1 体験実験テーマの概要 1.「でんぷんの化学」 (所要時間90分) 我々は

体験実験テーマの概要
1.「でんぷんの化学」
(所要時間90分)
我々は、植物が生産するでんぷんをグルコースに加水分解し、さらに二酸化炭素
まで分解しエネルギーを得ています。今回は、でんぷん粒からグルコースにいたる
過程を観察します。
1)ジャガイモをすりつぶし、ガーゼでろ過し、分別沈殿で、でんぷん粒を得る。
2)でんぷん粒を加熱し、水溶性のでんぷんを得る。
3)ヨウ素液を加えて、でんぷんに青色を付ける。
4)得られた3)の液に、アミラーゼを加えて、青色の変化を見る。
5)市販のアミラーゼの代わりに、唾液を用いて4)と同様の変化を見る。
2.「放射線を観てみよう!-身の回りの放射能-」
(所要時間90分)
私たちの周りには放射線を出している物質がたくさんあります。しかしながらそ
の放射線を私たちは日常感じることなく生活しています。この実験では簡単な材料
を用いて霧箱を製作し、身近にある物から出てくる放射線を自分の目で観測します。
ちょうど青い空に飛行機雲が白く伸びていくように、霧箱中に生じた放射線の通り
跡を観ることができます。また、放射線測定器で身近なものから出ている放射線を
測定します。
3.「−あっという間に糸やゲルに−肉眼で観察できる高分子合成反応」
(所要時間90分)
私達の身のまわりには繊維、ゴム、プラスチックや塗料など、様々な高分子化合
物が活躍しており、私達の日常生活になくてはならないものになっています。本テ
ーマでは実際にあっという間にできてしまう「高分子」を作ってみましょう。今回
は特に他には売っていないオリジナルグッズを自らの手で作ります。暑い夏に見て
楽しい、触って楽しい素敵な芸術作品を作りましょう。
4.「試験管でできる炎色反応」
(所要時間90分)
食塩の水溶液を金属の針につけて炎であぶると黄色く光ります。それが炎色反応
で、見たことがある人も多いと思います。今回は同じ炎色反応でも試験管の中で行
う炎色反応の実験を行います。激烈な反応で、ちょっとアブナイので慎重に行いま
す。その代わり、すごく強い光が発生します。混ぜる金属を変えると様々な色の光
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が出ます。それは花火が光る原理と全く同じです。打ち上げ花火を遠くから眺める
代わりに試験管の中で作ります。
5.「かおりのあるエステルの合成」
(所要時間90分)
花や果物にはさまざまな揮発性の化合物が含まれており、それらが混ざり合って
特有の香りとなります。バナナやパイナップルなどの香りの主成分はエステルと呼
ばれる物質であることが知られています。また、昆虫の中には、仲間同士の情報伝
達にその種に特有の化合物(フェロモン)を使っているものがあります。
今回はカルボン酸とアルコールを用いていくつかの香りのあるエステルを合成して
みます。何の匂いか当ててみましょう。
6.「液晶を楽しもう」
(所要時間90分)
液晶と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、携帯電話や、ノートパソコン、壁掛け
テレビなどのディスプレイでしょう。実は、そのディスプレイの中にトロトロの液
状物質が詰まっているのをご存知でしたか?そんな液晶という物質を使って、液晶
温度計や、簡単な液晶ディスプレイを作ってみましょう。
7.「水溶性高分子の様々な性質」
(所要時間90分)
水に溶ける高分子(水溶性高分子)は、増粘作用、ゲル化作用、保湿作用などの
機能を有しており、洗剤、化粧品、食品、医薬品、塗料などのさまざまな分野で利
用されています。今回は水溶性高分子を用いていくつかの実験をしてみましょう。
8.「紅茶からカフェインの抽出」
(所要時間180分)
“カフェイン”といえば、コーヒーや紅茶に含まれている眠気を覚ます成分をま
ず思い浮かべることでしょう。では、皆さんが毎日飲んでいるはずの紅茶の中には、
いったいどれくらいのカフェインが入っているのでしょうか?本実験では、ごく普
通の売られている紅茶の葉から奇麗なカフェインの結晶を取り出し、眠気覚まし成
分の神秘に迫ります。取れてくるカフェインの多さとその覚醒効果にひょっとする
と夜は眠れないかも。
9.「みかんで電池をつくる.
..えっ!」
(所要時間90分)
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果物や炭といった身近な材料を使って化学電池を作りましょう。化学反応によっ
て発生したエネルギーを電気エネルギーに変換するのが「化学電池です」といっても、
皆さんが家庭で使っている乾電池と仕組みは同じ。正極、負極では様々な酸化や還
元反応によって電位差が生じています。それを導線で繋いでやれば電池の出来上が
り。炭はやっぱり「備長炭」が最適。え〜いっ、ついでに最近話題の燃料電池も作
っちゃえ!
10.「藍染め」
(所要時間90分)
繊維の構造がゆるんだ部分に染料を結合させることが染色の実態である。藍の染
料インジゴは水に不溶性であるが、アルカリ性で還元すると水溶性になり、空気酸
化により不溶性のインジゴに戻る。この性質を利用して藍染めを行う。
蓼藍の生葉を叩いて転写させる生葉染めを先ず行う。さらに伝統的な還元法ではな
いが、乾燥葉や合成インジゴを用い、薬品還元による藍染めを行う。
11.「溶液中の高分子を観察する」
(所要時間90分)
高分子の大きさや形はどのようにして知ることが出来るのでしょうか。高分子の
サイズが光の波長(数百ナノメータ)よりも十分に大きい場合には各種顕微鏡法を
用いて直接観察をすることが出来ますが、これより小さいサイズのものはこの方法
で見ることは出来ません。この実験では水中と食塩水中で分子の形状が大きく変化
する高分子電解質の溶液中における大きさを実際に測定して頂きその違いを実感し
てもらう事を目的とします。
12.「時計反応と振動反応
−時とともに変わる分子の営み−」
(所要時間90分)
うがい薬、ビタミン C 入り清涼飲料、消毒液など、身の回りのものを特定の割合
で混ぜた無色の溶液は、一定時間たつとパッと着色します。何色になるだろうか?
この「時計反応」を利用し、化学時計(ケミカルクロック)の作成にチャレンジし
ます。この他、物質の酸化還元を利用して、溶液の色が周期的に変わる「振動反応」
と呼ばれる実験を行ない、化学反応が織り成す不思議な時空の世界を体験してもら
います。
13.「家でもできる化学実験」
(所要時間90分)
化学実験といえば学校の実験室でやるものと考えがちですが、その気になって家
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の中を見渡すと洗剤や調味料には化学薬品として十分使えるものがあります。今回
は一般家庭にあるもので簡単な実験をしてみましょう。内容は,1)酸化・還元反
応,2)炎色反応,3)錯イオン(錯体化学)と,少し難しそうな内容ですが,身
近な物で実際に体験し化学への理解を深めましょう。
14.「X線で分子を見る」
(所要時間90分)
DNA が二重らせん構造であることは X 線を使って発見されました。X 線を使って
分子の立体構造を見る方法は、小さなものを顕微鏡で拡大して見る方法と全く異な
った原理である回折法を使っています。
なぜ X 線回折法で分子の姿を見ることができるのかを理解するために、ここでは X
線回折法の原理についての解説と、実際に様々な構造からどのような回折像が得ら
れるかをレーザー光を用いて実験します。
15.「–196 ℃ の世界を体験しよう」
(所要時間90分)
100 ℃ でやかんのお湯が沸騰したり,0 ℃ で氷ができたりするように,温度を
変化させると物質の様々な性質が変化します。窒素は地球上に最も多く存在する気
体ですが,冷やすと –196 ℃ で液体になります。この液体窒素を使って,今回の実
験ではいくつかの物質を冷やして様々な物質の性質の変化を調べてみましょう。
16.「弾むゴムと弾まないゴム」
(所要時間90分)
ゴムは、引っ張れば伸び、はなすと元の形に戻る−これは周知の事実です。しか
し、ゴム以外の物質でこのような性質を示すものは世の中に存在しません。また良
く弾むゴムボールもあれば、全く弾まないものもあります。
(弾まないゴムは振動を
吸収する制振材料として実用化されています。
)今回の体験実験では、ゴムの示す様々
な性質を科学的に調べることで、ゴムの弾性的性質の起源について理解を深めても
らいたいと思います。
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