柱 礎 石 - 身延山久遠寺

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身延山久遠寺五重塔復元工事
石工事【柱礎石】
五重塔の初重には1本の心柱と16本の柱が
あり、各々の柱は「礎石」と呼ばれる大きな
石の上に建てられます。特に心柱を受ける礎
石を「心礎」と呼び、他と比較して一回り大
きいことが特徴です。
今回の復元工事では江戸時代の例に倣い、花
崗岩自然石を使用します。山梨県旧白州町の
大武川から採取されたものです。
自然の形状を残しながら柱を載せられるよう、 1. 礎石採取
礎石の上面はできるだけ平らなものを選別し、 旧白州町大武川産の自然石花崗岩を採
取し、最適なものを選別しました。
目立つ凹凸はびしゃんで叩き平坦に加工して
います。現代では加工や運搬は機械化されて
いますが、古来、手作業でのみやびしゃん、
そ せき
しん そ
そ せき
2 . 材料検査
石の形状や向きを考慮しながら配置を
決め、割れなどがないか検査しました。
滑車やコロを使っていたことを考えると、石
ひとつに大変な苦労があったことでしょう。
北杜市
埼玉県
旧白州町
礎石採取現場
東京都
神奈川県
身延町
39,000
静岡県
3 . びしゃん仕上げ
4. 現場搬入
荒取りした表面をびしゃんで叩き、整
えます。
茨城県の加工工場から現場に搬入し、
決められた配置どおりに仮置きします。
5. 礎石据付
6. レベル調整
微調整は、人の手によって木製の楔を
打ち込み、計測を繰り返します。
測量機器を用いて、礎石それぞれの高
さが一定になるよう調整します。
かずらいし
葛石
柱礎石
マットスラブ
杭
現在の工事
平成19年1月11日
杭
7. 礎石据付完了
グラウンドアンカー
工事完了の範囲
あま おち かずらいし
しん そ
そ せき
つか いし
雨落葛石
心礎
礎石
束石
※葛石・雨落葛石・束石は未施工
宗教法人 身延山久遠寺
礎石下面とマットスラブの隙間をセメ
ントで埋め込み、据付完了です。
設計・監理 財団法人 文化財建造物保存技術協会, 施工 大成建設株式会社