テュフ ラインランドと Solarpraxis 社による PV+(プラス)Test 2.0

テュフ ラインランドと Solarpraxis 社による PV+(プラス)Test 2.0 ― 太陽電池モジ
ュールのベンチマークテストを拡充
テュフ ラインランドと Solarpraxis 社は、太陽電池モジュールのベンチマークテストである PV+(プラ
ス)Test の徹底的な見直しを行いました。特に、初期劣化および電圧誘起出力低下に関する新規試験
を追加しました。その他の変更点としては、環境試験室における試験に関する要求事項の厳格化、モ
ジュールの弱光応答性、温度依存性についての試験手順の変更などがあります。テュフ ラインランド
のソーラーエネルギー部門責任者である W・ファーセンは次のように説明しています。「太陽光発電
の試験プログラムは、市場やテクノロジーと同様に進化しています。従って当社は、PV+Test が効果
的で、有意義な結果を提供できるよう努め、必要に応じてしかるべき変更を行っています」。見直し
後の PV+Test 2.0 は以前の試験よりも適用範囲が拡大しただけでなく、より厳格に試験が行えるよう
になりました。ただし、言うまでもなく、以前の条件に従いこれまでに実施されたすべての試験は依
然として有効です。
ベンチマークテストである PV+Test によって、消費者と投資家は過去 2 年にわたって、期待通りの性
能を確実に発揮する「良質な」太陽電池モジュールとは何かという疑問への回答を得てきました。こ
れまでに、21 機種のモジュールに対して PV+Test を実施し、ドイツの学校で採用されている評点方
式に従い段階評価を行ってきました。満点は 100 点で、最高評価(「非常に良い」)を得るためには
90 点以上が必要です。最低合格ラインの評価(「適合」)には、50 点を上回る得点が必要となります。
PV+Test には新たな項目として、日射を受け始めてから最初の数日間に起こり得る若干の性能低下に
関する検査および評価が追加されました。この性能の低下は太陽電池モジュールの「初期劣化」また
は「光誘起劣化」(LID)と呼ばれる現象で、一部の太陽電池セルに影響を与える可能性があります。
結晶系モジュールのメーカーは、銘板の出力仕様において必ずしも LID の潜在的影響を考慮している
とは限りません。メーカーが出力区分の際に初期劣化を考慮に入れない場合は、PV+Test 2.0 では減
点の対象になります。
近年、高システム電圧や錯体に関連する物理的作用が大規模太陽光発電システムの出力低下をもたら
す大きな要因であると判明しました。これを受け、見直し後の PV+Test 2.0 では「電圧誘起出力低
下」(PID)に関する試験も実施します。環境試験室で実施する環境試験も見直され、これまで以上
に厳格になっています。例えば、モジュールは温度変動試験に合格する必要があります。この試験は
−40℃から+85℃までを交互に 200 回繰り返すプロセスを 2 セット行います。また、高温高湿試験
も範囲を拡げており、温度 85℃、相対湿度 85%で 1,000 時間という試験を 2 回クリアする必要があ
ります。
今後は、PV+Test で弱光、温度変動、各モジュール出力の間の関連性をより正確に評価することが可
能になります。以前のテスト設計では、一般的に、弱光条件下での温度係数測定とモジュール挙動試
験はそれぞれ個別に行っていました。新テストの PV+Test 2.0 では、両方の数値を「マトリックス測
定」で測定します。マトリックス測定は国際規格 IEC 61835 第 1 部に準拠した測定法で、温度と光が
変動する条件下でのモジュール出力をより詳細に評価できます。その結果、エネルギー収量をより正
確に予測することが可能になります。測定結果は中央ヨーロッパの気候条件に基づく重み付け法を用
いて評価します。
エレクトロルミネッセンス検査(EL)によるモジュール試験も拡充されました。この試験は、X 線画
像に似た方法でモジュールの損傷を明らかにするものです。EL は機械的応力試験をすべて終えてから
実施し、検査結果は試験プログラムにおいて各モジュールの得点に反映されます。
PV+Test ―「良質な」太陽電池モジュール市販品のポジティブリスト
PV+Test は、消費者や投資家にとっての指針となることを目的としたポジティブリストです。参加す
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るメーカーは、試験結果を公表するかどうかを自ら決定することができます。これまでのところ、複
数の参加メーカーが計 9 機種のモジュールテスト結果について、公表を控える決定をしています。最
近では、Solarworld 社の Sunmodule Plus SW 245 poly が格付けで「非常に良い」と評価されたほか
(以前、Solon 社製モジュールも同評価を獲得)、2 機種が「非常に良い(−)」、12 機種のモジュ
ールが「良」の評価を受けています。
テュフ ラインランドと Solarpraxis 社は社名を伏せたまま通常の販売店で試験用モジュールを購入し、
その後ケルンにあるテュフ ラインランドの太陽光発電試験施設で数ヶ月にわたり試験を実施します。
出力測定の継続的な記録が特に重要で、試験開始前と当該試験段階の終了時に記録を行います。これ
は、出力の中でも特に、特殊荷重印加後や長期使用後の出力が決定的な要因となっているためです。
PV+Test で評価対象となる基本要素は、経年劣化耐性、電気的安全性、仕上がり、説明書および施工
要領書、設置容易性、保証です。PV+Test の試験プログラムは、常に見直しが行われており、技術の
進歩を考慮して今回のような更新が実施されます。こうした見直し・更新作業は、テュフラインラン
ドと Solarpraxis 社が産業諮問委員会と協議した上で行っています。産業諮問委員会は、太陽電池モ
ジュールのベンチマークテストが最初に導入されて以来、テストの監視を続けています。
詳 細 情 報 お よ び PV+Test の 全 結 果 は 、 http://www.pv-magazine.de/modultest お よ び
http://www.pvtest.de/からオンラインでご覧いただけます。また、pv magazine Deutschland 誌
2013 年 6 月号にも、テストの詳報ならびにテストの現状についての考察が掲載されています。
【お問い合わせ】
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
カスタマーサービスセンター
E-mail: [email protected]
Tel: 045-470-1850 / 06-6355-5400
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