漁場を育む森<魚つき林>~森―川―海は一つの生態系

活動紹介
千葉県森林インストラクター会
活動分野
森に親しむ講座
タイトル
漁場を育む森<魚つき林>~森—川—海は一つの生態系
実施日時
実施日時
平成28年6月23日(木)10:00~12:00
実施場所
実施場所
千葉市民会館
受講者
48名
FIC会員他スタッフ
11名
活動の内容
1.森はすべて魚つき
魚つき林がる海域は栄養分に富み、漁介類の増殖を促す。森が豊かであればその養分が川を通
して運ばれ、豊かな海を育む。森がなければ栄養のない痩せた海になる。村上市の三面川タブノ
キ林、真鶴岬の「御林」など、海岸近くの森林に魚が寄りつくことから魚つき保安林として保護さ
れてきたが、沿岸海域のみならず、すべての森林が魚つき林である。
2.森から海への贈り物“フルボ酸鉄”
2.森から海への贈り物“フルボ酸鉄”
北大松永勝彦教授が森と川と漁介類の餌となる植物プランクトンとの因果関係を解明した。海
中の植物プランクトンの成長には、窒素が必須の栄養である。海中では窒素は硝酸塩として溶け
ており、植物プランクトンが細胞膜を通して摂取する際に、硝酸還元酵素として鉄を取り込んで
おかなければならないが、海中の酸化鉄は細胞膜を通過できない。鉄イオンとフルボ酸が結合し
たフルボ酸鉄は細胞膜を通して体内に吸収される。フルボ酸は、鉄を水に溶ける働きをする物質
で、落葉がバクテリアによって分解されるとき、森の腐葉土でつくられる。
3.森—川—海は一つの生態系
3.森—川—海は一つの生態系
植物は、取り巻く環境から無機物を取り入れて有機
物をつくる生産者、自ら有機物を生産できない動物は
生産者に依存する消費者、そして、微生物は生産者・
消費者の廃棄物の分解還元者である。大規模かつ完全
に近いのが、森林の物質循環である。
森林でつくられたフルボ酸鉄は、川で運ばれ海に到
着する。植物プランクトンを増殖、成長させ、海の食
物循環への入口となる。植物プランクトンを食べる動
物プランクトン、さらにそれを食べる小魚、そして頂
上の大型魚へとピラミット型に食物連鎖が続く。森の
生態系は、川を仲人として、海の生態系につながっている。
4.森は海の恋人
宮城県舞根でカキ養殖業を営む畠山重篤
氏は、磯焼の原因が森の荒廃にある気づき、
平成元年牡蠣士仲間と「牡蠣の森を慕う会」
を結成し、大川上流の室根山に広葉樹の森
づくりをはじめた。
その後、平成5年「森は海の恋人」のスロ
ーガンのもと、植樹祭の場所を矢越山に移
し、植樹活動は現在も続いている。
室根特別大祭は 1300 年の歴史を誇る
が、舞根の海の神と室根の森の神を結びつ
ける。畠山氏は、大川流域の小学生を舞根
の海に招き、カキ養殖の体験学習を通じて、
森が植物プランクトンを育む養分を供給し
てくれることを理解させている。
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(作成:湯本信康)ver.2014