 A4,B2 ⑴,⑶,⑷,⑸,⑺,⑻,B3 ⑴,⑸,⑹,B4 ⑴ ▷ x2+5x=0 因数分解する ( x x+5)=0 x=0, x=0,-5 x+5=0 x2-3x-18=0 因数分解する (x+3) (x-6)=0 x+3=0, x=-3,6 x-6=0 ▷ 学習 4 解の公式による解き方 A5,B2 ⑵,⑹,B3 ⑶,⑷,B4 ⑵ 例題 次の 2 次方程式を,解の公式を用いて解きなさい。 ▷ x2+5x+2=0 ▷ 2x2-3x+1=0 公式で,a=1,b=5,c=2とすると, 公式で,a=2,b=-3,c=1とすると, - 5 ± 52 - 4 × 1 × 2 x = 2×1 - 5 ± 17 = 2 2 -(- 3)± (- 3) -4×2×1 2×2 3±1 = 4 1 = 1, 2 x = 解の公式は,計算に使用する中で覚えることを言及する。 学習 3 ・ (x-a) (x-b)=0 → x=a,b ・ (x-m)2=0 → x=m (解は 1 つのみ) 学習 4 ax2+bx+c=0 → x = ) )を加える。 2 例題 次の 2 次方程式を解きなさい。 学習 2 ( 16 の平方根 x=2 ± 4 見た目シンプルで望ましいものだが, 因数分解の操作に時間を要することも x-2=± 4 - b ± b2 - 4ac (解の公式) 2a 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 2 次方程式⑵ 10 ◆指導ページ P.38 ~ 41 ◆ 【指導のねらい】 ★ 2 次方程式の文章題ならではの素材に慣れる。 ★方程式を利用した未知数量の決定の方法を包括的に学習する。 はじめに 〈導入〉 ここでは,2 次方程式を用いる数量 の問題を学習する。中学 1 年,2 年で 取り組んだ方程式の文章題とつながっ ている。未知数を x でおいて,数量間 の関係を方程式にして,解を求めて, その解が題意を満たすかを吟味する。 扱う方程式は 2 次方程式ではあるが, 学習内容・補足事項 学習 1 2 次方程式の解 A1,B1 例題 2 次方程式 x2+ax-15=0 の 1 つの解が 3 のとき,次の問いに答えなさい。 ▷ 他の解を求めよ。 ▷ a の値を求めよ。 2 a = 2 をもとの式に代入して, x +ax-15=0 に x=3 を代入して, 2 3 +3a-15=0 ( x2+2x-15=0 a についての 3a=6 方程式ができる) 記述してイコ-ルで結び,方程式にす るだけである。それを解き,題意を満 x=3,-5 他の解は,x=-5 学習 2 数に関する問題 A2,B2 例題 連続する 3 つの整数があり,小さい方の 2 数の積がこの 3 つの整数の和に等しいとき, この 3 つの整数を求めなさい。 たすものを求める解とすれば良い。こ のように,包括的な解法であることを (x-3) (x+5)=0 a=2 基本は変わらない。数量を図や言葉で 整理し,等しい数量どうしを文字式で 意識しながら進めると良い。 連続する 3 つの整数のうち,まん中の数を x とすると,3 つの整数は x-1,x,x+1 と 学習 1 (x-1)x =(x-1)+x+(x+1) ( 表せるから, ( 未知数のうちどれかを x とおく。) 方程式の立式) x2-x = 3x 2 x -4x = 0 → x = a を (*)に代入する。 ( x x-4)= 0 学習 2 x = 0 のとき,3 つの整数は,- 1,0,1 ・x = a は,ある方程式 (*)の解であ る ・連続する 3 つの整数 …x-1,x,x+1 ・連続する 3 つの奇数 3 つの整数は,x,x+1,x+2 などと もおけるが計算量が増えてしまう。 x = 0,4 ( 方程式を解く) x = 4 のとき,3 つの整数は,3,4,5 (いずれも題意をみたす。 解の吟味) よって,その 3 つの整数は, - 1,0,1 または 3,4,5 …x-2,x,x+2 (ただし,x は奇数) 学習 3 図形に関する問題 A3,A4,B4,B5 学習 3,4 例題 周囲の長さが 40cm で,面積が 75cm2 の長方形をつくりたい。この長方形の縦と横の 2 辺の長さを求めなさい。 文章題を解く手順 ①数量のどれかを x と決める。 (未知数量を x とすることが多い。) 長方形の 1 辺の長さを x cm とすると,もう 1 辺の長さは(20-x)cm と表せるから, x(20-x)=75 ( ②等しい数量関係を見つけて,方程式 20− cm x -20x+75=0 ( をつくる。 (x-5) (x-15)=0 ③方程式を解いて,解を求める。 ④その解が,題意に合うか検討する。 方程式の立式) (未知数のうちどれかを x とおく。) 2 cm 図をかいてみる) 75 cm2 x=5,15 x = 5 のとき,長方形の 2 辺の長さは,5cm,15cm ( x = 15 のとき,長方形の 2 辺の長さは,15cm,5cm 解の吟味) よって,この長方形の 2 辺の長さは,5cm,15cm 学習 4 いろいろな問題 A5,A6,B3 例題 160 個のアメを何人かの子どもに等分したところ,1 人分の個数は子どもの人数より 6 多かった。子どもの人数を求めなさい。 子どもの人数を x 人とすると, ( 未知数のうちどれかを x とおく。) 1 人分のアメの個数は(x+6)個となるから, (x+6)x=160 ( 方程式の立式) 2 x +6x-160=0 (x-10) (x+16)=0 x=10,-16 x > 0 だから,x = 10 ( 解の吟味) よって,子どもの人数は 10 人 方程式を利用して未知数量を求める一般論(左記)が伝わるよう,それぞれのステップを意識 して説明する。 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 2 関数 y=ax ⑴ 11 ◆指導ページ P.42 ~ 45 ◆ 【指導のねらい】 ★関数 y=ax2 の代数的性質を理解する。 ★関数 y=ax2 のグラフがかけるようにする。 はじめに 〈導入〉 ここでは,関数 y=ax2 について学 習する。今までに取り扱った比例・反 比例,1 次関数の延長にある。中学 2 年では,連立方程式と 1 次関数のグラ フの対応を見たが,ここでは,2 次方 程式と 2 次関数の対応は見ない。それ は,高校数学で取り扱うこととなる。 ここでは,あくまで原点を頂点とする 学習内容・補足事項 学習 1 2 乗に比例する関数 A1 例題 次の場合について,y は x の 2 乗に比例することを示しなさい。 ▷ 1 辺が x cm の立方体の表面積を y cm2 とする。 y=x2 × 6 全部で 6 面 cm =6x2 y=6x2 より,y は x の 2 乗に比例する。 ▷ 周囲の長さが x cm の正方形の面積を y cm2 とする。 ( 14 x) (1 辺の長さ)=(周囲の長さ)÷4 2 関数 y=ax2 について,変化の割合, y = 変域,図形的特性を学習する。関数は 1 = x2 16 1 y= x2 より,y は x の 2 乗に比例する。 16 図形の問題とも融合される重要度の高 い分野である。関数における新たな概 念が登場するわけではないが,関数の 総復習としての意識を持ちたい。 1 4 cm 学習 2 y=ax2 の式 A2,A3,B3 例題 y は x の 2 乗に比例し,x=2 のとき y=16 である。次の問いに答えなさい。 学習 1 ・y は x の 2 乗に比例 2 → y=ax(a;比例定数) ▷ y を x の式で表せ。 y は x の 2 乗に比例→ y=ax2 とおく。 x=2,y=16 を代入する。 学習 2 ・ある関数がある点(a,b)を通る。 →そ の 関 数 の 式 に,x=a,y=b を 代入 16=a×22 a=4 よって,y=4x2 ▷ x=5 のときの y の値を求めよ。 y=4×52 学習 3 グラフのかき方 (方眼の目の場合) ①対応する格子点をかき出す。 ②点をとる。 ③なめらかな曲線でつなぐ。 格子点… x 座標,y 座標ともに整数 の座標の点 =100 よって,y=100 学習 3 y=ax2 のグラフ A4,B1,B2,B4 y 例題 y=x2 について,対応表をつくり,グラフをかきなさい。 y=x2 に x=-3,-2,-1,0,1,2,3 と順に代入する。 10 2 x=-3 のとき,y=(-3)=9 2 x=-2 のとき,y=(-2) =4 2 x=-1 のとき,y=(-1) =1 5 2 x=0 のとき,y=0 =0 x=1 のとき,y=12=1 x=2 のとき,y=22=4 -5 O 5 x x=3 のとき,y=32=9 順にかき入れる。 x -3 -2 -1 0 1 2 3 y 9 4 1 0 1 4 9 ① x と y の対応表をうめる。 (→とるべき点が決まる。) ②点をとる。 ③なめらかな曲線でつなぐ。 ここでは,対応表をうめ,グラフをかく。初めて扱う曲線なので,順を追って説明する。 標準新演習 夏期テキスト 中 3 数学 指導のポイント 2 関数 y=ax ⑵ 12 ◆指導ページ P.46 ~ 49 ◆ 【指導のねらい】 ★関数 y=ax2 の変域や変化の割合を計算できるようにする。 ★図形に関する数量を x の関数で記述することに慣れるようにする。 はじめに 学習内容・補足事項 〈導入〉 2 前課,11 課では,関数 y=ax の基 本的代数の性質及びグラフについて学 習した。ここでは,変域,変化の割合, 学習 1 y=ax2 の変域 A1,B1 例題 関数 y=x2 について,x の変域が次のとき,y の変域を求めなさい。 ▷ 1 ≦ x ≦ 3 図形などの関数による記述を学ぶ。既 9 習の関数と基本的には同様である。た には,グラフをイメ-ジすることが重 要である。変域の計算では,グラフを かく習慣を持ちたい。この先,高校で 変化の割合の極限値を取り扱う際にも 重要になる。また,図形に対する利用 では,辺の長さなどは正であることに 注意する必要も出てくる。細かな部分 図より,1 ≦ y ≦ 9 学習 1 y=ax2 の変域 (a > 0 のとき) ① x の変域に注意して,グラフをかく。 ②グラフから,最大値と最小値を読み とる。 (原点 O において最小となるときに は注意する。 ) 4 最小値 1 −2 O 1 図より,0 ≦ y ≦ 4 学習 2 y=ax2 の変化の割合 A2,A3,B2 例題 関数 y=x2 について,x の値が次のように増加するとき,変化の割合を求めなさい。 ▷ 2 から 4 まで +2 x 2 → 4 y もあるが,典型的な問題をこなす中で 整理されていくはずである。 最大値 最小値 1 O 13 だし,関数 y=ax2 は凹凸をもつグラ フの関数であり,諸計量を計算する際 ▷ - 2 ≦ x ≦ 1 最大値 ▷ - 3 から 0 まで +3 x -3 → 0 4 → 16 +12 (y の増加量) (変化の割合)= (x の増加量) 16 - 4 = 4-2 12 = = 6 2 y 9 → 0 −9 (y の増加量) (変化の割合)= (x の増加量) 0-9 = 0 -(- 3) -9 = =- 3 3 変化の割合は,定義をしっかり説明し,実例もあわせて計算する。 学習 3 y=ax2 の利用 A4,B3,B4 例題 右の図のような 1 辺が 12 cm の正方形 ABCD がある。点 P A は辺 AB 上を毎秒 2 cm の速さで A から B まで動き,点 Q は 学習 2 y=ax の変化の割合 が同時に A を出発してから x 秒後の△ APQ の面積を y cm2 と (y の増加量) (変化の割合)= (x の増加量) 学習 3 y=ax2 の図形に関する数量への応用 ① x の変域に応じて,図を対応させて 描いていく。 ② x の変域で関数形が変わる場合でも y の値が連続であるかチェックする。 するとき,次の問いに答えなさい。 ▷ y を x の式で表せ。 =2x2 AB=12cm より,2x ≦ 12,x ≦ 6 また,x ≧ 0 であるから, 0 ≦ x ≦ 6 したがって,y=2x2 (0 ≦ x ≦ 6) C 1 辺 12cm の正方形 ABCD △ APQ=(正方形 ABCD)× =12×12× =36 1 4 1 4 のときであり,つまり y=2x2=36 ( 方程式の立式) 2 x =18 x=± 3 2 0 ≦ x ≦ 6 より,x = 3 2 ( よって,3 2 秒後 2 次方程式の解法は 9 課で復習できる。 12 cm 1 になるのは何秒後か。 4 y=△ APQ B ▷ △ APQ の面積が正方形 ABCD の面積の x 秒後,AP=AQ=2x cm 1 = ×AP×AQ 2 1 = ×2x×2x 2 D P ↓ 辺 AD 上を毎秒 2 cm の速さで A から D まで動く。2 点 P,Q 2 Q→ 解の吟味)
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