2009/02/20@Gree KeyVal勉強会 Key (-Value)の 的な 格納手法について 岡野原 大輔 (株) Preferred Infrastructure (PFI) 大学情報 学 研究科コン ピュータ科学専攻 自己紹介 • Blog http://hillbig.cocolog-nifty.com/ • 興味分野 – データ圧縮、自 語 、全文 、 要するに⇒たくさんのデータが大好き • Preferred Infrastructure – Sedue(圧縮全文 ) – Hotate(関連記事レコメンダ) • 宣伝:今号のWEB+DB Pressに レコメンド特集! 学 今日の話 • キー格納手法の研究分野では今どんなの があるのという に つ話 眠くなっちゃうよ • 簡潔木 – tx:コンパクトなtrie • ハッシュ関数 – Cuckoo Hash – bep:最小完全ハッシュ関数 の • 文字 のキーを • (キー,値)の 用してい い な値を格納したい – (URL, webページ) – (メールアドレス, 個人情報) – (単語, 単語の出現リスト) • 方法1: 木による格納 – キーに対しtrieなどの木構造を構築し、木の節点、 に値を格納 – 通 頭辞 などできる。 :http://hillbig*を など • 方法2 ハッシュによる格納 – キーでハッシュ値を計算し、それをアドレスとして使い、その 値を参照(または値へのポインタを格納) ⇒これらの操作を可能な り小さいサイズで に う ⇒そんなにメモリに載せちゃダメってのも載せちゃう 実装手法 tx サイズ (1≒100MB) 0.46 bep 2.03 bep(キー無し) 0.07 darts 3.62 stl::set 8.86 stl::hash_set 8.18 構築時間 (秒) lookup 30.5 44.5 44.5 16.7 39.5 32.4 10.3 0.49 0.46 1.25 3.30 0.54 106回, 秒 *common prefix searchなどをサポートしているか complex search* ○ × × ○ ○ ○ • 実験データは Web 1T 5-gram Version 1 の 1-gram •キーワード種類数は13588391 •キーワードを全てつなげた時の は112349445 (約100MB) •darts: double arrayによりtrieを実装したライブラリ •stl::set stl::hash_setはC++ STLライブラリ •tx, bepともに非常にコンパクトにキーを 可能 方法1 木によるキーの格納 キー集合を木構造で ◦ 各枝に文字が付随し、つなげるとキーになる ◦ 値は節点の先に格納 t e a (trie) i o n 木のポインタ表現は1ノードあたり 約96bit必要 e - 親、最初の子、次の兄弟を指す場合 w n n LOUDS表現を 用すると1ノードあた り約2bitに。木を辿る操作は定数時間 キー : "to", "tea", "ten", "i", "in", "inn“, and “we”. tx:木の簡潔表現によるtrieライブラリ • キー集合をコンパクトに格納し操作可能 – 元のサイズの約1/2で格納 – 10億キーワードでもPC上のメモリに載る – 値はtxが返すユニークなIDを 用して格納 • 複 • な操作でも、キーが えても から2 。 れて 定してきた – 「“tx trie で してください – 外にも他 、研究 関での 用、 海外の某Webサービス、i-phoneアプリなど く 用されてる 準備:Rank/Select辞書 ビット に対する簡潔データ構造 • ビット B[0…n-1]に対し,次の二つの操作 – rankb(B,i) : B[0…i]中のb∈{0,1}の数を返す – selectb(B,i) : (i+1)番目のb∈{0,1}の位置を返す • B 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1011011101 1 rank1(B, 6) = 5 select0(B, 1) = 4 • Rank/Select辞書はビット の0次経験エントロ ピーで定数時間で実現可能 実装 などは[Okanohara+ 07] LOUDS: Level-Ordered Unary Degree Sequence [Jacobson 89, O’Neil Delpratt 06] • 木をBFSで辿り,k次のノードを に k個の’1 ‘と1個の’0’で表す きがけ – 先頭にSuper Root S(番人)を追加 – n個の節点からなる順序木にはn個の1, n+1 個の0が出現する。(2n+1) bitでの符号化 – Bi番目の節点とi番目の1, (i+1)番目の0が対応 1 3 2 4 5 6 7 S 8 1 2 3 45 6 7 8 10 110 1110 110 0 0 0 0 0 LOUDS上での操作 • B[i]に対応するノードに対する各操作 – 最初の子 = select0(B, rank1(B,i)-1) + 1 – 最後の子 = select0(B, rank1(B,i)) - 1 –親 = select1(B, rank0(B,i)-1) 2 3 1 S – 次の兄弟 = i+1 45 6 7 8 10 110 1110 110 0 0 0 0 0 1 3 2 4 5 2 6 7 8 実際確かめてみよう 枝に付随する文字情報,各節点に 付随するデータも で保存可能 方法2 ハッシュによる格納 • 通常のハッシュ関数を使う衝突が発生 – 衝突を するのにどれだけ計算 が必要か 分からない – 新時に複数の場所をロックする必要がある。 絶対危ない • 面白いハッシュ関数 – Cuckko Hash – 最小完全ハッシュ関数 – 他多数 Cuckoo Hashing [Page+ 00]*(1/2) 説明のためにオリジナルとはちょっと違います • キーkの登録をする場合 – 二種類のハッシュ関数h1 h2を用意 – h1(k)とh2(k)を調べ、どちらか空いていたらそこに – どちらも埋まっていたら、片方のハッシュ関数の 方にあったキーを追い出し、そこに値を格納する – 追い出されたキーは、自分のもう片方の候補を追 い出し、そこに値を格納する。これを繰り返す – この操作が一定回数止まらなかったら、新しい ハッシュ関数を用意し、一からやり直し k k1 Cuckoo Hashing (2/2) • 一から作りなおす確 は非常に 全 の 計算 はキー数の く、 で えられる – 登録時間の し計算 は定数 – グラフ中に がある確 であり、 密に計算可能 または、逃げ場(Stash)をちょっとだけ用意すれば )をちょっとだけ用意すれば – または、逃げ場( 作り直さなくても済むことがわかっている • キーの参照が定数箇所(2か所)の参照で済む ⇔従来のHash関数はどこまで るかわからない – ディスク上とかにおいてもできる • 様々なバリエーションがその後も提案 – 三つのhashを使うものや、ハードウェアで実装 bep : 最小完全ハッシュ関数による連想 • 大 キーを うための連想 – lookupのみサポートしキー順序は保存しない • 最小完全ハッシュ関数を 用 – キー集合Sに対する完全ハッシュ関数 ⇔S中のキー同士は衝突しないことが保障 – Sに対する最小完全ハッシュ関数 ⇔ハッシュ関数が完全かつ、ハッシュ値の範囲が [0, |S|-1] (重複の無い連番を返す) – 単純なアプローチでは作れない • n個のキーで できる確 は n! / nn ≒ e-n • 先ほどのCuckoo Hash+簡潔データ構造 完全ハッシュ関数の構築手法 [Ziviani+, WADS 07] • n個のキー k1 k2… knに対し,[0..m-1] (n≦m) を値域とするPHFを構築する • 二つの なハッシュ関数h1, h2を用意 – h1は[0..m/2) に, h2は[m/2 .. m)に写像するよう なハッシュ関数 • グラフG={V,E}を考える. – 頂点 V = {0,…,m-1} – 枝 ei = (h1(ki), h2(ki)) 0 1 2 3 (i=1…n) 5 6 2 7 – 2部グラフであり、枝の数はn個 0 3 8 5 6 7 8 4 4 9 完全ハッシュ関数の構築手法 (続) • 各枝につき,頂点を1つずつ割り当てる – この時,割り当てた頂点が重複しないように する.グラフGに が無いなら可能 – があったらハッシュを作り直す – 各頂点vに番号g(v)∈{0,1}を与え,割り当て られるようにする • PHF: pは次の通り g 0 0 0 1 2 3 5 6 2 7 0 3 8 5 6 7 8 4 0 p(k )= hi (k ) i = g (h0 (k )) + g (h1 (k )) mod 2 1 g 1 1 0 1 4 9 0 完全ハッシュ関数から 最小完全ハッシュ関数 • 今回構築したPHFは既にかなり密 – m=1.23n, 値域のうち1/1.23はキー • rank関数を 用しMPHFにする – B[0…m-1] : B[i]=1: iにキーがある p (k )= rank1 ( B, hi (k )) i = g (h0 (k )) + g (h1 (k )) mod 2 g 1 0 0 0 1 2 3 5 6 2 7 0 3 8 5 6 7 8 4 0 キー k が h0(k)=2 , h1(k)=6の場合 i = g(2)+g(6) = 0+1 = 1 p(k)=6, rank1(B, 6) = 5 g 1 1 0 1 4 9 0 今後の予想 • keyとvalueの相関をとらえて圧縮 – keyが似ているならvalueも似ているはず c.f. xbw – おそらくkeyでsortしてvalueをその順につけてLZで十分 • より操作の局所性を保障したデータ構造 – よりキャッシュヒット&ロックの範囲を狭く! • ライブラリもどんどん出てくるはず – 研究で手法が提案されてから実用的になるのは1 5 – 有望そう: 圧縮したまま定数時間でランダムアクセス可能 追加・削除・をサポートしたような簡潔データ構造 近似有でデータを格納 – 話せなかったが、単調最小完全ハッシュ関数, Bloomier Filterも面白いよ
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