04 身延山久遠寺五重塔復元工事 石工事【柱礎石】 五重塔の初重には1本の心柱と16本の柱が あり、各々の柱は「礎石」と呼ばれる大きな 石の上に建てられます。特に心柱を受ける礎 石を「心礎」と呼び、他と比較して一回り大 きいことが特徴です。 今回の復元工事では江戸時代の例に倣い、花 崗岩自然石を使用します。山梨県旧白州町の 大武川から採取されたものです。 自然の形状を残しながら柱を載せられるよう、 1. 礎石採取 礎石の上面はできるだけ平らなものを選別し、 旧白州町大武川産の自然石花崗岩を採 取し、最適なものを選別しました。 目立つ凹凸はびしゃんで叩き平坦に加工して います。現代では加工や運搬は機械化されて いますが、古来、手作業でのみやびしゃん、 そ せき しん そ そ せき 2 . 材料検査 石の形状や向きを考慮しながら配置を 決め、割れなどがないか検査しました。 滑車やコロを使っていたことを考えると、石 ひとつに大変な苦労があったことでしょう。 北杜市 埼玉県 旧白州町 礎石採取現場 東京都 神奈川県 身延町 39,000 静岡県 3 . びしゃん仕上げ 4. 現場搬入 荒取りした表面をびしゃんで叩き、整 えます。 茨城県の加工工場から現場に搬入し、 決められた配置どおりに仮置きします。 5. 礎石据付 6. レベル調整 微調整は、人の手によって木製の楔を 打ち込み、計測を繰り返します。 測量機器を用いて、礎石それぞれの高 さが一定になるよう調整します。 かずらいし 葛石 柱礎石 マットスラブ 杭 現在の工事 平成19年1月11日 杭 7. 礎石据付完了 グラウンドアンカー 工事完了の範囲 あま おち かずらいし しん そ そ せき つか いし 雨落葛石 心礎 礎石 束石 ※葛石・雨落葛石・束石は未施工 宗教法人 身延山久遠寺 礎石下面とマットスラブの隙間をセメ ントで埋め込み、据付完了です。 設計・監理 財団法人 文化財建造物保存技術協会, 施工 大成建設株式会社
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