4-2 振 動 (1) 調査対象地域 施設の稼働に伴う振動の影響については、影響が考えられる事業実施区域周辺の地域を対 象とした。なお、事業実施区域から概ね600m以内に民家は存在しない。 (2) 現況把握 ア 現況把握項目 現況把握項目は表4-2-1に示すとおり、環境振動の振動レベルとした。 表4-2-1 振動の現況把握項目 調査項目 環境振動 既存資料調査 現地調査 - ○ 振動レベル イ 現況把握方法 (ア) 調査地点 環境振動の現地調査地点は図 4-2-1 に示すとおりである。 環境振動の現地調査地点は、周辺の民家までの距離が最も近い事業実施区域の「東側 敷地境界」とした。 4-2-1 産業廃棄物焼却場 ●東側敷地境界 凡 ● 例 事業実施区域 環境振動調査地点 図4-2-1 環境振動の現地調査地点 4-2-2 (イ) 調査時期 現地調査期間は表4-2-2に示すとおりであり、平日24時間測定した。 表4-2-2 振動の現地調査期間 調査項目 環境振動 調査期間 平成24年12月12日(水)14時~12月13日(木)14時 (ウ) 調査方法 調査方法は表4-2-3に示すとおりである。 表4-2-3 振動の現地調査方法 調査項目 環境振動 調査方法 「振動レベル測定方法」(日本工業規格 Z 8735)に準拠して実施した。 ウ 現況把握の結果 (ア) 環境振動 環境振動の調査結果は表4-2-4に示すとおりである。 東側敷地境界では振動規制法(昭和51年 法律第64号)における特定工場等に係る振動 の規制基準以下であり、振動感覚閾値(通常、人が振動を感じ始めるレベルとされる55dB)を 下回っていた。 表4-2-4 環境振動調査結果( L 10 ) (単位:dB) 調査地点 時間区分 測定結果 規制基準値 昼 間 36 60 夜 間 30未満 55 東側敷地境界 振動感覚閾値 55 注:1.時間区分 昼間:8時~19時、夜間:19時~8時 2.測定値は当該時間区分における測定値の最大値を示した。 3.規制基準値は、特定工場等に係る振動の規制値である。 4.振動感覚閾値:「公害防止の技術と法規[振動編]」(平成8年、(社)産業公害防止協会) 4-2-3 (3) 予 測 ア 予測対象時期 施設の稼働が定常の状態に達した時期とした。 イ 予測項目 施設の稼働に伴う工場振動レベル( L 10 )とした。 ウ 予測方法 (ア) 予測地点・範囲 施設の稼働により振動の影響を受けるおそれがあると認められる地域とし、事業実施区域 の周辺地域とした。 (イ) 予測手法 施設の稼働に伴う振動の予測については、1階に設置してある機器を対象とし、施設変更 前と施設変更後の施設の稼働状況を検討することにより定性的に予測した。 (ウ) 予測条件 振動発生機器の施設変更前と変更後の稼働状況は、表4-2-5に示すとおりである。 施設変更により停止するポンプは2台で出力は0.2kW~0.4kWであり、井戸ポンプは現状と 同様の規模の機器が新設されるが稼働状況としては現状と変わらない。 表4-2-5 位置 振動発生機器 振動発生機器の施設変更前と変更後の稼働状況 設備名称 出力 台数 サンプリングポンプ 0.4kW メタノール注入ポンプ 井戸ポンプ 稼働状況 変更 内容 変更前 変更後 1 停止 常時1台 - 0.2kW 3 停止 常時1台 - 11kW 2 新設 1台 2台(稼働1台) 注: 井戸ポンプは2台になるが、交互に使用するため1台の稼働で、現状の稼働時間と変わらない。 エ 予測結果 施設の変更に伴う振動発生機器は、稼働停止するものについては出力が小さいため、振動 に与える影響は小さいと考えられる。 井戸ポンプは、新設されるものの既設ポンプとの交互使用であるため、振動に変化はないと 考えられる。 以上のことから、施設の変更に伴う振動レベルは、現状と同じであると考えられる。 4-2-4 (4) 影響の分析 ア 影響の分析方法 施設の稼働による振動の影響が実行可能な範囲内で回避され、又は低減されているか否か について検討した。また、環境影響の予測結果を踏まえて、環境保全に関する目標との整合性 について検討した。 イ 影響の分析結果 (ア) 影響の回避または低減 施設の稼働に伴う振動の影響について、次のとおり予測の前提とした環境配慮事項に加え て、環境保全措置を実施することから、実行可能な範囲内で回避、低減が図られている。 <環境配慮事項> ・振動を発生する機器は強固な基礎の上に設置する。 <環境保全措置> ・機器の維持管理を徹底する。 (イ) 生活環境の保全上の基準との整合性 施設の稼働に伴う振動の予測結果について、生活環境の保全上の目標として「振動規制 法(昭和51年 法律第64号)における特定工場等に係る振動の規制基準」を定め比較した結 果、規制基準値(昼間60dB、夜間55dB)以下であり、振動感覚閾値(通常、人が振動を感じ 始めるレベルとされる55dB)を下回っている。 また、施設の変更に伴う振動レベルは現状と同じであると考えられる。 これらのことから、振動の環境保全に関する目標との整合性が図られている。 4-2-5
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