冷たい飲み物が美味しい季節になりましたね。今月もこころの通信をお届けします。 パニック障害~急にドキドキする時は パニック・・・一般語でもありますが、普段どんなに冷静な人でも、思いがけない衝撃的な事に 出くわすと、冷静さは失われて、しどろもどろになって、じたばたと右往左往してしまうこと はあるものですね。その時自分がとった行動を後からよく思い出せず、人から聞いてもピンと こないなんてこともあったりします。 このような状態の時、人の身体にはどのような変化があるでしょう。心臓が高鳴っていたり、 呼吸が速くなっていたり、手が震えていたり・・・。これは危険を察知した時の正常な自律神経の 反応といえます。これから起こりうることに対して瞬時に心身が動けるように準備をしている わけです。 ところが危険があるわけでもないのに、脳が誤作動をしてしまい「警報」を鳴らしてしまう という症状があり、これを「パニック発作」と呼んでいます。 「発作」ですから症状は前触れな く突然に出現します。具体的には激しい動悸や息切れ、めまい、発汗などが一気に短時間(一 般に 10 分以内)で起こります。あまりに急で激しい症状なので「このまま死んでしまうので はないか、気がおかしくなってしまうのではないか」という強い恐怖にも襲われます。 さて、パニック障害という疾患についてですが、 「パニック発作が起こる病気」=「パニック 障害」と誤解されがちですが、実はそうではありません。パニック障害とは、いつ起こるとも 分からないパニック発作に対して不安を抱き、その人の社会生活にも支障を生じる状態をいい ます。この疾患名は比較的新しいのですが、以前は心臓神経症、不安神経症、自律神経失調症 などと呼ばれていました。 いつ発作が起こるか分からない、この不安が様々な不安を呼んでしまうことがあります。 「予 期不安」といいますが、発作が起きたらどこに逃げ込もう、まわりに大勢の人がいたらどんな 騒ぎになるだろう・・・。発作が起こる前から些細な危険を察知し「警報」を出しやすい状態を準 備してしまうのです。こうして生活をしているうちに、回避的になり、外出したくなくなった り、精神的なエネルギーが低下した状態になってしまうこともあります。うつ状態の併発です。 さて、こうなってしまう前に早期に対処することでほとんどの方が改善に向かい ます。まずパニック発作が起きた時に考えていただきたいのが「パニック発作で死 ぬことはない」ということです。しかも発作なのでほとんど 30 分以内にはおさま るため、 「上手にやり過ごす」ことが大切な姿勢です。ご自身でも可能ですが、カウ ンセリングで具体的対処法のサポートを受けるとより効果的でしょう。 パニック発作の原因はまだすべて解明はされていませんが、 「警報」の誤作動を 起こす脳内の部位に対していくつかの薬が大変有効です。早期治療により行動範囲 が狭くならず、うつ状態の併発の予防も可能となります。お心当たりがありましたら、 産業医や専門医に相談してみましょう。 「ヘルプ」と言うのも能力のひとつ 自分の力だけでは解決できない問題や悩みを抱え、ストレスを感じている時、誰かに助けを求める、 支援してもらうというのは積極的なストレス対処法であることをご存知ですか。 一般的には、援助を求めることは消極的だと考えられ、また最近の成果主義の下では「ヘルプ」という行動は能力が ない証拠だとか、弱みを見せることだと信じられていることが多く、なかなか「ヘルプ」と言えない風潮です。 しかし、援助を求めながら問題解決をしていこう、というのは「援助希求行動」といって、積極的ストレス対処行動のひ とつであり、その能力は「援助希求能力」と呼ばれています。きちんと「ヘルプ」と言うことは大事な能力のひとつなの ですね。誰かに援助を求めることは、単に問題を丸投げすることではなく、自分のできること、できないことを明確に し、問題や課題を整理するプロセス、と言えるかもしれません。 ところで、援助や支援を求める(サポートを得る)には誰に(どこに)アクセスすればいいのでしょう?職場の上司、先 輩、同僚、学生時代の友人、趣味やサークルの仲間等はサポーターとなる可能性があります。もちろん家族、親類は 重要なサポーターです。また、人間関係のネットワーク以外にも、公共の施設や制度、職場の福利厚生、当サービス のような相談窓口の利用などの社会資源もあります。 サポートとは、問題解決の直接的な助言や情報提供だけでなく、悩みを聞いてもらう、 気持ちを共有し励ましてもらうなど精神的な支援も含みます。 あなたの周りにはどんなサポート資源がありますか?適切にサポートを得る ことで、ストレスから身を守り、ストレスと上手につきあってゆきたいですね! 下記の電話相談、メール相談もお気軽にご利用ください。 医)社団弘冨会 神田東クリニックのご紹介 住 所: 東京都千代田区神田須田町 1-7 神田セントラルビル A 棟7F 受付時間: 月~金 12:00~20:00 土曜日 9:00~12:00 日曜日・祝日 休診 予約受付電話番号: 03-5298-3322 * 予約制ですので、必ずお電話でご予約下さい ホームページ: http://www.iomhj.com/
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