魚の赤ちゃんの食べ物

魚の赤ちゃんの食べ物
∼いろいろな動物プランクトン∼
ヒトの赤ちゃんがミルクや離乳食を食べるように、魚の赤ちゃんに
も、食べやすくて栄養のあるベビーフードが必要です。では、魚の赤
ちゃんはどういうモノを食べているのでしょうか?
自然界の場合
100µm
カイアシ類 ノープリウス幼生
0.5mm
カイアシ類 成体
イサザアミ 成体
海の中では、生まれたばかりの魚の赤ちゃんの多くは、動物プランクトンを
食べます。その中でも、カイアシ類と呼ばれる動物プランクトンの幼生期 (大
きさ 0.05∼0.5mm;写真上左)のものが食べられることが多いのです。その後、
大きくなっていくと、だんだん大きなカイアシ類の成体 (0.5∼2.0mm;写真
上中)やアミ類 幼生(1.0∼3.0mm;写真上右)を食べるようになります。
人工的に育てる場合
海産ワムシ類
アルテミア ノープリウス幼生
ワムシ粗放連続培養装置
カイアシ類やアミ類を人の手で増やすことは難しく、養殖で魚の赤ちゃんの
エサには使えません。そこで、増やすことが簡単な海産ワムシ類(大きさ 0.2∼
0.4mm;写真左)や、卵を買うことの出来るアルテミアの幼生(0.5∼0.8mm;
写真中)を魚の赤ちゃんに食べさせて育てています。ワムシは写真右のような
装置で育てています。また、自然界で食べられているカイアシ類やアミ類も、
ヒトの手で育てられないか、研究中です。
(担当:海洋生物育成工学研究室、小谷)