平成25年2月14日:木材会館 第4回「新たな木材利用」事例発表会 木製エクステリアの新たな取組み 独立行政法人森林総合研究所 機能化研究室 木口 実 各国の防腐処理木材生産量(1993) (単位:m3) 80 木製エクステリア市場 2,000 60 1,500 40 現在の5~10倍の潜在性 1,000 20 500 残された最後の大型市場 石田:木材工業,55(11)p578(2000)より作成 フィンランド 日本 スウェーデン 注)アメリカの生産量は14,637x103m3 オーストラリア フランス イギリス ドイツ アメリカ 0 0 一人当たり生産量(x10-3m3) 生産量(x1000m3) 2,500 木製エクステリアの新たな試み 1)木製塀 2)木製ルーバー 3)木製道路施設 (ガードレール、遮音壁など) 4)ビル外装 (景観向上、省エネ効果、ヒートアイランド抑制効果) (5)これからのエクステリア塗装例)時間があれば 1)木製塀 (ブリスベン市、 オーストラリア) (ブラウンシュバイク市、 ドイツ) ブロック塀は地震の際に危険 ブロック塀を生垣への助成 木塀は? 山形県酒田市の木製塀プロジェクト 概要 酒田市には、酒田米穀取引所の倉庫とし て建てられた黒塀の蔵・山居倉庫、黒塀に 紅殻格子という風情のある町屋建築の様 式を今に伝える橋本家(酒蔵上喜元)、多く の小路、神社仏閣などが集中している寺町 などには、湊まちとして栄えた歴史を今に 伝える黒塀が多く存在する。 しかし、現在この黒塀が時代の流れか 徐々に失われつつあり、この失われつつあ る港町酒田の外観を昔の風情ある姿に再 生したいという思いから、地元のNPO 法人 などが発起人となって、黒塀再生事業「酒 田北前黒塀物語」を2010 年12 月に立ち上 げている。 これは、黒塀一枚分・1,000 円の寄附を募 り、その資金を元に市民の手で、既存のブ ロック塀や金網に板を張り巡らすという試 みである。 山居倉庫 (酒田市) 酒田市内の黒塀 木材を活かした塀 ◎正面からは目隠し効果があり、 横からは内部が見える構造が基本 2)木製ルーバー ビアリッツ市のホテル(フランス) 東京都立産業技術研究センター (お台場) 木製ルーバーによる遮光例 (森林総研) 東京農大世田谷キャンパス 老人介護施設(栄白翠園) 浦安市内マンションの 目隠し用ルーバー 木製カーテンウォール (取手市) 日除け (フィンランド森林研究所) ビルディング装飾 (フィンランドマクドナルド本社ビル) 木製ルーバー (加熱処理木材使用) 3)道路付帯施設 (木製ガードレール&遮音壁) 木製ガードレール(宮崎県) 既存ガードレールに 取り付けられた 木製ガードレール (箱根町) 木製ガードレール・道路付帯設備 ベイマツ支柱 (インサイジング後 CCA加圧注入処理) (シアトル) 駐車場ブロック (ラジアータパイン;CCA加圧注入処理) (キャンベラ) アメリカのガードレール支柱 アリゾナ州 木製遮音壁・木製ガードレール例 (長野県) 木製遮音壁(フィンランド) 木口面保護 ・基本的に防腐処理のみ ・塗装無し 防風・防雪壁 山形県庄内地方 もがみ杉 木製吹払柵開発事業 (H15~16) 日本海沿岸地域:吹払柵、吹止柵は冬の生活に不可欠 ・地方の田園風景にマッチした景観が要望 ・間伐材による吹払柵の検討 木製吹払柵の特徴 ・融雪剤、塩害に強い ・優れた美観、質感、再生可能 ・軽く、柔らかく、補修・補強・取替 が容易 ・衝撃エネルギー吸収能力大きい ・地域材の利用可能 4)建築物外装 (オーストラリア) 耐候性・耐久性と共に 難燃性の要求 木材の被覆による省エネ効果及びヒートアイランド対策 屋上木化の一例(森林総研) June 27, 2005 70 60 温度 (℃) 50 デッキ下コンクリート 屋上コンクリート スギ裏面 スギ表面 イペ表面 イペ裏面 40 30 20 10 18:00:00 0:00:00 6:00:00 12:00:00 18:00:00 時刻 0:00:00 6:00:00 デッキ設置による屋上表面温度の変化 森林総研に設置したRC造実験棟 (木材被覆棟と被覆無し棟) (鳴海大典:ヒートアイランド対策効果の見える化、国産材と都市環境シンポジウム(2011.2.23)より)
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