家畜衛生だより 平成25年3月号

家畜衛生だより 平成25年3月号
紀北家畜保健衛生所
紀南家畜保健衛生所
紀南家畜保健衛生所
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東牟婁支所
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刈草給与では毒草の混入に注意しましょう!
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三寒四温。
つぼみがほころび、萌芽の季節が近づいてきました。
暖かくなってくると堤防や草地の刈草を給与する方も多いと思います。
刈草にはビタミンやミネラルが豊富で、飼料費節約の面からも優良な飼料といえます。
ただ、中には次に示すような、牛にとって有毒な植物も生育しており、十分注意が必要です。
【 ワルナスビ 】
茎や葉にとげがあり、40~70cm ほどに
成長します。ワルナスビをはじめとするナス
科植物には、ソラニンなどの有毒物質が
含まれています。痙攣や運動失調などを
引きこすことがあります。
【 ヨウシュヤマゴボウ 】
葉が大きく赤い茎が特徴です。大きい
ものは 2m ほどに成長し、牛に流産・下
痢・嘔吐を引き起こすことがあります。「ゴ
ボウ」とつきますが、人間が食べても有毒
ですので気をつけてください。
【 ワラビ 】
牛が大量に接種すると白血球数および
血小板の減少、貧血、血液凝固不全を
引き起こします。ヒトでは食用になる植物
であっても、毒草になりうる一例です。
【 セイヨウアブラナ 】
アブラナ科植物はカラシ油配糖体を含
み、下痢や消化管粘膜・臓器からの出血
を引き起こします。大量の給与が出血性
腸炎の原因になった例もあります。
これらの他、オナモミやキョウチクトウ、ツツジ科植物なども牛にとって毒草となります。
有毒植物が放牧地に自生していたとしても、一般的には牛が好んで食べることはありません。
ですが、刈草として牧草と一緒に給与してしまったり、牧草の不足により他に食べる草がなかっ
たりしたときには食べてしまうことがありますので、注意が必要です。
また、シロツメクサやレンゲ、カラスノエンドウなどの豆科植物は豊富なタンパク質を含む牧草で
すが、一度に大量に給与すると急性鼓脹症を引き起こすことがあります。
ここで紹介したものは一部に過ぎません。動物衛生研究所の HP にある「写真で見る 家畜の
有毒植物と中毒」のページでは、家畜の有毒植物について数多く紹介されていますので、参考に
してください。 ⇒ http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/plants/
※ 毒草以外にも、刈草のなかにはゴミが混ざっていることがあります。ビニール袋や針金、
犬猫の糞などは、牛の誤食による事故・病気を防ぐためきちんと取り除きましょう。
気になることや不明な点がありましたら、最寄りの家畜保健衛生所までご相談ください。