日 乗 連 ニ ュ ー ス ALPA Japan NEWS www.alpajapan.org Date 2007.12.18 No. 31 – 23 発行:日本乗員組合連絡会議・ALPA Japan 幹事会 〒144-0043 東京都大田区羽田5-11-4 フェニックスビル TEL.03-5705-2770 FAX.03-5705-3274 E-mail:[email protected] IFALPA ATS Committee Meeting 出席報告 2007 年 11 月 7 日~9 日、 IFALPA ATS Committee Meeting がアルゼンチン・ブエ ノ スア イ レ ス で開催され、今回は 12 カ国の代表と管制官の世界組織である IFATCA の Observer や、ICAO 関係者を招き、参加総数 22 名、日本からは ALPA Japan ATS 委員 1 名が出席しました。このミーティングでは主に以下のような内容が報告、及び 討議 さ れ ま した。 中 国 の RVSM に 関 し て 2007 年 9 月 18~21 日北京で行われた中国 RVSM に関 す る 会 議 の 報 告 が あ り ま し た 。 IFALPA は 関係メンバーで討議をした結果、 2007 年 11 月 21 日 1600UTC から始 ま る 中 国 RVSM に対して同意を表明しました。その上で、IFALPA は中国の RVSM の 施 行 状 況 を 見守っていく所存です。 最近の中国では Enroute 上レーダー管制下で 右 1-2nm の Offset 指 示 が 恒 常 的 に 行 わ れ て い ま す 。 こ れ は ノ ン レ ー ダ ー 空 域 で の Strategic Lateral Offset Procedure( SLOP)とは違うものなので、 ATC からの指示 に 従 わ な い エ ア ラインもあります。こ の件に関してどのように取り扱うかは現在 討 議 中です。 AKARA-FUKUE CORRIDOR に 関 す る 状 況 報 告 (ALPA Japan) ALPA Japan の日本の航空局に対する要望活動が実を結び、福江と上海を結ぶ 経 路 の 高 度 選 択 が 変更されることにな りました。これは、中国 RVSM 導入に伴い約 24 年 ぶりに高度選択に関して変更が加えられ、一部運用も改善されたものです。関係 3 国 の 航 空 局 、IATA、IFATCA の討議の結果この度の改正が行われたことを ALPA Japan と し て 非 常 に 嬉 し く 感 謝 し て お り ま す 。 詳 し く は 別 途 発 行 さ れ た 日 乗 連 ニ ュ ース No.31-T07 を参照してください。 ICAO の 語 学 要 件 に 関 し て 2007 年 9 月 6~ 7 日 に か け て ド イ ツ 、 Langen で 行 わ れ た 語 学 要 件 に 関 す る 会 議 の 報 告 が あ り ま し た 。 ICAO は 2008 年 3 月 5 日 に 施 行 し よ う と し て い ま す が 、 多 く の国やエアラインでは期限までに間に合わぬ模様です。さらに、語学要件に対す る 訓 練 、試 験 等 の ICAO Document 9835( 語 学 要 件 に 関 す る 刊 行 物 )を 満 た し て い な い ど こ ろ か 、 存 在 す ら 知 ら な い 地 域 も あ り 、 State AIP の 中 に は ICAO の 語 学 要 件 を 必 要 と し な い と す る 国 も あ り ま す 。 こ の よ う な 現 状 に 対 し て IFALPA は さ ら なる処置の必要性を確認しました。 (次頁に 続 く ) ADS-B の 本 格 導 入 に つ い て FAA で は 2020 年までにすべての航 空機に対して米国内での ADS-B の搭載を義 務 付 け る 見 込 み で す。ADS-B 受信機は すでに米国全土での設置が広まりつつあり ま す 。 ヨ ー ロ ッ パ で も現在導入に向けて 動いており、IFALPA は ADS-B を次代の監視 シ ス テ ム と し て こ れを支持しました。 IFALPA ATS 委員会では、その使用環境、安 全 性 に つ い て さ ら に協議をしています 。 ( 注 )ADS-B (Automatic Dependant Surveillance-Broadcast) :航空路監視レーダ ー に 換 わ りうるシステムの名称。航空機より航法データを ATC Transponder 系 統 と 同 じ 周 波 数 で 送 信 し 、 そ れ を 地 上 で 受 信 し て 処 理し管制卓に表示する も の で す 。 レ ー ダ ー よ り 早 い 周 期 で 画 面 が 更 新 で き る ことと、広い空域に新 た に 設 置 する場合は費用対効果に優れているとされています。 CPDLC に お け る Communication Procedure の 統 一 現 在 、 CPDLC で の 用 語 の 使 用 方 法 が 太 平 洋 と 北 大 西 洋 で 異 な っ て い ま す 。 た と え ば STANDBY はこれまで約 15 年間、すぐにはリクエストに対する返答はでき な い が 、10 分 以 内に返答が用意できる 時に使用されてきました。現在、主に北大西 洋 で は何回もリクエストされないように、短時間で返答が用意できる場合でも、まず STANDBY と返答を送ることが多 くあります。このことがパイロットに混乱を 生 じ せ し め る 原 因 となっている現状が あります。IFALPA ATS 委員会ではこのような 件 に 関 し 、Data Link Procedure Harmonization Project Team を立ち上げ、適切な使用 方 法 と そ の 統 一 を試みることになり、日本は太平洋担当として参加することにな り ま した。 ( 注 ) CPDLC (Controller pilot Data Link Communication):管制官とパイロットの 間 を 結 ぶデータ通信。 IFALPA ATS 委 員 会 で の 今 後 の ALPA Japan の 活 動 次 回 Lisbon、 Portugal で行われる会議で日本は PANS-OPS VOL I の再検討を担 当 す る こ と に な っ ています。また Data Link Procedure Harmonization Project Team に 日 本 も 参 加 す る こ と に よ り IFALPA に 対 し て さ ら な る 積 極 的 な 活 動 を 行 っ て い き ま す 。 さ ら に AKARA-FUKUE CORRIDOR についても更なる改善を目指し、 IFALPA ATS 委 員 会 に て 発 表していく予定です 。 (以上)
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