Report 5

確率及び統計 Report5
学籍番号 045713C : 大城 和也
提出日:平成 17 年 7 月 14 日
1
課題
自由度 n の t 分布を次式で与える。
Γ( n+1 )
x2 n+1
f (x) = √ 2 n (1 + )− 2
n
nπΓ( 2 )
(1) n > 2 のとき、t 分布の分布を求めよ。
(2) n → ∞ のとき、正規分布に従うことを示せ。
2
n > 2 のとき、t 分布の分布を求めよ。
x2 , t 分布はそれぞれ偶関数なので、x2・f (x) も偶関数となるから、
∫ ∞
∫ ∞
2
2
E[X ] =
x ・f (x)dx = 2
x2・f (x)dx
−∞
0
となる。よって、
∫
E[X 2 ] =
∞
2
∫
x2・f (x)dx
0
∞
= 2
0
∫
Γ( n+1 )
x2 n+1
x2・√ 2 n (1 + )− 2 dx
n
nπΓ( 2 )
∞
= 2A
x2 (1 +
0
ここで、1 +
x2
n
=
1
t
x2 − n+1
) 2 dx
n
として変数変換すると、
x
0→∞
t
1→0
1
Γ( n+1 )
(A = √ 2 n )
nπΓ( 2 )
よって
1
= n( − 1)
t
√ 1 1
1
dx =
n・ ・( − 1)− 2 (−t−2 )dt
2 t
x2
になるので、
∫
1
1
1 n+1 √ 1 1
{n( − 1)・( )− 2 ・ n・ ・( − 1)− 2 (−t−2 )}dt
t
t
2
t
1
√ ∫ 1 n+1 −2 1
1
t 2 ・( − 1) 2 dt
= An n
t
0
√ ∫ 1 n −2
1
t 2 ・(1 − t) 2 dt
= An n
E[X 2 ] =
0
2A
√ ∫
= An n
0
1
t( 2 −1)−1 (1 − t) 2 −1 dt
n
3
(1)
0
ここで、ベータ関数とその性質の中に、以下のものがある。
∫ 1
B(a, b) =
xa−1 (1 − x)b−1 dx
(2)
0
Γ(a)Γ(b)
= B(b, a)
Γ(a + b)
B(a, b) =
(3)
(2) を用いて、(1) の式は以下のように変形できる。
√ ∫ 1 ( n −1)−1
√ ∫ 1
3
n
3
t 2
B( − 1, )
An n
(1 − t) 2 −1 dt = An n
2
2
0
0
√ n+1
n 3
= An n・
・B( , )
n−2
2 2
√ n+1
1
n 1
= An n・
・
・B( , )
n−2 n+1
2 2
√
1
n 1
= An n・
・B( , )
(4)
n−2
2 2
この時、B( n2 − 1, 32 ) より
Γ( n+1
2 )
nπΓ( n
2)
また、A = √
Γ( n+1 )
√ 2 n
nπΓ( 2 )
n
2
− 1 > 0 となるので n > 2 の条件を付加する。
は、(3) より、
Γ( n+1 )
= √ 2n
nΓ( 2 )
= √
= √
Γ( 12 + n2 )
nΓ( 12 )Γ( n2 )
1
(5)
nB( 21 , n2 )
と表すことができる。(5) を (4) に代入すると、以下の式を得ることがで
きる。
√
1
n 1
An n・
・B( , )
n−2
2 2
√
1
1
n 1
= √
・B( , )
・n n・
1 n
n−2
2 2
nB( 2 , 2 )
2
n
n−2
=
よって、
n
n−2
E[X 2 ] =
(6)
となる。但し、n = 1, 2 の場合は分散は発散するため存在しないので、n > 2
である。
また、x は奇関数であるので、
∫
∞
x・f (x)dx
E[X] =
(7)
−∞
= 0
であるから、(6),(7) より、
V [X] =
n
n−2
(n > 2)
n → ∞ のとき、正規分布に従うことを示せ。
3
まずは f (x) の変数部分から極限を求める。
(1 +
x2
n
x2 − n+1
) 2
n
x2 − n
x2 1
) 2・(1 + )− 2
n
n
x2 n2 − x2
x2 1
= {(1 + ) x } 2 ・(1 + )− 2
n
n
=
(1 +
= h とおくと、
lim (1 +
n→∞
x2 − n+1
) 2
n
=
=
lim {(1 +
n→∞
x2 − n2 − x2
) x } 2
n
x2
lim {(1 + h) h }− 2 ・(1 +
1
h→0
= e−
x2 − 1
) 2
n
x2
2
次に、f(x) の定数部の極限を求める。その前に、ガンマ関数は N を自然数
とすると次のように展開できる。
{
( N2 − 1)( N2 − 2)・
・
・2・1
N
√
Γ( ) =
N
N
2
・
・32・12・ π
( 2 − 1)( 2 − 2)・
N は偶数
N は奇数
これを階乗を用いて表すと、N が偶数のときは Γ( N2 ) = ( N2 − 1)!。N が奇
数のときは次のようになる。
Γ(
1
(N − 2)!√
N
π
) = ( )N −2 N −3
2
2
( 2 )!
3
これを f(x) の係数部に代入し、n → ∞ の極限で √1 となることをスター
2π
リングの公式を用いて示す。
Stirling の公式 lim √
n→∞
n!
2nπnn e−n
=1
ここでは n を偶数とするが、奇数の場合も同じ方法で示すことができる。
( 12 )n−1 ((n−1)!
n−2 √
2 )!
= √
π
n
nπ( 2 − 1)!
1 1
(n − 1)!
= √ ( )n−1 n
{( 2 − 1)!}2
n 2
Γ( n+1 )
√ 2 n
nπΓ( 2 )
(8)
スターリングの公式の n を n − 1 に置き換えた式と、 n2 − 1 に置き換えた
式は次のようになる。
lim √
n→∞
(n − 1)!
2π(n − 1)(n − 1)(n−1) e−n+1
( n2 − 1)!
lim √
n
n
2π( n2 − 1)( n2 − 1)( 2 −1) e− 2 +1
n→∞
= 1
= 1
これを用いると、
lim
n→∞
(n − 1)!
(n − 1)!
= lim √
n→∞ 2π(n − 1)(n − 1)n−1 e−n+1
{( n2 − 1)!}2
2π( n2 − 1)( n2 − 1)n−2 e−n+2
n→∞
{( n2 − 1)!}2
√
2π(n − 1)(n − 1)n−1 e−n+1
・ lim
n→∞
2π( n2 − 1)n−1 e−n+2
√
2π(n − 1)(n − 1)n−1 e−n+1
= 1・1・ lim
n→∞
2π( n2 − 1)n−1 e−n+2
√
2π(n − 1)(n − 1)n−1 e−n+1
= lim
n→∞
2π( n2 − 1)n−1 e−n+2
・ lim
これを式 (8) に代入すると、
Γ( n+1 )
lim √ 2 n
n→∞ nπΓ( )
2
1 1
(n − 1)!
= lim√ ( )n−1・lim n
2
2
{(
n
2 − 1)!}
√
2π(n − 1)(n − 1)n−1 e−n+1
1 1
= lim√ ( )n−1・lim
2π( n2 − 1)n−1 e−n+2
n 2
√
n − 1 (n − 1)n−1 1 n−1 1
1
・
= lim√ ・
( ) ・
n ( n2 − 1)n−1 2
e
2π
√
1
n − 1 (n − 1)n−1 1
= lim√ ・
・
・
n (n − 2)n−1 e
2π
4
√
1
n−1
1 n−2
1
1
= lim√ ・
・(1 +
) ・(1 +
)・
n
n−2
n−2 e
2π
1
1
= √ ・1・e・1・
e
2π
1
= √
2π
これを f (x) に代入すれば、
Γ( n+1 )
x2 n+1
lim f (x) = lim√ 2 n lim(1 + )− 2
n→∞
n
nπΓ( 2 )
x2
1
= √ ・e− 2
2π
5