18歳成人 21年にも ローン契約 提訴可能に 意見公募開始 法務省は1日、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正案を来年の通 常国会に提出する方針を固めた。18、19歳の約200万人が一斉に成人になることに よる支障の有無や周知期間などについて、30日まで郵送や電子メールで国民の意見を募 り、改正案に反映させたい考えだ。 民法で規定した成人年齢の引き下げにより、18、19歳でも親など法定代理人の同意 なしにローンやクレジットカードなどの契約ができるようになる。親権に服さなくなり、 自ら民事訴訟を起こすことも可能だ。 法務省は、改正民法の公布から施行まで3年程度と想定しており、早ければ2021年 1月に18、19歳が新成人となる。意見公募では、周知期間として妥当かどうかを尋ね る。1月1日と4月1日の例を挙げ、施行日をいつにすべきかも問う。 18、19歳の若者が一挙に新成人となれば、成人式の開催など影響は大きい。このた め、施行日に一斉に新成人にしても支障はないかについても意見を募る。施行前に親の同 意なしにローン契約などの法律行為をした場合、遡って有効としないことの是非について も意見公募の対象とした。 一方、飲酒や喫煙、公営ギャンブルの解禁年齢などは別の法律で規定されているため、 今回の意見公募では対象外とした。 民法の成人年齢引き下げを巡っては、09年に法相の諮問機関「法制審議会」が「18 歳に引き下げるのが適当」と答申し、昨年9月には自民党の特命委員会が引き下げるよう 求める提言をまとめていた。 法務省は、今年から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたことから、民法改正 案の提出を急ぐ構えだ。菅官房長官は1日の記者会見で、提出時期について、「早ければ来 年の通常国会は一つの選択肢だ」と述べた。
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