特集 「ISO 15189シリーズ 総集編」

2013
平成 25 年 7 月
国立病院臨床検査技師協会
特集 「ISO 15189シリーズ 総集編」
ISO 15189 認定取得を目指して
∼ 国立病院臨床検査技師協会の近未来へ向けて ∼
国立病院臨床検査技師協会
Japanese Association for National Hospital Medical Technologists
目 次
発刊にあたり‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
序文‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
ISO シリーズ1 「パラダイムシフト」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
ISO シリーズ2 「規格の要求① 4 章」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10
ISO シリーズ3 「規格の要求② 5 章」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17
ISO シリーズ4 「認定までの流れ、国際規格、JAB 規準類、申請には何が必要か」‥ ‥‥ 25
ISO シリーズ5 「不確かさ、トレーサビリティー」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 32
ISO シリーズ6 「認定の維持継続、まとめ」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39
ISO シリーズ特別編 「最新情報」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 45
資料‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 51
発刊にあたり
国立病院臨床検査技師協会 会長 吉 田 和 浩
ISO15189 は臨床検査室を運営するための国際規格とされており、世界各国で取得施設が
急激に伸びています。しかし、日本国内では、ISO15189 規格を要求する国際的な臨床試験(治
験)が増加しているにもかかわらず、認定取得施設が増えていないのが現状です。
このような中、国立病院臨床検査技師協会では、臨床検査室のレベルアップおよび施設
間の標準化に向け、ISO15189 認定取得あるいは準拠した検査室運営を目指すことを目的に、
平成 22 年度事業方針に「ISO15189 取得にむけた情報収集」を盛り込みました。これを受け
て会員のみなさまに“ISO15189 とは何か”を理解して頂くため、日本適合性認定協会 下田
勝二先生に会報誌 70 号から 75 号まで、2 年間 6 回におよぶ“ISO シリーズ”を執筆してい
ただきました。この連載は、ISO15189 認定取得への推進力となり、平成 24 年 9 月には国立
がん研究センター中央病院と国立循環病医療研究センターが認定を取得しました。さらに平
成 25 年 6 月現在、すでに受審申請を終えた施設や認定取得に向け準備をはじめた施設が数
カ所あります。
この度、会報誌に連載した“ISO シリーズ”と改訂されたばかりの 2012 年版の最新情報
を取り纏めた“特集「ISO 15189 シリーズ総集編」ISO15189 認定取得を目指して〜国立病
院臨床検査技師協会の近未来に向けて〜”を発刊する運びとなりました。ISO15189 認定取
得への取り組みは、予算および検査室人員が少ないなど難しい問題はあると思います。しか
しながら、転勤システムがある国臨協会員施設では、転勤先においても“標準化の規格”と
いう共通のツールを持つ事で引継ぎがスムーズにできます。日本における ISO15189 の第一
人者である下田先生が執筆された本書は、国臨協会員施設のみならず ISO15189 取得を目指
す施設にとって最良の入門書です。本書をきっかけに ISO15189 の認定取得あるいは準拠し
た検査室運営を目指す施設が増えることを心より願っています。
最後に、我々国臨協会員のために多くの貴重な情報をご提供頂きました下田勝二先生に深
謝申し上げます。
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1-
序文 シリーズ総集編にあたり
公益財団法人 日本適合性認定協会 下 田 勝 二
初めに国臨協関連で ISO 15189 関連の問い合わせを受けたのは、かれこれ 3 年ほど前にさ
かのぼります。当時の奥田国立病院機構臨床検査専門職及び大貫国臨協会長から、内容の問
い合わせや資料提供のお話を頂いたのを契機に、第 38 回関信支部学会での特別講演、国臨
協全国理事会及び技師長協議会での講演などの機会を頂きました。検査技師会の関係で多く
の国立病院の検査技師の方々にお世話になっていたので、学会時には多くの方々から声をか
けていただき、懐かしくまた個人病院あがりの私ですが他団体とは思えないほど温かいもの
を感じたことを昨日のことのように思い出します。当時の田島関信支部長にも「こんなに多
くの国臨協関係者とのお付き合いがあったのですね」そう驚かれたものでした。そして、国
臨協会報誌へのシリーズ連載の依頼を昔お世話になりました松林国臨協副会長から頂いた時
には、忙しいことやどのような構成でお伝えするのがいいのかなど考える前に即答でお引き
受けしてしまったほどでした。
国立病院での勤務経験はありませんが、検査技師会を通じて様々な方々と触れ合う中で、
私なりに国立病院の変遷やそこで働く検査技師の皆さんの変革を極わずかとはいえ見聞きし
てきたつもりでした。そのような中、なかなか手が上がらないことが多い ISO 15189 に対す
る理解向上と、実際に認定取得に挑戦する意思のある検査室もあることを受け、2 年間 6 回
に及ぶシリーズは形式的ではいけないと感じ、骨組みを考え、一回ずつその時々の最新情報
で肉をつけてきました。今となっては若干古い情報も含まれますが、総集編を編纂いただけ
るとお聞きしてうれしい限りです。
この総集編序文を執筆する前に国臨協会員施設から認定臨床検査室が誕生したことを本当
にうれしく思っております。これはむろん実際に取り組まれたご施設の方々の努力の賜物で
ありますが、やはりその背景には国臨協として目指したこと、その方向性・先見性があった
からこそと思っております。この間、国の取り組みとして、厚生労働省から「医薬品の臨床
試験の実施基準に関する省令」の運用についての通知が出され、「臨床研究・治験活性化 5
か年計画 2012 アクションプラン」が厚生労働省と文部科学省の共同で取りまとめられ、そ
して直近では「医師主導治験等の運用に関する研究」の総括報告書が取りまとめられていま
す。確実に外堀は埋まってきています。
世界に類を見ない一大グループである国臨協会員施設の皆さんに、国際的な流れの一端を
お伝えすることが叶ったのなら望外の喜びです。世界では国際規格は国内規格になり、そし
て国内の規格を発展させて国際規格にもしています。ぜひ、日本発の臨床検査の国際規格が
育ち、国際規格の改定時の議論をリードし、名実ともに日本の臨床検査が世界をリードでき
る日が現実となることを祈り総集編の序文とさせていただきます。
いま私たち臨床検査技師に必要なものは、「パラダイムシフト」
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2-
◇ ISO シリーズ 1 ◇
パラダイムシフト
連載執筆にあたり:
この度は国立病院臨床検査技師協会(以下、国臨協)会報へ連載執筆の機会を頂き、宮崎
会長・松林副会長をはじめ編集に携わる皆様に感謝申し上げます。
国臨協に所属される臨床検査技師の皆様と私のお付き合いは、思い起こせば㈳東京都臨床
検査技師会(以下、都臨技)に地区幹事として参画するようになった 1994 年(平成 6 年)、
遡ること 17 年前からとなります。それ以来途切れることなく都臨技から日本臨床衛生検査
技師会(以下、日臨技)そして再び都臨技へと技師会活動に関わる間に、都内から関信支部
そして全国の多くの国臨協の皆様にご指導ご鞭撻を賜ることができ、そのお蔭で今日の私が
あります。微力ながらこの機会を通じて、皆様のお役にたつことが僅かでも叶うのなら幸甚
です。
シリーズ初回である本号では全体に亘りプロローグとして、国臨協の皆様が「なに、なぜ」
から「そうなんだ」とパラダイムシフトを起こしていただき、ISO 15189 認定取得が自らに
とってまた国臨協としても必要なツールであるとご理解いただける一助となるような内容と
させていただきました。そして次号以降で、
「内容の理解」とそれに基づく「必要な取り組み」
に順次触れさせていただきます。
はじめに:
ISO 15189 は本当に必要なのだろうか。答えは Yes である。
ではなぜ国際規格として発行する必要があったのだろうか。それは世界中に病める人がい
て、そこには臨床検査が国によって形は異なっていてもあまねく存在するからである。
ここで、ISO 15189 の序文を一部抜粋して引用したい。
「臨床検査室のサービスは、患者診療にとって不可欠であり、すべての患者とその診療に
責任を持つ臨床医のニーズを満たすために利用できなければならない。これらのサービスに
は、検査依頼のアレンジ、患者の準備、患者の識別、一次サンプルの採取、搬送、保存、一
次サンプルの処理と検査、その後に続く妥当性の確認、結果の解釈、報告、及びアドバイス
サービス、並びに検査業務の安全性と倫理への配慮が含まれる。」とある。冒頭の“Medical
laboratory services are essential to patient care and therefore have to be available to
meet the needs of all patients and the clinical personnel responsible for the care of those
patients.”のくだりは、いつも私が講演などで欠かさずに引用しているフレーズである。私
たち臨床検査技師が提供しているサービスは「患者診療にとって不可欠」だと、国際規格に
記載されている。しかもその序文への記載である。臨床検査を生業とするものとしては、こ
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3-
んなに嬉しいことはない。
国臨協は、世界的にも最大規模の病院ネットワークに所属する臨床検査技師の集まりであ
り、国内にとどまらず国際的な機能も果たされている。ISO は国際基準であり、国内基準は基
本的には国際基準に準拠している。では ISO 15189 は国臨協の皆さんにとって、敷居の高い
要件なのであろうか。答えは No である。ISO 15189 は世界中で臨床検査を実施する際の「必
要最低要件」であり、国臨協の皆さんにとっては普段行っていることを整理して、マネジメン
トシステムに則った運用にすることでクリアできるもの。そのように認識頂けると幸甚である。
医療における国際化の流れ:
医療における国際化の流れが顕著になってきている。臨床検査に関わる 2 点を取り上げる
が、共に近隣諸国に後塵を拝する状況である。
一点目は、大規模病院や専門病院などで行ってきた国際的な臨床試験(治験)が海外へ流
出し国内で空洞化現象を起こしている点である。世界の医薬品市場は 1997 年から 2007 年の
10 年間に 2.6 倍、金額にして 4,124 億ドルの大幅な増加を認めているが、この間に国内シェ
アは 16.4%から 8.8%と半減しており、金額ベースで観ても 169 億ドルの微増に留まっている。
これと相まって ISO 15189 認定臨床検査室を多数擁する近隣諸国へ治験の依頼が流出してい
る現状がある。
二点目は、医療観光(Medical Tourism)であるが、2007 年 1 月に観光立国推進基本法が
施行され、翌 2008 年 10 月には国土交通省の外局として観光庁が発足している。外国人旅行
者の受入数は 2009 年時点で、日本は世界で 33 位、アジアでも 8 位と近隣諸国と比して大き
く取り残された状況であり、これと連動してか医療観光の分野も日本は他国に大きく遅れ
やっと歩み始めたばかりである。丁度連載の依頼を受けた時期に、羽田空港の国際線ターミ
ナルが新しくなり羽田空港のハブ空港化が叫ばれた。しかし同時期の報道では、世界が自他
ともに認めるハブ空港である韓国仁川空港は、空港敷地内で医療観光が受けられるよう計画
を進めていることが紹介されている。
2008 年 8 月インドで開催された IFBLS:International Federation of Bio Medical Labora­
tory Science に参加した際に、同国最大規模を誇るアポロ病院を視察する機会を得た(図 1)。
同病院は医療観光で先端を行く病院であるが、残念ながら当時の私には医療観光に対する認
識がなくこの点での質問などは行うことができなかった。しかし同病院は既にこの時期に、
世界規模での病院認定を行っている JCI:Joint Commission International 認定を取得してい
た(図 2、3)。現在 39 ヶ国 300 の病院が同認定を取得している。日本では 2009 年に初の同
認定病院が誕生しているが、いまだに一病院のみしか認定取得ができていないのが現状であ
る。また同病院の検査部(図 4)は ISO/IEC 17025 認定(ISO 15189 の基となった試験所に
対する国際規格)を部署ごとに取得していた(現在ではインドでも臨床検査室に対する認定
は ISO 15189 へ移行している)。海外で通用する検査データを、当時から提供する体制は整っ
ていたということである。
-
4-
図 1 Apollo Hospital 外観
図 2 同 救急入口看板の JCI ロゴマーク
図 3 同 プレゼン中の認定に関する資料
図 4 同 検査部(微生物検査室)
このような世界標準に積極的に取り組んでいる世界の医療状況と、石橋をたたいて渡る国
内の医療状況を機敏に察知して、我々臨床検査技師は言われて動くのではなく、率先して国
際的な潮流に乗り、そしてこれを乗りこなす準備を始めなければならない。さもなければ院内
で取り残され、病院の要望を叶えることのできない存在となってしまうことは自明の理である。
臨床検査における標準化の流れ:
臨床検査技師が、特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会(JCCLS)の後を受け、日
臨技において全国的にデータ標準化に取り組み始めてまだ4年にもかかわらず、国民にも「臨
床検査の標準化」が実は身近なものであり、本当は検査データが共有できるものであるとい
うことが浸透し始めている。医師に至っては、既に可能な範囲では当たり前のように紹介元
の検査データを参照するようになってきている。この事業が開始される前、私自身が「試薬
が異なれば結果が異なっていても当然」と、ISO 15189 認定審査員となる研修の場で発言し
ていたことが恥ずかしい限りであり、今となっては死語、検査技師として口にしてはいけな
い言葉となったことに隔世の感がある。
-
5-
ISO とは:
ISO:the International Organization for Standardization(国際標準化機構)は、中央事
務局をジュネーブにおく、各国の標準化機関(一国一機関の ISO 会員団体)による世界的
な連盟である。1946 年に 25 ヶ国で発足し、現在では 162 ヶ国が加盟している(投票権を持
つ正会員は 104 ヶ国)。日本は JISC:Japanese Industrial Standards Committee(日本工業
標準調査会:事務局経済産業省産業技術局基準認証ユニット)が 1952 年に閣議了解に基づ
き会員団体となっている。また日本は数少ない(18 ヶ国)理事国でもある。
連載を通して日本の国際化の遅れを随所で問題視することとなるが、ISO の世界で日本人
が活躍した事実もある。驚くことに ISO 会長に今までに2名の日本人が就任していたのである。
WTO:World Trade Organization(世界貿易機構)の TBT:Agreement on Technical
Barriers to Trade(貿易の技術的障害)協定(1994)により、
各国の国内規格作成過程の透明性、
国内規格の国際的な整合性を図ることとなった。具体的には、強制規格(付属書 3 で任意規
格も推奨)は国際規格にもとづいて作成し、そして強制規格又は任意規格に対する適合性評
価の手続きは国際標準機関(ISO)が発表した指針又は勧告に基づいて作成することとなった。
ISO 15189 とは:
ISO 15189「臨床検査室―品質と能力に関する特定要求事項」は ISO/IEC 17025(JIS Q
17025)
「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」及び ISO 9001(JIS Q 9001)
「品
質マネジメントシステム―要求事項」をベースとし、臨床検査室の品質と能力に関する特定
要求事項を提供するものとして ISO の技術専門委員会 ISO/TC212(図 5、6)が作成した国
際規格である。ISO 15189 は、『臨床検査室がマネジメントシステムを運営し、技術的に適
格であり、技術的に妥当な結果を出す能力があること』を実証しようと望む場合、臨床検査
室が満たさなければならないすべての要求事項を含んでいる。
図 5 ISO/TC212Seoul 集合写真
図 6 ISO/TC212 参加者による日韓交流会前
列左から 4 番目河合忠団長、後列右から 3 番
目筆者、右隣は韓国検査技師会宋前会長
-
6-
では実際に、『臨床検査室がマネジメントシステムを運営し、技術的に適格であり、技術
的に妥当な結果を出す能力があること』が求められるとはどのような場合があるのであろ
うか。例えば前述のように、臨床試験(治験)の分野では、海外の臨床試験を受託するに
当たり既に「認定」を受けた臨床検査室であることを要求している場合がある。これは ISO
9001 などの「認証」ではなく ISO 15189 のように技術能力も観ている「認定」を求めている。
また、医療観光などでは直接的に受診者が自国に検査結果を持ち帰ることになる。この際に
は当然のごとく ISO 15189 で認定された臨床検査室の検査データであることが自国でも通用
する大きな目安となる。そして国際的な研修会や会議などで臨床検査の標準化や外部精度管
理などがテーマとなる際には、当たり前のように ISO 15189 の認定もセットで語られること
が多い。これらは、いずれもその『臨床検査室がマネジメントシステムを運営し、技術的に
適格であり、技術的に妥当な結果を出す能力があること』を前提条件と捕らえているからに
他ならない。ちなみに、「認証」では「マネジメントシステムを運営している」ことまでし
か求められていない。
詳細は次号以降に譲るが、ISO 15189 は ISO/IEC 17025 同様、主に次の 2 つから構成さ
れている。
1 :「品質マネジメントシステムの要求事項」→健全な管理に関する要求事項: 4 章
2 :「技術的要求事項」→臨床検査の種類に応じた技術能力に関する要求事項: 5 章
な認知として向上すること。また検査室内部にとっても様々な効果をもたらすことができる
認定取得の意味と効果:
こと。例えば、品質マネジメントシステムを運用することにより、PDCAサイクルが回り業
認定を取得することの意味と効果は、国際相互承認により検査結果報告書が海外で通用し
務改善が継続的に行われ、業務の質の向上を遂げ、責任の明確化も進む。また技術的な側面
海外顧客への説明の簡素化が図られること。これはまさに前述の治験に該当する効果である。
としては業務が標準化し、検査室のスタッフのレベルアップも図れる。そして、品質マネジ
また認定を取得していることで、技術能力が証明され、そのステータス・信頼性が公的な認
メントシステム及び技術的な両面からの取り組みが行われることにより、インシデント・ア
知として向上すること。また検査室内部にとっても様々な効果をもたらすことができること。
クシデントの発生を低減させることが、認定臨床検査室の実例からも伺える(図7)。
図7
認定の効果
図 7 認定の効果
認定状況:
-
7-
国内の認定数は、201
0年1
1月9日現在57検査室であり、内訳は大学病院9、病院10、臨床
試験(治験)2、衛生検査所30、健診機関2である(図8)。
例えば、品質マネジメントシステムを運用することにより、PDCA サイクルが回り業務改
善が継続的に行われ、業務の質の向上を遂げ、責任の明確化も進む。また技術的な側面とし
ては業務が標準化し、検査室のスタッフのレベルアップも図れる。そして、品質マネジメン
トシステム及び技術的な両面からの取り組みが行われることにより、インシデント・アクシ
図7 認定の効果
デントの発生を低減させることが、認定臨床検査室の実例からも伺える(図 7)。
認定状況:
認定状況:
国内の認定数は、
201
0年1
1月9日現在
57検査室であり、内訳は大学病院9、病院
10、臨床
国内の認定数は、2010
年
11 月 9 日現在
57 検査室であり、内訳は大学病院 9、病院
10、
試験(治験)2、衛生検査所
30、健診機関2である(図8)
。 8)
臨床試験(治験)2、衛生検査所
30、健診機関 2 である(図
。
図8
認定臨床検査室の内訳
図 8 認定臨床検査室の内訳
APLAC 相互承認国の認定状況を 2010 年 3 月 24 日現在でみると、表 1 のように 496 検査
室となる。この時点での日本は 10 相互承認国の中で平均的な認定数とも言えるが、台湾、
5
8
中国やインドなどの認定数増加は著しく、その他にオーストラリアのように臨床検査を実施
する施設に認定取得を義務付けて既に 588 検査室を認定している国もある。これらの日本を
取り巻く諸外国の認定数増加は治験が最たる例ではあるが、看過できない状況を迎えている
と認識している。
表 1 APLAC 相互承認国の認定状況
№ 国(Economy)
認定機関
認定数 № 国(Economy)
認定機関
認定数
1
日本
JAB
57
15 ベルギー
BELAC
35
2
香港
HKAS
26
16 チェコ
CAI
88
3
中国
CNAS
59
17 デンマーク
DANAK
23
4
台湾
TAF
139
18 フィンランド
FINAS
29
-
8-
5
タイ
DMS c
74
19 ドイツ
DACH
482
6
シンガポール
SAC
9
20 ギリシャ
ESYD
30
7
マレーシア
Standards Malaysia
15
21 アイルランド
INAB
53
8
ニュージーランド
IANZ
59
22 ポーランド
PCA
48
9
メキシコ
ema
17
23 スイス
SAS
31
10 インド
NABL
213
24 英国
CPA
276
11 オーストラリア
NATA
588
25 フランス
COFRAC
209
12 韓国
KOLAS
5
26 アルゼンチン
OAA
10
13 米国
A2LA
1
27 チリ
INN
13
14 カナダ
QMP − LS
229
国内状況に目を戻し都道府県別に認定状況をみると、神奈川県:7 施設、東京都:6 施設、
北海道・福岡県:5 施設、大阪府・京都府:4 施設などとなっており、空白県も残念ながら
21 県存在する(図 9)。
図 9 認定臨床検査室分布
-
9-
◇ ISO シリーズ 2 ◇
規格の要求① 4 章
はじめに
シリーズ 1 となる前号には、皆様のこれからの取り組みに一助となるであろう、国際的な
動向などを含めたプロローグをお届けした。
シリーズ 2 以降では、いよいよ臨床検査室に対する国際規格である、ISO 15189「臨床検
査室―品質と能力に関する特定要求事項」
(Medical laboratory − Particular requirements
for quality and competence)で要求されている内容に触れていきたい。まず本シリーズ 2 で
は、
大きく二つの要求事項があるうち、
4 章の「管理上の要求事項」を取り上げる。5 章の「技
術的要求事項」は次のシリーズ 3 で取り上げるが、これら大きく二つに分けられている要求
事項は、品質マネジメントシステム及び技術という異なる視座から事象をとらえ、要求事項
としているが、
実はかなりの部分で相互に関連する要求事項が存在している。また、
同じ 4 章・
5 章の中にも関連する事項が存在するので注意が必要である。なぜなら、ISO 15189 に限ら
ずマネジメントシステムを構築する際には、様々な文書が作成されることが多いと思われる
が、上位の文書から下位の文書へ又はその逆に下位から上位へ、そして同じ文書内において
も、関連事項に不整合を生じると業務の流れにも齟齬をきたすこととなるからである。
規格の要求:
まず初めに国際規格を参照する際に注意が必要なことは、「ISO 規格原文に準拠すること」
である。残念ながら国際規格原文は私たちが普段用いている日本語では作成されていない
(ISO が用いる言語は英語及びフランス語)。よって通常私たちは、財団法人日本規格協会が
発行する英和対訳版などの邦訳されたものを用いることが多いと推察している。その際に前
述の「原文」の重みが発生することになる。ちなみに ISO 15189 英和対訳版にも「ご利用上
のお願い」として、「(前略)〜邦訳文に疑義がある時は ISO 規格原文に準拠してください。
〜(後略)」と記載され、かつ「(前略)〜日本語訳のみを使用して生じた不都合な事態に関
しては、当協会は一切責任を負うものではありません。原文のみが有効です。」という記載
でお願い文が結ばれている。解釈に悩むときなどは、ぜひ規格原文を参照していただきたい。
そして、ISO 15189 の要求事項は JIS Z 8301 で与えられている訳語のうち、ISO/IEC
17025 に合わせて以下を採用している。
shall :〜とする。
should:〜することが望ましい。
may :〜(し)てもよい。
ただし、実施しないことが妥当と判断される理由のない限りは、審査の中では should も
「shall 〜とする」に準じて実施されるものとして対応が求められる。すなわち、安易に「〜
-
10 -
することが望ましい」だから行わなくてよい、という解釈は成り立たないことも注意が必要
である。
ISO 15189 規格要求事項の概要(抜粋):
これから認定の取得を希望される、または内容を理解したいとお考えの方々が興味を抱く
であろう ISO15189 規格要求事項の概要を抜粋する。
4.1:組織とマネジメント
4. 1. 5 i ):
品質マネジメントシステムの要求事項を満たしていることを監督する責任と権限を持つ、
品質管理者の任命が要求されている。この際に注意が必要なのは、4. 1. 5 e)で要求されて
いる、すべての要員の明確な責任、権限及び相互関係を表す機能組織図(図 1)上で、検査
部長と品質管理責任者の間に他者が介在しないことである。
これは後述している 4. 1. 5 j)の代理者を任命する際にも、検査部長と品質管理者は兼務
していないことが、各々に要求される業務を公正に担保するためには必要であることを示唆
する一例でもある。
また一緒に触れておくが、「〜主体」と表現されるのは、通常複数の要員で構成する会議
体がその責を負っている場合であるので、責任者一人とその代理者のみであれば、あえて「主
体」という表現を用いる必要はない。また実際に技術管理などを複数の要員が分担して責任
を持っているような場合は、検査室として全体の技術的な決定を下す際には、当然それらの
「主体」が会議を開催して決定することとなり、「議事録」が具備されることとなるので、こ
図1
機能組織図 例
図 1 機能組織図例
4.
1.6:
11 検査室管理主体は、検査室内に適切なコミュニケーションプロセスが確立されて、品質マ
ネジメントシステムの有効性に関してコミュニケーションが図られることを確実にすること
が求められている。
ここでは、品質マネジメントシステムの有効性に関する議論が求められており、該当する
の点からも注意が必要である。
4. 1. 5 j ):
この項で記載されている、主要な職能に関わるとは、検査部長、品質管理責任者、技術管
理主体などを指すため、これらの代理者(副)の任命が必要である。要求には例外として、
小規模の検査室では実際的でないことに言及しているが、十数名ましてや数十名に及ぶ規模
の検査室は、各々の職務を公正に行う観点からも安易な兼務には注意が必要である。
4. 1. 6:
検査室管理主体は、検査室内に適切なコミュニケーションプロセスが確立されて、品質マ
ネジメントシステムの有効性に関してコミュニケーションが図られることを確実にすること
が求められている。
ここでは、品質マネジメントシステムの有効性に関する議論が求められており、該当する
議事録にはこれに関する記録が残されることとなる。
※ ISO15189:2007 で新規に採用された要求事項
※有効性(effectiveness):計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度
(ISO9000 3. 2. 14)
4. 2:品質マネジメントシステム
4. 2. 3:
品質マネジメントシステムの方針及び目標を検査部長が表明し、品質マニュアルに文書化
することが求められており、以下の事項が含まれることが必要である。
a )検査室のサービスの範囲を明確にする
b )検査室管理主体がサービスの水準を定める
c )品質マネジメントシステムの目的
d )品質文書を活用させ、方針と定めた手順を常に実施することを検査室の要員に要求す
ること
e )良好な業務習慣の維持の公約
f )この国際規格への適合性を守ること
この方針を表明する際に注意が必要なのは、規格に沿っていることは勿論のことではある
が、検査室の要員が理解できているか、絵に描いた餅になっていないか、などである。よっ
て、要求事項をほぼそのまま踏襲したような方針であった場合は、個々の内容の理解があっ
て、自施設の実態と合っていることが大切であるし、逆に独自の文言で方針が設定されてい
る場合は、要求事項との整合性の確認が必要であろう。ただし、概して後者の場合は、自施
設の現状から言葉を起こしていることが推察され、内容の理解は得られやすく、実態との整
合性も取りやすいのではないかと思われる。
-
12 -
※読者の皆さんの検査室には、方針・目標はありますか。理解して業務をしていますか。
また、ISO 9001 の運用を病院・組織全体で、または検査室独自に行っている場合、品質マニュ
アルを作成する際には、両規格間での過不足の確認と整合性の確保が継続的に必要となるた
め注意を要する。
4. 2. 4:
ISO 15189 をそのまま写し取ったものをマニュアルとする例があるが、少なくとも 5W1H
も入れ、「誰が」行うのかが明確でないと、誰かがやるだろうと責任が不明確となり、結果
として実効性が低下してしまう。特に検査室管理主体については規格の中で主語として頻出
しており、この言葉をそのまま用いた場合は、前述のように「主体」のため複数の要員で構
成されている会議体であり、「誰が」が不明確となってしまう典型例である。
4. 3:文書管理
4. 3. 2 g):
手書きによる一時的な修正を認める場合その手順・権限を規定し、修正箇所は明確に表示
し、署名・日付を付すことが求められている。
この要求事項は、自施設のルールを守れないことがしばしば認められる一例である。また
は逆にルール無視の防止のために手書き修正を認めないとすることも可能ではあるが、もし
も修正を認めないとする場合は、修正する必要が生じた都度、当該文書の改定を速やかに行
うことが必要となることを全要員に周知徹底する必要があり、これはこれで困難を伴うこと
となる。
※医療安全の観点(修正が改竄ととられないため)からも重要である。
4. 3. 2 h):
コンピュータ内に維持された文書の変更手順の規定は、忘れられがちであるが、手書き修
正と同様に変更管理は重要である。実際に文書の改定を行う際には、コンピュータ内に保存
された文書を基に改定作業が進められることが推察されるが、この文書が現行の原本と一致
していることを担保することが必要である。
4. 4:契約の内容の確認
4. 4. 2:
臨床との契約に関する重要な変更内容は「臨床検査適正化委員会」などで議論され、承認
されていることが大切であり、これら議論を含めて議事録などに記録を維持することが求め
られている。
4. 5:委託検査室による検査
4. 5. 1:
委託検査室の初回の選定と、継続時の評価で使用する指標は、各々に特有な内容であるこ
-
13 -
とが想定される。また、認定範囲の検査項目としては委託検査室のみにより実施される検査
は含まれないが、臨床検査室としては委託された検査結果に関してもその質を監視する責任
がある。
4. 6:外部からのサービス及び供給品
4. 6. 3:
すべての試薬、管理物質、校正物質のロット番号の記録、検査室での受領日、検査室のサー
ビスにおける使用開始日が含まれることが求められている(規格原文は shall であるが、邦
訳は望ましいとなっているため、注意が必要である)。
4. 7:アドバイスサービス
専門スタッフは、検査の選択、サービスの利用について助言することが求められている。
※推奨事項として、検査結果の解釈の提供及び回診に同行することが示されている。
4. 8:苦情処理
タイトルは苦情であるが、規格の要求にはその他のフィードバック、参考にはポジティブ
なフィードバックという表現もあり、
ぜひこの観点からも記録を取られることをお薦めしたい。
苦情処理、不適合検査の識別及び管理、是正処置、予防処置は相互に関連しており、一連
の流れとしてとらえ実施することで、検査室の品質マネジメントシステム及び技術的業務が
継続的に改善される(図 2)。
図2
図
2
4.9:不適合の識別及び管理
4.
9.1 h)
:
-
14 -
意外と漏れる要求事項の一つに、この要求の検査室管理主体の傾向調査と、予防処置のた
めの定期的な見直しがある。記録の管理に留まらず、見過ごされがちな部署間をまたいだ傾
向や、当該部署のみでなく関連部署にも水平展開することで予防につなげることなどで、検
査室にとっての大きなメリットが生み出されることとなる。一つの不適合検査によって生じ
4. 9:不適合の識別及び管理
4. 9. 1 h):
意外と漏れる要求事項の一つに、この要求の検査室管理主体の傾向調査と、予防処置のた
めの定期的な見直しがある。記録の管理に留まらず、見過ごされがちな部署間をまたいだ傾
向や、当該部署のみでなく関連部署にも水平展開することで予防につなげることなどで、検
査室にとっての大きなメリットが生み出されることとなる。一つの不適合検査によって生じ
ている風評被害を含めた信頼の失墜や、再検査なども含めたコスト、対応に充てる時間コス
トなどを評価分析してみると、図 2 に示したサイクルを回すことで得ている金額的なメリッ
トも算出が可能ではないかと考える。
4. 10:是正処置
4. 10. 3:
検査室管理主体は、見出された問題の解決が確実に功を奏したものとするために、とられ
たすべての是正処置の成果を監視することが求められている。
検査室管理主体に求められているのは、
「成果の監視」であって、品質管理者などが既に行っ
ている是正処置の結果の追認だけに終わらないよう注意が必要である。例えば、生じた不適
合に対する是正として手順が見直されたとして、検査室管理主体の行なうことは手順を見直
したことの追認ではなく、手順を見直したことにより生じるであろう、「成果」としての不
適合の減少などを「監視」することである。
4. 11:予防処置
予防処置は改善の機会を特定するための先行的プロセスであるので、他業種で起こってい
るような事象も含めて対岸の火事ではなく、他山の石として我がことに当てはめて予防処置
を講じることができる、深層を探るような視点が必要である。
4. 12:継続的改善
4. 12. 2:
見直し結果による処置が実施された後に、関係部署の集中的な見直しや監査を通して、そ
の対策の有効性を評価することが求められている。4. 12. 1 から 4. 12. 3 までの一連の流れは
わずか 3 つの要求ではあるがとても奥が深く、品質マネジメントシステムを運用し向上する
際の重要な鍵のひとつである。
4. 13:品質及び技術的記録
4. 13. 2:
基本的な事項として認識しておきたい点は、記録は消失や無許可のアクセスが予防されて
いなければならず、鉛筆(勿論、消しゴムで消せる筆記用具を含む)書きや、修正内容が見
-
15 -
えないような塗りつぶした修正も不適切である。記録物は自らの正しい業務を証明してくれ
る数少ないものであり、日頃から自らのこととしての取り組みが大切である。
しかしスライドガラスに鉛筆書きが必要な部署(最近ではラベル化が進んできてはいるが)
などでは、「鉛筆の使用不可」は現実的ではないであろう。また禁止されていても鉛筆書き
が残ることが懸念されるものには研修記録などがある。間違いを書き直したい、きれいな状
態で提出したい、などの心理から鉛筆書きが残ってしまうと推察される。
4. 14:内部監査
4. 14. 1:
運営が品質マネジメントシステムの要求事項に継続して適合していることを検証するた
め、管理運営と技術面すべての要素について内部監査を実施することが求められている。規
格の要求事項を内部監査の要素として網羅することも大切であるが、個々の要求事項を主に
担うこととなっている部署や主要な要員などに、適切にその担うべき要求事項に対する監査
を実施することも大切である。品質マネジメントシステムが漏れなく構築されている場合は、
上記に対応することで結果としてすべての要素について内部監査ができることとなる。
また患者診療にとって極めて重要な事項を強調することも求められている。監査計画など
の段階から、強調すべき事項を明示しておくなどの配慮が必要である。
※お互いに業務内容を監査し、決めたら守ることを徹底する。
4. 14. 2:
自施設で定めた資格のある監査員により内部監査が行われることが求められており。この
際に技術的内容は実務経験者又はそれに順ずる力量がある要員により行われることが大切で
ある。
4. 15:マネジメントレビュー
インプットがあり、改善したことで MR が完結する。「〜しなさい」という指示は最終的
なアウトプットではなく、その指示の下に改善され、そのことが次回以降の記録に残される
ことが大切である。
4. 15. 3:
患者診療に対する検査室の寄与について、その質及び適切性を可能な限り客観的に監視し、
評価することも求められている。
-
16 -
◇ ISO シリーズ 3 ◇
規格の要求② 5 章
はじめに
シリーズ 3 の稿を進めるにあたり、冒頭で触れておきたいことがある。
ISO15189 認定制度が ISO9001 などのマネジメントシステムの認証制度と大きく異なる一
つとして、これから概説する 5 章(技術的要求事項)がある。これは『技術的に適格で、技
術的に妥当な結果を出す能力があること』を担保するために必要であり、審査の際にも大き
なウエイトを占める。
そして、その中でも一番大切な要求事項は「5. 1 要員」であるといっても過言ではない。
一般社会においても、組織の力の源は「人」であり、いくら機械化・自動化が進んでも、結
局は「人」なくして成長はあり得ない。そう人財が大切なのである。
「人」を「人財」へと昇華させるためには、教育が大切である。
私たち臨床検査技師は個人的な特別な事由がない限り生涯免許であるが、だからこそ生涯
学習は必須であり、日進月歩の医療水準に適応していくためには怠ってはならないものであ
る。医療訴訟の際にも、「今の日本の医療水準」または「その施設が課せられた使命に鑑み
た水準」などが判断基準となるなかで、私の力量、組織としての能力(ISO の中では、個人
は力量、組織は能力と表現される)は、はたして水準を超えているのだろうか?自問自答が
必要である。いや、皆本当は解っていることであり、時と場合によって目を背けたい衝動に
駆られるだけなのかもしれない。
「教育」
、言うは易し行うは難し、管理監督する立場にある方々も、新人の方々も、中堅どこ
ろの方々も、それぞれに悩むところかと思われる。背景としては、なかなかはっきりと教育プ
ログラムを実行しにくい、また自己啓発を促しにくい、途中でくじけてしまう、などなど様々
であろう。もともと教育は強制するものではないのであろうが、個人ごとに認識・取組に差が
生じると、結果として組織として何かを行う際の障害となってしまうことにも繋がりかねない
のではないだろうか。また組織として最低限クリアすべき基準(検査室として求める個人の力
量、病院から求められる検査室としての能力)はあってしかるべきとも思う。しかし現実は難
しいもので、もしもこのような悩みをお持ちであれば、ぜひこの国際規格への適合を理由にし
て、より一層の推進をされてみてはいかがだろうか。一部の方には迷惑な話に聞こえるかもし
れないが、自分を守り、検査室を守り、結果として病院を守る大きな力となるものである。
ISO15189 規格要求事項の概要(抜粋):
(前号の続き)
5. 1:要員
5. 1. 2:
要員の適切な教育と専門資格、訓練と経験、及び力量が問われているが、a)証明書又は
-
17 -
免許証では、認定資格(特に、認定輸血検査技師制度のような更新のある)が有効であり、d)
継続的な教育及び達成度の記録では、継続的に教育を行うとともに必ず達成度を記録に残す
ことが大切である。
e)力量の評価は、あくまでも現在の力量を評価する必要がある。例えば不規則抗体スク
リーニングの力量評価などは、入職時や当直業務開始時には教育の下に一定の力量が認めら
れて業務を行えると判断されているものと推察する。しかし、その後の業務実態として月に
数回の当直業務でしか行う機会がない、または実際には年間通じても数回しか行っていない
ような状態であれば、評価時の力量を維持・発展させているかは疑わしいものである。この
ような時にも、定期的な力量評価を行っていれば、力量を見誤ることはない。
5. 1. 9:
スタッフ向けの継続的なあらゆる段階の教育プログラムが利用できる必要がある。
5. 1. 11:
力量は上記のように、その職務の訓練時及びその後定期的に評価し、場合によっては再訓
練及び再評価が必要である。定期的な評価を繰り返し、その時々の自施設の基準に照らして
不合格であれば、再訓練し再評価が必要であり、もしもそれでも力量が基準を満たさないの
であれば、必要に応じて実施制限(一人では結果を出さないなど)も考慮が必要である。こ
の際に大切なのは、「自施設の基準」が明確であることである。力量を確認するための個々
の要求に対しての基準と共に、特に大切なのは、最終的に業務として実施できる否かを判定
するための、最終(総合)評価基準(例えば、総合評価が何点以上、かつこの要求事項は必
ずクリアしていること、など)が明確であることである。また、ルーチン担当者と当直者で
は求められる基準も少し異なる部分があるであろう。この点も臨床サイドと合意した基準を
明確にしておきたいものである。
5. 1. 12:
要員は常時専門的な研究又は他の専門家との連携に従事する(図 1)。この 2 点は、学会、
講習会への参加や学会員であることを含めることができる。注意したいのはやはり記録を残
すことである。いくら研修会に参加していても記録を残していなければ、参加していなかっ
たに等しい。また参加記録として称した記録があっても、どのようなテーマ・内容の研修を
受けたのかが不明では問題である(図 2)。
(図1)
(図 1)
(図2)
(図 2)
本質的には参加した結果が、如何に力量・能力に反映したのかも大切なポイントではある。
本質的には参加した結果が、如何に力量
・能力に反映したのかも大切なポイントではある。
しかし、施設により事情は様々なので、多くの方々が一度に外部の研修会などに参加しに
しかし、施設により事情は様々なので、多くの方々が一度に外部の研修会などに参加しに
くいなど、超えがたい壁があることも事実であろう。そのようなときには内部での伝達研修
や、e―ラーニング、学会誌の抄読会なども、テキストや評価を含んだ記録を明確にするこ
18 とで有効となるであろう。
そして、国立病院にはルーチンアドバイザーという素晴らしい制度がある。世界的にも類
を見ない大規模組織である国立病院のネットワークを活かし、その中で各専門分野のスペ
(図1)
(図2)
本質的には参加した結果が、如何に力量・能力に反映したのかも大切なポイントではある。
しかし、施設により事情は様々なので、多くの方々が一度に外部の研修会などに参加しに
くいなど、超えがたい壁があることも事実であろう。そのようなときには内部での伝達研修
くいなど、超えがたい壁があることも事実であろう。そのようなときには内部での伝達研修
や、e―ラーニング、学会誌の抄読会なども、テキストや評価を含んだ記録を明確にするこ
や、e―ラーニング、学会誌の抄読会なども、テキストや評価を含んだ記録を明確にするこ
とで有効となるであろう。
とで有効となるであろう。
そして、国立病院にはルーチンアドバイザーという素晴らしい制度がある。世界的にも類
そして、国立病院にはルーチンアドバイザーという素晴らしい制度がある。世界的にも類
を見ない大規模組織である国立病院のネットワークを活かし、その中で各専門分野のスペ
を見ない大規模組織である国立病院のネットワークを活かし、その中で各専門分野のスペ
シャリストの知識を施設内にとどめず共有することができる。タイムリーなアドバイスを得
シャリストの知識を施設内にとどめず共有することができる。タイムリーなアドバイスを得
ることも、誌面に集約された情報を活用することもできる。このような素晴らしい制度を活
ることも、誌面に集約された情報を活用することもできる。このような素晴らしい制度を活
用しない手はない、そう皆さんのすぐ身近にはとても素晴らしい仕組みがあるのである。
用しない手はない、そう皆さんのすぐ身近にはとても素晴らしい仕組みがあるのである。
5
2:施設及び環境条件
5..
2:施設及び環境条件
5
2
5..
2..2:
2:
患者、従業員、来訪者は考えられる危険から守られているであろうか、臨床検査に携わる
患者、従業員、来訪者は考えられる危険から守られているであろうか、臨床検査に携わる
スタッフは様々な感染リスクに曝されている。自らの感染を防ぐことは周囲にとっても大切
スタッフは様々な感染リスクに曝されている。自らの感染を防ぐことは周囲にとっても大切
なことである。
なことである。
5
2
5..
2..6:
6:
両立不可能な活動が行われている隣接場所との間に効果的に分離を施す。これは核酸増幅
両立不可能な活動が行われている隣接場所との間に効果的に分離を施す。これは核酸増幅
検査や微生物検査などで重要であるのはもちろんのこと、動線にも今一度注意を払う必要が
検査や微生物検査などで重要であるのはもちろんのこと、動線にも今一度注意を払う必要が
ある。例えば、清潔な区域と清潔な区域の間に感染区域が横たわり、常にここを通過しない
ある。例えば、清潔な区域と清潔な区域の間に感染区域が横たわり、常にここを通過しない
といけないような配置になっている場合など、往々にしてルールを守ることが難しい環境と
といけないような配置になっている場合など、往々にしてルールを守ることが難しい環境と
なり、結果として清潔区域が汚染されることになってしまう(図3)
。
なり、結果として清潔区域が汚染されることになってしまう(図
3)。
(図3)
(図 3)
(図4)
(図 4)
5
2
5..
2..7:
7:
検査の品質に影響する区域への立ち入り及び使用を管理する(図4)
。これは、環境管理
検査の品質に影響する区域への立ち入り及び使用を管理する(図
4)
。これは、環境管理
をするうえで、入退室を管理することがはじめの一歩となる表れであるが、それ以外にも、
をするうえで、入退室を管理することがはじめの一歩となる表れであるが、それ以外にも、
検査室にある様々な個人情報への不用意なアクセスを制限することにも効果を発揮する。
「こ
こにあったはずの依頼書がない」、「いや確かに検体と一緒に提出しました」などという事例
80
では入退室管理がされていない限り、反証のしようもない。
5. 2. 10:
危険物の保管及び廃棄は関連する規則に基づいている必要があり、毒物及び劇物取締法な
どを遵守することは重要である。しかし、往々にして薬品のみに気をとられてしまいがちで、
試薬や標準物質・管理物質にも対象になるものがあることを見逃しがちである。これらに対
-
19 -
事例では入退室管理がされていない限り、反証のしようもない。
5.
2.
10:
危険物の保管及び廃棄は関連する規則に基づいている必要があり、毒物及び劇物取締法な
どを遵守することは重要である。しかし、往々にして薬品のみに気をとられてしまいがち
で、試薬や標準物質・管理物質にも対象になるものがあることを見逃しがちである。これら
に対しても同様な対応が必要である。また実際の管理保管にあたっての注意点は、適切な表
しても同様な対応が必要である。また実際の管理保管にあたっての注意点は、
適切な表示(図
示(図5)
、転倒転落・破損防止、施錠や使用・残量管理などである。
5)
、転倒転落・破損防止、施錠や使用・残量管理などである。
(図5)
(図 5)
5. 3:検査室の機材
5.
3:検査室の機材
機材には装置、標準物質、消耗品、試薬、分析システムなどが含まれる。
機材には装置、標準物質、消耗品、試薬、分析システムなどが含まれる。
5. 3.
2:
5.
3
.2:
機材は要求される性能を達成する能力をもつことを、据え付け時及びルーチンでの使用時
機材は要求される性能を達成する能力をもつことを、据え付け時及びルーチンでの使用時
に示され、かつ検査の仕様に適合していることが必要である。検査室は適切な校正と機能の
に示され、かつ検査の仕様に適合していることが必要である。検査室は適切な校正と機能の
監視を定期的に行え、それを立証するプログラムを確立しなければならない。またメーカー
監視を定期的に行え、それを立証するプログラムを確立しなければならない。またメーカー
の推奨に沿った、保守メンテナンスの計画を文書化して記録を残さなければならない。当た
の推奨に沿った、保守メンテナンスの計画を文書化して記録を残さなければならない。
り前のことで、
今更と思われるかもしれないが、意外と徹底されていないことが見受けられる。
当たり前のことで、今更と思われるかもしれないが、意外と徹底されていないことが見受け
5.
3. 3:
られる。
個々の機材は固有のラベルなどで識別されていることが必要である。特に同じ機種を複数
5
.
3.3:
台保有する場合などは、個々の号機を区別して識別する必要がある。
個々の機材は固有のラベルなどで識別されていることが必要である。特に同じ機種を複数
5. 3.
4:
台保有する場合などは、個々の号機を区別して識別する必要がある。
個々の機材の記録の維持が a)から k)までの事項に対して要求されている。これはすべ
5
.
3.4:
てを新たに一覧にする方式をとるのも一案ではあるが、既に保有している個々の記録を明確
個々の機材の記録の維持がa)からk)までの事項に対して要求されている。これはすべ
にして、不足しているものは改めて一覧などに起こして、現有の記録は所在や関連を明確に
てを新たに一覧にする方式をとるのも一案ではあるが、既に保有している個々の記録を明確
することでも要求を満たすことは可能である(一覧化することを求めているわけではない)。
にして、不足しているものは改めて一覧などに起こして、現有の記録は所在や関連を明確に
5.
3. 5:
することでも要求を満たすことは可能である
(一覧化することを求めているわけではない)。
機材は権限を付与された要員のみが操作する。これは力量の評価記録などと連動して権限
5
.
3.5:
付与されていることが必要である。
機材は権限を付与された要員のみが操作する。これは力量の評価記録などと連動して権限
5. 3.
9:
付与されていることが必要である。
検査室の管理下にある校正又は検証が必要な機材は、校正・検証の状態を示すラベル又は
コードを付して、次回の校正・検証を行うべき年月日を明確にすることが求められている。
81
機材としての校正や検証は通常行われていると思われるが、
ラベルにその状態を表示して、
次回の実施時期(現在の校正などの有効期限)を明確に表示することで、実施漏れや実施漏
れ状態でのルーチン使用を防止することが可能となる。
※「実行可能な場合」などと表現されているときは、「実行できない場合以外は実行する
ことが必要」と理解し、もしも実行が不可能と判断する場合は、それを合理的に証明す
ることが必要である。
-
20 -
5. 3. 11:
現在の臨床検査業務では多かれ少なかれコンピュータが使用されており、自動分析装置と検
査システムや病院システム間でのデータ転送などが確実に行われていることは最低要件である
が、残念ながら時折、データ変換の誤りなどに関連した事故が発生しているのも事実である。
システム導入時の妥当性確認やデータの完全性を常に保護する手順の確立・実施、システ
ムの設置環境、そして当然ながらアクセス制限などが必要である。
例えば、データにフラグが付随している場合などに対する想定が不足して、思わぬ変換間
違いがルーチン開始後まで検出できないなどということに陥らない検証が必要である。
5. 4:検査前手順
5. 4. 1:
一次サンプル採取日時には、日付及び採取時刻が検査結果の解釈に必要がある場合、一次
試料採取マニュアルに採取時刻の記録を規定しておくべきである。オーダリングや電子カル
テなどの場合は、システム内のログが必要時に参照できればこれをあてることが可能である。
5. 4. 2:
一次サンプルの適切な採取及び取扱いに関する指示は文書化され実施される。
※採血が看護部など検査室の管理外であっても要求事項を遵守しなければならない。
5. 4. 3:
一次サンプルの固体識別には、一次試料には、検査の全段階を通して唯一無二の識別をし
なければならない(分注後の子検体なども含め)。これは、検査室が定めた番号を使用する
ことで達成可能で、通常、最も実際的な選択肢である。バーコード対応が普及している分野
においてはシステム的に担保されていることが多いが、一部で行われているラックポジショ
ンでの管理などでは、要員が検体の抜き差しを分析途中で行わないことが前提である。
また病理などでは、検体が検査の進捗と共に姿を変え(臓器⇒切り出し臓器⇒ブロック⇒
薄切標本⇒未染・染色標本など)その都度に検体の識別(元検体へのトレーサブル確保)が
重要である。
臨床情報には、服薬(投薬)回数、などの検査結果に影響を与えるかもしれない情報も記
臨床情報には、服薬(投薬)回数、などの検査結果に影響を与えるかもしれない情報も記
録することを規定しなければならない(図6)
。
録することを規定しなければならない(図
6)。
(図6)
(図 6)
5. 5:検査手順
5
5..5:検査手順
5. 1:
5.
5
.1:
社内法(インハウス法)を用いる場合は、意図する用途について適切に妥当性確認し、完
社内法(インハウス法)を用いる場合は、意図する用途について適切に妥当性確認し、完
全に文書化する必要があるが、メーカー指定と異なる仕様での検査はインハウス法と判断さ
21 れる。例えば、指定と異なる標準物質を用いる場合や、添付文書の検出限界を下回る結果の
報告などがこれに該当する。
5.
5.2:
全に文書化する必要があるが、メーカー指定と異なる仕様での検査はインハウス法と判断さ
れる。例えば、指定と異なる標準物質を用いる場合や、添付文書の検出限界を下回る結果の
報告などがこれに該当する。
5. 5. 2:
妥当性確認済みの手順だけを使用する。
国内での認定では、保険収載項目を認定範囲としており、厚生労働省の認可をもって妥当
性確認がされているものと判断されている。
5. 5. 3:
すべての手順は文書化し、関連スタッフが作業場で利用でき、簡易マニュアルは完全なマ
ニュアルと内容が一致していることが求められているが、簡易マニュアルのみ又は完全なマ
ニュアルのみが改定されて不整合が生じることが往々にしてあるので注意が必要である。
そして、訓練・評価、再訓練・再評価に威力を発揮するのが、SOP(Standard operating
procedure 標準作業手順書)であり、教育プログラムである。過去に行われていたような丁
稚徒弟制度のような名ばかりの教育では、医療安全の観点からも問題である。ISO への適合
のために再整理される SOP をはじめとする手順や記録類は、審査のためにあるのではなく、
教育に活用し、また教育の証となるものであり、飾り物でない実効性のあるものであること
を願う。
5. 5. 5:
生物学的基準範囲は、定期的に見直す。
定期的とは通常は 1 年毎と見なされることが多く、この際の注意点は、1 年又は 1 年度に
一回と規定した際に、例えば前年度は 4 月に実施し、次年度は 3 月に実施した場合、実質約
2 年の間が空いてしまった結果となってしまう。
また、見直すことが求められた場合には、必ずしも改定を求めているわけではない。見直
した結果、必要があれば改定し、改定する必要がなかった場合は見直したことの記録を残す
ことで、見直しは実施されたこととなる。
5. 5. 7:
検査手順の変更で測定結果や結果の解釈が変わり得る場合は、臨床サイドに事前の説明が
必要である。
通常は、臨床検査適正化委員会などが機能して、事前に変更の承認を得る過程などはあろ
うかと思われるが、一部の医師のみでなく広く利用者に事前の説明が必要である。
※議事録には、提案内容(変更点)、議論の結果(承認されたこと)、変更の期日(いつか
ら、場合によっては予定)などが明記されている必要がある。
5. 6:検査手順の品質保証
内部の品質管理システムが構築され、可能ならば不確かさを求め、SI 単位・自然定数・
他の定められた標準を参照することにトレーサブルであることを確実にし、技能試験(外部
精度管理)に参加し、異なる機器を使用する場合など結果の互換性を適切な間隔で検証する
-
22 -
ことが求められている。
具体的には、JAB RM300-2010 付属書 C の 21 項目は不確かさの算出は必須である。この
際に注意が必要なのは、算出ソフトを使用してただデータを入力して結果を保管するだけに
留めないことである。結果には日間差などに関するコメントも添えられるがこれに関する考
察がされていないことがほとんどである。また十分な精度管理がされた日常のコントロール
データを用いた算出では、日常の管理幅である 2SD に上位標準物質の不確かさを考慮する
と拡張不確かさにほぼ該当する。ゆえに日々の管理幅と求めた拡張不確かさの関連も確認が
可能であり、双方があまりにかけ離れた場合には、不確かさの算出又は日々の管理幅の設定
に何らかの誤りが内在している可能性が示唆される。
また、上記の 21 項目以外(定性項目なども含む)の項目では、Fish-bone-diagram(魚骨図)
を用いて不確かさの要因を明確にすることが必要である。重要な成分には、サンプル採取、
サンプルの調整、サンプル採取部分の選択、校正物質、標準物質、入力値、使用した機材、
環境条件、サンプルの状態、実施者の変更などが含まれる。また、この際に注意が必要なの
は、検査項目に固有な要因をきちんと把握することである。項目間の不確かさの要因は、決
してコピー&ペーストの関係にはない。また、不確かさの要因図を作成する場合は、過誤要
因図とならないように過誤要因を混入させないことが注意点である(例えば、試薬の調整ミ
ス、検体採取ミス、分注ミスなどの「ミス」と表現した要因など)。作製した魚骨図は新人
研修や日常検査でのトラブル時などにも役に立つので、活用されることをお薦めする。
5.6 の要求事項を、一連の流れとして概説したが、これらを複合的に実施することによ
り検査手順の品質の保証を担保することが可能となる。
※ RL359:2003「認定の基準」についての指針―微生物試験―の審査への引用については、
付属書 B)にある以下の 2 点のみを適用する。「温度制御された装置(インキュベータ、
ウォーターバス、冷蔵庫、冷凍庫)」には、1)温度の安定性及び均一性の立証は、据付
時、2 年毎及び修理又は改善後 2)温度の監視は、日毎又は使用毎
※温度などの校正証明書が必要な場合は、ILAC MRA 対応で SI 単位へのトレーサビリ
ティーが確保されているものが必要である。
5. 7:検査後手順
5. 7. 1:
承認された要員は、検査の結果を系統的に見直し、臨床情報に一致しているかを評価した
うえで、結果の発行を承認する必要がある。これは外部委託の結果に対しても同じような過
程を踏む必要があり、何も確認せずに右から左に委託結果が報告されてしまうようでは問題
である。臨床情報が得にくい場合などは、関連する検査項目を比較することや、前回履歴の
確認なども有効である。
5. 8:結果報告
5. 8. 3:
検査結果は読み取りやすく転記ミスがなく、権限を与えられた人物に報告する必要がある
-
23 -
が、システム化により多くが要件を満たすと思われる。
※手書き報告書のサイン・署名などは誰が見ても読める記載である必要あり。
5. 8. 8:
臨床的ニーズに応えるために、異常な値と「警戒値 / 緊急異常値」範囲を、臨床医と合意
を得たうえで決める必要がある。
※名義尺度とは定性検査、序数尺度とは定量検査を意味し、これらすべてに適用される。
5. 8. 10:
緊急異常値範囲の結果に対してとられた処置の記録を維持する必要があるが、これは検査
室の質の向上には財産であり教育にも活用できる。例えば、事例を項目やパターンに応じて
分類し、データベース化(必ずしもコンピュータを用いる必要はない)することで、新人教
育への活用や、当直時などもルーチンと同じ対応をとることが可能となる。
5. 8. 11:
個々の検査所要時間を臨床のニーズを反映して設定することも大切である。これは検査室
が患者診療へのサービスの指標として掲げられることが多い。遅延した時に依頼者に通知す
る方針も求められているが、患者診療を危うくする可能性がある状況に対して求めるもので
ある。
5. 8. 16:
臨床上の意思決定に利用できる状態であり(結果が参照可能な状態)、修正された結果は、
修正されたことが明確になっている必要がある。システム的に表示可能又はログを残すこと
が可能か、それらが不可能な場合は別途記録に残す必要がある。
-
24 -
◇ ISO シリーズ 4 ◇
認定までの流れ、国際規格、JAB基準類、申請には何が必要か
連載執筆半ばを迎え:
本シリーズを執筆させて頂き早一年が過ぎ半ばを迎えることができました。これも偏に国
臨協の皆さまのご理解ご支援の賜物と感謝申し上げます。この間、大貫会長から宮崎会長へ
と国臨協の体制は代替わりがございましたが、広報部の方々には引き続き編集をご担当いた
だき本シリーズを支えていただいております。前述させて頂いた皆さまは異動があり、シリー
ズ開始当初とは異なる環境で臨床検査の責任者として管理業務に当たられています。まさに
ISO 15189 のような同じマネジメントシステムで運営していると、スムーズな業務管理が可
能となるであろうと身近に実感したエピソードであります。
シリーズ初回では全体に亘るプロローグとして、「パラダイムシフト」と題して国臨協の
皆さまが「なに、なぜ」から「そうなんだ」とパラダイムシフトを起こしていただき、ISO
15189 認定取得が自らにとってまた国臨協としても必要なツールであるとご理解いただける
一助となるような内容とさせていただきました。
しかし、この一年は私にとってもパラダイムシフトの年でありました。改定作業中の
ISO 15189 では、これまで対象とされていなかった生理機能検査や画像診断へも適用が可
能となる方向性が示されています。また海外との関係では受け身一方であった日本が、海
外への医療機関の輸出を調査事業とはいえ開始しました。また日本経済を取り巻く国際環
境 で は TPP(Trans-Pacific Partnership or Trans-Pacific Strategic Economic Partnership
Agreement;環太平洋連携協定または環太平洋戦略的経済連携協定)が盛んに進められて
います。その是非は別としても日本国内でもやっと本格的な議論が始まりました。これは医
療においても大きな関心事であり、避けて通れない現実問題でもあります。
はじめに:
連載半ばを迎え、今一度自問自答するとともに、このはじめにのくだりはシリーズ初回を
改めて引用したい。
ISO 15189 は本当に必要なのだろうか。答えは Yes である。
ではなぜ国際規格として発行する必要があったのだろうか。それは世界中に病める人がい
て、そこには臨床検査が国によって形は異なっていてもあまねく存在するからである。
そして国臨協は、世界的にも最大規模の病院ネットワークに所属する臨床検査技師の集ま
りであり、国内にとどまらず国際的な機能も果たされている。ISO は国際基準であり、国内
基準は基本的には国際基準に準拠している。では ISO 15189 は国臨協の皆さんにとって、敷
居の高い要件なのであろうか。答えは No である。ISO 15189 は世界中で臨床検査を実施す
-
25 -
ではなぜ国際規格として発行する必要があったのだろうか。それは世界中に病める人がい
て、そこには臨床検査が国によって形は異なっていてもあまねく存在するからである。
そして国臨協は、世界的にも最大規模の病院ネットワークに所属する臨床検査技師の集ま
りであり、国内にとどまらず国際的な機能も果たされている。ISOは国際基準であり、国内
基準は基本的には国際基準に準拠している。ではISO15189は国臨協の皆さんにとって、敷
居の高い要件なのであろうか。答えはNoである。ISO1518
9は世界中で臨床検査を実施する
る際の「必要最低要件」であり、国臨協の皆さんにとっては普段行っていることを整理して、
際の「必要最低要件」であり、国臨協の皆さんにとっては普段行っていることを整理して、
マネジメントシステムに則った運用にすることでクリアできるもの。そのように認識頂ける
マネジメントシステムに則った運用にすることでクリアできるもの。そのように認識頂ける
と幸甚である。
と幸甚である。
臨床検査室認定の体制と認定までの流れ:
臨床検査室認定の体制と認定までの流れ:
臨床検査室認定の体制は審査員や委員に外部の専門家を活用することで、公平性・透明性
臨床検査室認定の体制は審査員や委員に外部の専門家を活用することで、公平性・透明性
や信頼性などを確保している。また申請から認定までの流れは、予備訪問(準備状況の確認
や信頼性などを確保している。また申請から認定までの流れは、予備訪問(準備状況の確認
などのためオプションで実施)、書類審査を経て、技能試験(外部精度管理調査)の参加実
などのためオプションで実施)、書類審査を経て、技能試験(外部精度管理調査)の参加実
績を持って、現地審査に臨むこととなる。この結果、指摘事項(不適合、注記)がある場合は、
績を持って、現地審査に臨むこととなる。この結果、指摘事項(不適合、注記)がある場合
是正処置によって指摘事項を是正した後、審査結果の判定があり認定の是非が決まる。また
は、是正処置によって指摘事項を是正した後、審査結果の判定があり認定の是非が決まる。
認定された臨床検査室は 4 年の認定期間の中で 2 回のサーベイランス審査を受け、この国際
また認定された臨床検査室は4年の認定期間の中で2回のサーベイランス審査を受け、この
規格に対する適合を維持していることを確認される(図 1)。
国際規格に対する適合を維持していることを確認される(図1)。
図1
図1
56
-
26 -
適合性評価に用いる国際規格:
適合性評価に用いる国際規格:
適合性評価に用いる国際規格を表1に示す。認定機関である公益財団法人日本適合性認定
適合性評価に用いる国際規格を表
1 に示す。認定機関である公益財団法人日本適合性認定
協会(Japan
は、国内で唯一総合的に認定を行っている機関で、
協会
(Japan Accreditation
Accreditation Board:JAB)
Board:JAB)は、国内で唯一総合的に認定を行っている機関で、
国際試験所認定協力機構(International
国際試験所認定協力機構
(International Laboratory
Laboratory Arrangement
Arrangement Cooperation:ILAC)及
Cooperation:ILAC)及
びアジア太平洋試験所認定協力機構(Asia
びアジア太平洋試験
所認定協力機構(AsiaPacific
PacificLaboratory
LaboratoryArrangement
ArrangementCooperation:
Cooperation:
APLAC)の相互承認協定(Multilateral
Recognition
Arrangement:MRA)に加盟してい
APLAC)の相互承認協定
(Multilateral Recognition Arrangement:MRA)に加盟している
(図 2)。
る(図2)
。
表1
表1
適合性評価に用いる国際規格
図2
図2
5
727
-
写真
左:APLAC
Workshop;New
Zealand
、右:HKAS
seminar;香港
写真左:APLAC
Workshop;New
Zealand(筆者:後列一番左)
、右:HKAS
写真
左:APLAC
Workshop;New
Zealand(筆者:後列一番左)
(筆者:後列一番左)
、右:HKASseminar;香港(筆
seminar;香港(筆
(筆
者:右から二番目)
、いずれも、日本における臨床検査室の認定制度を海外において紹介
者:右から二番目)
、いずれも、日本における臨床検査室の認定制度を海外において紹介
者:右から二番目)
、いずれも、日本における臨床検査室の認定制度を海外において紹介
認定機関であるJABはISO/IEC
0
認定機関である
JAB は ISO/IEC1
17011「適合性評価―適合性評価機関の認定を行う機関
認定機関であるJABはISO/IEC
17
7
01
11
1「適合性評価―適合性評価機関の認定を行う機関に
「適合性評価―適合性評価機関の認定を行う機関に
対する一般要求事項」を遵守している。そして適合性評価機関にあたる臨床検査室はISO
に対する一般要求事項」を遵守している。そして適合性評価機関にあたる臨床検査室は
ISO
対する一般要求事項」を遵守している。そして適合性評価機関にあたる臨床検査室はISO
1
5
1
89
9に適合していることがJABによって審査されている。これに対しISO9
に適合していることがJABによって審査されている。これに対しISO9
00
0
1などの認証
などの認証
15189
に適合していることが JAB によって審査されている。これに対し ISO0
9001
などの認
1
5
1
8
1
1
7
02
21
1(JIS
(JIS Q
QQ1
17
7
02
21
1)
)「適
「適
は間にワンクッション入る形となり、適合性評価機関がISO/IEC
証は間にワンクッション入る形となり、
適合性評価機関が ISO/IEC
17021(JIS
17021)
「適
1
7
0
0
は間にワンクッション入る形となり、適合性評価機関がISO/IEC
合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項」を遵守して
合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項」を遵守して
合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項」を遵守して
いるかをJABが審査し、このJABによって認定された適合性評価機関が各企業などをISO
いるかを
JAB が審査し、この JAB によって認定された適合性評価機関が各企業などを ISO
いるかをJABが審査し、このJABによって認定された適合性評価機関が各企業などをISO
9
0
0
1
9001
に基づいて審査して認証を与えている。
9
0
0
1に基づいて審査して認証を与えている。
に基づいて審査して認証を与えている。
認定と認証の違い:
認定と認証の違い:
認定と認証の違い:
ここで、改めて認定と認証の違いに言及しておきたい。病院などの医療機関や健診機関な
ここで、改めて認定と認証の違いに言及しておきたい。病院などの医療機関や健診機関な
ここで、改めて認定と認証の違いに言及しておきたい。病院などの医療機関や健診機関な
どでもISO9
0
0
1
0
1
8
どでも
ISO 9001
や ISO4
14001
などの認証取得が増加している。これらの認証と ISO5
15189
どでもISO9
0
0
1やISO1
やISO1
40
0
0
1などの認証取得が増加している。これらの認証とISO1
などの認証取得が増加している。これらの認証とISO1
51
1
89
9の
の
認定の相違点を認定の側から見ると、
『技術的に適格で、技術的に妥当な結果を出す能力が
の認定の相違点を認定の側から見ると、
『技術的に適格で、技術的に妥当な結果を出す能力
認定の相違点を認定の側から見ると、『技術的に適格で、技術的に妥当な結果を出す能力が
あること』を担保しているかどうかが最たる違いである。この他にも、製品(検査データ)
があること』を担保しているかどうかが最たる違いである。この他にも、
製品(検査データ)
あること』を担保しているかどうかが最たる違いである。この他にも、製品(検査データ)
そのものを保証しているかどうか、技術審査が入るため技術面の継続的改善が可能であるこ
そのものを保証しているかどうか、技術審査が入るため技術面の継続的改善が可能であるこ
そのものを保証しているかどうか、技術審査が入るため技術面の継続的改善が可能であるこ
となどが挙げられる(表2)
。
となどが挙げられる(表
2)。
となどが挙げられる(表2)
。
表表2
2 ISO
ISO1
15189
ISO
9
とISO
1
表2
ISO9001
90
00
01
1と
とISO
15
5
18
89
9
5
8
28
5
8-
-
JAB 基準類:
臨床検査室が ISO 15189 の認定審査には JAB が認定のために定めた基準類が適用される。
以下に各文書の文書番号、文書名を示し、各文書の概要を付記する。
JAB RM100:2007「臨床検査室に対する認定の基準」
⇒日本規格協会から発行されている ISO 15189:2007 英和対訳版変更することなく採用
することが示された文書。
シリーズ 2 に記載した、shall:〜とする、should:〜することが望ましい、may:〜(し)
てもよい、に関して ISO 15189 が 2003 年版から 2007 年版に改定された際の変更が邦訳に
おいて一部反映されていない個所があるため注意を要する(ISO 15189 4. 6. 3)。
JAB RM200:2011 認定を受けるための手順及び権利と義務(臨床検査室)
⇒認定を受ける際にどのような手順となるのかが示されているとともに、申請した又は
認定された臨床検査室にとっての権利と義務も示された文書。
JAB RM205:2009 臨床検査室の認定範囲分類
⇒認定の範囲分類が示された文書。
日本の医療の基本には国民皆保険があり診療報酬が定められているが、これに収載され
た検査項目を認定範囲としている(診療報酬改定と RM205 の改定のタイミングにより若
干の過不足は存在するが、申請時までに新規に収載された項目は認定範囲とすることが可
能)。
基幹項目…多くの臨床検査室で行われていることが想定され、認定を希望する臨床検査
室は基本的に自施設で行っている全てを申請する項目(例外は 6.微生物学的検査)。
非基幹項目…特殊な項目も含まれるため、中分類単位で申請するかしないかを決められ
る項目。
特定プログラム…特定健診に関する項目。
(申請する場合、基本的な健診項目と詳細な健診項目の全てを申請する)。
病理学的検査…病理に関する項目(32.病理診断も必ず申請する)。
ただし、現時点では診断そのものに関しての力量確認は日本病理学会及び日本臨床
細胞学会の専門医であることを採用している。
JAB RM300:2010「認定の基準」についての指針―臨床検査室―
⇒ ISO 15189 を審査に適用するための説明を示した文書。
市販された解説本も複数あるが、この文書も規格の理解しにくい点などを説明している。
付属書 A…技能試験の基本的な考え方(初回申請時には 3 団体 4 年分が必要)。
「不満足」な評価又は 3SDI 以上…是正が必要(審査資料として事前提出)
「疑わしい」評価又は 2SDI 以上…原因の究明が必要
付属書 B…トレーサビリティと不確かさの審査時の要求(付属書 C の指定 21 項目は不
確かさを求めること、それ以外は魚骨図で不確かさの成分を考慮すること)。
付属書 C…我が国の標準化に適用される認証標準物質(右の欄に指定 1 と書かれたもの
-
29 -
が上記 21 項目に該当)。
JAB RM320:2009「分析前後段階の品質保証」についての指針―臨床検査室―
⇒分析前後段階において検査値に影響を与える要因を最小限に抑えるために考慮すべき
品質保証を示した文書。
日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会による「分析前後段階の精度保証の
ための標準化指針」に準拠し、学会指針に整合させている。
JAB RL331:2011 測定のトレーサビリティについての指針
⇒審査の際にトレーサビリティを確保した設備及び/又は標準物質を保有し適切に運用
しているかを判断するために使用する文書。
本指針の 6. 2 試験所に対する要求事項に、臨床検査室については ISO 15189 5. 6. 3 によ
る、と示している。
JAB RL359:2003「認定の基準」についての指針―微生物試験―
⇒ JAB が微生物試験を行う試験所に対して適用する文書。
上記の RL331 同様に基本的な事項の理解にはとても参考となる文書ではあるが、臨床
検査室の審査上では、微生物学的検査を申請範囲に含む場合にのみ適用される。またその
適用範囲も付属書 B―設備の妥当性及び性能の検証に関する指針―の温度制御された装置
のみである。
具体的にはフラン器などに対する以下の 2 点のみである。
① 温度の安定性及び均一性の立証:据え付け時・二年毎及び修理又は改善後の温度計の
示す温度の検証(校正証明書でトレーサビリティが確認された温度計を用いる)
② 温度の監視:日毎又は使用時の温度監視。
JAB N410:2011 認定シンボル使用規則
⇒認定された臨床検査室などが JAB の認定シンボルを使用する場合の表示・適用条件
などと、JAB から認定を受けているという地位の言及について定めた文書。
名刺やホームページなどにシンボルマークを使用する際や、認定の言及をする際には最
新の内容を再度確認することが必要である。
またこれら以外にも認定に関する料金規定などもある。詳細は以下の URL から各文書を
ダウンロードすることが可能である。
http://www.jab.or.jp/cgi-bin/bal/jab_bal_15189_j.cgi
-
30 -
申請には何が必要か:
認定の申請には、申請書と申請書に添付する以下の 21 種類の書類が必要となる。
備考欄に提出時の注意点などが示されている。
申請書添付書類リスト
№
書類名称/内容
備 考
1
誓約書
様式 JAB RF20 を使用(認定契約締結済みの機関は提
出不要)
2
登記事項証明書
又は、登記簿謄本
3
定款(又は、寄附行為)
医療法人の規定/規則、大学の学則なども該当する。
4
事業概要書
法人の規模、事業内容等を記したもの
5
品質文書リスト
認定に係わるもの記録も含む
6
品質マニュアル
4. 2
7
組織図
主要職について氏名を記載(支援部門(例:営業)を含む)
8
職員リスト
認定範囲に係る者のすべて(支援部門の要員を含む)注)
本リストに記載されている要員に限り名刺に認定シン
ボルを使用できる
9
文書管理手順書
4 . 3 該当する場合にのみ提出
10
委託検査室に対する評価・選定手順
書及び認定証(写)
4 . 5 該当する場合にのみ提出
11 内部監査の記録
4 . 14 内部監査結果報告、該当する場合は是正処置報
告を含む
12 マネジメントレビューの記録
4 . 15
13
臨床検査室の機材リスト及び機材配
置図
5. 3
14 一次サンプル採取マニュアル
5. 4
15 代表的な SOP(検査手順)
5 . 5 付属書 1 に示す指定 SOP で認定範囲にあるも
の指定項目が範囲外の場合は同じ中分類から代替
項目の SOP を提出
16
測定の不確かさ推定手順書及び推定
結果
標準物質リスト及びトレーサビリ
17 ティ確立の証拠(トレーサビリティ
体系図及び校正証明書)
5 . 6 . 2 指定項目全てについて(算定データ含む)
5 . 6 . 3 上下限値を記載参照標準、標準菌株、キャ
リブレーター及びコントロールを含む
18
参加技能試験リスト、技能試験結果
概要及び是正処置
19
臨床検査報告書及び検査依頼伝票の 記載見本添付初回申請のサンプルには認定シンボルは
様式
つけずに位置とサイズのみを表示する。
20
検査部長、品質管理者、技術管理者
力量の判断できる内容を記載
の経歴(含む職歴)及び資格
21 申請用チェックリスト
5 . 6 . 4 是正処置は該当する場合にのみ提出
様式 RFM35(電子ファイル(Word ファイル)も併せ
て提出)
-
31 -
◇ ISO シリーズ 5 ◇
不確かさ、トレーサビリティ
はじめに:
連載も本稿を含め残すところ二回となり、次回は認定の維持に関することやまとめの執筆
を予定しており、認定を取得するまでの内容としては実質今回が最後となる。これまでに序
論としてなぜ必要なのかまたその効果は、その後に規格の解釈をマネジメントシステム面と
技術面に分けて、そして前回は申請には何が必要かを記してきた。今回の不確かさとトレー
サビリティはその言葉そのものが臨床検査の世界で使用されるようになってからまだまだ日
が浅く、臨床検査技師の中にも知らない、よくわからない、という方は多いのではないかと
推察している。
しかし、ものを測る、ましてや標準化するためには無くてはならないものであり、我々臨
床検査に携わるものにはこれらに対する理解は必須である。
国際単位系(SI: International System of Unit):
計量標準における基本体系は SI であり、7 つの基本単位とその組み立て単位で構成され
ている。
7 つの基本単位は、長さ:m、質量:Kg、時間:s、温度:K、電流:A、光度:cd、物質量:
mol であり、これらの単位は「独立した次元」を表すものとされている。またこれらを用い
た組立単位には、面積:m2、体積:m3 などがあり、これら以外に固有の名称とその独自記
-1
号による SI 組立単位 22 個が存在する。我々の身近なものとしては周波数:Hz(s )、圧力:
-1
-2
-1
-2
-1
Pa(m ・kg・s )、酵素活性:kat(s ・mol)、磁束密度:T(kg・s ・A )などがこれに
該当する。海外では既に大半の国と地域が SI に基づく単位系を採用している(例外:米国
など)。
また国内法においても、1993 年の計量法改正で SI が完全導入されており、取引・証明で
は SI の使用が義務付けられている。
(測定の)不確かさ[uncertainty(of measurement)]:
測 定 の 不 確 か さ の 定 義 は ISO/IEC Guide 98-3:2008(Uncertainty of measurement Guide to the expression of uncertainty in measurement 測定における不確かさの表現ガイ
ド、GUM: Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement)によると次のとおり
である。
測定の結果に付随した、合理的に測定対象量に結び付け得る値のばらつきを特徴付けるパ
ラメータ。
注記 1 このパラメータは、例えば標準偏差(又はそのある倍数)であっても,又は信頼の
-
32 -
水準を明示した区間の半分の値であってもよい。
注記 2 測定の不確かさは一般に多くの成分を含む。これらの成分の一部は一連の測定の結
果の統計分布によって推定することができ、また実験標準偏差によって特徴付けられる。そ
の他の成分は、それらもまた標準偏差によって特徴付けられるが、経験又は他の情報に基づ
いて確率分布を想定して評価する。
注記 3 測定の結果は測定対象量の値の最良推定値であること、並びに補正及び参照標準に
付随する成分のような系統的結果によって生じる成分も含めた、すべての不確かさの成分は
ばらつきに寄与することが分かる。
要求事項である ISO 15189 5.6.2 の検査室は、適切可能ならば、測定結果の不確かさを求
める。に関しての「適切可能ならば」について、審査の基準類である RM300 付属書 B「測
定のトレーサビリティと不確かさに関する要求事項審査の考え方」には、以下の付属書 C
表トレーサビリティ項目「我が国の標準化に適用されている認証標準物質」の指定 1 欄に○
印の付いている項目に対しては、定量測定に関係する試験方法について測定の不確かさを推
定する(表 1)。としておりこれを審査の際に求めている。
表 1 RM300 付属書 C 表トレーサビリティ項目
「我が国の標準化に適用されている認証標準物質」 一部抜粋
No.
1
2
3
4
5
項目
RM
P
R M
組 成
供給元
不確 JCT
かさ LM
備考
指定
1
○
Na
○
イオン電極用常用標準血清
血清
ReCCS
○
○
JSCC法
Na
○
SRM 956b
血清
NIST
○
○
K
○
イオン電極用常用標準血清
血清
ReCCS
○
○
JSCC法
K
○
SRM 956b
血清
NIST
○
○
Cl
○
イオン電極用常用標準血清
血清
ReCCS
○
○
JSCC法
○
総Ca
○
電解質標準血清
血清
ReCCS
○
○
総Ca
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
総Ca
○
BCR-304
血清
IRMM
○
○
総Ca
○
SRM 915a
CaCO3純品
NIST
○
○
総Ca
○
JCSS 認定標準物質
CaCO3/HNO3溶液
JCSS
○
総Mg
○
電解質標準血清
血清
ReCCS
○
総Mg
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
総Mg
○
SRM 929
グルコン酸Mg純品 NIST
○
○
総Mg
○
JCSS 認定標準物質
Mg/HNO3溶液
○
-
33 -
JCSS
○
○
6
7
8
9
GLU
○
含窒素・グルコース標準血清
血清
ReCCS
○
JSCC法
GLU
○
SRM 965a
血清
NIST
○
○
GLU
○
SRM 917b
D-GLU純品
NIST
○
○
UN
○
含窒素・グルコース標準血清
血清
ReCCS
○
UN
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
UN
○
SRM 912a
尿素純品
NIST
○
○
CRE
○
含窒素・グルコース標準血清
血清
ReCCS
○
JSCC法
CRE
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
CRE
○
SRM 914a
CRE純品
NIST
○
○
UA
○
含窒素・グルコース標準血清
血清
ReCCS
○
JSCC法
UA
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
UA
○
SRM 913a
UA純品
NIST
○
○
CHO
○
脂質測定用標準血清
血清
ReCCS
○
○
○
○
○
○
○
CHO
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
CHO
○
SRM 911b
CHO純品
NIST
○
○
CHO
○
SRM 1951b
血清
NIST
○
○
CHO
○
SRM 1952a
血清
NIST
○
○
TG
○
脂質測定用標準血清
血清
ReCCS
○
○
JSCC法
TG
○
SRM 909b
血清
NIST
○
○
ALB
○
SRM 927c
BSA
NIST
○
○
ALB
○
ERM-DA470(BCR-470)
血清
IRMM
○
○
14
TP
SRM 927c を用いる
BSA
NIST
○
18
AST
○
日本・常用酵素標準物質
精製品/BSA
JCCLS
○
JSCC法
○
ALT
○
日本・常用酵素標準物質
精製品/BSA
JCCLS
○
JSCC法
○
ALT
○
ERM-AD454(IRMM-454) 精製品
IRMM
○
○
IFCC法
CK
○
日本・常用酵素標準物質
JCCLS
○
○
JSCC法
CK
○
ERM-AD455(IRMM-455) 精製品
IRMM
○
○
IFCC法
ALP
○
日本・常用酵素標準物質
精製品/BSA
JCCLS
○
○
JSCC法
○
LD
○
日本・常用酵素標準物質
精製品/BSA
JCCLS
○
○
JSCC法
○
LD
○
ERM-AD453(IRMM-453) 精製品
IRMM
○
○
IFCC法
GGT
○
日本・常用酵素標準物質
JCCLS
○
○
JSCC法
GGT
○
ERM-AD452(IRMM-452) 精製品
IRMM
○
○
IFCC法
AMY
○
日本・常用酵素標準物質
精製品/BSA
JCCLS
○
○
IFCC法
AMY
○
IRMM/IFCC456
精製品
IRMM
○
○
IFCC法
HbA1c
○
JDS 認証品
溶血ベース
JDS
○
○
JDS法
10
12
13
19
20
21
22
23
24
25
精製品/BSA
精製品/BSA
-
34 -
○
○
○
○
○
○
���
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������������
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実際に不確かさを求める際には以下のホームページに掲載されている計算プログラムを
���
��
実際に不確かさを求める際には以下のホームページに掲載されている計算プログラムを用
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����
�����
��
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用いることが可能である(図
1)。
いることが可能である(図 1)。
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��� ���� for Clinical Laboratory
������ Standards
����日本臨床検査標準協議会)
��
�� ��� ��
��
JCCLS
(Japanese
JCCLS
(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards 日本臨床検査標準協議会)
は
� �TOP ページの JCCLS の事業活動、その他の事業に掲載、JAB は基準類・資料の資料集
は TOP ページの JCCLS の事業活動、その他の事業に掲載、JAB は基準類・資料の資料集
に掲載有り(JCCLS
計算プログラムを転載したものであり、同一のもの)。
�
に掲載有り(JCCLS
計算プログラムを転載したものであり、同一のもの)。
�
図
図 1 不確かさ 計算プログラム 計算例
1 不確かさ 計算プログラム 計算例
� �� � ����� �������� ����
不確かさを解析するには、測定方法の設定(方法の選択、原理の確認)にはじまり、数学
不確かさを解析するには、測定方法の設定(方法の選択、原理の確認)にはじまり、数学
モデルを構築して必要に応じて補正の実施、これらを経て標準不確かさを見積もり、合成不
モデルを構築して必要に応じて補正の実施、これらを経て標準不確かさを見積もり、合成不
確かさの算出(成分ごとに求められた不確かさの 2 乗和による合成)
、拡張不確かさの算出を
確かさの算出(成分ごとに求められた不確かさの 2 乗和による合成)
、拡張不確かさの算出を
経て、値に付加した表示を行うことになる。この際に一般的には包含係数(k )を 2(信頼水
経て、値に付加した表示を行うことになる。この際に一般的には包含係数(k )を 2(信頼水
準の確率を 95%相当とした場合)として、
例えば 100mg ± 2mg(k = 2)などと表記される。
準の確率を 95%相当とした場合)として、
例えば 100mg ± 2mg(k = 2)などと表記される。
内部精度管理データを用いた不確かさの推定の場合、標準物質の不確かさ、試料及び試料調
内部精度管理データを用いた不確かさの推定の場合、標準物質の不確かさ、試料及び試料調
整の不確かさ及び測定操作に伴う不確かさが合成され、拡張不確かさとして表記される。
整の不確かさ及び測定操作に伴う不確かさが合成され、拡張不確かさとして表記される。
また不確かさ成分の評価には、タイプ A 評価とタイプ B 評価があり、タイプ A は統計的
また不確かさ成分の評価には、タイプ A 評価とタイプ B 評価があり、タイプ A は統計的
方法による評価で実際の観測値の度数分布から求めるものであり、タイプ B 評価は統計的
方法による評価で実際の観測値の度数分布から求めるものであり、タイプ B 評価は統計的
方法以外の手段による評価で経験などに基づく先験的な分布を想定して求められるものであ
方法以外の手段による評価で経験などに基づく先験的な分布を想定して求められるものであ
る。トレーサビリティの項に出てくる校正証明書に表記されている校正値の不確かさはタイ
る。トレーサビリティの項に出てくる校正証明書に表記されている校正値の不確かさはタイ
プ B 評価の典型例である。
プ B 評価の典型例である。
-
31 35 -
また「重要な成分を考慮する。」に関しては、不確かさが推定できない測定に対しても、
また「重要な成分を考慮する。
」に関しては、不確かさが推定できない測定に対しても、
測定に影響する総ての不確かさの成分を「魚の骨」
(Fish-bone Diagram)の形で考慮する
測定に影響する総ての不確かさの成分を「魚の骨」
(Fish-bone
Diagram)の形で考慮する
こと。としており、各項目に不確かさの要因図を審査の中で求めている。
こと。としており、各項目に不確かさの要因図を審査の中で求めている。
計量トレーサビリティ(metrological traceability):
計量トレーサビリティ(metrological
traceability)
: 99:2007(International Vocabulary of
計量トレーサビリティの定義は ISO/IEC
Guide
計量トレーサビリティの定義は
ISO/IEC Guide 99:2007(International Vocabulary of
Metrology
: VIM 国際計量基本用語集)によると次のとおりである。
Metrology
: VIM 国際計量基本用語集)によると次のとおりである。
測定の不確かさに寄与し、文書化された、切れ目のない個々の校正の連鎖を通して、測定
測定の不確かさに寄与し、文書化された、切れ目のない個々の校正の連鎖を通して、測定
結果を表記した計量参照に関係付けることができる測定結果の性質
結果を表記した計量参照に関係付けることができる測定結果の性質
※計量参照:単位の定義、測定手順、測定標準
※計量参照:単位の定義、測定手順、測定標準
測定を標準化するにはいつでも、どこでも変わらない同じ単位を使うことが前提であ
測定を標準化するにはいつでも、どこでも変わらない同じ単位を使うことが前提であ
り、これが前述の世界共通の単位としての SI であり、実際にはこの単位を実現した測定標
り、これが前述の世界共通の単位としての
SI であり、実際にはこの単位を実現した測定標
準(ものさし)が必要である。国際度量衡局(BIPM
:Bureau International des Poids et
準(ものさし)が必要である。国際度量衡局(BIPM
International
des Poids
et
Mesures(仏), International Bureau for Weights and:Bureau
Measures)では、
度:長さ、
量:体積、
Mesures(仏),
International Bureau for Weights and Measures)では、度:長さ、量:体積、
衡:質量など、本来同じ量であるべきものが異なる単位が用いられたり、同じ名称の単位
衡:質量など、本来同じ量であるべきものが異なる単位が用いられたり、同じ名称の単位
でも国や地域によってまた時代によって大きく異なっていたことを国際的に統一する働き
でも国や地域によってまた時代によって大きく異なっていたことを国際的に統一する働き
をしている。臨床検査に関連する合同委員会に JCTLM(Joint Committee for Traceability
をしている。臨床検査に関連する合同委員会に
JCTLM(Joint Committee for Traceability
in Laboratory Medicine 臨床検査医学におけるトレーサビリティ合同委員)があり、BIPM
inとLaboratory
Medicine 臨床検査医学におけるトレーサビリティ合同委員)があり、BIPM
IFCC(International
Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine 国 際
と
IFCC(International
Federation
of Clinical
Chemistry
and Laboratory
Medicine 国 際
臨床化学連合)
、WHO(World
Health
Organization
世界保健機構)
、ILAC(International
臨床化学連合)
、WHO(World
Health Organization
世界保健機構)
、ILAC(International
Laboratory Accreditation
Cooperation
国際試験所認定協力機構)
、JCCLS
などが参画し、
Laboratory
Accreditation Cooperation 国際試験所認定協力機構)、JCCLS などが参画し、
臨床化学分野でのトレーサビリティの確保、比較同等性を担保することを目的に活動してい
臨床化学分野でのトレーサビリティの確保、比較同等性を担保することを目的に活動してい
る。
る。
�
� RM300 付属書BBにおいて指定された項目はトレーサビリ
上記不確かさの項に記した
上記不確かさの項に記したRM300 付属書
において指定された項目はトレーサビリ
ティ体系図を審査資料として提示し、それに沿ったトレーサビリティ体系での測定が実施さ
ティ体系図を審査資料として提示し、それに沿ったトレーサビリティ体系での測定が実施さ
れているかが審査対象となる。以下に示す例は、ISO
れているかが審査対象となる。以下に示す例は、ISO17511(体外診断用医薬品・医療機器
17511(体外診断用医薬品・医療機器
-生物試料の定量測定-校正物質と管理物質の表示値の計量学的トレーサビリティ)
-生物試料の定量測定-校正物質と管理物質の表示値の計量学的トレーサビリティ)5.2
5.2 に
に
示されている、SI
示されている、SI単位へのトレーサビリティがとれる一次基準操作法と一次校正物質があ
単位へのトレーサビリティがとれる一次基準操作法と一次校正物質があ
る場合であるが、臨床検査では
。
る場合であるが、臨床検査ではSI
SIまでさかのぼれない測定系も多く存在する(図
までさかのぼれない測定系も多く存在する(図2)
2)
。
36 32 -
-
��
��
�
�
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図2 トレーサビリティ体系図 例
2 トレーサビリティ体系図 例
図
2 トレーサビリティ体系図 例
図
�2�
2� ������������
������������ �
�
�
それ以外に校正証明書を要する場合は以下のような国際MRA(Mutual
MRA(Mutual Recognition
Recognition
それ以外に校正証明書を要する場合は以下のような国際
MRA(Mutual
Recognition
それ以外に校正証明書を要する場合は以下のような国際
Arrangement 相互承認取り決め)対応の認定事業者の発行した
相互承認取り決め)対応の認定事業者の発行した
MRAマーク付き校正証明
マーク付き校正証明
Arrangement
相互承認取り決め)対応の認定事業者の発行した
MRA
マーク付き校正証明
Arrangement
MRA
�2�
2� ������������
������������ �
�
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書を求められている(図
3)
。
書を求められている(図
3)
。
書を求められている(図 3)。
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����� �
�
�
��
�33MRA
MRA
�����
�
�
�����
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図3 MRA
3 MRA
マーク付き
例
図
3 MRA
マーク付き
例
図
マーク付き
例
��
トレーサビリティに関しては、審査においてJAB
JAB RL331「測定のトレーサビリティにつ
RL331「測定のトレーサビリティにつ
トレーサビリティに関しては、審査において
JAB
RL331「測定のトレーサビリティにつ
トレーサビリティに関しては、審査において
いての指針」を引用しているが、同6.2
6.2 試験所に対する要求事項に記載のとおり、臨床検査
試験所に対する要求事項に記載のとおり、臨床検査
いての指針」を引用しているが、同
6.2
試験所に対する要求事項に記載のとおり、臨床検査
いての指針」を引用しているが、同
室に対しての要求はISO
ISO15189
151895.6.3
5.6.3の内容となる。
の内容となる。
室に対しての要求は
ISO
15189
5.6.3
の内容となる。
室に対しての要求は
以下に図を二つ示したが(図4)
4)
、左の図は精度は低いが真度は高い、右の図は精度は高
以下に図を二つ示したが(図
4)
、左の図は精度は低いが真度は高い、右の図は精度は高
以下に図を二つ示したが(図
、左の図は精度は低いが真度は高い、右の図は精度は高
いが真度が低い例である。言い換えると左はランダムエラー、右はシステマティックエラー
いが真度が低い例である。言い換えると左はランダムエラー、右はシステマティックエラー
いが真度が低い例である。言い換えると左はランダムエラー、右はシステマティックエラー
であるが、この稿の内容に沿って表現すると、左は不確かさは大きいがトレーサビリティは
であるが、この稿の内容に沿って表現すると、左は不確かさは大きいがトレーサビリティは
であるが、この稿の内容に沿って表現すると、左は不確かさは大きいがトレーサビリティは
担保された測定系が使用されていると思われる例、右は不確かさは小さいがトレーサビリ
担保された測定系が使用されていると思われる例、右は不確かさは小さいがトレーサビリ
担保された測定系が使用されていると思われる例、右は不確かさは小さいがトレーサビリ
ティが担保されていない測定系が使用されている可能性が示唆される。もちろんシフトやト
ティが担保されていない測定系が使用されている可能性が示唆される。もちろんシフトやト
ティが担保されていない測定系が使用されている可能性が示唆される。もちろんシフトやト
レンドなど様々な理由で右のような分布となる事例もあるので一概には言えないが、右の図
レンドなど様々な理由で右のような分布となる事例もあるので一概には言えないが、右の図
レンドなど様々な理由で右のような分布となる事例もあるので一概には言えないが、右の図
は明らかに中心を外したところで測定が行われており、内部精度管理で気が付くことが可能
は明らかに中心を外したところで測定が行われており、内部精度管理で気が付くことが可能
は明らかに中心を外したところで測定が行われており、内部精度管理で気が付くことが可能
3733
33
-
な場合もあるが、外部精度管理や精度管理調査などを併用しないと見逃されてしまう可能性
な場合もあるが、外部精度管理や精度管理調査などを併用しないと見逃されてしまう可能性
もあるため注意が必要である。
もあるため注意が必要である。
� ��
�����
図 44
図
�
※シリーズ 33 において、不確かさやトレーサビリティに関連する注意事項にも触れている
※シリーズ
において、不確かさやトレーサビリティに関連する注意事項にも触れている
ので併せて参照願いたい。
ので併せて参照願いたい。
�����
�
� �� 測定における信頼性に関わる用語を以下に図示する(図
。
測定における信頼性に関わる用語を以下に図示する(図 5)
5)
。
� ��
図 55
図
� ��
私たちの日常行っている測定により知ることができる値は真の値ではなく、真の値に最も
私たちの日常行っている測定により知ることができる値は真の値ではなく、真の値に最も
近いであろうと思われる値の推定値である。さらにその推定値の周りに測定値はばらついて
近いであろうと思われる値の推定値である。さらにその推定値の周りに測定値はばらついて
いる。しかしいつでもどこでも、真度が高く精度の高い、臨床医が同じ評価をくだせる結果
いる。しかしいつでもどこでも、真度が高く精度の高い、臨床医が同じ評価をくだせる結果
を安定的に提供するのは、私たち臨床検査技師の使命である。その用途が健診であれ診療で
を安定的に提供するのは、私たち臨床検査技師の使命である。その用途が健診であれ診療で
あれ治験であれ同じである。私たちは臨床検査に携わる専門家として、不確かさとトレーサ
あれ治験であれ同じである。私たちは臨床検査に携わる専門家として、不確かさとトレーサ
ビリティを理解し、国民の期待に応え、国際的に優れた結果を出し、そしてそれを証明でき
ビリティを理解し、国民の期待に応え、国際的に優れた結果を出し、そしてそれを証明でき
る術を持つことが求められる時代に直面しているのである。
る術を持つことが求められる時代に直面しているのである。
-
38 34
�
◇ ISO シリーズ 6〈最終回〉 ◇
認定の維持継続、まとめ
はじめに:
この連載を開始して2年が経とうとしている。そしてシリーズも最終回を迎えることと
なった。2年とはいえ年3回、通算でもわずか6回だったが、連載という執筆行為には情が
湧くものとしみじみ感じている。これまでは認定を取得するまでに焦点を当ててきたが、最
終回の今回は認定取得後にそれを維持継続することの大切さに焦点を当てたい。そう、この
原稿が掲載されるのと時期を前後して、いよいよ国臨協の皆様の仲間に認定臨床検査室に勤
務する臨床検査技師が誕生する予定がある。しかし、認定取得はゴールではなくスタートで
あり、認定取得後に継続して改善に取り組み、よりよいマネジメントシステムを構築できる
ツールを手にしたに過ぎないのである。
ISO などという論理的な話をしているにもかかわらず、しばし惰弱な文書が続くことをお
許しいただきたい。転職して 4 年、外部審査員の期間を入れると通算 7 年この規格に臨床検
査技師として携わって、今国内外の臨床検査を取り巻く環境と日本の臨床検査に本当に危機
感を覚え、かつ、認定臨床検査室をつぶさに審査してきた実体験から、最終回を迎えどうし
ても正直な気持ちを記しておきたい。
認定取得後の壁:
認定取得後の壁には主なものに大きく二点ある。一点目は、マンネリ、気のゆるみ、継続
的に何をすべきかがわからない、などの取得後に気持ちの張りが切れてしまうこと。そして
二点目は、維持のために必要なマンパワーの欠如がある。更に二点目はタイプが二つに分か
れるが、一つは取得までの間はごく少数で作り上げこれが全体に広がらないことによる疲弊・
頓挫、二つには一点目に通ずるチーム力の低下と考える。
皆さんは今までに組織そして個人で様々な資格や認定・認証などを取得されてきたものと
推察している。そしてそれらの取得の多くは取得することそのものが目的であったり、更新
制度のないものであったりしたのではないだろうか。または更新制度があったとしても、更
新までの期間に継続的に取り組まなければならないことが、決して多くなかったのではない
だろうか。これらの今までの経験知から、認定取得がゴールではないにもかかわらずホッと
してしまい、年間通して行わなければならないことを怠り、年度のスケジュールが崩れ年度
末に一極集中などして結果として穴が開いてしまう。そう一点目の典型例である。また少数
の頑張りは永続的に続くものではない。ましてや品質マネジメントシステムの理解は全員が
必須のものであり、記録をつけることなど日々の全員の仕事と切っても切れない関係にある
にもかかわらず、ごく一部のスタッフや役職者だけがけん引し続けてしまった場合、全体の
理解が徐々に得られなくなり疲弊してしまったり、又はそのスタッフの異動や退職により頓
-
39 -
挫してしまったりする。しかし本来は180度逆のものである。全員が同じ基準で方針・目
標に向かえるためのツールを得たはずであり、一人が疲弊することにはならないはずであり、
異動を行うからこそ有効なツールのはずである。
認定を取得し4年後にどのような姿になっているかは、同じ基準の認定を取得しているに
もかかわらず天と地ほど異なる場合がある。この規格をツールとして使いこなすか、逆に規
格の要求事項を満たすことのみを考えてしまい、いつまでも基準すれすれの低空飛行を続け
てしまうかの差である。そして往々にして労力は後者のほうが必要又はそのように感じてし
まうことがある。使いこなせばそれはルーチンであり特に気にはならないものとなり、かつ
改善が目に見え次々と連鎖反応で物事が転がり始める。しかし仕方なく又はクリアすること
に目標をおいてしまえばそれは苦でしかなく、いつまでも「大変」という言葉から解放され
ないこととなり、同じ労力いやむしろ少ない労力しかかけていないにもかかわらず結果が見
えず(もともと結果を求めていないからかもしれないが)疲労感だけが充満してしまうこと
になる。船や車なども動き始める時に要する力は大きく、巡航中は決して大きな力は要しな
い。何度も止まったり動いたりを繰り返してしまった場合、この始動時の大きな力を何度も
要するわけであり、信号機のない高速道路を走るのと、信号で度々止まりかつスピードも出
せない一般道を走るのとで、燃費は大きく異なるのと同じことである。まして「大変」とい
う言い訳で労を惜しんでいては、いつまでも大きな力を要する段階から脱出できないのであ
る。
しかし幸い ISO 15189 は 4 年の認定期間中に 2 回のサーベイランス審査が入るため、4 年
に 3 回の審査を経ることになる。これはほぼ毎年審査を受審しているに近い状態にあり、労
を惜しんでいる暇はなく、また仮に遅滞が認められたとしてもその期間は短く、早い段階で
の修復が可能となるはずである。しかし必ずしもそうとはならないところが人の集合体であ
る組織の宿命であり、機械とは違う人間らしいところなのかもしれない。だからこそ、認定
取得などを契機として常に巡航運行ができる組織を構築することで強みが発揮されるのであ
る。
つい先日、ISO TC212 会議でドイツを訪れた。なぜこの話を今するのか、そう開催地は
ベルリンの壁で有名なベルリンであり、まさに旧東ドイツ内にある旧東ベルリンと旧西ベル
リンの両方に宿泊し(同時期開催の IFBLS 学会にも参加したため)実際の壁の高さ以上に、
壁を作ってしまうことの影響の高さに驚きを禁じ得なかったからである。壁を作ることは容
易い、しかし一度作ってしまった壁を壊すことはとても難しい。一度振り上げた拳をなかな
か下ろせないのと似ているのかもしれない。同じものも視点や視座などで様々な見え方をす
ることは致し方ない。しかし決して斜に構え壁を作ってしまうのではなく、真正面から体当
たりしていただき、壁は低いうちに壊していただきたい。壁は私たちのことを守ってはくれ
ないのである。
-
40 -
������ ���������
か下ろせないのと似ているのかもしれない。同じものも視点や視座などで様々な見え方をす
�リ�� ����の���������
ることは致し方ない。しかし決して斜に構え壁を作ってしまうのではなく、真正面から体当
たりしていただき、壁は低いうちに壊していただきたい。壁は私たちのことを守ってはくれ
ないのである。
ベルリンの壁 ベルリンの壁の崩壊
ベルリンの壁
ベルリンの壁 ベルリンの壁の崩壊
ベルリンの壁の崩壊
個からチームへ:
様々な競技をカテゴリー分けする際の一つの基準に、個人競技とチーム競技に分ける方法
個からチームへ:
がある。しかし本当に個人競技とされる競技は個人の努力だけでその結果が達成されるので
様々な競技をカテゴリー分けする際の一つの基準に、個人競技とチーム競技に分ける方法
あろうか?個人競技の金メダリストも決して一人の努力だけで金メダルを獲得している人は
がある。しかし本当に個人競技とされる競技は個人の努力だけでその結果が達成されるので
いないのではないだろうか。多くの人に支えられ指導を受け高みに達するのである。私たち
5.2.2 ��から�ら���る
あろうか?個人競技の金メダリストも決して一人の努力だけで金メダルを獲得している人は
審査毎の指摘数推移
5.2.10 ���の保管
の仕事もそこに至るまでには多くの人との関わりがあったはずである。往々にして自分一人
5.2.5 環境�������������
いないのではないだろうか。多くの人に支えられ指導を受け高みに達するのである。私たち
5.2.6 ����予防
でできる、一人でやったほうが早い。私自身もそう思ってしまうことがままある。その時点
の仕事もそこに至るまでには多くの人との関わりがあったはずである。往々にして自分一人
3.0
第1回更新
第2回サー
第1回サー
初回審査
では間違いではないのかもしれないが、それまで多くの人とのかかわりをすっかり忘れ、ま
でできる、一人でやったほうが早い。私自身もそう思ってしまうことがままある。その時点
4.3.2 文書管理手順
2.5
������認
たは本当は人財が育成されていたら分担できることを百も承知で、そうではない現実からそ
では間違いではないのかもしれないが、それまで多くの人とのかかわりをすっかり忘れ、ま
������識別���スト
�����の���
2.0
のような発言になってしまっているのではないだろうか。品質マネジメントシステムを構築
たは本当は人財が育成されていたら分担できることを百も承知で、そうではない現実からそ
����的�����改���認
��手書��正
し、維持し改善を繰り返し、より良いものとするにはトップダウンも必要ではある。そうリー
のような発言になってしまっているのではないだろうか。品質マネジメントシステムを構築
1.5
5.5.3 手順の文書�
5.5.2 ���確認��の
ダーもマネージャーも必要なのである。しかし維持・継続するには実は大きなボトムアップ
し、
維持し改善を繰り返し、より良いものとするにはトップダウンも必要ではある。そうリー
1.0
の力が必要と私は考えている。
ダーもマネージャーも必要なのである。しかし維持・継続するには実は大きなボトムアップ
0.5
この規格に登場するキャストには検査部長など様々な機能上の名称が付けられている。こ
の力が必要と私は考えている。
れらの機能の登場回数をカウントすると面白いことがわかる。検査部長
11 回、検査室管理
0.0
この規格に登場するキャストには検査部長など様々な機能上の名称が付けられている。こ
4. 4. 4. 4.
4. 4. 4.
4. 4. 4.
1 2 3 4
主体 41 回、品質管理者 3 回、技術管理主体
2 回、必ずしも登場回数とその労力や重要度が
れらの機能の登場回数をカウントすると面白いことがわかる。検査部長
11 回、検査室管理
4. 4. 4.
5 6 7
4. 4. 5.
8 9 10
組 品 文 契
5. 5. 5.
11 12 13
委 外 ア
5. 5. 5.
14
苦
織
15
比例する訳ではないがここでこの回数を挙げた理由は他にある。この規格の要求事項の数は
不
質
1 2 3
是 予 継
書 約
主体 41 回、品質管理者 3 回、技術管理主体
2 回、必ずしも登場回数とその労力や重要度が
託 部
4
品
5.
8
結
果
の
技
サ サ
順 順 手
メ ン
ン
別
報
環 機 順
確 よ │
術
│
の
ン ト
ト
440 回を超える出演回数が他にあることになる。そう検査室で働く皆さんが主役として求め
と
順
して参考なども含めると
500 を超える。前述したキャストたちの延べ回数を差し引いても
告
境 材
認 る ビ
的
ビ
品
ト シ
レ
管
条
検 ス ス
記
質
ビ
られる出演回数なのである。ゆえに私はボトムアップも大切と考えているのである。
理
ス
440
回を超える出演回数が他にあることになる。そう検査室で働く皆さんが主役として求め
件
査 及
録
保
ュ
証
│
これが先に述べている壁を作らない、または壊す上でもチーム力が求められるゆえんでも
られる出演回数なのである。ゆえに私はボトムアップも大切と考えているのである。
と マ 管 の
ド 情 適 正
防
内 マ 要
施
5
6
7
検 検 検
検 か バ
続 質 部
検 検
処 合 処
マ ネ 理 内
ネ 員 設
一つの要求事項で二つ以上の要素が含まれるものを個別にカウントし、また個々の詳細、そ
比例する訳ではないがここでこの回数を挙げた理由は他にある。この規格の要求事項の数は
処 的 及
査 査 査
査 ら イ
監 ジ
査 査
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して参考なども含めると 500 を超える。前述したキャストたちの延べ回数を差し引いても
識
一つの要求事項で二つ以上の要素が含まれるものを個別にカウントし、また個々の詳細、そ
び の 手
の に
善
ある。会議体が多い、会議体の構成メンバーが多い、これらは決して良いことではないのか
これが先に述べている壁を作らない、または壊す上でもチーム力が求められるゆえんでも
ある。会議体が多い、会議体の構成メンバーが多い、これらは決して良いことではないのか
80 - であればそれぞれが得意分野を分担し、
もしれない。しかし要求事項は多岐にわたり数多い、
知恵を出し合い力を合わせて取り組むだけの意味も意義もあるのではないだろうか。また、
そうしなければ適えられないほど要求事項は多いのが事実である。
-
41 -
さて惰弱な話で最終回を終わらせるわけにはいかないので、維持継続に大切な要求事項の
具体例に戻りたい。
是正・予防処置、内部監査:
まず初めに是正処置と予防処置をとらえる。また連動するため内部監査も併せて触れてい
きたい。それぞれ 4 章の解説の中でも個々のポイントは概説したが、ここでは有機的に捉え
てみる。まず是正処置であるがその入り口は様々である、苦情、不適合検査、内部監査、マ
ネジメントレビュー、技能試験などがその多くを占める。イコール是正が不十分な仕組みで
行われればこれらすべてが形式的になってしまうのである。また予防処置はその入り口が是
正処置と重なる部分が多く、または是正処置自身が予防処置の入り口であることも多い。是
正処置の大切な点は再発防止につながることであり、予防処置は水平展開などで類似の事例
が他部署などで起こらないようにする、まさに予防につながっていることである。これらは
審査のために形式的に行うものではなく、検査室の能力を向上させ質の向上を果たすために
必須のものなのである。
リスクマネジャーをしていた際の失敗談を一つ引用したい。病院全体の医療安全のけん引
役として憎まれながらも様々な取り組みに着手し、それまで埋没することが多く低調であっ
たインシデントレポートの提出も伸び、見える化が進んで効果も表れ始めていたある時、イ
ンシデントレポートの減少が医療安全の取り組みの成果と疑わなかったのだが、実はレポー
トの分析結果のフィードバックが不十分で、リスクマネジャーと委員には見える化が進んで
いたが、病院職員にはブラックボックス化していたことによる再度の埋没が起こってしまっ
たことがあった。
そう、是正処置も予防処置も最終的には全スタッフにその効果が「見える」必要があり、
見えるからこそ継続でき、継続できたからこそ継続的な組織力の向上につながるのである。
そして両者の入り口の一つであり、組織力を要する一つに内部監査がある。所詮外部審査
員が数名で数日の審査を行って検出できる事象には限界がある。これは審査そのものがサン
プリングにしかなりえないことに起因している。ある意味では内部監査もサンプリングでは
あるが、そこで勤務し常日頃から様々な情報に触れている内部のスタッフが、規格に沿った
監査を行うことははるかに有利な点が多い。もちろん外部の審査員の目が入る利点もある。
特に組織外の人間に観られることは普段さらすことのない姿をさらすことと似ており、失敗
して恥ずかしい思いをしたことほど記憶に残る現象と同じような効果も期待できる。また自
分の常識は他者には非常識であることもままあるので、そういった点からも外部の目は必須
である。しかしそれは規格に沿ったある程度のことは内部の目で監査し是正されている場合
に、より効果的となる。
なぜなら、外部審査の際に「~を実施していない」というような要求事項を行ってさえい
ない指摘が出てしまう場合は是正したのちに、行ってはじめてわかる落とし穴に改めては
まってしまうことがあるからであり、また規格の要求は連動していることが多いため、関連
-
42 -
する要求事項の入り口でつまずいた場合は、その後につながる要求事項の審査そのものが行
われず、次回の審査時に初めて中身を見られ、結果的に後追いで指摘が出てしまうことがあ
るのである。
これらのことからも初歩的な指摘は内部監査でクリアしておいて、外部の目はぜひ行った
結果どうだったのかその中身の審査に充てることが大切であり、同じ回数の外部審査を受け
た際の効果を最大限にすることが可能となるのである。
継続的改善:
最後に継続的な改善を挙げたい。シリーズ2でもこれが鍵であると述べたが、今まさにそ
う実感している。しかし要求事項そのものは至ってシンプルである。
1-1.系統的な見直しを行う。1-2.改善のための行動計画を開発し、文書化し、実
施する。2.処置の実施後に有効性を評価する。3.処置の結果を検査室管理主体に提出す
る。4-1.品質指標を施行する。4-2.改善の機会を指摘する。4-3.品質改善活動
に参加することを確実にする。5.教育及び訓練の機会を得られるようにする。
要旨は以上のとおりであるが、特に1から3までの連鎖は、普段無意識に行っていること
を顕在化するだけのことであり、それ以外の要求事項を実践していれば、クリアするだけの
素地は出来上がっているはずである。しかし、審査の際に継続的な改善について聞き取ると
明確な回答が返ってこないことが多く、初回ならいざ知らず、4 年を経た更新審査でも時折
遭遇してしまうことがあるのは実に残念なことである。認定取得はゴールではなくスタート
と述べた一番の理由はここにあり、認定取得後に継続的な改善に真摯に取り組んできた検査
室ほど、認定取得の効果が組織として明確に表れていると感じているからである。論理的な
話と記しておきながら、その鍵の〆が感性的な話で誠に恐縮ではあるが、それが実感である。
審査毎の指摘数推移:
以下に初回審査から更新審査に至るまでの指摘数の推移を示す。吹き出しは更新において
も検出されることが多い指摘を示している。
これらは、これまでのシリーズに記した内容をクリアして認定を晴れて取得した検査室の
奮闘の跡であり、勲章でもある。初めから完璧な人や組織はいないのではないだろうか、し
かし規格の要求事項に沿った是正を実施して規格をクリアすれば、認定が取得できるという
証でもある。感性的な話で終わることなく、検査技師らしく検出された指摘を統計処理して
最後にお示しする。
-
43 -
ベルリンの壁
ベルリンの壁の崩壊
5.2.2 ��から�ら���る
5.2.10 ���の保管
5.2.5 環境�������������
5.2.6 ����予防
審査毎の指摘数推移
3.0
第1回更新審査
第2回サーベイランス
第1回サーベイランス
初回審査
4.3.2 文書管理手順
2.5
������認
������識別���スト
�����の���
����的�����改���認
��手書��正
2.0
1.5
5.5.3 手順の文書�
5.5.2 ���確認��の手順
1.0
0.5
0.0
4.
1
組
織
と
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
4.
2
品
質
マ
ネ
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メ
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4.
3
文
書
管
理
4.
4
契
約
の
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5
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検
査
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処
理
4.
9
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合
の
識
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と
管
理
4.
10
是
正
処
置
4.
11
予
防
処
置
4.
12
継
続
的
改
善
4.
13
品
質
及
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術
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記
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4.
14
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部
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査
4.
15
マ
ネ
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5. 5. 5.
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件
5.
4
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前
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順
5.
5
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順
5.
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検
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手
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品
質
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証
5.
7
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査
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順
5.
8
結
果
の
報
告
76
国臨協の会員の皆さんへ:
国臨協の会員の皆さんへ:
連載の2年間に異動された方も多いことと推察する。私はこの間も多くの臨床検査室を
連載の2年間に異動された方も多いことと推察する。私はこの間も多くの臨床検査室を
ISO
ISO 15189
15189 審査を通じて訪問してきた。臨床検査の現場においても、知識・技術・サービス
審査を通じて訪問してきた。臨床検査の現場においても、知識・技術・サービス
などの質の向上が求められて久しい。ここに連載してきたものは、皆様が職場の運営状況な
などの質の向上が求められて久しい。ここに連載してきたものは、皆様が職場の運営状況な
どを推し量る際に一つの視座となる。日本のみならず世界において品質管理された世界基準
どを推し量る際に一つの視座となる。日本のみならず世界において品質管理された世界基準
の臨床検査室として、そして院内全体をもリードする臨床検査技師として、国臨協の会員の
の臨床検査室として、そして院内全体をもリードする臨床検査技師として、国臨協の会員の
皆様がご活躍されることを祈念して連載の筆を擱く。
皆様がご活躍されることを祈念して連載の筆を擱く。
-
44
83 -
◇ ISO シリーズ特別編 ◇
最新情報
はじめに
本シリーズの執筆をはじめて 3 年が経過しようとしている。その中で一番大きな変化とし
てあげるのは、やはり ISO 15189 が改定され 2012 年版となったことだと言える。このたび
総集編として発行する栄を頂けるにあたり、最新情報への update も行っておきたい。
ISO 15189 の変遷
ISO 15189 はシリーズ冒頭でも触れたとおり、2003 年に第 1 版が発行されている。そし
て、マイナー改定が 2007 年に行われ第 2 版が発行されている。この際にこの規格が「認定」
のために使用されることが改めて明確となり、要求事項としては品質マネジメントシステム
の有効性を確保するためにコミュニケーションに関する要求が追加されている。この流れは
ISO 9001 において「有効性」が問題となってクローズアップされていることと無関係では
ない。
そしてこのたび、2012 年 11 月 1 日に第 3 版が発行され、国内においても ISO/TC212 国
内検討委員会の翻訳の下に、英和対訳版が 2013 年 4 月 1 日に日本規格協会から発行されて
いる。今回は全面改定と言っても過言ではないほど、その文言は大幅に改定されている。し
かしその趣旨は不変である。また第 3 版の邦訳は英語から日本語、逆に日本語からも英語に
戻れるように、極力意訳はせずに翻訳することを心掛け行われている。原文に由来する分か
り難さが邦訳文にも内在することは否めないが、随所に具体的に要求事項が明記されたこと
により臨床検査室にとっては理解しやすくなった箇所もあることは事実である。しかし審査
時にはより明確に要求事項への適合を審査されるわけでもあり、どこが個別具体的に明確と
なったのか、今まで同様にある程度の許容幅をもって求められている部分はどこなのか、理
解の峻別が必要である。
ISO 15189:2012 のポイント
表 1 に、各要求事項のタイトルを対比する。太文字・下線の箇所が変更・追加となっている。
概要としては、本質的な要求事項の変更はないが、表面上文言は大きく変更されている。
以下にその典型例を挙げる。
① 表題が臨床検査室-品質と能力に関する要求事項となり、「特定」の文言が削除されて
いる。
② 序文の中で、意図した使用分野として臨床生理学、臨床画像、医学物理学の追加があり
用語及び定義の臨床検査室の中では遺伝子・遺伝学的検査と管理が改めて明記されてい
る。
-
45 -
③ 構成として、サブ項番が追加され第 2 版では最大 3 ケタの項番号であったが、今回から
最大 4 ケタの項番号となっている。これは ISO/IEC 17025 同様の構成である。
④ 一部の要求事項が移動(4 章と 5 章をまたがる移動もあり)している。
⑤ 用語及び定義と 4 章の要求事項には ISO 9001 から多く反映されているが、引用規格か
らは ISO 9001 は削除されている。
⑥ 附属書 C の一部が要求に組み込まれ、附属書 C は削除されている。
⑦ 4.14 内部監査が 4.14 の極一部となり、多くの評価が要求されるようになった。
⑧ 技術的な要求事項を中心により具体的な要求事項となった。
そして、新らたに追加された要求事項の例としては、
⑨ これまでの一部の要求事項と附属書 B で構成されていたラボラトリーインフォメーショ
ンに関するマネジメント
⑩ 結果のリリース特に自動選択・自動報告
⑪ リスクマネジメント
⑫ 外部機関によるレビュー
⑬ インシデント報告
⑭ SOP の要求事項に一部追加
などが挙げられる。
表1
ISO 15189:2007
ISO 15189:2012
4.1
組織とマネジメント
組織及び管理主体責務
4.2
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステム
4.3
文書管理
文書管理
4.4
契約の内容の確認
サービスの合意事項
4.5
委託検査室による検査
委託検査室による検査
4.6
外部からのサービス及び供給品
外部からのサービス及び供給品
4.7
アドバイスサービス
アドバイスサービス
4.8
苦情処理
苦情処理
4.9
不適合の識別及び管理
不適合の識別及び管理
4.10
是正処置
是正処置
4.11
予防処置
予防処置
4.12
継続的改善
継続的改善
4.13
品質及び技術的記録
記録の管理
-
46 -
4.14
内部監査
評価及び監査
4.15
マネジメントレビュー
マネジメントレビュー
5.1
要員
要員
5.2
施設及び環境条件
施設及び環境条件
5.3
検査室の設備
検査室の機材、試薬及び消耗品
5.4
検査前手順
検査前プロセス
5.5
検査手順
検査プロセス
5.6
検査手順の品質の保証
検査結果の品質の確保
5.7
検査後手順
検査後プロセス
5.8
結果報告
結果の報告
5.9
結果の報告(リリース)
5.10
検査室情報マネジメント
ISO 15189:2012 の改定具体例
要求事項を読み下すにあたり、要求事項の shall の邦訳がこれまでの「する」「すること」
から「しなければならない」となっているが、本質的に考え方・取り組み方に変わりはない。
また should の邦訳はこれまでどおり「望ましい」であるが、これの考え方も第 2 版と変更
はない。
以下に、典型的な改定内容(具体例が明示された、追加となった)の例をいくつか挙げる。
4.14 評価及び監査
評価項目としては、依頼、手順の適切性及びサンプル(試料)要求事項の定期的なレビュー
(4.14.2)、利用者フィードバックのアセスメント(評価)(4.14.3)、スタッフの提案(4.14.4)
が要求されている。
4.14.5 内部監査
注意いただきたい点がある。注記 1 に内部監査で各年、徹底的に品質マネジメントシステ
ムの全ての要素を網羅する必要はない。と書かれているが、この前段の本文として、品質マ
ネジメントシステムのすべての活動を判断するためと要求されており、かつ本文 a)にはこ
の国際規格の要求事項及び検査室が確立した要求事項に適合することが要求されている。注
記 1 は、他の活動を完全に軽視しなければ、特定の活動に焦点をあてることを決定しても
よい。とつながっており、この後半の文言と本文及び本文 a)を併せて判断していただき、
ISO 15189 の要求事項はその全体をカバーするような内部監査を実施する必要がある。
4.14.6 リスクマネジメント
リスクマネジメントとしては、作業プロセス及び潜在的な欠陥の影響を評価することと、
プロセス改良の決定事項と講じた処置の文書化が要求されている。
-
47 -
4.14.7 品質指標
品質指標の例として、①受入不可サンプル数②依頼・受領の過失数③訂正報告数④検査室
の安全性や環境⑤機材の完備⑥要員の記録⑦文書管理の有効性、が挙げられているが、④〜
⑦に関しては検査以外の手順を監視するための品質指標例としての位置づけである。
また品質指標の監視プロセスとしては、目標、測定法、解釈、限界、行動計画及び測定の
期間の確立を含む計画を求めている。そして、指標の定期レビューが求められるとともに、
指標の着眼点として患者ケアへの検査室の寄与を系統的に監視し評価するための確立が望ま
しいとされている。
ここで、おやっと気が付かれる方が居るかもしれないが、TAT(turnaround times)が
品質指標の例及び注記に挙げられていない。しかし、4.14.7 本文後半に、ニーズを反映した個々
の検査の所要時間を確立し定期的に評価することが求められており、今後も TAT は重要な
品質指標の要素の一つであることに変わりはない。
5.1.6 力量評価
力量評価というと、つい技術的なものを思い浮かべてしまうが、割り当てられた管理上及
び技術上のタスクの遂行に対する力量評価が求められている。
また、例が以下のとおり挙げられている。
a)日常業務プロセス及び手順の直接観察(適用されるすべての安全規範を含む)
b)機材の保守及び機能チェックの直接観察
c)検査結果の記録及び報告の監視
d)業務記録のレビュー
e)問題解決スキルの評価
f)過去に検査したサンプル、検査室間比較物質、又は分割サンプルといった特別に提供
されたサンプルの検査
5.6.2 精度管理
第 2 版では、検査結果が意図したとおりの品質を達成しているかについて検証する内部の
品質管理システムを構築する。としか要求されておらず具体的な要求は無かったが、精度管
理物質及び精度管理データに関して具体的な要求が加わった。
5.6.2.2 精度管理物質としては、以下の要求が明示された。
・患者サンプルとできるだけ近い方法において反応
・臨床判断値又はその付近の濃度
・第三者の管理物質の使用を考慮(望ましい)
そして測定頻度として、定期的かつリスクに基づく頻度が要求されている。
5.6.2.3 精度管理データとしては、以下の要求が明示された。
・不具合事象のリリースを防止する手順を有する
・遡及評価(最後に成功した精度管理までの)
・トレンド検出のため、一定の間隔でレビュー
-
48 -
そして注記として、監視のためにプロセスの管理のための手法を使用することが望ましいと
された。
5.10 検査室情報マネジメント
患者情報の機密が維持管理されていることを確実にするために文書化された手順が求めら
れている。
5.10.2 権限及び責務としては、情報システムの維持管理に関する権限と責務を定義し、利用
する要員の権限と責務には以下を含むこととされている。
a )データ及び情報へのアクセス
b )患者データ及び検査結果の入力
c )患者データ又は検査結果の変更
d )検査結果及び報告の報告(リリース)の権限
5.10.3 情報システムマネジメントとしては以下の要求がされている(一部抜粋)。
・サプライヤーは妥当性確認を、検査室は導入前検証(変更時も含め)
・コンピュータシステム以外の場合は、手書きの記録や転記の正確性
また、故障やダウンタイムの事象における、危機管理計画の文書化が求められ、そしてシス
テムが現場から離れた場所にある場合や、委託時の適合責任も求めている。
5.9.2 結果の自動選択及び自動報告
以下を確実にする文書化された手順が求められている。
a )基準が定義・承認され容易に利用でき要員が理解している
b )妥当性確認(使用前)、検証(変更後)
c )サンプル干渉の状態を示す(例 溶血、黄疸、乳び)
d )装置からの分析上の警告メッセージ
e )リリース前のレビュー時間の識別
f )自動選択及び自動報告の迅速な停止プロセス
5.5.3 検査手順の文書化
検査手順に新たに追加・変更となった要求事項は以下のとおりである。
・検査に用いられる手順の原理および測定法
・患者の準備
・環境および安全管理
・生物学的基準範囲または臨床判断値
・結果が測定範囲外であった場合の定量結果決定に関する指示
・検査室の臨床的解釈
・参考資料
5.5.1.3 検査手順の妥当性確認
検査室が客観的証拠を得ることで確認する内容としては以下が新たに追加・変更して要求
されている。
-
49 -
・測定の精確さ
・測定の精密度(併行精度、中間精度を含む)
・干渉物質
・検出限界および定量限界
・診断特異性
・診断感度
ISO 15189:2012 への移行方針
通常、ISO 規格が改定された場合、規格発行(英語)から 2 年間での移行が求められてい
る。今回の場合では 2014 年 10 月末日までとなるが、今回は大幅な内容改定であり、各国で
母国語への翻訳に要する期間も想定された。これらの懸念に対し、移行期間を決める国際会
議の場で日本からの提案により 3 年間(実際には 3 年 4 か月)の移行期間が認められ、2016
年 3 月 1 日までにすべての認定が 2012 年版へ移行することとなった。
そして、前述のとおり英和対訳版が 2013 年 4 月 1 日に発行されており、日本国内では第
3 版の申請及び移行審査の申し込みを 2013 年 10 月 1 日から受け付けることとし、第 2 版で
の申請及びサーベイランスや更新審査も半年間並行して 2014 年 3 月末日までは受け付ける
こととなっている。ここで移行期間の延長が効果を発揮し、特別な事情がない限りは、定期
的な審査によってすべての認定された臨床検査室の移行を可能とすることができた。
なお、移行確認にはシステム審査及び技術審査の両面(4 章及び 5 章のすべての要求事項
への適合確認)が必要であり、更新審査後の奇数回サーベイランスや初回以降の偶数回サー
ベイランスでは、追加の審査工数が必要となる。詳細は JAB のホームページを確認されたい。
さいごに
シリーズ 6 の執筆で一連の連載への巻末の言葉は記させていただいている。
ここでは、その後に独立行政法人国立がん研究センター中央病院 病理・臨床検査科、そ
して独立行政法人国立循環器病研究センター臨床検査部の 2 施設が同時に認定を取得された
ことを、誌面を借りてお祝い申し上げるとともに、その後も独立行政法人国立病院機構の検
査室からも申請が続いていることに、日本の明るい未来を見る思いである。
-
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国立病院臨床検査技師協会会報・別冊
発 行 平成25年 7 月 発行所 国立病院臨床検査技師協会
発行者 吉田 和浩 〒162−8655 東京都新宿区戸山1−21−1
編集者 當銘 良也 国立国際医療研究センター病院
中央検査部内
Tel 03−3202−7181
Fax 03−3207−1038
印刷所 ㈱東京アート印刷
〒130−0012 東京都墨田区太平2−6−3
Tel 03−5608−2581
Fax 03−5624−7870