第3学年国語科学習指導案 品川区立戸越小学校 平成25年10月9日 5校時 第3学年1組 35名 指導者 佐々木 裕治 1 単元名 「知ろう・つたえよう」 2 教材名 「見てきたことを新聞にまとめよう」 (学校図書 上) 3 単元の目標 ・伝えたいことの中心を明らかにして、読み手に分かりやすく伝わる工夫をして書く。 4 単元の評価規準(平成22年5月告示 品川区小中一貫教育要領から) 《国語への関心・意欲・態度》 ・情報を読み手に分かりやすく伝えるため、図表、絵、写真などの視覚に訴える資料などを活用しようと している。 《書く能力》 ・関心のあることなどから書くことを決め、相手や目的に応じて、書く上で必要な事柄を調べている。 (ア) ・書こうとすることの中心を明確にし、目的や必要に応じて理由や具体的な事例を挙げて書いている。 (ウ) ・文章の間違いを正したり、よりよい表現に書き直したりしている。 (オ) ・書いたものを発表し合い、書き手の考えの明確さなどについて意見を述べ合っている。 (カ) 《話すこと・聞くこと》 ・関心のあることなどから話題を決め、必要な事柄について調べ、要点をメモする。 5 本単元で指導したい内容 (1)児童の実態 本学級の児童は、今までに、国語科の学習において、日記、観察・記録文、葉書き(暑中見舞い)、創 作文、俳句を作る学習を行ってきた。 「書くことのアンケート」では、 「書くことが好きですか。 」という質問に対し、 「好き」または「どち らかと言えば好き」と答えた児童は、47%となった。「好きなときもあるしきらいなときもある」と答 えた児童が41%と、最も多くなっている。一方で、 「どのような書く活動が好きですか。 」の質問に対し ては、 「日記」が62%と一番多かった。週に一度宿題として出しており、誤字脱字や句読点の付け方な ど書き方の指導を指導してきている。繰り返し書く機会があるので、児童も書くことには慣れてきている ようである。 また、 「作文を書くときに気をつけていることは何ですか。 」の質問に対し、 「書いた文を読み返すこと」 、 「順序や組み立てを考えて書くこと」の2項目が、どちらも20%と一番少ない。 「作文を書くときにこ まっていることは何ですか。 」の質問に対しては、 「特になし」という児童もいたが、 「書きたいことをど う表現すればよいか」 、 「句読点の付け方」、 「長く書けない」の3項目が、いずれも17%と多かった。本 単元は新聞を作る学習なので、そんなに長い文章を書く必要はない。読み手のことを考えて、分かりやす く伝わる記事を書いたり紙面を工夫したりできるように指導していきたい。 (2)単元について 本単元は、工場(実際にはスーパーマーケット)を見学して、見学したことをもとに中心をはっきりさ せて新聞を書くという単元である。1学期には「考えを広げよう、まとめよう」という単元で、思い出し たことをつないで考えを広げることや集めた情報を分類、整理することを学習した。この単元で学習した 内容は、実際に見たり聞いたりしたことを記事に書く際にメモを分類、整理する段階で生かしてほしいと 1 考えている。また、3学期には、 「今と昔をくらべよう」という単元で、中心をはっきりさせ、段落分け をしながら書きまとめることを学習する予定である。 調べたことを新聞に書くという活動は児童にとっては初めてであるので、 「取材したいことの明確化→ 取材→資料の整理→記事作成→推敲→清書→交流」という学習過程を意識した指導をすることで、今後の 新聞作りの基礎となる力をしっかりと身につけさせたいと考えた。 (3)教材について 教科書教材では、ひもの工場を見学して見聞きしたことを新聞に書く活動をしている。現在、社会科で は「お店の仕事」という単元でスーパーマーケットの販売の工夫を学習しており、先日、学校の近所にあ るオオゼキに見学に行ったところである。見学先は異なるが、見学してきたことを新聞形式でまとめると いう点では教科書教材とほぼ変わらないと考え、スーパーマーケットを取り上げた。調べたいことを話し 合う活動やスーパーマーケットを見学する活動などは、社会科でも時数をとり、社会科との関連を図って いる。 (社会科では、学習問題に対する答えを、ノートにまとめさせる予定である。 ) この単元で学んだことは、国語はもちろんのこと、社会科で新聞を作成するときに大いに役に立つと考 えられる。教師の事例を活用して、児童が気付いたことを大事にしながら、どのように新聞を作成したら よいのかを習得させたい。また、今月末に実施される社会科見学の後に新聞を書く予定なので、習得した 技術をその時間に活用してほしいと考えている。 6 研究主題との関連 (1)身に付けさせたい力と指導事項の明確化 身に付けさせたい力 ・調べたいことや聞きたいことを明確化す ることができる。 指導事項 ・記事にするための「見てきたいこと」「聞 きたいこと」をカードに書いて、焦点化 すること ・記事を書く際に、伝えたいことの中心を 明らかにすること ・図や写真を用いて、読み手に分かりやす い工夫をすること ・メモや資料をもとに、必要な情報を分か りやすくまとめることができる。 (2)書く意欲を高める工夫 ・相手意識・目的意識を持たせるために、 「家の人にスーパーマーケットに行って見学してきたことを新 聞にして伝える。 」という単元のゴールを設定する。 ・身近な体験で想起しやすく、他教科(本単元では社会科)との関連の深い題材(スーパーマーケット見 学)を設定し、資料となる写真や社会科の時間に作成した説明図、オオゼキのちらしを掲示する。 (3)表現力を高める工夫 ・「割り付けカード」のイメージを膨らませるために、教師の例を示す。 ・メモを記事にする(下書きをする)段階や割り付けカードを並べる段階で交流した際に自分との比較が でき、よさや工夫を見つけ、自分の新聞に生かせるように、題材を共通(スーパーマーケット見学)に する。 2 7 指導計画(10時間扱い) 時数 学習活動 ○は目標 ・は学習活動 1 ○学習の進め方を知る。 ・スーパーマーケットを見学し て、見聞きしたことを新聞に まとめることを知る。 ・新聞を見て気付いたことを発 表しあう。 2・3(社会科でも時数は適宜とる) ・学習の振り返りをする。 ○スーパーマーケットで取材 したいことをまとめ、見学の 準備をする。 ・見てきたいことや聞きたいこ とを話し合う。 指導の手立て ・一般紙や小学生新聞などを見せ、どん な工夫がされているかを考えさせる。 ○見出し・・記事の内容を一目で分 かるように付けた表題。 ○写真・・・記事の内容を、より詳 しく表現する。 具体的な子どもの姿 (B) 評価方法 B:実際の新聞を見ること で新聞に興味をもち、ど のように新聞にまとめ ればよいか考えている。 《関》 評価方法 観察・発言(行動観察) ・社会科での学習問題「スーパーマーケ ットでは、どうやって買い物客を集め ているのだろう」とも関連を図る。社 会科の時間も活用し、調べさせたい項 目をあげさせる。 ・見てきたいことや聞いてきた ・準備メモに見学する項目をあらかじめ いことをカードにまとめる。 箇条書きさせておく。 ・準備メモは1つの項目につき1枚に限 定する。 4(見学時数は社会科でも1時間・見学計2時間) ・インタビューの仕方やメモの 取り方を確認する。 ○見学計画に沿って、スーパー マーケットを見学し話を聞 きながら要点をメモする。 ・スーパーマーケット(オオゼ キ)に見学に行き、見たこと、 聞いたこと、気付いたこと、 わかったことなどを箇条書 きにする。 B:準備メモの作成などを 通して、スーパーマーケ ット見学の準備をして いる。 《書》 ・教科書の資料編を参考にして説明する。 評価方法 ワークシート(記録分析) ・「買い物客を集める工夫」を中心に、 1階店内と2階バックヤードを見学さ せる。 ・見学メモはたくさん用意しておき、穴 をあけて綴じひもでとじておく。 ・スーパーマーケットなので、商品に触 らないなどの約束をさせる。 ・見学後に、社会科の授業で「売り場ひ みつ説明図」を作成させる。 3 B:スーパーマーケットで 見たり聞いたりしたこ とを箇条書きでメモし たり、インタビューした りしている。 《話・聞》 評価方法 ワークシート(記録分析) 観察・発言(行動観察) 5・6(本時1/2) ○見学したことや調べたこと をもとに、割り付けカードに 記事の下書きを書いて並べ る。 ・ 「割り付け」とは何か知る。 ・見学メモの中から、新聞記事 にするものを選ぶ。 ・見出しのつけ方を、教科書で 確認する。 ・見学メモをもとに、割り付け カードに記事の下書きを書 く。 ・割り付けとは、新聞の出来上がりを考 えて記事や写真の位置をあらかじめ決 めることであり、新聞を作成するうえ でとても大切なことであると気付かせ る。 ・教師の見学メモ例、割り付けカード例 をもとに、見学メモがどう変化したか、 割り付けカードに何を書けばよいかを 考えさせる。 ・見たことは赤、聞いたことは黄、調べ たことは緑と、割り付けカードの色を 変えて分かりやすくさせる。 ・割り付けカードは、新聞で使う用紙と 同じものをコピーして使い、書くこと に慣れさせる。 ・絵や写真で表したいときには、「○○ の絵(写真)」と書くよう伝える。 7~9 ・割り付けカードを並べて、新 聞の割り付けを考える。 ○割り付けカードに書いた下 書きをもとにして、新聞にし あげる。 ・割り付けカードから、新聞の 記事を書く(清書する) 。 ・どの記事をどの位置に書くと、見やす く分かりやすくなるかを考えさせる。 ・感想(社説)を書く欄を作らせる。 B:見学メモをもとに、割 り付けカードに記事の 下書きを書いている。 《書》 評価方法 割り付けカード (記録分析) ・記事を清書する際には、以下の点に注 意して書くよう話す。 ○割り付けの場所に入るように、記事 の長さを調節する。 ○文字とのバランスを考え、挿絵や写 真を効果的に使う。 ・色を付けたり、字体を変えたりして、 紙面の工夫をさせる。 ・新聞の名前、発行者、発行年月日など を書かせる。 4 B:読み手のことを考えて 工夫して新聞を作ってい る。 《書》 評価方法 作品(記録分析) 10 ○できあがった新聞を友達と 読み合い、感想を交流し合 う。 ・友達の新聞を読み、感想を付 箋に書く。 ・友達の新聞のよかったとこ ろを発表し合う。 ・最初にグループの友達と読み合い、付 箋を交換させる。 ・具体的に「~のところが、○○でよか った。」など、よさを知らせる書き方 で感想を書くように伝える。 ・効果的な言葉の使い方や、工夫してい るところについて取り上げる。 B:友達の作品を読み、良 さを見付けて付箋に書 いている。 《書》 評価方法 付箋(記録分析) 発言(行動観察) ・学習の振り返りをする。 できあがった新聞は廊下に掲示し、学校公開で保護者に見てもらう。 8 本時の活動(5/10) (1)目標 ・オオゼキで見学したことや調べたことをもとに、記事の下書きを割り付けカードに書く。 (2)展開 具体的な子どもの姿 主な学習活動 指導の手立て (B) 評価方法 1 前時の学習を振り返り、本時のめ ・オオゼキで見学したことを簡単に発表さ あてを知る。 せ、前時の学習を想起させる。 見学メモをもとに、記事の下書きをわりつけカードに書こう。 2「わりつけ」とは何かを知る。 ・割り付けとは、新聞の出来上がりを考え て記事や写真の位置をあらかじめ決め ることであり、新聞を作成するうえでと ても大切なことであると気付かせる。 3 ・見学メモの中から、優先順位をつける。 下書きの段階で、追加・削除は可能である ことを話す。 見学メモの中から、新聞記事に書 きたい内容を選ぶ。 4 見学メモをもとに、記事の下書き ・教師の見学メモ例、割り付けカード例を を割り付けカードに書く。 もとに、見学メモがどう変化したか、割 り付けカードに何を書けばよいかを考 えさせる。 ・下書きのポイントを示す。 ①文章にする。 ②見出しがある。 ③絵や写真を入れるときは、スペース をあける。 5 ・見出しの付け方を教科書で確認させる。 見出しを付ける際には記事を書く前で も後でもよいことを伝える。 ・見たことは赤、聞いたことは黄、調べた ことは緑と、割り付けカードの色を変え て分かりやすくさせる。 ・割り付けカードは、新聞で使う用紙と同 じものをコピーして使い、書くことに慣 れさせる。 ・絵や写真で表したいときには、「○○の 絵(写真)」と書くよう伝える。 ・見学時に使った見学メモをもとにするが 必要に応じて社会の授業で作成した「売 り場ひみつ説明図」、見学時に撮った写 真、オオゼキのちらしを参考にさせる。 ・1枚の割り付けカードに書く時間を、1 0分に指定する。1枚書けた子は、2枚 目、3枚目へと書き進めさせる。 5 割り付けカードに書いた内容を、 ・誤字脱字、見出しと記事の内容が合って 友達と交流する。 いるかなどの視点で交流させ、必要があ れば直させる。 9 板書計画 ・次時は割り付けカードの下書きの続きと 割り付けカードの並べ替えをすること を伝える。 「見てきたことを新聞にまとめよう」 見学メモをもとに、記事の下書きをわ りつけカードに書こう。 見学メモ例 割 り 付 け カ ード 例 記事を書くポイント ①文章にする。 ②見出しがある。 ③絵や写真を入れるときは、スペースをあ ける。 見出しをつけるポイント ①短く正確に。 ②分かりやすく、読みやすい言葉で。 6 わりつけ・・新聞を作るときに、できあがり を考えて、記事の組み方やしゃ しん・さし絵のいちをきめるこ と。 学習の振り返りをする。 見出し・・記事の内ようが一目でわかるよう につけた表題。 6 B:見学メモをもとに、 割り付けカードに記事 の下書きを書いてい る。 《書》 評価方法 割り付けカード (記録分析) 10 参考資料 7
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