学校と警察の連携による

学校と警察の連携による「児童生徒健全育成連絡制度」運用要綱の制定につ
いて(例規通達)
富山県教育委員会及び富山県私立中学高等学校協会並びに富山県警察本部の間で、児童生徒
の健全育成を図ることを目的として、
「学校と警察の連携による「児童生徒健全育成連絡制度」
に関する協定」を相互に締結したことに伴い、別添のとおり「学校と警察の連携による「児童
生徒健全育成連絡制度」運用要綱」を制定し、平成 20 年4月1日から施行することとしたの
で、適正かつ効果的な制度の運用に努められたい。
別添
学校と警察の連携による「児童生徒健全育成連絡制度」運用要綱
第1 趣旨・目的
児童生徒の非行防止や犯罪被害防止は、
警察、
家庭及び学校との連携が極めて重要である。
警察が認知した児童生徒の非行や不良行為等については、当該児童生徒が在籍する学校に
おいても、学校教育上の立場から適切な事後指導等を行うことが不可欠である。
一方、学校においても、学校だけでは対応困難な児童生徒の暴力行為などの問題行動が発
生しており、警察との連携が必要となっている。
このような現状を踏まえて、学校と警察が相互に情報を共有し、より緊密な連携のもとに
児童生徒の健全育成を図るものとする。
第2 名称等
制度の名称は、
「児童生徒健全育成連絡制度」とする。
第3 富山県教育委員会との協定書
別紙のとおり
第4 連携機関
1 富山県教育委員会及び富山県立学校
2 富山県私立中学高等学校協会に加盟する富山県内の私立中学校及び高等学校
3 富山県警察本部及び富山県内の警察署
第5 連携の内容
相互連携の内容は、児童生徒の非行等問題行動に関し、必要と認める情報の連絡を相互に
行うとともに、必要に応じて協議を行い、当該事案解決のため具体的な対策を講ずるものと
する。
第6 相互連絡の対象事案等
1 警察から学校への連絡対象事案
別表「警察から学校への連絡対象事案」のとおり
2 学校から警察への連絡対象事案
(1) 児童生徒の非行等問題行動及びこれらによる被害防止のため、校長が警察署との連携
を必要と認める事案
学校だけでは、
解決が難しく警察の対応が必要な校内暴力事案、
集団による非行事案、
薬物事案、援助交際などの性の逸脱行動事案等
(2) 児童生徒の安全確保及び犯罪被害の未然防止のため、校長が警察署との連携を必要と
認める事案
児童生徒の被害防止のため、警察の協力が必要ないじめ、わいせつ行為、不審者の侵
入、ストーカー行為、児童虐待等の事案
第7 連絡責任者等
1 警察からの連絡
連絡対象事案を取り扱った警察署が、当該児童生徒の在籍学校に事案の概要等を連絡す
るものとし、警察本部内所属で、連絡対象事案を取り扱った場合は、当該所属が生活安全
部少年課(以下「少年課」という。
)に連絡し、少年課から当該児童生徒の在籍学校に事案
概要を連絡するものとする。
2 連絡責任者
連絡責任者は、対象事案を取り扱った警察署長とし、警察本部においては生活安全部少
年課長(以下「少年課長」という。
)とする。
3 連絡担当者等
警察署における連絡担当者は、少年事件選別主任者である生活安全課長とし、少年事件
選別補助者である生活安全課課長代理、生活安全係長(富山中央警察署・高岡警察署は少
年係長)及び少年警察補導員を連絡担当補助者とすることができる。
なお、警察本部における連絡担当者は、少年課少年サポート担当補佐とし、本部関係所
属から対象事案の概要を聴取するものとする。
第8 連絡要領等
1 連絡内容
連絡対象事案に係る児童生徒の氏名、事案の概要及び児童生徒の健全育成に必要と認め
る事項とする。
2 連絡要領
(1) 連絡対象事案を担当した警察職員は、対象の児童生徒ごとに、警察から学校への連絡
検討表(別記様式第1号。以下「検討表」という。
)を正確に作成すること。
(2) 連絡担当者又は連絡担当補助者は、連絡対象事案に該当すると認めるときは、検討表
により、連絡責任者の指揮を受けた上、学校の連絡担当者に、電話又は面接による口頭
連絡により速やかに行うものとする。
第9 学校からの連絡事案に対する措置
学校からの連絡事案は、学校からの警察への連絡表(別記様式第2号。以下「連絡表」と
いう。
)により受理し、事実の正確な把握に努めるとともに今後の措置等について処理方針を
検討の上、当該児童生徒等に対する適切な措置をとるものとする。
第 10 児童生徒への適切な対応
本制度に基づく相互連絡においては、時機を失することなく非行防止、被害防止及び健全
育成に関する適切な対応をとるものとする。
なお、
当該連絡事案が犯罪等を構成する場合は、
速やかに捜査又は調査を遂げるとともに、
被害者の保護等が図られるよう必要な措置をとるものとする。
第 11 適正な情報管理
協定に基づき相互に提供された情報については、個人に係わる情報であることから、富山
県個人情報保護条例(平成 15 年富山県条例第1号)その他の法令を踏まえ、当該情報の秘密
を保持し、本制度の目的を逸脱した取扱いは、厳にこれを禁ずるものとする。
第 12 連絡上の配意事項
1 情報の一元管理
相互連絡事案は、生活安全部門に限らず、刑事・交通部門等にも及ぶことから、連絡担
当者に情報を一元化するとともに、連絡責任者の指揮の下、情報の管理を徹底するものと
する。
2 正確な連絡
学校への連絡は、感情的又は推定的な言動を慎み、事実を正確に連絡するものとする。
3 連絡時期
(1) 逮捕事案
原則として、逮捕したときとする。ただし、共犯事件、否認事件、その他の事案で、
逮捕時に連絡することが、事後の捜査に影響を及ぼすおそれがあるときは、捜査に影響
がなくなったときとする。
(2) 逮捕事件以外の事案
事案の捜査、調査が行われ、事案の概要が判明したときとする。
4 保護者への事前通知
学校連絡を行う事案については、あらかじめ保護者(少年に対して、法律上監護義務の
ある者及び少年を現に監護する者をいう。
)に対し、事後指導の必要性から、学校に連絡す
る旨の事前通知を行うものとし、保護者に対しては、学校に自主申告するよう指導するも
のとする。
なお、学校への連絡対象事案でないと判断される場合でも、学校への連絡を前提とした
取り扱いを行い、安易な言動は厳に慎むものとする。
5 事後措置
本制度は、児童生徒の非行及び被害を防止し、健全育成を図ることを目的としているこ
とから、
学校と緊密な連携を図り適切な事後措置が講じられるように配意するものとする。
第13 報告等
1 本制度によって学校に連絡した事案及び学校から連絡があった事案については、その都
度、検討表及び連絡表の写しにより少年課長を経由して報告するものとする。
2 本制度による連絡等により、学校、保護者との間に問題等が生じた場合は、少年課長を
経由して即報するとともに、効果的な事例については、その都度報告するものとする。
別紙(第3関係)
学校と警察の連携による「児童生徒健全育成連絡制度」に関する協定書
富山県教育委員会(以下「甲」という。
)及び富山県警察本部(以下「乙」という。
)は、
青少年の非行問題が多様化、深刻化している現状を踏まえ、児童生徒の非行及び犯罪被害
の防止を図るとともに健全育成を効果的に推進するため、相互の連携に関して、次のとお
り協定する。
(目的)
第1条 この協定は、児童生徒の健全育成のため、非行等問題行動の防止及び安全確保
について学校及び警察がそれぞれ自らの役割を果たしつつ、その役割を相互に理解し、
緊密な連携の下で効果的な対応を図ることを目的とする。
(名称)
第2条 この協定に基づく制度の名称は、「児童生徒健全育成連絡制度」とする。
(連携機関)
第3条 この協定において連携を行う機関(以下「連携機関」という。
)は、次に掲げる
機関とする。
(1) 甲及び富山県立学校(以下「学校」という。
)
(2) 乙及び富山県内の警察署(以下「警察署」という。
)
(連携の内容)
第4条 連携内容は、次に掲げるものとする。
(1) 児童生徒の非行等問題行動に関し、必要と認める情報の連絡を相互に行うこと。
(2) 児童生徒の非行等問題行動に関し、必要に応じて協議を行い、当該事案解決のため
具体的な対策を講ずること。
(相互連絡の対象等)
第5条 この協定に係る相互連絡の対象事案は、次の事案とする。
(1) 警察から学校への連絡対象事案
ア 逮捕事案、ぐ犯事案及び触法事案のうち送致又は通告した事案
イ 次に掲げるもののうち、警察署長が学校への連絡を必要と認める事案
(ア) 原因、動機が学校、交友関係にある場合
(イ) 粗暴行為等を敢行する非行集団に属していると認められる場合
(ウ) 他の児童生徒に影響が及ぶ場合
(エ) 複数で非行に及んだ場合
(オ) 非行を繰り返している場合
(カ) 不良行為を繰り返し、保護者の正当な監護に服さないなど、ぐ犯性が強い場合
(キ) その他特に学校での指導が必要な場合
(2) 学校から警察への連絡対象事案
ア 児童生徒の非行等問題行動及びこれらによる被害防止のため、校長が警察署との
連携を必要と認める事案
イ 児童生徒の安全確保及び犯罪被害の未然防止のため、校長が警察署との連携を必
要と認める事案
(相互連絡の範囲)
第6条 この協定に係る相互連絡の範囲は、対象事案に係る児童生徒の氏名及び事案の
概要並びに対象事案に関係する児童生徒の健全育成に必要と認める事項とする。
(相互連絡の方法等)
第7条 この協定に係る相互連絡の方法等は、次によるものとする。
(1) 対象事案を取り扱った警察署長及び校長を連絡責任者とする。
(2) 連絡は、連絡責任者又は連絡責任者が連絡担当者として指定した者が、電話又は面
接による口頭連絡により速やかに行うものとする。
(適正な情報管理)
第8条 この協定に基づき相互に提供された情報については、個人に係わる情報である
ことから、富山県個人情報保護条例(平成 15 年富山県条例第1号)その他の法令を踏
まえ、当該情報の秘密を保持し、第1条に示す本制度の目的を逸脱した取扱いは、厳
にこれを禁ずるものとする。
(連携上の配意事項)
第9条 この協定に基づく連携に当たっては、連携機関の相互理解及び信頼関係を保持
するため、次の点に特に配意するものとする。
(1) 相互に連絡する情報については、正確を期すること。
(2) 対象事案に関係した児童生徒への処遇に当たっては、本制度の趣旨を踏まえ、真に
教育的効果を持った適切な措置を講ずること。
(協議)
第 10 条 本協定を円滑に実施するため、連携機関は必要に応じて、協議を行うものとする。
(経費の負担)
第 11 条 本協定の実施に係る費用は、連携機関がそれぞれ負担するものとする。
行期日)
第 12 条 本協定は、平成 20 年4月1日から施行する。
(施
この協定の成立を証するため、本書2通を作成し、甲、乙が署名押印の上、各自その
1通を保有する。
平成 20 年2月 20 日
甲
富山県教育委員会
教育長
乙
東
野
宗
朗
印
吉
田
光
雄
印
富山県警察本部
本部長