141.子宮頸がん - がん情報サービス

各種がん
し
き ゅ う
141
け
い
子宮頸がん
受診から診断、治療、経過観察への流れ
患 者 さ んとご 家 族 の 明 日 の た め に
がんの診療の流れ
この図は、がんの「受診」から「経過観察」への流れです。
大まかでも、流れが見えると心にゆとりが生まれます。
ゆとりは、医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう。
あなたらしく過ごすためにお役立てください。
がんの疑い
「体調がおかしいな」と思ったまま、
放っておかないで
ください。なるべく早く受診しましょう。
受 診
受診のきっかけや、
気になっていること、
症状など、
何
でも担当医に伝えてください。メモをしておくと整理
できます。いくつかの検査の予定や次の診察日が決
まります。
検査・診断
検査が続いたり、
結果が出るまで時間がかかることも
あります。担当医から検査結果や診断について説明
があります。検査や診断についてよく理解しておくこ
とは、
治療法を選択する際に大切です。理解できない
ことは、
繰り返し質問しましょう。
治療法の選択
がんや体の状態に合わせて、
担当医は治療方針を説明
します。ひとりで悩まずに、担当医と家族、周りの方
と話し合ってください。あなたの希望に合った方法を
見つけましょう。
治 療
治療が始まります。治療中、
困ったことやつらいこと、
小さなことでもかまいませんので、
気が付いたことは
担当医や看護師、
薬剤師に話してください。よい解決
方法が見つかるかもしれません。
経過観察
治療後の体調の変化やがんの再発がないかなどを
確認するために、しばらくの間、通院します。検査を
行うこともあります。
目 次
がんの診療の流れ
1. がんといわれたあなたの心に起こること ........................... 1
2. 子宮頸がんとは ...................................................................... 3
3. 検査と診断 .............................................................................. 5
4. 病期
(ステージ)...................................................................... 7
5. 治療 ......................................................................................... 9
1 手術
(外科治療)............................................................. 9
2 放射線治療 .................................................................. 11
3 化学療法
(抗がん剤による治療)................................ 12
6. 経過観察 ............................................................................... 12
7. 転移 ....................................................................................... 13
8. 再発 ....................................................................................... 13
診断や治療の方針に納得できましたか? ................................ 14
セカンドオピニオンとは? ....................................................... 14
メモ/受診の前後のチェックリスト ....................................... 15
がんの冊子 子宮頸がん
1. がんといわれたあなたの心に
起こること
がんという診断は誰にとってもよい知らせではありません。ひ
どくショックを受けて、
「何かの間違いではないか」「何で自分が」
などと考えるのは自然な感情です。
病気がどのくらい進んでいるのか、
果たして治るのか、
治療費
はどれくらいかかるのか、
家族に負担や心配をかけたくない…、
人
それぞれ悩みは尽きません。気持ちが落ち込んでしまうのも当然
です。しかし、
あまり思いつめてしまっては、
心にも体にもよくあ
りません。
この一大事を乗りきるためには、
がんと向き合い、
現実的かつ
具体的に考えて行動していく必要があります。そこで、
まずは次
の2つを心がけてみませんか。
あなたに心がけて欲しいこと
■ 情報を集めましょう
まず、
自分の病気についてよく知ることです。担当医は最大の
情報源です。担当医と話すときには、あなたが信頼する人にも
同席してもらうといいでしょう。わからないことは遠慮なく質問
してください。また、
あなたが集めた情報が正しいかどうかを、
あ
なたの担当医に確認することも大切です。
「知識は力なり」
。正しい知識は、
あなたの考えをまとめるとき
に役に立ちます。
1
がんといわれたあなたの心に起こること
1
■ 病気に対する心構えを決めましょう
大きな病気になると、
積極的に治療に向き合う人、
治るという
固い信念をもって臨む人、なるようにしかならないと受け止め
る人などいろいろです。どれがよいということはなく、
その人な
りの心構えでよいのです。そのためには、
あなたが自分の病気の
ことをよく知っていることが大切です。病状や治療方針、
今後の
見通しなどについて担当医からよく説明を受け、いつでも率直
に話し合い、
その都度十分に納得した上で、
病気に向き合うこと
に尽きるでしょう。
情報不足は、
不安と悲観的な想像を生み出すばかりです。あな
たが自分の病状について理解した上で治療に取り組みたいと考
えていることを、
担当医や家族に伝えるようにしましょう。
お互いが率直に話し合うことが、お互いの信頼関係を強いも
のにし、
しっかりと支え合うことにつながります。
しきゅうけい
では、これから子宮頸がんについて学ぶことにしましょう。
がんの冊子 子宮頸がん
2
2. 子宮頸がんとは
子宮がんには、
子宮体がんと子宮頸がんがあります。子宮体が
んは子宮内膜がんとも呼ばれ、胎児を育てる子宮体部の内側に
ある子宮内膜から発生します。一方、子宮頸がんは、子宮の入り
口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。子宮の入り口付
近に発生することが多いので、普通の婦人科の診察で観察や検
査がしやすいため、発見されやすいがんです。また、早期に発見
すれば、比較的治療しやすく予後(病気の経過のこと)のよいが
んです。
ちつ
腟
図1. 子宮と周囲の臓器
3
子宮頸がんとは
2
子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス
(Human Papilloma Virus:HPV)の感染が関連しているとされ
ており、
患者さんの90%以上から HPVが検出されています。ま
た喫煙も、
子宮頸がんの危険因子であることがわかっています。
子宮頸がんは30歳代後半∼40歳代に多く発症しますが、
最近
は、
若い女性で増えている傾向にあります。
い けいせい
子宮頸がんは、異形成という前がん状態を経てがん化するこ
とが知られており、がん細胞に進行する前に、正常でない細胞
(異型細胞というがん細胞になる前の細胞)の状態を細胞診とい
う検査で見つけることができます。ですので、
無症状のときから
婦人科の診察や集団検診などで早めに発見することが可能で
す。月経中でないときや性行為の際に出血したり、
普段と違うお
りものが増える、月経血の量が増えたり月経期間が長引くなど
気になる症状があるときは、早めに受診することで早期発見に
つながります。
最近では、
子宮頸がんの発生が若い人に増えていることや、
晩
婚化に伴い妊娠年齢が上昇していることから、
妊娠中にがんが発
見される機会も多くなっています。がんが早期であれば、
妊娠継
続とがん治療を両立させることが可能な場合もありますが、
進行
がんでは、
母体の救命を優先させる治療を行うこともあります。
パートナー(配偶者・恋人)とのコミュニケーションを十分に
とり、お互いに納得して治療方針を決めることが大切です。ま
た、
担当医と十分に話し合って慎重に治療を選択してください。
がんの冊子 子宮頸がん
4
3. 検査と診断
がん検診のときは通常細胞診のみを行いますが、細胞診の結
果がんが疑われたときには、精密検査として組織診、コルポス
コープ診(腟拡大鏡による診察)を行います。がんの広がりをみ
る検査としては、
内診、
直腸診、
超音波検査、
CT検査、
MRI検査な
ぼうこうきょう
どがあります。また膀胱鏡、直腸鏡、尿路検査などが行われるこ
ともあります。
1 細胞診
子宮の入り口(外子宮口)付近を綿棒、
ブラシ、
またはヘラのよ
うな器具でこすって細胞を採取し、顕微鏡で正常な細胞かどう
かを確認します。この検査で生じる痛みは、通常、それほど強い
ものではありません。
2 組織診
細胞診で異常があった場合は、疑わしい部分から小さな組織
を切り取り、
顕微鏡で診断します。子宮頸がんであることの確定
診断に用います。この検査では、痛みを感じたり、出血したりす
る場合があります。
3 コルポスコープ診
コルポスコープという拡大鏡で、子宮頸部の粘膜表面を拡大
して細かい部分を観察します。通常、
コルポスコープで異常が疑
われる部位の組織を採取し、
組織診を行います。
5
検査と診断
3
4 超音波(エコー)検査
体の表面にあてた器具から超音波を出し、臓器で反射した超
音波の様子を画像にして観察する検査です。腟の中から超音波
をあてて調べる場合もあります。子宮頸がんの性質や状態をみ
たり、
腫瘍と周囲の臓器との位置関係や、
別の臓器やリンパ節へ
の転移の有無を調べたりします。
5 CT検査、MRI検査
治療前に転移や
CT検査は、
X線を使って体の内部を描き出し、
周辺臓器へのがんの広がりを調べます。MRI 検査は磁気を使い
ます。CT や MRI を使った検査は、
肺、肝臓など遠隔臓器への転移の
有無、リンパ節転移の診断、周辺臓
しんじゅん
器への浸 潤(がんが周囲に広がる
こと)の程度の診断に威力を発揮
します。造影剤を使用する場合、
ア
レルギーが起きることがあ
ります。薬剤によるアレ
ルギーの経験のある方や
不安のある方は、医師に
必ず申し出てください。
がんの冊子 子宮頸がん
6
4. 病期(ステージ)
病期とは、
がんの進行の程度を示す言葉で、
英語をそのまま用
いて「ステージ」ともいいます。医師による説明などでは、ス
テージという言葉が使われることが多いかもしれません。病期
には、
ローマ数字が使われ、
がんの大きさだけではなく、
粘膜内に
がんがどの程度深く入っているか、リンパ節転移や肺などの遠
隔臓器への転移があるかどうかで、I 期(IA
[IA1、IA2]、IB[IB1、
IB2]
)
、
II 期(IIA[IIA1、
IIA2]
、
IIB)
、
III 期(IIIA、
IIIB)
、
IV 期(IVA、
IVB)
に分類されています。
表1. 子宮頸がんの病期
I期
がんが子宮頸部のみに認められ、
ほかに広がっていない
(子宮体部への浸潤
[広がり]は考えない)
IA 期
組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さ
が 5mm 以内、
縦軸方向の広がりが 7mmを超えないもの
IA1 期
組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さ
が 3mm 以内、
縦軸方向の広がりが 7mmを超えないもの
IA2 期
間質浸潤の深さが 3mmを超えるが 5mm 以内、
広がりが
7mm を超えないもの IB 期
臨床的に明らかな病変が子宮頸部に限局するもの、
また
は臨床的に明らかではないが IA 期を超えるもの
IB1 期
病変が 4cm 以内のもの
IB2 期
病変が 4cm を超えるもの
7
病期(ステージ)
II期
4
がんが子宮頸部を越えて広がっているが、骨盤壁または
腟壁の下1/3 には達していないもの
IIA 期
がんが腟壁に広がっているが、
子宮頸部の周囲の組織に
は広がっていないもの
IIA1 期
病変が 4cm 以内のもの
IIA2 期
病変が 4cmを超えるもの
IIB 期
がんが子宮頸部の周囲の組織に広がっているが、
骨盤壁
まで達していないもの
III 期
がんが骨盤壁まで達するもので、がんと骨盤壁との間に
がんでない部分をもたない、
または腟壁の浸潤が下方部
分の1/3 に達するもの
IIIA 期
がんの腟壁への広がりは下方部分の1/3 に達するが、子
宮頸部の周囲の組織への広がりは骨盤壁にまでは達し
ていないもの
IIIB 期
がんの子宮頸部の周囲の組織への広がりが骨盤壁にま
じんぞう
で達しているもの、
または腎 臓と膀胱をつなぐ尿管がが
すいじんしょう
んでつぶされ、
水腎症や腎臓が無機能となったもの
しょうこつばんくう
IV 期
がんが小骨盤腔を越えて広がるか、膀胱・直腸の粘膜に
も広がっているもの
IVA 期
膀胱や直腸の粘膜へがんが広がっているもの
IVB 期
小骨盤腔を越えて、
がんの転移があるもの
日本産科婦人科学会/日本病理学会/日本医学放射線学会編「子宮頸癌取扱い規約(第3版)
」
(金原出版)より作成
がんの冊子 子宮頸がん
8
5. 治療
子宮頸がんの治療には、手術(外科治療)
、放射線治療、化学療
法(抗がん剤による治療)があります。がんの病期(ステージ)や
年齢、合併症の有無など患者さんのそれぞれの病状に応じて選
択されます。下に病期と治療方法の関係を示します。担当医と
治療方針について話し合う参考にしてください。
図 2. 子宮頸がんの臨床病期と治療
臨床病期
0期 IA1期
IA2期 IB期 IIA期 IIB期
▶手術(外科治療)
●円錐切除術
●単純全摘出術 ●(準広汎全摘出術)
▶手術(外科治療)
●広汎全摘出術
●
(準広汎全摘出術)
IIIA期 IIIB期 IVA期
▶同時化学放射線治療
▶放射線治療(単独)
術後再発リスクの評価
IVB期
▶化学療法
(抗がん剤治療)
▶緩和的局所療法
▶緩和医療
▶術後補助療法
●(同時化学放射線療法)
●(放射線治療)
治 療
0期:上皮内がんといわれる非常に早期のがん
日本婦人科腫瘍学会編「子宮頸癌治療ガイドライン 2011年版」
(金原出版)より作成
1 手術(外科治療)
早期子宮頸がんの一般的な治療法は、
手術です。がんの広がり
によって、手術の方法(術式)が変わります。がんのある子宮頸
9
治療
5
えんすい
部の組織を円錐状に切除する方法(円錐切除術)や、子宮を切除
きじんたい
じゅんこう
する単純子宮全摘出術、
子宮と腟、
基靭帯の一部を切除する準広
はん
汎子宮全摘出術や、
子宮・腟の一部や基靭帯、
さらにリンパ節を
取り除く広汎子宮全摘出術などがあります。
将来、
妊娠を希望する場合は、
十分に担当医と話し合って納得
した上で治療を受けましょう。
図 3. 円錐切除術
がんのある部分を円錐状に
切除します。
図4. 単純子宮全摘出術
子宮を切除します。
図 5. 広汎子宮全摘出術(卵
巣・卵管を同時に摘出
した場合)
子宮と腟の一部、卵巣・卵管を
含めて、骨盤壁近くから広い範
囲で切除します。リンパ節も同
時に切除します。
■ 手術後の不快な症状への対処
閉経前に両側の卵巣を切除した場合、
女性ホルモンの産生がな
くなるために、
いわゆる更年期症状のような不快な症状を認めた
がんの冊子 子宮頸がん
10
り腟からの分泌物が減少したりすることがあります。また腟を切
除することによる性交障害が起こることもあります。
子宮を含め広く切除した後に排便や排尿に関する障害や、
リン
かくせい
ふしゅ
パ節郭清を行った後には足などに浮腫(むくみ)が起こってきま
す。これらの症状の出る時期や強さ、
期間には個人差があります。
対応法について医師や看護師に相談したり先輩患者さんなどと
情報交換をして、
上手に適応していきましょう。
2 放射線治療
放射線治療には、高エネルギーのX線やガンマ線でがん細胞
を傷つけ、
がんを小さくする効果があります。放射線を体の外か
ら照射する方法(外部照射)と、腟を通して子宮頸部のがんのあ
くうない
る部分(内部)に照射する方法(腔内照射)があります。放射線
治療は、
がんの根治を目的として行う場合と、
手術後に補助的に
行う場合があります。いずれの場合にも、
子宮頸がんに対する放
射線治療については、化学療法(抗がん剤治療)と併用した同時
化学放射線治療が、放射線治療単独よりも有効性が高いことが
証明されてきています。
● 放射線治療の副作用
副作用は、
放射線が照射された部位に起こる皮膚炎・粘膜炎など
お う と
食欲低下、
や、
照射部位に関わらずに起こる、
だるさ、
吐き気・嘔吐、
白血球減少などがあります。また、
直腸炎や膀胱炎などが起こるこ
ともあります。治療が終了して数ヵ月から数年たってから起こる症状
(晩期合併症)もあります。患者さんによって、
副作用の程度は異な
ります。
11
治療
5
経過観察
6
3 化学療法(抗がん剤による治療)
子宮頸がんに対する抗がん剤による治療は、主に遠隔転移の
ある場合や、
再発した場合に行われます。プラチナ製剤を中心と
した単剤あるいは多剤併用療法の有効性が複数の報告で認めら
れています。
● 抗がん剤の副作用
抗がん剤は、
がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼしま
す。特に毛根(髪の毛)、
口や消化管などの粘膜、
骨髄など新陳代謝
の盛んな細胞が影響を受けやすく、
脱毛、
口内炎、
下痢が起こった
り、
白血球減少や血小板減少が起こったりします。その他にも、
吐き
ど う き
また肝臓や腎臓に障害
気や、
心臓への影響として動悸や不整脈が、
が出ることもあります。
現在では、
抗がん剤の副作用による苦痛を軽減する方法の開発が
進んでいます。また、
副作用が著しい場合には治療薬の変更や治療
の休止、
中断などを検討することもあります。
6. 経過観察
治療後の体調確認のために定期的に通院します。経過観察の
ための通院の間隔は、病状や治療後の経過などによって異なり
ます。治療後 1年目から2 年目は 1ヵ月から3ヵ月ごと、
3年目は
3ヵ月から6ヵ月ごと、
4年目から5年目は 6ヵ月ごと、
6年目以降
は1 年ごとの通院が一般的です。体調の変化や後遺症についての
問診に続き、必要に応じて触診、内診、直腸診、細胞診、場合に
がんの冊子 子宮頸がん
12
7
転移 8
再発
よっては胸部 X線検査、
腫瘍マーカー*、
CT 検査、
MRI検査など
を行います。
*腫瘍マーカーとは、
体のどこかにがんが潜んでいると異常値を示す血液検査
の項目です。進行がんでも異常値が認められない場合もあります。
7. 転移
転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れで運ばれて別の
臓器に移動し、そこでふえたものをいいます。がんは、検査では
認められなくても、治療の時点ですでに別の臓器に移動してい
る可能性があり、時間がたってから転移として見つかる場合が
あります。
8. 再発
再発とは、
治療により目に見える大きさのがんがなくなった後、
再びがんが出現することをいいます。子宮頸がんでは、
再発が局
所の場合は、
骨盤内臓器全摘出術を行ったり、
放射線治療や抗が
ん剤治療を行うことがあります。再発といってもそれぞれの患
者さんで病気の状態は異なります。病巣の広がりや再発した時
期、これまでの治療法などによって総合的に治療法を判断する
必要があります。それぞれの患者さんの状況に応じて、
治療やそ
の後のケアを決めていきます。
13
診断や治療の方針に納得できましたか?/セカンドオピニオンとは?
診断や治療の方針に納得できましたか?
治療方法は、
全て担当医に任せたいという患者さんがいます。
一方、
自分の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという
患者さんも増えています。どちらが正しいというわけではなく、
患
者さん自身が満足できる方法が一番です。
まずは、
病状を詳しく把握しましょう。あなたの体を一番よく
知っているのは担当医です。わからないことは、
何でも質問してみ
ましょう。診断を聞くときには、
病期(ステージ)を確認しましょう。
治療法は、
病期によって異なります。医療者とうまくコミュニケーショ
ンをとりながら、
自分に合った治療法であることを確認してください。
診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めましょう。
最初にかかった担当医に何でも相談でき、
治療方針に納得できれ
ばいうことはありません。
セカンドオピニオンとは?
担当医以外の医師の意見を聞くこともできます。これを「セカン
ドオピニオンを聞く」といいます。セカンドオピニオンでは、
①診断
の確認、
②治療方針の確認、
③その他の治療方法の確認とその根拠
を聞くことができます。聞いてみたいと思ったら、
「セカンドオピニ
オンを聞きたいので、
紹介状やデータをお願いします。
」と担当医に
伝えましょう。
担当医との関係が悪くならないかと心配になるかもしれません
が、
多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと
理解していますので、
快く資料をつくってくれるはずです。
がんの冊子 子宮頸がん
14
メモ/受診の前後のチェックリスト
メモ
( 年 月 日)
●
がんの種類
[ ] ●
大きさ
[ ] cm 位
●
数
[ ] 個
●
広がり・深さ
[ ]まで
●
別の臓器への転移
[ あり ・ なし ]
受診の前後のチェックリスト
□ 後で読み返せるように、
医師に説明の内容を紙に書いてもらったり、
自分でメモをとったりするようにしましょう。
□ 説明はよくわかりますか。わからないときは正直にわからないと伝え
ましょう。
□ 自分に当てはまる治療の選択肢と、それぞれのよい点、悪い点につい
て、
聞いてみましょう。
□ 勧められた治療法が、
どのようによいのか理解できましたか。
□ 自分はどう思うのか、
どうしたいのかを伝えましょう。
□ 治療についての具体的な予定を聞いておきましょう。
□ 症状によって、
相談や受診を急がなければならない場合があるかどう
か確認しておきましょう。
□ いつでも連絡や相談ができる電話番号を聞いて、
わかるようにしてお
きましょう。
●
□ 説明を受けるときには家族や友人が一緒の方が、
理解できて安心だと
思うようであれば、
早めに頼んでおきましょう。
□ 診断や治療などについて、
担当医以外の医師に意見を聞いてみたい場
合は、
セカンドオピニオンを聞きたいと担当医に伝えましょう。
15
国立がん研究センターがん対策情報センター作成の冊子
がんの冊子
各種がんシリーズ
(34 種)
小児がんシリーズ
(11種)
がんと療養シリーズ
(7 種)
がんと心 がん治療と口内炎 がんの療養と緩和ケア
がん治療とリンパ浮腫 もしも、がんと言われたら
がんの療養とリハビリテーション
肺の手術を受ける患者さんへ 手術前後のリハビリテーション
社会とがんシリーズ
(3 種)
相談支援センターにご相談ください 家族ががんになったとき
身近な人ががんになったとき
患者必携
がんになったら手にとるガイド 普及新版* 別冊『わたしの療養手帳』
もしも、がんが再発したら*
全ての冊子は、がん情報サービスのホームページで、実際のページを閲覧したり、印刷したりすることが
できます。また、全国の国指定のがん診療連携拠点病院などのがん相談支援センターでご覧いただけ
ます。*の付いた冊子は、書店などで購入できます。その他の冊子は、がん相談支援センターで入手でき
ます。詳しくはがん相談支援センターにお問い合わせください。
がんの情報を、インターネットで調べたいとき
近くのがん診療連携拠点病院や地域がん診療病院、がん相談支援センターを探したいとき
がん情報サービス
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がんの冊子 各種がんシリーズ 子宮頸がん
編集・発行 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
印刷・製本 図書印刷株式会社
2008 年 9 月 第 1 版第 1 刷 発行
2014 年 4 月 第 3 版第 1 刷 発行
協力:笠松 高弘(国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科)
国立がん研究センターがん対策情報センター運営評議会ワーキング
グループ
各種がん
あなたの地域のがん相談支援センター
141
子宮頸がん
国立がん研究センター
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