お薬通信 NO.18

お薬通信
NO.18
錠剤やカプセルを水無しでそのまま飲み込んでしまったことはありませんか?また、お
水以外の飲み物で飲んだことはありませんか?
今回は、「お薬を飲む」時のこと自体について考えてみましょう。
★お薬だけを飲み込むのはダメ!
包みから取り出したお薬を、口に放り込んでそのままゴクリ…と飲み込んでしまうと、
喉の奥につかえたような感じが残ることがあります。お薬が食道で止まってしまっている
のです。そして、こんなことになるかも・・・!
お薬が胃へ
落ちずに食
道で止まる
食道でお薬
の成分が溶
け出す
粘膜が
傷付く!
食道潰瘍
ものを飲み込
む時に痛みま
す !! 胸 痛 も 出
るかも。
最悪の場合、穿孔(食道に穴が開く)することがあり、入院が必要になります!!
このような事態を避けるため、十分量の水や湯冷ましで飲むことが必要なのです。
服用時の水量と姿勢がポイント!
1.お薬を飲む時は、最低でも 100mL(コップ半量程度)の
水か湯冷ましで飲む。(注1)
「約 180mLの水で」などと指定されているお薬も
ありますので、薬袋や説明用紙をよくご覧下さい。
2.必ず上半身を起こした状態で飲み、服用後すぐに横に
ならない。
注1:心臓病・腎臓病で水分制限のある方では、許可された 1 日の水分量を超えないようにする必
要がありますので、飲み方について医師・薬剤師とよく相談しましょう。
特に注意が必要なお薬
(
)内は当院採用薬名
・テトラサイクリン系抗生物質 (ビブラマイシン・ミノマイシン)
・塩化カリウム製剤 (スローケー)
・非ステロイド性消炎鎮痛薬 (バファリンほか)
・塩酸メキシレチン製剤 (メキシチール) → 不整脈等の治療薬
・メトトレキサート製剤 (リウマトレックス)→ 関節リウマチ治療薬
・ビスホスホネート薬 (ダイドロネル・ボナロン・ベネット)
→ 骨粗鬆症等の治療薬
☆また、お薬をうっかりシートごと飲んでしまうと、尖った包装材で
食道潰瘍を起こすおそれがあります。
(特に 1 錠ずつ切り離して保管している皆様!ご注意くださいね。)
特にご高齢の方では、
唾液の分泌量が減り、
胃に至るまでの粘膜
にお薬が張り付きや
すくなっています。十
分な量の水で飲みま
しょう。
★水以外の飲み物で飲むと?
お薬によっては以下のように、水以外の飲み物で服用したとき、十 分 な 効 果 が 得 ら れ
な か っ た り 、 逆 に 作 用 (お よ び 副 作 用 )を 強 め て し ま う おそれがあります。
飲み物
一緒に飲んではいけない当院採用薬
理由
牛乳・乳製品、
カルシウム(牛乳などにも多く
ビブラマイシン ・ ミノマイシン
一部のミネラルウ
(テトラサイクリン系抗生物質) 含まれる)、またはマグネシウ
ムが薬と結びつき、吸収が抑え
ダイドロネル ・ ボナロン ・ ベネット
ォーター
(骨粗鬆症などの治療薬、ビスホスホネート製剤)
(注2)
酸味のある
ジュース類
胃酸分泌を
促進します!!
られ、薬の効 果 が 低 下 する。
ビクシリン ・ エリスロシン (抗菌薬)
胃酸等で分解され、効 果 が 低
下する。
ペリシット(高脂血症改善・血管拡張薬)
胃酸等で分解され、副 作 用 (顔
の赤み・熱感)が 現 れ や す い 。
これらの薬を分解する酵素の
アダラート ・ セパミット R・ コニール ・
働きが悪くなり、副作用が現れ
サリペックス LA ・ ワソラン ・ カルブロック
グレープ
フルーツ果汁
(カルシウム拮抗薬→高血圧、狭心症等の治療薬)
やすくなる。
ネオーラル (免疫抑制薬)
※カルシウム拮抗薬の副作用
→顔の赤み・動悸・ふらつきなど
カフェイン
含有飲料
(コーヒー・お茶)
テオドール ・ ユニコン (気管支拡張薬)
カフェイン飲料を飲み慣れて
いない方では頭痛などが出や
すいかも。
アルコール
お薬を飲むのに用いないで下さい!!
(お薬通信 No.17 をご覧下さい)
注2:ミネラルウォーター(特に外国産)や「海洋深層水」の中には、硬度(カルシウ
ム・マグネシウム濃度の指標)の非常に高いものがあります。特に硬度 600(㎎/L)
を超えるものでビスホスホネート製剤を服用すると、吸収率が低下するおそれ
がありますので、このような水では服用しないでください。
【例えば…】コントレックス 、クールマイヨール、サンペレグリノ 、
ウリベート 、海の深層水天海の水 (1000/1500) 等
(ちなみに、日本の水道水の硬度は 300 ㎎/L 以下と規定されおり、国内の殆どの
都市で水道水の硬度は 100 以下です。
)
鉄剤服用中の方へ・・・お茶について
かつて、お茶に含まれるタンニンが鉄と結びついて体への吸収を悪くするため、「鉄剤服
用中はお茶を飲んではいけない!」とされていました。しかし現在、一般的に医療機関で
処方される錠剤・カプセルの鉄剤は、ゆっくり溶け出し、しかも大量の鉄が含まれている
ため、胃腸内でお茶と出合っても治療効果に大きな影響はありません。したがって、お茶
についてあまり神経質になる必要はありません。
(参考文献) RAD-ARカード6(くすりの適正使用協議会)
日経 DI クイズ 服薬指導・実践篇 3(日経 BP 社)
おなかのはなし 消化器の絵本・病気編(山之内製薬)
、各薬剤添付文書
薬局 Vol.51 №5 2000(南山堂) 、DI 実例 No.16 2003.1 (クラヤ三星堂)
上尾中央総合病院 医薬品情報室(文責)
TEL 048-773-1219
作成日:平成 20 年 9 月 26 日