ロシア 紀行(第 2 回)

ロシア
紀行(第 2 回)
ロシアの車事情
意外に多い日本の新車、中古は地方へ
一般社団法人日本・ロシア連邦チュヴァシ
共和国友好協会の田村文彦です。今回はロ
シアの車事情を中心にお話しします。
ロシアへは、中古車のオークション会場が
出来ないかと市場調査で出掛けたのがきっ
かけでした。
当時は、まだまだ、個人間売買ばかりで、
日本のように中古車販売が組織化されてい
ない状態でした。日本も 1965 年前後に各都
道府県別に中古車販売組織が確立されてい
ったので 40 年前の動きが脳裏をかすめま
した。
設しても良い時期に差し掛かっています。
市場は、全ロシア・旧ソ連邦・東ヨーロッ
パ・中央アジア等であり、面白い事業展開
が出来る事でしょう。リンゴも青いうちは
美味しくありませんが、そろそろ赤く熟し
つつあり、食べ頃に差し掛かっています。
ロシアには高速道路は有りませんが、モ
スクワからドイツのベルリンまで、24 時間
で到着しますし、ウラジオストックからモ
スクワ郊外まで、乗用車を 4 台運ぶキャリ
アカー(積載車)が 4.5 日で到着します。
日本人的に考えれば、
「え~っ」と言いたい
のですが、これがロシアの“普通”なので
す。
モスクワの物価は地方より別格の高さ
ロシア全土を三つに分け、フィンランド
国境からウラル山脈までが、1 つのブロッ
クで、全国土の約 30%を占め、人口は 70%
が集中しています。資産家もモスクワに集
中しています。モスクワには情報が集積し
ているので、現住所をモスクワへ置き、地
方で活躍している方々と良くお会いします。
日本も東京に情報が集まっていますが、そ
れ以上です。モスクワの物価は、地方とは
別格の高さで、同じロシア人でも、モスク
ワには、そこそこの収入のベースがないと
住めないでしょう。
トヴェルスカヤ広場
首都モスクワに足を踏み入れるとわかり
ますが、平日は片道 3 車線の道路がどこも
渋滞で、時間を約束してもその時間に到着
出来ない事が多く悩みの種です。走行中の
車は、
ロシア側から見ると 90%が外車です。
その外車の半分弱が左ハンドルの日本車で
す。その日本車も新車から 3 年以内の車ば
かりで、レクサスのマークが良く目に飛び
込んできます。
新車に乗り換える人は多いのですが、今
まで乗ってきた車は、ほとんどが地方へ流
れて行くので、必然と新車が目立つ訳です。
日本でも 1965 年以降、東京から地方へ中古
車が流れて行った光景と同じようなものと
考えて頂くと解りやすいかもしれません。
中古車オークション会場開設の期熟す
日本の右ハンドルを意識しなければ、モ
スクワ郊外で中古車オークション会場を開
トヴェルスカヤ通り
ウラル山脈から日本海沿岸地域までが2
つのブロックで占められ、全国土の約 70%
を占めますが、人口は 30%で推移していま
す。
ウラジオストックは「アジア圏」
2005 年にウラジオストックを訪問した時、
日本の右ハンドルの中古車がウラジオスト
ック港に陸揚げされているところを見てい
ましたが、小高い山の頂上まで、日本の中
古車が溢れていました。その光景を見る限
り、ロシアではなく、日本のどこかの地域
としか言いようがない気分になります。
号機が見当たりません。どうやって交差点
を通過して行くのだろうと観察していると、
暗黙のルールが有あり、互いのドライバー
が相手の目を見て合図をするのでしょう。
多少の減速や一旦停止はあるものの、スム
ーズに通過しています。日本人では頭に血
が上って無理でしょう。
ウラジオストックの公的機関が集中する通り
ウラジオストックは、言うまでもなくアジ
アであり、日本海を囲む地域と言う認識の
方が正解でしょう。ウラジオストック市内
を走る車の 95%以上が右ハンドルの日本車
です。90 年代は、日本に入港する貨物船の
船員が 5 万円以下の中古車を購入し、貨物
船に溢れんばかりに積み込み、持ち帰って
いた時代から約 20 年の月日が経過し、日本
の中古車オークションで高級中古車を競り
落としロシアへ持ち帰る時代まで、慌ただ
しく時代は変化して行きました。
現在はロシア政府が内需拡大のテコ入れ
のため日本車の輸入関税が大幅に引き上げ
られており、ウラジオストックで自動車関
連の仕事を持ったロシア人はダメージを受
け、転職を余儀なくさせられています。関
税引き上げから約 2 年が経過し、それぞれ
の道へ進んでいる事でしょう。
日本から輸出された中古車の展示場
田村文彦氏のプロフィール
1940 年 11 月 3 日大阪府生まれ、
早稲田大学第二政経学部卒。
現在、株式会社ユー・エス・エス(東証
1 部上場)代表取締役副会長、一般社団法
人日本・ロシア連邦チュヴァシ共和国友好
トヨタ筆頭に自動車各社が進出
その一方、サンクトペテルブルグにはト
ヨタ工場があり、ロシア製のトヨタのマー
クを付けた自動車が生産されているのも見
逃せません。
この工場で 1 号車が生産されて約 3 年を
迎えようとしています。すでに日産・スズ
キ・三菱が追従しています。輸出企業及び
関連企業は、円高ドル安の悪影響を受けて
いますが、今後は体力のある製造業の多く
が、海外シフトを余儀なくさせられていま
す。営利を求める企業である以上、多国籍
化した企業として自然の流れと思われます。
余談ですが、ウラジオストック中心部は
もちろん、車の洪水ですが、各交差点に信
協会会長、一般財団法人美しい日本創造機
構会長
一般社団法人
日本・ロシア連邦チュヴァシ共和国友好協会
〒812-0872 福岡市博多区春町 3 丁目 5 番 18 号
TEL 092-502-3753
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