睡眠リズムが夜型になることの問題点 夜型・睡眠改善のポイント

第二中学校 保健室
平成28年7月
夏休みが近づいてきました。長い休みに入ると生活リズムが変化することがあります。
生活リズムが崩れると体調も崩れやすくなります。是非ご家庭でも生活リズムの大切さを
教えてください。この夏休みを「自分の健康を自分で管理させる力を身につけさせるチャ
ンスとして捉え」家庭でも声がけをお願いします。
睡眠リズムの重要性(広島国際大学心理学部心理学科教授
田中秀樹)
睡眠リズムが夜型になることの問題点
生活の夜型化による睡眠不足や睡眠リズムへの悪影響は、発達面でも脳や心身健康の観点から
も深刻です。睡眠不足は日中の眠気・イライラなどの感情コントロールや免疫力の低下、肥満
につながります。一方不登校の生活パターンは多様ですが、睡眠リズムの障害が重いほど不登校症状
の重症化、長期化につながります。約 1 日を単位としたリズムは概日リズムと呼ばれ、体温やメラト
ニン、成長ホルモンの分泌などにこうしたリズムがみられます。 メラトニンは睡眠に重要なホル
モンです。また成長ホルモンは、脳神経系や筋肉・骨の発達・細胞の損傷修復に関係している重要な
ホルモンで寝付いた後分泌が始まり 3 時間後ぐらいまでに集中的に分泌されます。
しかし、夜型化により、さまざまな生体機能のリズムは秩序を保てなくなり(内的脱同調)、一種の
時差ぼけ状態をひき起こし、脳や身体の健康に悪影響をもたらします。睡眠リズムを整えるには、太
陽の光や規則正しい食事や習慣的な運動が大切な役割を担っています。
夜型・睡眠改善のポイント
睡眠は深部体温リズムと密接な関係があり、体温が下降することで睡眠は起りやすくなりま
す。つまり、体温がスムーズに下降することが入眠を円滑にします。眠る前の激しい運動や熱いお風
呂は、体温を上げ過ぎるので、逆効果です。また、寝る前にゲームやスマートフォン(スマホ)をす
ると眠れなくなります。ゲームやスマホの光にはブルーライト(波長が 380~495nmの青色光)が多
く含まれており、夜に目に浴びると、メラトニン分泌を抑えます。ブルーライトは照明、パソコン、
テレビなどの様々な光に含まれていますが、特に白色、青色LEDに多くふくまれています。つまり、
寝る前にスマホやゲームをすると脳が興奮するばかりでなく、リズムを後ろにずらすため、寝つきも
遅くなります。寝る 1 時間前は、①パソコン・スマホなどの使用を減らす、②明るい場所への外出は
やめ、部屋の明かりを半分に落としたり、間接照明に切り替えたりする、③ブルーライトを控え、暖
色照明にする、などの工夫も大切です。逆に朝は太陽の光が入る明るいところで、食事をとることは
夜型化防止につながります。
保護者の皆様へ
さらに、夜遅い食事は太る原因になるほか、夜の眠りを浅くします。夕方の仮眠を防ぐために
15 時
までに 20 分以内の短い昼寝を取るのも一策です。一方運動の記憶も睡眠中に整理されていますので、
スポーツの成果を上げるためにもしっかり睡眠をとることは大切です。2015 年度より文部科学省の
今年は春から気温が高く、夏日に近い気温が観測されたりしています。そこで本年度も熱中症
「中高生を中心とした生活習慣マメジネント・サポート事業」も開始されており、睡眠リズムの重要
対策の一環として水筒持参を奨励したいと思います。
性に対する認識も高まっています。
下記の注意事項を読んでご家庭で対応してくださるようお願いいたします。
大会で好成績を出したある生徒が、「昨年末より早寝早起きにかえ、睡眠時間をしっか
り取ることにして、生活リズムの改善に努めた結果です」と教えてくれました。睡眠は本
当に大切だと思える出来事でした。
裏へ
1年生食育指導を行いました。
7 月8日(金)第一中学校在籍栄養教諭の
今井祐様(二中の献立を作ってくださって
います)から「自分にぴったりのご飯の量
を調べよう」という題で 1 年生に食育指導
をしていただきました。指導の目的は、
①自分の健康を考えて食べるために必要
な知識を習得させる。
②自己の標準体重を理解し、必要なご飯の
量を計算する。
指導後のふりかえりを見て、生徒たちは
自分の主食の適切量について真剣に考え
たように思いました。
自分の健康を自分で考え、守る姿勢を育
てたいと考えています。
今後も外部講師による保健指導の出前
授業やワークショップを行います。
このような取組を始める理由は、
①自分の健康を自分で管理できる力を育
てたい。
②内気な生徒が多いため、様々な人と交流
し、ソーシャルスキルを育てたい。
「生きる力」を育むために、「からだ」も
「こころ」もたくましくなることが不可欠
l
です。
ご家庭でも、折に触れて健康の大切さを
話題にしてみてください。
感
想
○ 1 食分に取る栄養がちょうど給食一食分くらい
なので、家でも給食の時と同じ位になるように
気をつけたいです。今回ご飯を食べる量につい
て勉強して、家でも気をつけられるところがある
ので意識して健康で居られるようにしたいで
す。
○ 朝や昼に食べる量が少なく、夜に多く食べてい
ます。総合して一日の量は良いけれど体力や
エネルギーを使う朝、昼はもっと量を多くしない
といけないと思いました。部活動などで運動量
が増え、エネルギーが必要になると思うのでし
っかりと自分に合った量を食べたいです。
お家の方から
○体を作る一番大切な時期です。食事の量、回数
の他にも栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質等)も
考えて強い身体を作ってください。