SmartCal™ SmartCal™ トラブルシューティング チェックリスト SmartCal 標準物質は、水分率測定結果と定義した管理限界値を比較し て、水分計の性能を確認します。 結果が期待値を示さない、または管理限界外の場合、このチェックリス トが問題発生源を特定するのに役立ちます。チェックリストは試験結果 の精度と繰り返し性の最適化にも利用できます。 SmartCal™ チェックリスト解説 以下は SmartCal のトラブルシューティング チェックリストに関する説明です(折込みペ ージ参照)。たとえば「1.1」という番号はチェックリストの質問番号 1.1 を指します。 1. 機器 1.1 測定エラーを防ぐため、水分計などの機器は環境に順化させなければなりません。 1.2 機器を電源に接続すると、電子部品のウォーミングアップが始まります。ウォーミングアップ中に測定を 行うと、エラーが発生することがあります。機器は測定開始前に 60 分以上電源に接続しておく必要が あります。 1.3 測定後に必ず機器内を自然冷却させる必要があります。これによりあらゆる測定に対し一貫した開始 条件が得られます。保護ガラスの温度が室温と同じになると、SmartCal の試験測定を開始できます。警 告:保護ガラスは測定後に非常に熱くなることがあります! 高温の機器で SmartCal 測定を行なう場合:高温状態の機器で SmartCal 試験を開始した場合、得られ る水分率測定結果は実際より高く出て、繰り返し性が低下します。そのため開始条件を可能な限り同一 に保つよう注意してください(乾燥温度、乾燥時間および最終測定からの経過時間)。 1.4 保護ガラスは定期的に汚染されていないか点検し、必要に応じて洗浄する必要があります。ガラス上に わずかな被膜ができただけで輻射力が低下します。 1.5 SmartCal 試験に正しいメソッドパラメータ(測定条件)を設定しているか確認してください。 • • • • 乾燥プログラム: 乾燥温度: スイッチオフ基準: 表示: 標準 70、100、130 または 160 °C (時間)10 分 %MC 2. 環境 2.1 空気対流(エアコン、開放した窓、換気フードからの流れなど)は、結果に影響する場合があり、通常は 繰り返し性の低下を招きます。 換気フード内での SmartCal 測定の実施:SmartCal を行う場合の環境条件は日常の水分率測定の条件 と同じにすることが重要です。また温度校正キットの校正および調整も日常の水分率測定と同じ環境 下で行う必要があります。 2.2 さらに温湿度計も、SmartCal 結果の補正を正しく行なえない場合があるため、順化させる必要があり ます。温湿度計は環境条件への適応が非常に遅いため、順応に 30 分以上をかける必要があります。 SmartCal トラブルシューティング チェックリスト SmartCal を正しく使用した場合、以下のチェックリストの質問に対する回答は全て「YES」となります。 「NO」の回答がある場合は、チェックリストの詳しい説明(4-5 ページ)を参照してください。問題を解決 した後に、再度 SmartCal テストを実施してください。 チェックリスト Yes? チェックリスト項目を満たさない場合の SmartCal 測定の影響 低すぎる 高すぎる 1 機器 1.1 水分計を順化しましたか? x x 1.2 電源を 60 分以上接続していましたか? x x 1.3 機器を開始前に冷却しましたか? 1.4 保護ガラスは清潔ですか? x 1.5 正しい SmartCal メソッドパラメータを設定しましたか? x 2 環境 2.1 空気対流を完全に防止しましたか? 2.2 温湿度計を順化しましたか? 3 温度校正/調整 3.1 校正/調整は適切な測定条件下で行なわれましたか? 3.2 開始前に水分計を自然冷却させましたか? 3.3 温度校正キットの温度は周囲温度と同じでしたか? 3.4 温度校正キットの温度補正は行いましたか? 補正率 (-x ºC) が適用 されていない場合 補正率 (+x ºC) が適用 されていない場合 3.5 温度校正キットは正常に作動していますか? x x 4 SmartCal の試験と取扱い 4.1 サンプル受け皿ハンドラーを使用しましたか? 4.2 新しい平らなアルミ製サンプル受け皿を使用しましたか? 4.3 SmartCal 測定は直ちに開始しましたか? 4.4 受け皿に全ての内容物を乗せましたか(目標値 8.5 g)? x 4.5 SmartCal をサンプル皿上に均一に分散させましたか? x 4.6 結果は補正しましたか? x 4.7 SmartCal の期限は有効ですか? x x x x x x x 水分計の 温度が高かった場合 温度校正キットの 温度が高い場合 ハンドラーを使用しな かった場合 x x 開始が遅れ、乾燥した 開始が遅れ、高湿度の 環境である場合 環境である場合 SmartCal が期限切れ の場合 x 3. 温度校正/調整 3.1 水分計は適切な測定条件下で校正および調整する必要があります(2.1 参照)。 3.2 校正または調整は適切な温度条件下(「冷却状態の水分計」)で実行し、開始を均一化し、正しい校正または調 整方法で実施する必要があります。 3.3 校正または調整は適切な温度条件下で温度校正キットを使って実施する必要があります(「温度計の冷却」。 3.2 参照)。 3.4 校正証明書付温度校正キット (HA-TCC) には、温度計の偏差を示す証明が付けられています。温度計を使用する とき、この補正値を考慮する必要があります。 3.5 温度校正キットの性能は定期的に確認する必要があります。メトラー・トレドは温度校正キットを再校正できる公 認校正ラボを開設しています。 4. SmartCal の試験と取扱い 4.1 SmartCal 試験測定用のサンプル受け皿ハンドラーを使用します。受け皿ハンドラーを使わないで試験測定する と、高めの検査結果がでます。 4.2 新しい平らなアルミ製サンプル受け皿を使用します。 4.3 標準物質で吸湿性であるため、SmartCal のスティックを開いてから検査の開始までの時間を最短化する必要があ ります(4.7 参照)。標準物質は乾燥環境下では水分を即座に放出し、多湿環境下では即座に水分を吸収します (補正表参照)。 4.4 スティックの全内容物(目標は 8.5 g)をサンプル受け皿に均等に分散させます。小さな粒がわずかに残った場合 には最終結果には影響しません。ただし袋に残留粒子が多い場合、新しいスティックで検査を繰り返す必要があ ります。 4.5 標準物質が十分に分散していないと、繰り返し性の低下の大きな原因になります。スティックの標準物質の量は、 サンプル受け皿全体を単層で均一に覆う量に設定されています。 サンプル受け皿全体が SmartCal 顆粒で完全に覆われるまで、ハンドラーを使ってサンプル受け皿を慎重に回転、 傾斜させます。 4.6 管理限界は標準条件下(20 °C および相対湿度 50%)で決定されています。環境条件が異なる場合、最終結果を 補正しなければなりません。乾燥環境は標準物質からより多くの水分が蒸発し、多湿環境はごくわずかしか水分 が蒸発しません。測定結果の補正は Excel 計測レポートで自動的に行なわれますが、補正表を使って手動で行なう こともできます。いずれの場合も測定環境条件(温度および相対湿度)は温湿度計を使って計測します。 4.7 有効期限はブリスター包装および SmartCal の各スティックに印字されています。正しく保管されていれば、 SmartCal の性能はその日付まで保証されます。 SmartCal 補正表 [%MCN] 機器の設定 • 乾燥プログラム: • 乾燥温度: • スイッチオフ基準: • 表示: 標準 70、100、130 または 160 °C (時間)10 分 %MC MT 管理限界 四つの異なる検査温度における cSmartCal および SmartCal の管理限界: (METTLER TOLEDO ハロゲン水分計で有効)。 (%MCN:20 °C および 50% RH に補正した水分率)。 検査温度 [°C] cSmartCal 管理限界 [%MCN] SmartCal 管理限界 [%MCN] 70 3.3 – 4.3 3.2 – 4.4 100 5.3 – 6.3 5.2 – 6.4 130 7.5 – 8.7 7.4 – 8.8 160 10.0 – 11.6 9.9 – 11.7 補正表 標準状態 (20°C/50%RH) への補正は、Excel 計測レポートで自動的に行なうか、下記補正表を使って手動で行ないます。この 表は SmartCal の結果を補正するための補正値を示しています。 相対湿度 [%] 室温 [°C] 10 15 20 25 30 35 40 20 -0.31 -0.28 -0.24 -0.18 -0.12 -0.03 0.07 25 -0.29 -0.25 -0.20 -0.13 -0.05 0.06 0.19 30 -0.27 -0.22 -0.16 -0.08 0.02 0.15 0.31 35 -0.24 -0.19 -0.12 -0.03 0.09 0.24 0.42 40 -0.22 -0.16 -0.08 0.03 0.16 0.33 0.54 45 -0.20 -0.13 -0.04 0.08 0.23 0.42 0.66 50 -0.18 -0.10 0.00 0.13 0.30 0.51 0.77 55 -0.16 -0.07 0.04 0.18 0.37 0.60 0.89 60 -0.14 -0.04 0.08 0.24 0.44 0.69 1.01 65 -0.12 -0.01 0.12 0.29 0.51 0.78 1.12 70 -0.09 0.02 0.16 0.34 0.58 0.87 1.24 75 -0.07 0.04 0.20 0.39 0.64 0.96 1.36 80 -0.05 0.07 0.24 0.45 0.71 1.05 1.47 SmartCal Checklist © 12/2011 Mettler-Toledo AG 十分に検査していますか? 検査が多すぎませんか? 水分計の日常点検の適切な検査頻度は、お客様独自のニーズと環境に よって異なります。 次のサイトで、カスタマイズされたリスクベースの日常点検推奨事項を 無料で入手できます。 www.mt.com/smartcal www.mt.com/smartcal メトラー・トレド株式会社 科学機器営業本部 東京 TEL:03-5815-5515 大阪 TEL:06-6266-1187 FAX:03-5815-5525 FAX:06-6266-1379 E-mail:[email protected] 東京本社 〒110-0008 東京都台東区池之端 2-9-7 池之端日殖ビル 6F 大阪支社 〒541-0053 大阪市中央区本町 2-1-6 堺筋本町センタービル 15F © 12/2011 Mettler-Toledo K.K., Printed in Japan 30019735 ●製品の仕様・価格は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください ●表示価格に消費税は含まれておりません 代理店名 詳細はこちら
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