お薬の話 No.4

No.4
主任薬剤師 大川内
明男
高脂血症の薬
日本に2千万人以上いるとされる高脂血症は、血液中のコレステロールとトリグリセラ
イド(中性脂肪)が異常に多い状態のこと。どちらも生きていくのに必要な成分ですが、増
えすぎると体のバランスが崩れ、動脈硬化等を進行する原因になります。薬物療法は、食
事療法では効果が認められないときに行うもので、冠動脈疾患の予防および再発予防に有
効です。とくにスタチン系は、高脂血症のほか心血管系に対する効果も報告されています。
高脂血症の薬の特徴的な副作用に横紋筋融解症があり、だるい、筋肉痛、尿が赤いなど
の症状があれば主治医や薬剤師に相談を。高脂血症は、「痛い」「苦しい」などの自覚症状
がなく、健康診断時に血液検査をすれば異常がみられるだけで、何の不自由も感じること
がないのが高脂血症なのです。しかし高脂血症が長く続くと動脈硬化がひそかに進行し、
心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こす原因となります。
[主な治療薬]
〈主にコレステロールを下げる薬〉
●スタチン系 (HMG-CoA還元酵素阻害剤)
肝臓でコレステロール合成に必要な酵素の働きを妨げる。血中のコレステロールを低
下させる効果が最も高く、多く使われている。まれな副作用ですが「横紋筋融解症」
を起こすことがあります。手足のしびれや筋肉痛に注意しましょう。
(メバロチン、リポバス、ローコール、リバロ、クレストールetc)
●陰イオン交換樹脂
小腸でコレステロールの原料となる胆汁酸と結合して排泄を促す。コレステロールの
消費を活発にし、総コレステロール値が低下します。
(クエストラン、コレバインetc)
●プロブコール製剤
抗酸化作用によって悪玉コレステロールの蓄積を防ぐ。中程度の悪玉コレステロール
の低下作用をもつ一方、善玉コレステロールも強力に低下させてしまうのが難点。
(ロレルコ、シンレスタールetc)
〈主に中性脂肪(トリグリセライド)を下げる薬〉
●フィブラート系
中性脂肪の分解を促進し、生合成を抑制します。さらに悪玉コレステロールを減らし、
善玉コレステロールを増やす作用もあります。中性脂肪が多いタイプに向いています。
(ベザトールSR,リポクリン、リピディル、トライコアetc)
●ニコチン酸系
総コレステロールと中性脂肪の両方を減少させます。悪玉コレステロールが減る一方、
善玉コレステロールはむしろ増加します。飲みはじめに、顔のほてり感が出現するこ
とがあります。
(ユベラニコチネート,ペリシット、コレキサミンetc)