医療機関に対する指導及び監査について

速報!医療経営レポート∼地域で一番の医療機関を目指すために∼第 11 回
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医療機関に対する指導及び監査について
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厚生労働省の行政事業レビューで示された医療給付費適正化方針により、保険医療機関に対する指導・
監査などが厳しくなってきています。これまでは病院が指導・監査の対象でしたが、近頃は病院だけでな
く診療所にまでその対象が広がってきており、これからは診療所にとっても他人事ではなくなってきまし
た。なお、監査には 2 種類あり、一つは「保険医療機関に対する指導及び監査」で、もう一つは「保健所
による医療機関の立入検査」です。今回は、「保険医療機関に対する指導及び監査」を取り上げたいと思
います。
「保険医療機関に対する指導」には、3 種類あります。
①
集団指導
②
集団的個別指導
③
個別指導
① 集団指導
新規開設時には必ず集団指導を受けなければなりません。集団指導は、講習会形式で行われます。必ず
受けなければならないものですので、特に怖がることはありませんが、ここでの指導内容が後の個別指導
を回避するための対策ともなりますので、きちんと聞いておくことが肝要です。
② 集団的個別指導
集団的個別指導とは、レセプト 1 件当たりの平均点数が高い保険医療機関に対して、講習会形式で行わ
れたり、個別面談形式で行われたりします。集団的個別指導では、平均点より高いことを認識させること
はしますが、診療報酬の自主返還を求めることはありません。
※平均点とは・・・
都道府県別、かつ、11 の診療科区分別の平均点をいいます。この平均点数が高い(上位 8%)保険医療機
関に対し行われます。
③ 個別指導
集団的個別指導を受けた保険医療機関のうち、翌年度実績においてもレセプト 1 件当たりの平均点数が
高い(上位 4%)保険医療機関や密告があった医療機関などに対して行われます。個別指導が行われると
多くのケースで診療報酬の自主返還を求められるので要注意です。
「保険医療機関に対する監査」とは、「診療内容や診療報酬請求に不正又は著しい不当があったことを
疑うに足りる理由があるとき」などに行われます。不正・不当請求とされたものは、5 年間の遡及返還が
求められ、監査後の行政処分は、「指定または登録の取消」、「戒告」、「注意」があります。
厚生局は個別指導担当の人員を増員しているようです。加えて、レセプトの電子化により担当者のチェ
ックの効率化が図られています。今後は診療所の診療報酬請求に対するチェックが強化されるでしょう。
ぜひ、カルテ、レセプトの記載の仕方を見直してみましょう。
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