バスケットボールにおけるディフェンスに関する研究 -ディレクションに着目して- 若井 一毅(競技スポーツ学科 コーチングコース) 指導教員 佐々木直基 キーワード:バスケットボール ディフェンス ディレクション 1.緒言 バスケットボールの 1 対 1 の局面では、オフェ ンスのドリブルの進行方向を限定させるディレク ションを意識するのが一般的である。 しかしディレクションの理論は頭で理解できて からディフェンス側の対策を示した。 3.結果と考察 ①トップでのディフェンスの対策 トップでは簡単に抜かれないように距離をとり, ヘルプ&ローテーションが有効であると考えられ も試合中という速い展開の中で完璧に表現するこ る。 とは難しい。そのため1対1の局面では制限した ②45 度でのディフェンスの対策 方向とは反対にディフェンス側が抜かれることも 45 度ではディレクションを守ることにより,オ 少なくない。 著者は自らがプレーを経験する中で、 フェンスに苦しいシュートを打たせていたことが 1 対1を行う場所によって抜かれやすさや得点さ 分かった。そのためディレクションを徹底し,ド れやすさといったものに違いがあるのではないか リブルをさせること。カバーはドリブルが開始さ と感じていた。先行研究では、ディレクションの れたら自ら向かえに行き,ゴールから遠い位置で 方法やシステムなどの紹介は様々あるが、場所を とめるようにし,ヘルプ&ローテーションによっ 特定して、 その対策まで示されているものはない。 てディフェンスを行うことが有効と考えられた。 そこで本研究では、オフェンス側がドリブルす ③0 度でのディフェンスの対策 る場所によってディフェンス側がディレクション 0 度はサイドライン,エンドラインを使うこと と反対に抜かれる場面や得点される場面に違いが により,カバーを使うことなく止められる可能性 あるかについての調査を行い、より強力なディフ がある。 ェンスを作り出すための方策を明らかにすること 4.まとめ を目的とした。 各ポジションによってディフェンス方法を変更 2.研究方法 することが有効と考えられた。また適切なポジシ 【研究対象及び研究方法】 ョンを取るというボール非保持者のディフェンス 本研究は本学男子バスケットボール部の201 の個人戦術の重要性が明らかになった。 1年度関西学生バスケットボールリーグ戦全10 参考文献 試合を対象とし,ビデオ分析によりデータを集計 (1)倉石平(1996)倉石平のディフェンシブバ した。 スケットボールp11.12.18.19 【研究内容】 (2)大高敏弘 吉井健司 内山治樹(2007)バス オフェンスの位置をトップ、45度、0度と大 ケットボールのハーフコート・オフェンスにおけ きく三か所に分類し、どの場所からのドライブが る戦術について 29:1-11 最もシュートまで到達しているかまた最もシュー (3)吉井四郎(1986)バスケットボール指導全 トまで到達できていないかを割り出し,その特徴 書1p16.220.320
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