新世紀を迎えての新たな挑戦 取締役社長 伊藤 正昭 21世紀は、まことに不透明かつ混沌とした政治・経済情勢からの幕開けとなりました。 当社は過去50年、電力送配電網の整備拡充に対して新技術の開発や生産技術の効率化などによ って、その役割を果たしてきましたが、昨今の経済・社会情勢に起因する電力需要の低迷や、電力 自由化の大きな流れに、当社も大きく影響を受けております。 そのため、従来のような建設工事依存体質から一刻も早く脱却することや、より一層のコストダ ウンを図ることが急務となって参りました。 そこで大幅な受注量減少に対応して、すでに基幹送電系統大建設時代に対応した規模と人員から、 会社サイズをコンパクト化いたしましたが、加えてその技術の力点を既設電力網のこれからのニー ズにマッチするよう、設備点検・補修技術や改良技術に移行いたしております。 また最近の地球温暖化防止の動きに見られるように、新たな電力資源にも目を向け、さらに環境 問題への意識と技術に取り組んで行く事が、これからの企業のあるべき姿として望まれる所であり ます。 一方コストダウンでは、今や世界の生産工場と化した中国において、すでに順調に稼働している 2カ所の合弁会社のより効果的に活用によって、コスト削減を図ること、さらに国内においては各 種施策によって、人件費や材料費のコスト削減を図って行くことが肝要であります。 これらのコスト競争力の強化を通じて、中国市場への参入や、ASEAN諸国などへの市場への 参入など、従来にない積極的事業展開を図って行く所存であります。 従って当社がこれから進むべき道しるべは、 1.継続する送配電設備機材の供給、品質の向上、コストの低減 2.UHVなど高電圧送電線の風による挙動の研究、新たな課題の解決 3.設備の劣化状況調査や劣化診断技術への重点指向 4.耐雷対策、接地技術など電力保安に拘わる技術の創出 5.太陽光発電設備建設など新エネ分野へのさらなる実践 6.海外拠点を活用したコストダウンと海外販路の拡充 7.徹底した社内合理化によるコスト削減 8.環境負荷低減への積極的取り組み などであります。 AEW30 号発刊に際し、今後の一層のご理解、ご支援を賜りたくお願い申し上げて、ご挨拶とさ せていただきます。 AEW-30 号 -1-
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