(2) 主要産業セクター別の雇用数の推移(KEY EMPLOYMENT SECTORS) ① 製造業(Manufacturing) リバーサイド・サンベルナディーノ郡を除く全郡で製造業の雇用は減少。 (単位:人) 主要地域別 Los Angeles Orange R/SB Ventura San Diego REGION 全体 California Dec 04 478,200 184,300 119,600 38,400 104,100 924,600 Dec 05 473,700 184,000 121,300 37,700 103,800 920,500 (+ or -) -4,500 -300 1,700 -700 -300 -4,100 One Year Change -0.9% -0.2% 1.4% -1.8% -0.3% -0.4% 1,528,600 1,532,400 3,800 0.2% カリフォルニア州における製造業の雇用状況は、芳しくない。カリフォルニア州全体で前年同月比 3,800 人分しか雇用が増加しておらず、極めて好調な米国・加州経済の中、低調振りが際立っている。 特に南加経済圏の製造業における雇用状況は、依然長期低迷状況にあり、前年同月比で 4,100 人 分の雇用が喪失した。雇用が増加したのは、リバーサイド・サンベルナディーノ郡で 1,700 人分増加(1.4 ポイント増)したのみであり、その他の地域における製造業では、全面的に雇用が悪化している。IEEP (Inland Empire Economic Partnership)によれば、リバーサイド・サンベルナディーノ郡の雇用増は、南加経 済圏の沿岸地域に所在していた企業が、同地域の高い産業コストを嫌って内陸のリバーサイド・サンベル ナディーノ郡に移転したことによると思われる。 リバーサイド・サンベルナディーノ地域は未開発の土地が多く残っている一方で、フリーウェイや鉄道に 対するアクセスが良いという特徴がある。これらのインフラは西には全米最大級の南カリフォルニアのマー ケットに、東には米国の他の地域に伸びている。また、生活コスト(特に住宅コスト)や労働力が安く、地域 の行政当局がビジネス・フレンドリーであることで知られている。この地域は現在、住民過多・雇用過少の アンバランスに悩んでおり、行政当局は地域の雇用機会創出のため、企業誘致に熱心に取り組んでいる。 ② 建設業(Construction) 建設業の好調振りは依然変わらず。全郡で大幅に雇用増加。 (単位:人) 主要地域別 Los Angeles Orange R/SB Ventura San Diego REGION 全体 Dec 04 141,000 94,300 115,000 16,700 89,500 456,500 Dec 05 149,100 97,200 120,000 18,600 94,500 479,400 (+ or -) 8,100 2,900 5,000 1,900 5,000 22,900 One Year Change 5.7% 3.1% 4.3% 11.4% 5.6% 5.0% California 863,500 931,500 68,000 7.9% -1- 製造業とは対照的に、建設業は対前年同月比で 22,900 増加(5.0 ポイント増)と南加経済圏全体を 通して、力強い雇用の増加を見せている。これは、南加経済圏全体の住宅用及び商業用の建築市場に おける需要増を反映したものである。 (参考)南加経済圏の製造業と不動産・建設業の雇用の推移の比較 (Southern California Jobs in Manufacturing vs. Real Estate + Construction) Manufacturing RE + Construction 1,200,000 (-17%) 193,500 Jobs 1,000,000 800,000 600,000 +24% 112,900 Jobs 400,000 200,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 加熱する不動産セクターがいかに、南加経済圏の雇用を支えているかを示すものとして、低迷する製 造業の雇用の動向と、堅調な不動産市場に直接的に影響を受ける不動産業(不動産販売及び関連サ ービス)及び建設業における雇用の動向を比較してみる。 製造業は、2000 年から雇用が17%減少(193,500 人分の雇用減少)している一方、不動産業及び 建設業では同期間中に、雇用が24%増加(112,900 人分の雇用増加)している。 ③ 映画・音楽・TV 業界(Movies, Recording and Broadcasting) ケーブルテレビ会社の成長により、テレビ番組製作が増加し、雇用が拡大。 (単位:人) 主要地域別 Los Angeles San Diego REGION 全体 Dec 04 143,600 4,400 148,000 Dec 05 158,000 4,400 162,400 (+ or -) 14,400 0 14,400 One Year Change 10.0% 0.0% 9.7% California 州全体 199,600 212,900 13,300 6.7% 南加経済圏の高給産業である、映画、レコーディング、放送産業においては、雇用が対前年同月比で 9.7%増加(14,400 人分の雇用増)している。この雇用増の主要因としては、テレビ番組制作による需要 の増加が挙げられる。とりわけ、HBO や MTV といった米国のケーブルテレビ局の成長により、これらのケー ブルテレビ局が独自に映画やテレビショーを製作するようになり、これらの撮影活動がロサンゼルス地域で 行われるようになったことが雇用増加の要因に繋がったと考えられる。 -2- ④ レジャー業界(Leisure & Hospitality) 夏のレジャーシーズン後の雇用調整により、雇用は弱含む。 (単位:人) 主要地域別 Los Angeles Orange R/SB Ventura San Diego REGION 全体 Dec 04 372,400 162,600 116,600 28,300 144,600 824,500 Dec 05 383,500 162,800 116,500 28,200 150,100 841,100 (+ or -) 11,100 200 -100 -100 5,500 16,600 One Year Change 3.0% 0.1% -0.1% -0.4% 3.8% 2.0% California 州全体 1,448,600 1,484,000 35,400 2.4% 夏の行楽シーズン後、レジャー業界(ホテル業も含む)の雇用は、ロサンゼルス郡(3.0%増)とサンディ エゴ郡(3.8%増)で引き続き堅調に推移しているものの、その他の地域では弱含んでいる。 (以上、Source: California Employment Development Department) -3-
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